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環の圏

索引 環の圏

数学の特に圏論における(単位的・結合)環の圏(かんのけん、category of rings) は、すべての(単位元持つ)環を対象とし、すべての(単位元を保つ)環準同型を射とする圏である。他の多くの例と同じく、環の圏は大きい(すなわち、すべての環の成す類は集合でない真の類である)。

目次

  1. 85 関係: 加法群単射単射的対象単位的環単項イデアル環反対圏可逆元可換体可換環可換環論同型写像合同関係多項式環始対象と終対象完備圏射 (圏論)射影線型群射影極限一般線型群交換子互いに素 (整数論)代数のテンソル積引き戻し (圏論)体の拡大余積余等化子圏 (数学)圏同値圏論モノイドモノイド対象モノイド圏モノイド環モニック射テンソル代数アーベル群アーベル群の圏イデアル (環論)エピ射クラス (集合論)スキーム (数学)写像全単射全射前加法圏剰余環剰余類環積 (圏論)等化子素数... インデックスを展開 (35 もっと) »

  2. 圏 (数学)

加法群

加法群 (additive group) は群演算をある意味で加法と考えることのできる群である。加法群は通常アーベル群であり、その二項演算を記号 + を使って書くのが一般的である。 この用語は複数の演算をもった構造で他の演算を忘れることによって得られる構造を明示するために広く使われる。例えば、整数全体、ベクトル空間、環の加法群。これは環と体で可逆元全体からなる乗法群を加法群と区別するために特に有用である。

見る 環の圏と加法群

単射

数学において、単射(たんしゃ、injection, injective mapping)とは、相異なる元の値が相異なる写像のことをいう。一対一写像(いったいいちしゃぞう、one-to-one mapping)ということもある(紛らわしいが、これは全単射を意味する一対一対応とは異なる)。

見る 環の圏と単射

単射的対象

数学,特に圏論において,単射的対象(たんしゃてきたいしょう,injective object, あるいは移入的対象,入射的対象)の概念は単射的加群の概念の一般化である.この概念はホモトピー論とモデル圏の理論において重要である.双対概念は射影的対象である.。

見る 環の圏と単射的対象

単位的環

数学、特に環論における単位的環(たんいてきかん、unital/unitary ring)、単位環(たんいかん、unit ring)あるいは単位元を持つ環 (ring with unit/unity/identity) とは環論において、環 の "unit"(単元)は、単位元 1 に限らず、その環 R において乗法逆元を持つ元(可逆元)を総した呼称である。しかし、可逆性は単位元の存在なしには定義できないし、単位元は必ず単元であるので、何らかの単元を持つ環は必ず単位的環となって、"ring with (a) unit" という呼称は図らずも齟齬をきたさない。、乗法単位元を持つ環のことである。

見る 環の圏と単位的環

単項イデアル環

数学において、単項右(左)イデアル環、主右(左)イデアル環 (principal right (left) ideal ring) は環 R であってすべての右(左)イデアルがある x ∈ R に対して xR (Rx) の形であるようなものである。(1つの元で生成されたこの形の右と左のイデアルは単項イデアルである。)これが左と右のイデアル両方に対して満たされるとき、例えば R が可換環のような場合、R を単項イデアル環、主イデアル環 (principal ideal ring) あるいはシンプルに 単項環、主環 (principal ring) と呼ぶことができる。 R の有限生成右イデアルだけが単項であるならば、R は右ベズー環 (right Bézout ring) と呼ばれる。左ベズー環は同様に定義される。これらの条件は整域 (domain) においてベズー整域として研究される。

見る 環の圏と単項イデアル環

反対圏

圏論という数学の分野において,与えられた圏 の反対圏(はんたいけん,opposite category),逆圏(ぎゃくけん)あるいは双対圏(そうついけん,dual category) は射を逆にする,つまり,各射の始域と終域を交換することによって作られる.逆にする操作を2回やるともとの圏になるので,逆圏の逆圏はもとの圏自身である.記号で書けば,(C^)^。

見る 環の圏と反対圏

可逆元

数学、とくに代数学における可逆元(かぎゃくげん、invertible element)または単元(たんげん、unit)とは、一般に代数系の乗法と呼ばれる二項演算に対する逆元を持つ元のことをいう。

見る 環の圏と可逆元

可換体

抽象代数学において可換体(かかんたい、corps commutatif)あるいは単に体(たい、field)本記事において単に体と言った場合「可換」体を意味するものとする。とは、零でない可換可除環、あるいは同じことだが非零元全体が乗法の下で可換群をなすような環のことである。そのようなものとして体は、適当なアーベル群の公理と分配則を満たすような加法、減法、乗法、除法の概念を備えた代数的構造である。最もよく使われる体は、実数体、複素数体、有理数体であるが、他にも有限体、関数の体、代数体、''p'' 進数体などがある。 任意の体は、線型代数の標準的かつ一般的な対象であるベクトル空間のスカラーとして使うことができる。(ガロア理論を含む)体拡大の理論は、ある体に係数を持つ多項式の根に関係する。他の結果として、この理論により、古典的な問題である定規とコンパスを用いたや円積問題が不可能であることの証明や五次方程式が代数的に解けないというアーベル-ルフィニの定理の証明が得られる。現代数学において、体論は数論や代数幾何において必要不可欠な役割を果たしている。

見る 環の圏と可換体

可換環

数学、特に抽象代数学の一分野である環論における可換環(かかんかん、commutative ring)は、その乗法が可換であるような環をいう。可換環の研究は可換環論あるいは可換代数学と呼ばれる。 いくつか特定の種類の可換環は以下のようなクラスの包含関係にある。

見る 環の圏と可換環

可換環論

可換環論(かかんかんろん、英語:commutative algebra、commutative ring theory)は、その乗法が可換であるような環(これを可換環という)に関する理論の体系のこと、およびその研究を行う数学の一分野のことである。

見る 環の圏と可換環論

同型写像

あるいは単に同型とは、数学において準同型写像あるいは射であって、逆射を持つものである逆関数ではない。

見る 環の圏と同型写像

合同関係

抽象代数学において、合同関係 (congruence relation)(あるいは単に合同 (congruence))は(群、環、あるいはベクトル空間のような)代数的構造上の、その構造と協調的な同値関係である。すべての合同関係は対応する構造を持ち、その元はその関係の同値類(あるいは合同類 (congruence class))である。

見る 環の圏と合同関係

多項式環

数学、殊に抽象代数学における多項式環(たこうしきかん、polynomial ring)は環に係数を持つ一変数または多変数の多項式の全体の集合が成す環である。多項式環はヒルベルトの基底定理や分解体の構成、線型作用素の理解など数学のかなり広い分野に影響をもつ概念である。セール予想のような多くの重要な予想が、他の環の研究に影響をもち群環や形式冪級数環のようなほかの環の定義にさえ影響を及ぼしている。

見る 環の圏と多項式環

始対象と終対象

数学の抽象的な分野である圏論において、圏 の始対象(したいしょう、initial object, coterminal object)とは、 の任意の対象 に対してちょうど一つの射 が存在するような の対象 のことを指す。圏 の終対象(しゅうたいしょう、final object, terminal object)とは、始対象の双対概念であり、 の任意の対象 に対してちょうど一つの射 が存在するような の対象 のことを指す。 始対象でも終対象でもあるような対象は零対象(れいたいしょう、ゼロたいしょう、zero object, null object)と呼ばれる。点付き圏 とは零対象を持つ圏を言う。

見る 環の圏と始対象と終対象

完備圏

数学では、完備圏とは任意の小さな極限が存在する圏である。つまり、すべての図式F : J → C ( Jは小さい)において、Cの極限がある場合、圏Cを完備と呼ぶ。これの双対概念として、 余完備圏とは、任意の小さな余極限が存在する圏である。双完備圏とは、完備と余完備の両方の性質を持った圏である。 Category:極限 (圏論) Category:数学に関する記事。

見る 環の圏と完備圏

射 (圏論)

数学の多くの分野において、型射あるいは射(しゃ、morphism; モルフィズム)は、ある数学的構造を持つ数学的対象から別の数学的対象への「構造を保つ」写像の意味で用いられる(準同型)。この意味での射の概念は現代的な数学のあらゆる場所で繰り返し生じてくる。例えば集合論における射は写像であり、線型代数学における線型写像、群論における群準同型、位相空間論における連続写像、… といったようなものなどがそうである。 圏論における射はこのような概念を広く推し進め、しかしより抽象的に扱うものである。考える数学的対象は集合である必要はないし、それらの間の関係性である射は写像よりももっと一般の何ものかでありうる。

見る 環の圏と射 (圏論)

射影線型群

数学における射影線型群(しゃえいせんけいぐん、projective linear group)あるいは射影一般線型群(しゃえいいっぱんせんけいぐん、projective general linear group)とは一般線型群の中心による剰余群のことである。 同様に、射影特殊線型群(しゃえいとくしゅせんけいぐん、projective special linear group)とは特殊線型群の中心による剰余群のことである。 有限体上の射影特殊線型群はほとんどの場合に非可換有限単純群となる。 これらの群は射影空間に忠実に作用する。

見る 環の圏と射影線型群

射影極限

数学における逆極限(ぎゃくきょくげん、inverse limit)あるいは射影極限(しゃえいきょくげん、projective limit)は、正確な言い方ではないが、いくつかの関連する対象を「貼合せる」ような構成法であり、貼合せの具体的な方法は対象の間の射によって決められている。逆極限は任意の圏において考えることができる。

見る 環の圏と射影極限

一般線型群

数学において、一般線型群(いっぱんせんけいぐん、general linear group)とは線型空間上の自己同型写像のなす群のこと。あるいは基底を固定することで、正則行列のなす群のことを指すこともある。

見る 環の圏と一般線型群

交換子

数学における交換子(こうかんし、commutator)は、二項演算がどの程度可換性からかけ離れているかを測る指標の役割を果たすものである。考えている代数構造により定義が異なる。物理学、特に量子力学における交換子の役割については、交換関係 (量子力学)の項を参照。

見る 環の圏と交換子

互いに素 (整数論)

二つの整数 が互いに素(たがいにそ、coprime, relatively prime, prime to)であるとは、 を共に割り切る正の整数が のみであることをいう。このことは の最大公約数 が であることと同値である。 が互いに素であることを、記号で と表すこともある。なお、「互いに素」を意味する英単語には と があるが、 は整数について「互いに素」「共通点を持たない」という意味で使用される。

見る 環の圏と互いに素 (整数論)

代数のテンソル積

数学において、二つの R-代数(多元環)のテンソル積には再び -代数の構造を入れることができ、代数のテンソル積 (tensor product of algebras) あるいはテンソル積多元環と呼ばれる対象が得られる。任意の環は -代数と見ることができるから、 と取った特別の場合として環のテンソル積 (tensor product of rings) が定まる。

見る 環の圏と代数のテンソル積

引き戻し (圏論)

圏論という数学の分野において,引き戻し(ひきもどし,pullback),あるいはファイバー積 (fiber/fibre/fibered product),デカルトの四角形 (Cartesian square) とは,共通の終域を持つ2つの射, からなる図式の極限である.引き戻しはしばしば と書かれ,2つの自然な射, を備えている.2つの射の引き戻しが存在するとは限らないが,存在すれば2つの射から本質的に一意に定義される.多くの状況において, は,元 と の対 であって なるものからなるものと直観的に考えることができる.一般の定義には普遍性が用いられ,このことを本質的な理由として,引き戻しは2つの与えられた射を可換四角形に適合させる「最も一般の」方法である. 引き戻しの双対概念は (pushout) である.。

見る 環の圏と引き戻し (圏論)

体の拡大

抽象代数学のとくに体論において体の拡大(たいのかくだい、field extension)は、体の構造や性質を記述する基本的な道具立ての一つである。 体の拡大の理論において、通常は非可換な体を含む場合を扱わない(そのようなものは代数的数論に近い非可換環論あるいは多元環論の範疇に属す)。ただし、非可換体(あるいはもっと一般の環)の部分集合が、非可換体の演算をその部分集合へ制限して得られる演算により、その非可換体を上にある体として(可換な)体構造をもつとき、元の非可換体の(可換)部分体と呼び、元の非可換体を(非可換)拡大体と呼ぶことがある。 以下本項では特に断りの無い限り、体として可換体のみを扱い、単に体と呼称する。

見る 環の圏と体の拡大

余積

圏論において、余積(よせき、双対積、双対直積、coproduct)あるいは圏論的和(わ、直和、sum, direct sum)は、集合の直和、位相空間の直和、群の自由積、加群やベクトル空間の直和などを例として含む圏論的構成である。対象の族の余積は本質的に、族の各対象がそこへの射をもつような「最も固有的でない (least specific)」対象である。それは圏論的(直)積の圏論的双対概念であり、これは定義がすべての矢印を逆にすることを除けば積と同じであることを意味する。名前と表記の一見無害な変化にもかかわらず、余積は積と劇的に異なり得るし、典型的にはそうなる。

見る 環の圏と余積

余等化子

圏論における余等化子(よとうかし、coequalizer, coequaliser)は同値関係による商の、任意の圏における対象に対する一般化である。余等化子は等化子の双対となる圏論的構成である。

見る 環の圏と余等化子

圏 (数学)

数学の一分野である圏論において中核的な概念を成す圏(けん、category)は、数学的構造を取り扱うための枠組みであり、数学的対象をあらわす対象とそれらの間の関係を表す射の集まりによって与えられる。圏はそれ自体、群に類似した代数的構造として理解することができる。 二つの圏が等しいとは、それらの対象の集まりが等しく、かつそれら対象の間の射の集まりが等しく、さらにそれら射の対の結合の仕方が相等となることを言う。圏論の目的に照らせば、圏がまったく相等しいことは非常に強すぎる条件であり(それよりも緩いでさえ強すぎる)、圏同値がしばしば考慮される(二つの圏が同値であるとは、大まかに言えば圏の相等において等式で与えられる関係を、それぞれの圏における同型で置き換えたものとして与えられる)。

見る 環の圏と圏 (数学)

圏同値

数学、とりわけ圏論において、圏同値(けんどうち、equivalence of categories)とはふたつの圏が「本質的には同じである」という関係のことをいう。 多くの分野で圏同値の例がある。 圏同値を示すことで、対象になっている数学的な構造の間に強い相関関係があることがわかる。 場合によっては、その構造は表面的には無関係に見えるので、圏同値は有用である; つまりある定理を異なる数学的構造の定理に「翻訳」できることがある。 もしある圏が別の圏の双対圏と圏同値ならば、ふたつの圏は双対同値と言い、圏双対について論じることができる。 圏同値は圏の間の「可逆な」関手から成る。 しかしながら代数的な設定の下における同型とは異なり、関手とその「逆関手」の合成が恒等写像である必要はない。

見る 環の圏と圏同値

圏論

圏論(けんろん、)は、数学的構造とその間の関係を抽象的に扱う数学理論の 1 つである。サミュエル・アイレンベルグ と ソーンダース・マックレーンとによって代数的位相幾何学の基本的仕事の中で20世紀中ごろに導入された。圏論において考察の対象となる圏は対象とその間の射からなる構造であり、集合とその間の写像、あるいは要素とその間の関係(順序など)が例として挙げられる。 数学の多くの分野、また計算機科学や数理物理学のいくつかの分野で導入される一連の対象は、しばしば適当な圏の対象たちだと考えることができる。圏論的な定式化によって同種のほかの対象たちとの、内部の構造に言及しないような形式的な関係性や、別の種類の数学的な対象への関連づけなどが統一的に記述される。

見る 環の圏と圏論

モノイド

数学、とくに抽象代数学における単系(たんけい、monoid; モノイド)はひとつの二項演算と単位元をもつ代数的構造である。モノイドは単位元をもつ半群(単位的半群)であるので、半群論の研究対象の範疇に属する。 モノイドの概念は数学のさまざまな分野に現れる。たとえば、モノイドはそれ自身が「ただひとつの対象をもつ圏」と見ることができ、したがって「集合上の写像とその合成」といった概念を捉えたものと考えることもできる。モノイドの概念は計算機科学の分野でも、その基礎付けや実用プログラミングの両面で広く用いられる。 モノイドの歴史や、モノイドに一般的な性質を付加した議論などは半群の項に譲る。

見る 環の圏とモノイド

モノイド対象

圏論において、モノイド対象(モノイドたいしょう、monoid object) は、モノイド圏 が与えられたとき、 の対象 および二つの射(乗法: および単位射: の組を言う。ただし二つの射はそれぞれ、五角形図式 積の結合律 および単位子図式 単位律 を可換にするものでなければならない。上記の図式に現れる記号について、 はモノイド圏 の に対する(自然同型を除く)単位元であり、三つの射 はそれぞれ における(自然同型を除く)結合律、左単位律、右単位律を与える射である。 モノイド圏 におけるモノイド対象のことを、単にその圏の(内部)モノイドとも呼ぶ。これと双対的に、モノイド圏 の余モノイド対象 (comonoid) は双対圏 のモノイド対象を言う。

見る 環の圏とモノイド対象

モノイド圏

数学におけるモノイド圏(モノイドけん、monoidal category; モノイド的圏、モノイダル圏)あるいはテンソル圏(テンソルけん、tensor category)は、(自然同型の違いを除いて結合的な と、 について(再び自然同型の違いを除いて)左および右単位元となる対象 を備えた圏 である。この圏における自然同型は、関連する全ての図式を可換にすることを保証した(一貫性条件、整合条件)に従わなければならない。したがって、モノイド圏は抽象代数におけるモノイドの圏論的な緩い類似物である。 ベクトル空間、アーベル群、-加群、-多元環などの間に定義される通常のテンソル積は、それぞれの概念に付随する圏にモノイド構造を与える。ゆえにモノイド圏をこれら、あるいは他の例の一般化として見ることもできる。

見る 環の圏とモノイド圏

モノイド環

抽象代数学におけるモノイド環(モノイドかん、monoid ring)あるいはモノイド多元環(モノイドたげんかん、monoid algebra; モノイド代数)は、(単位的)環とモノイドから構成される単位的多元環で、多項式環の概念を一般化するものである。 実際、環 上の一変数多項式環 は と( を含む)自然数全体の成す(加法的)モノイド (あるいは適当な不定元 を用いて乗法的に書いた可換モノイド )から得られるモノイド環 であり、同様に(加法)モノイド は -変数の多項式環 を与える。 与えられたモノイドがさらに群を成すとき、得られるモノイド環は群環と呼ばれる。

見る 環の圏とモノイド環

モニック射

圏論においてモニック射(monic morphism)、モノ射(monomorphism)あるいは単射とは、左簡約可能(left cancelable)な射を言う。 から へのモニック射は と表記される。 これは集合間の写像の意味での単射の抽象化であり、射が写像であり集合論的な意味での単射であれば圏論的な意味でのモニック射であるが、逆は必ずしも成り立たない。しかしながら、集合の圏や群の圏、環上の加群の圏、位相空間の圏などでは、モニック射は集合論の意味での単射である。 モニック射の圏論的双対はエピ射であり、圏 C のモニック射は逆圏 Cop のエピ射に対応する。すべてのセクション(section)はモニック射であり、すべての制限射(retraction)はエピ射である。

見る 環の圏とモニック射

テンソル代数

数学におけるベクトル空間 上のテンソル代数(テンソルだいすう、tensor algebra) または は 上の任意階のテンソル全体がテンソル積を乗法として成す体上の多元環である。これは多元環をベクトル空間とみなすの左随伴となるという意味において 上の自由多元環、すなわち普遍性を満たすという意味で を含む多元環として「最も一般」のものである。 テンソル代数はまた二種類の余代数構造を持つ。一つは簡素で双代数を定めないが、もう一つはより複雑なもので双代数を導き、さらに対蹠射を以ってホップ代数へ拡張することができる。; 注意: 本項において多元環(代数)は単位的かつ結合的なものと仮定する。

見る 環の圏とテンソル代数

アーベル群

数学、とくに抽象代数学におけるアーベル群(アーベルぐん、abelian group)または可換群(かかんぐん、commutative group)は、群演算が可換な群、すなわちどの二つの元の積も掛ける順番に依らず定まる群を言う。名称は、ノルウェーの数学者ニールス・アーベルに因む。 アーベル群は環や体、環上の加群やベクトル空間といった抽象代数学の概念において、その基礎となる加法に関する群(加法群)としてしばしば生じる。任意の抽象アーベル群についても、しばしば加法的な記法(例えば群演算は "+" を用いて表され、逆元は負符号を元の前に付けることで表す)が用いられ、その場合に用語の濫用で「加法群」と呼ばれることがある。また任意のアーベル群は整数全体の成す環 上の加群とみることができ、その意味でやはり用語の濫用だがアーベル群のことを「加群」と呼ぶこともある。

見る 環の圏とアーベル群

アーベル群の圏

数学の一分野である圏論におけるアーベル群の圏(あーべるぐんのけん、category of abelian groups) は、アーベル群を対象とし群準同型を射とする圏である。アーベル群の圏はアーベル圏の原型であり、実際に任意の小さいアーベル圏は に埋め込める。

見る 環の圏とアーベル群の圏

イデアル (環論)

抽象代数学の分野である環論におけるイデアル(ideal, Ideal)は環の特別な部分集合である。整数全体の成す環における、偶数全体の成す集合や の倍数全体の成す集合などの持つ性質を一般化したもので、その部分集合に属する任意の元の和と差に関して閉じていて、なおかつ環の任意の元を掛けることについても閉じている空でない部分集合をイデアルという。 整数の場合であれば、イデアルと非負整数とは一対一に対応する。即ち整数環 の任意のイデアルは、それぞれただ一つの整数の倍数すべてからなる主イデアルになる。しかしそれ以外の一般の環においてはイデアルと環の元とは全く異なるものを指しうるもので、整数のある種の性質を一般の環に対して一般化する際に、環の元を考えるよりもそのイデアルを考えるほうが自然であるということがある。例えば、環の素イデアルは素数の環における対応物であり、中国の剰余定理もイデアルに対するものに一般化することができる。

見る 環の圏とイデアル (環論)

エピ射

圏論において、エピ射(epimorphism)、エピック射 (epic morphism)、あるいは全射 とは、右簡約可能(right cancelable)な射のことを言う。 から へのエピ射は と表記される。 これは集合間の写像の意味での全射の抽象化であり、射が写像であり集合論的ないみで全射であれば圏論的な意味でエピ射であるが、逆は必ずしも成り立たない。例えば可換環の圏における整数環から有理数体への包含写像 が反例となる。しかしながら、集合の圏や群の圏、環上の加群の圏などでは、圏論の意味での全射は集合論の意味での全射と一致する。

見る 環の圏とエピ射

クラス (集合論)

集合論及びその応用としての数学におけるクラスまたは類(るい、class)は、集合(または、しばしば別の数学的対象)の集まりで、それに属する全ての元が共通にもつ性質によって紛れなく定義されるものである。「クラス」の正確な定義は、議論の基礎となる文脈に依存する。例えば、ツェルメロ=フレンケル集合論 (ZF) ではクラスは厳密には存在しないが、他の集合論(たとえば、フォン・ノイマン=ベルナイス=ゲーデル集合論 (NBG))では、「クラス」の概念は公理化されている(NBG の例だと、別の量 (entity) の要素にならないような量としてクラスが定義される)。 (どのような定式化を選んだとしても)「全ての集合の集まり」はクラスである。(ZF では厳密な言い方ではないが)このクラスだが集合でないようなものは真のクラス (proper class) と呼ばれ、集合となるようなクラス(つまり集合)は小さいクラス (small class) とも呼ばれる。例えば、全ての順序数からなるクラスや全ての集合からなるクラスは、多くの形式体系において真のクラスである。

見る 環の圏とクラス (集合論)

スキーム (数学)

数学におけるスキーム(あるいは概型) (scheme) とは、可換環に対して双対的に構成される局所環付き空間である。二十世紀半ばにアレクサンドル・グロタンディークによって導入され、以降の代数幾何学において任意標数の代数多様体を包摂し、係数の拡大や図形の「連続的」な変形を統一的に取り扱えるような図形の概念として取り扱われている。さらに、今まで純代数的な対象として研究されてきた環についてもそのアフィンスキームを考えることである種の幾何的対象として、多様体との類推にもとづく研究手法を持ち込むことが可能になる。このため特に数論の分野ではスキームが強力な枠組みとして定着している。 スキームを通じて圏論的に定義される様々な概念は、大きな威力を発揮するが、その一方で、古典的な代数幾何においては点とみなされなかった既約部分多様体のようなものまでがスペクトルの「点」になってしまう。このためヴェイユ・ザリスキ流の代数幾何学(これ自体大幅な形式化によって前の世代の牧歌的なイタリア流代数幾何に引導を渡すものだったのだが)を習得して研究していた同時代の学者たちからは戸惑いのこもった反発を受けた。

見る 環の圏とスキーム (数学)

写像

写像(しゃぞう、)は、二つの集合が与えられたときに、一方の集合の各元に対し、他方の集合のただひとつの元を指定して結びつける対応のことである。関数、変換、作用素、射などが写像の同義語として用いられることもある。 ブルバキに見られるように、写像は集合とともに現代数学の基礎となる道具の一つである。現代的な立場では、「写像」と(一価の)「関数」は論理的におなじ概念を表すものと理解されているが、歴史的には「関数」の語は解析学に出自を持つものであり、一部には必ずしも写像でないものも関数の名の下におなじ範疇に扱われる(多価関数参照)。文献によっては「数の集合(大抵の場合実数体 または複素数体 の部分集合)を終域に持つ写像」をして特に「関数」と呼び、「写像」はより一般の場合に用いる。

見る 環の圏と写像

全単射

数学において、全単射(ぜんたんしゃ)あるいは双射(そうしゃ)(bijective function, bijection) とは、写像であって、その写像の終域となる集合の任意の元に対し、その元を写像の像とする元が、写像の定義域となる集合に常にただ一つだけ存在するようなもの、すなわち単射かつ全射であるような写像のことを言う。例としては、群論で扱われる置換が挙げられる。 全単射であることを1対1上への写像 (one-to-one onto mapping)あるいは1対1対応 (one-to-one correspondence) ともいうが、紛らわしいのでここでは使用しない。 写像 f が全単射のとき、f は可逆であるともいう。

見る 環の圏と全単射

全射

数学において、写像が全射的(ぜんしゃてき、surjective, onto)であるとは、その終域となる集合の元はどれもその写像の像として得られることを言う。即ち、集合 から集合 への写像 について、 の各元 に対し となるような の元 が(一般には複数あってもよいが)対応させられるとき、写像 は全射 (surjection, onto mapping/function) であるという。全写(あるいは全写像)とも書く。 全射(および単射、双射)の語は20世紀フランスの数学結社ブルバキ(1935年以降『数学原論』シリーズを刊行している)により導入されたものである。接頭辞 sur- はフランス語で「上の」を意味し、写像の始域が終域全体をすっぽり覆い尽くすように写し込まれるイメージを反映したものになっている。sur, in, bi, jection いずれもラテン語源である。

見る 環の圏と全射

前加法圏

数学、特に圏論において、前加法圏とは可換群のなすモノイド圏で豊穣化した圏のことである。言い換えると、圏Cが前加法的であるとは、Cの各hom集合 Hom(A,B) が可換群の構造を持ち、さらに射の合成について双線形であることをいう。 可換群の圏 を Ab と書く記法に由来して、前加法圏を「Ab-圏」と呼ぶこともある。著者によっては前加法圏を加法圏と呼ぶこともあるが、ある特別な前加法圏(以下の#特別な場合を参照)のことを加法圏と呼ぶのが最近の傾向である。

見る 環の圏と前加法圏

剰余環

数学の一分野、環論における商環(しょうかん、quotient ring)、剰余環(じょうよかん、factor ring)あるいは剰余類環(じょうよるいかん、residue class ring)とは、群論における剰余群や線型代数学における商線型空間に類似した環の構成法およびその構成物である。すなわち、はじめに環 R とその両側イデアル I が与えられたとき、剰余環 R/I と呼ばれる新しい環が、I の全ての元が零元に潰れる(I による違いを「無視」するともいえる)ことで得られる。 注意: 剰余環は商環とも呼ばれるけれども、整域に対する商体(分数の体)と呼ばれる構成とは異なるし、全商環(商の環、これは環の局所化の一種)とも異なる。

見る 環の圏と剰余環

剰余類環

数学において、自然数 を法とする合同類環(ごうどうるいかん)あるいは剰余(類)環(じょうよかん、n, n)は、整数を で割った「剰余」を抽象的な類別として捉えたものである。 本項は剰余類環 の代数的な定義と性質について述べる。合同類別に関するより平易な導入については整数の合同を参照のこと。

見る 環の圏と剰余類環

積 (圏論)

圏論において、考えている圏の二つの(あるいはそれ以上の)対象の(圏論的)積(せき、product)または直積 (direct product) は集合の直積(デカルト積)、群の直積、環の直積、位相空間の直積といった数学の他の分野における構成の背後にある本質を捉えるために考えられた概念である。本質的に対象の族の積は与えられた対象のそれぞれへの射をもつ「最も一般な」対象である。

見る 環の圏と積 (圏論)

等化子

数学における等化子(とうかし、equalizer, equaliser)は、与えられた複数の写像に対してそれらの値が等しくなるような引数全体の成す集合を言う。従って各等化子は特定の形の方程式のとして得られる。特定の文脈では、ちょうど二つの写像の等化子を、それら写像の差核 (difference kernel) と呼ぶ。

見る 環の圏と等化子

素数

素数(そすう、prime あるいは prime number)とは、 以上の自然数で、正の約数が と自分自身のみであるもののことである。正の約数の個数が である自然数と言い換えることもできる。 より大きい自然数で素数でないものは合成数と呼ばれる。 日本では、prime number の日本語への訳語は「素数」とすることが1881年(明治14年)に決まった。 一般には、素数は代数体の整数環の素元として定義される(そこでは反数などの同伴なものも素数に含まれる)。このため、有理整数環 mathbb での素数は有理素数(ゆうりそすう、rational prime)と呼ばれることもある。 最小の素数は である。素数は無数に存在する。したがって、素数からなる無限数列が得られる。

見る 環の圏と素数

群 (数学)

数学における群(ぐん、group)とは、ある二項演算とその対象となる集合とを合わせて見たときに結合性を伴い単位元と逆元を備えるものをいう。数学において最も基本的と見なされる代数的構造の一つであり、数学や物理学全般において、さまざまな構成に対する基礎的な枠組みを与えている。群はそれ自体が研究対象であり、その領域は群論と呼ばれる。

見る 環の圏と群 (数学)

群の圏

数学の一分野である圏論における群の圏(ぐんのけん、category of groups) は、群すべてからなる類を対象の類とし、群準同型を射とする圏。作り方からこれはを成す。代数学における群論は、この圏の研究であるとみなすこともできる。

見る 環の圏と群の圏

群環

代数学において、与えられた群および環に対する群環(ぐんかん、group ring)は、与えられた群と環の構造を自然に用いて構成される。群環はそれ自身が、与えられた環を係数環とし与えられた群を生成系とする自由加群であって、なおかつ与えられた群の演算を生成元の間の演算として「線型に」延長したものを積とする環を成す。俗に言えば、群環は与えられた群の与えられた環の元を「重み」とする形式和の全体である。与えられた環が可換であるとき、群環は与えられた環上の多元環(代数)の構造を持ち、群多元環(ぐんたげんかん、group algebra; 群代数)(あるいは短く群環これは少々紛らわしいが、任意の群環は係数環の中心上の群多元環となるから、その文脈で何を係数環としているかが明らかならば混乱の虞は無いであろう。

見る 環の圏と群環

環 (数学)

数学における環(かん、ring)とは、台集合に「加法」(和)および「乗法」(積)と呼ばれる二種類の二項演算を備えた代数系のことである。 最もよく知られた環の例は、整数全体の成す集合に自然な加法と乗法を考えたものである(これは乗法が可換だから可換環の例でもある)。ただし、それが環と呼ばれるためには、環の公理として、加法は可換で、加法と乗法はともに結合的であって、乗法は加法の上に分配的で、各元は加法逆元をもち、加法単位元が存在すること、が全て要求される。したがって、台集合は加法の下「加法群」と呼ばれるアーベル群を成し、乗法の下「乗法半群」と呼ばれる半群であって、乗法は加法に対して分配的であり、またしばしば乗法単位元を持つ乗法に関しては半群となることのみを課す(乗法単位元の存在を要求しない)こともある。

見る 環の圏と環 (数学)

環の局所化

抽象代数学における環の局所化(きょくしょか、localization)あるいは分数環 (ring of fraction)、商環 (ring of quotient)ここでいう「分数環」や「商環」は、「分数体」や「商体」と同様の語法であって、剰余環の別名としての「商環」(quotient ring) とは異なる。商体や全商環は本項にいう意味での商環の特別な場合になっている(例節を参照)。 は、環に乗法逆元を機械的に添加する方法である。すなわち、環 とその部分集合 が与えられたとき、環 と から への環準同型を構成して、 の準同型像が における単元(可逆元)のみからなるようにする。さらに、 が「可能な限りで最良な」あるいは「最も一般な」ものとなるようにするということを考える(こういった状況はふつうは普遍性によって表されるべきものである)。環 の部分集合 による局所化は で表され、あるいは が素イデアル mathfrak の補集合であるときには R_ で表される。

見る 環の圏と環の局所化

環のスペクトル

抽象代数学と代数幾何学において,可換環 のスペクトル とは, のすべての素イデアルからなる集合である.通常ザリスキー位相と構造層をともに考え,それにより は局所環付き空間である.この形の局所環付き空間はアフィンスキームと呼ばれる.。

見る 環の圏と環のスペクトル

環の直積

数学において、いくつかの環を1つの大きい直積環(ちょくせきかん)、積環 (せきかん、) に合併することができる。これは次のようにされる: I がある添え字集合で Ri が I のすべての i に対して環であれば、カルテジアン積 は演算を 成分ごとの演算として定義することによって環にできる。 得られる環は環 Ri の直積 と呼ばれる。有限個の環の直積は環の直和と一致する。

見る 環の圏と環の直積

環上の加群

抽象代数学における環上の加群(かぐん、module)とは、ベクトル空間を一般化した概念で、係数(スカラー)を体の元とする代わりに、より一般の環の元としたものである。つまり、加群とは(ベクトル空間がそうであるように)加法的なアーベル群であって、その元と環の元との間に乗法が定義され、その乗法が結合的かつ加法に関して分配的となるようなものである。 任意のアーベル群は有理整数環上の加群であり、したがって環上の加群はアーベル群の一般化でもある。また、環のイデアルは環上の加群であり、したがって環上の加群はイデアルの一般化でもある。このように環上の加群はベクトル空間・アーベル群・イデアルを包括する概念であるので、さまざまな議論を加群の言葉によって統一的に扱うことができるようになる。

見る 環の圏と環上の加群

環上の多元環

数学の殊に環論において可換環上の代数あるいは多元環(たげんかん、algebra)は、体上の多元環の概念において係数体を考えるところを置き換えて可換環を係数環としたものである。 本項においては、環と言えば単位元を持つものと仮定する。

見る 環の圏と環上の多元環

環上の射影直線

数学における環上の射影直線(しゃえいちょくせん、projective line over a ring)は体上の射影直線を一般化するものである。

見る 環の圏と環上の射影直線

環準同型

環論や抽象代数学において、環準同型(ring homomorphism)は2つの環の間の構造を保つ関数である。 きちんと書くと、R と S が環であれば、環準同型は以下を満たす関数 である。

見る 環の圏と環準同型

点ごと

数学において,点ごと(てんごと)ということばは,ある性質がある関数 の各値 を考えることによって定義されることを指し示すために用いられる.点ごとの概念の重要なクラスは点ごとの演算である,つまり,関数に演算を関数の値に定義域の各点に対して別々に適用することによって定義される演算である.重要なもまた点ごとに定義できる.。

見る 環の圏と点ごと

直積集合

数学において、集合のデカルト積(デカルト­せき、Cartesian product)または直積(ちょくせき、direct product)、直積集合、または単に積(せき、product)、積集合は、集合の集まり(集合族)に対して各集合から一つずつ元をとりだして組にしたもの(元の族)を元として持つ新たな集合である。 具体的に二つの集合 に対し、それらの直積とはそれらの任意の元 の順序対 全てからなる集合をいう。 では と書くことができる。有限個の集合の直積 も同様のn-組からなる集合として定義されるが、二つの集合の直積を入れ子 (nested) にして、 と帰納的に定めることもできる。

見る 環の圏と直積集合

随伴関手

数学の特に圏論における随伴(ずいはん、adjunction)とは、二つの関手の間の(ある種の双対的な)関係のことである(随伴関係にある関手を持つ関手もあれば、持たない関手もある)。直感的に言えば、二つの相互に関連する圏の間に認められる、弱い同値的な関係のことである。この関係を表す関手のペアを随伴関手と呼び、片方を左随伴、もう片方を右随伴と呼ぶ。随伴の概念・随伴関手のペアは数学に遍在し、最適化や効率に関する直観的概念を明らかにし、また、ある種の数学的問題の"解決法の最適化"を行う過程で見出される(代数における集合上の自由群の構成や、位相空間におけるStone–Čech compactification(英語版)の構成などがその例である。 圏 mathcal と mathcal の間の随伴とは、二つの関手 の対であって、圏 mathcal の任意の対象 、圏 mathcal の任意の対象 に対して、集合の全単射 が存在して、これが と について自然となるものを言う。このとき、関手 を左随伴函手と呼び、他方 を右随伴函手と呼ぶ。また、「 は の左随伴である」 (同じことだが、「 は の右随伴である」)という関係を と書く。

見る 環の圏と随伴関手

違いを除いて

数学の文脈における「—(の違い)を除いて…」 (のちがいをのぞいて、… "up to" &mdash) という語句は、「— に関する差異を無視する」ことを意味する専門用語である。この言い回しの意味するところは、「適当な目的のもとでは、あるひとつの同値類に属する元全体を、何か単一の実体を表すものとみなせる」ということである。"—" の部分には、何らかの性質や、同じ同値類に属する元(つまり一方は他方に同値となるような元)の間の変換の過程を記述する内容が入る。 たとえば不定積分を計算するとき、その結果は「定数項の違いを除いて」 であるというように言うことができる。その意味は、 以外に不定積分 があったとしても (は定数)と書くことができ、その後の論理展開において のかわりに を用いても影響がないことを示唆している。また例えば群論で、群 が集合 に作用するとき、 のふたつの元が同じ軌道に属するならば、それらは「群作用の違いを除いて」同値であると言い表すことができる。

見る 環の圏と違いを除いて

行列環

抽象代数学において、行列環 (matrix ring) は、および行列の乗法のもとで環をなす、行列の任意の集まりである。環を成分に持つ n×n 行列全体の集合や無限次行列環 (infinite matrix ring) をなす無限次行列のある部分集合は行列環である。これらの行列環の任意の部分環もまた行列環である。 R が可換環のとき、行列環 Mn(R) は行列多元環 (matrix algebra) と呼ばれる結合多元環である。この状況において、M が行列で r が R の元であれば、行列 Mr は行列 M の各成分に r をかけたものである。 行列環は単位元をもたない環R上でも作ることができるが、ここでは終始 R は単位元 1 ≠ 0 をもつ結合的環であると仮定する。

見る 環の圏と行列環

部分圏

数学において,圏 の部分圏(ぶぶんけん,subcategory)とは,圏 であって対象が の対象で射が の射で同じ恒等射と射の合成をもつものである.直観的には, の部分圏は から対象と射をいくつか「取り除いて」得られる圏である.。

見る 環の圏と部分圏

部分環

数学における部分環(ぶぶんかん、subring)は、環 R の部分集合 S で、R の加法と乗法をそこに制限するときそれ自身が環となり、かつ R の単位元を含むものを言う。単位元を持つことを仮定しない場合には、R の演算の制限で S が環を成すことのみを以って部分環を定義する(この場合も自動的に S は R の加法単位元を含む)。後者は前者よりも弱い条件であり、例えば任意のイデアルは(たとえ乗法的単位元を持つ環においても)後者の意味の部分環になる(この部分環が、もとの環とは異なる乗法単位元を持つ場合もあり得る)。(本項で扱う)単位元の存在を定義に含める場合には、R の部分環となるようなイデアルは R 自身に限る。

見る 環の圏と部分環

関手

圏論における関手(かんしゅ、functor)は、圏から圏への構造と両立する対応付けである。関手によって一つの数学体系から別の体系への組織的な対応が定式化される。関手は「圏の圏」における射と考えることもできる。

見る 環の圏と関手

自由代数

数学、とくに環論という抽象代数学の分野において、自由代数(じゆうだいすう、free algebra)は多項式環の非可換類似である、なぜならばその元は可換でない変数の「多項式」として書けるからである。同様に、多項式環は自由可換代数 (free commutative algebra) と見ることができる(多項式環#多項式環の普遍性参照)。

見る 環の圏と自由代数

自由積

数学、とくに群論における自由積(じゆうせき、free product)は、2つの群 G, H から新しい群 G ∗ H を構成する操作である。G ∗ H は G と H をともに部分群として含み、G と H の元によって生成され、そして、これらの性質を持つ「最も一般的な」群である。G と H の一方が自明でないかぎり、自由積は必ず無限群である。自由積の構成は自由群(与えられた生成集合から作ることのできる最も一般的な群)の構成と類似している。 自由積は群の圏における余積である。つまり、自由積が群論において果たす役割は、集合論における非交和や加群論における直和のそれと同じである。もとの群が可換であったとしても、一方が自明でない限り、自由積は可換ではない。したがって、自由積はアーベル群の圏における余積ではない。

見る 環の圏と自由積

零射

数学の一分野圏論における零射(れいしゃ、ゼロしゃ、zero morphism)は特別な種類の射で、零対象への射と零対象からの射の性質を併せ持つ。

見る 環の圏と零射

零環

数学の環論において、零環(the zero ring)Artin, p. 347.Bosch, p. 10.または自明環()は1つの元からなる(同型を除いて)唯一の環である。(あまり一般的ではないが、“零環”()という用語は任意の rng of square zero, すなわちすべての x と y に対して であるような rng を指すために使われることもある。この記事では1つの元からなる環の意味で使う。) 環の圏において、零環は終対象である。始対象は有理整数環 Z である。

見る 環の圏と零環

集合

集合(しゅうごう、set, ensemble, Menge)とは数学における概念の1つで、大雑把に言えばいくつかの「もの」からなる「集まり」である。集合を構成する個々の「もの」のことを元 (げん、; 要素) という。 集合は、集合論のみならず現代数学全体における最も基本的な概念の一つであり、現代数学のほとんどが集合と写像の言葉で書かれていると言ってよい。 慣例的に、ある種の集合が系 (けい、) や族 (ぞく、) などと呼ばれることもある。実際には、これらの呼び名に本質的な違いはないが細かなニュアンスの違いを含むと考えられている。たとえば、方程式系(「相互に連立する」方程式の集合)、集合族(「一定の規則に基づく」集合の集合)、加法族(「加法的な性質を持つ」集合族)など。

見る 環の圏と集合

集合の圏

数学の一分野である圏論において、集合の圏(しゅうごうのけん、category of sets)Set (あるいは mathcal などとも書く) は、その対象の成す類が集合全体の成す類であるような圏である。ただし、対象の間の射の類は、集合 に対して を任意の写像とするとき、 の形に書ける三つ組全体の成す集合によって与えられる。

見る 環の圏と集合の圏

P進数

進数(ピーしんすう、p-adic number)とは、1897年に始まるクルト・ヘンゼルの一連の研究の中で導入された、数の体系の一つである。文脈によっては、その体系の個々の数を指して 進数と呼ぶこともある。有理数の体系を実数や複素数の体系に拡張するのとは別の方法で、各素数 に対して 進数の体系が構成される。それらは有理数のつくる空間の局所的な姿を記述していると考えられ、数学の中でも特に数論において重要な役割を果たす。数学のみならず、素粒子物理学の理論などで使われることもある(例えばp 進量子力学を参照)。 「 進数」とは「2進数」や「3進数」の総称に過ぎないので、文字 がすでに他の場所で用いられている場合、 進数や 進数などと表現されることもある。

見る 環の圏とP進数

核 (代数学)

代数学における準同型(代数的構造を保つ写像)とは、一般的に言って0の逆像のことである(ただし、群において、その演算を乗算的に表現する場合には、核は1の逆像となる)。核の重要な特別な例として、線形写像の核が挙げられる。行列の核(零空間とも言う)はその行列が定義する線形写像の核のことである。 準同型の核が0(もしくは1)のみとなる(準同型の核が "自明" (trivial) であること)のは、その準同型が単射であるときかつそのときに限られる。言い換えると、すべての要素の逆像が単一要素に対応しているときかつそのときに限られるということである。 この点に着目すると、準同型の核(かく、kernel)とは、その準同型が単射になっていない度合いを測る道具であると言える。 ある種の構造の場合、例えばアーベル群やベクトル空間の場合には、すべての核の部分構造は正確に一致する。しかしながら、このようにならない場合が一般的であり、そうした場合、特別な名称を持つ核もある。例えば、群における正規部分群や、環における両側イデアルはその例である。 核は部分対象(普遍代数学では商代数(英Quotient algebras)、圏論では余核と呼ぶ)を定義するものであるともいえる。多くの代数的構造において、準同型定理(もしくは第一同型定理)として、準同型の像と核による商とは同型写像の関係であることが知られている。 核の概念は拡張され、単一要素の逆像を調べるだけでは準同型が単射であるか否かを決めるのに不十分であるような構造においても用いられるようになってきた。このような場合には、核は合同関係に関するものとなっている。

見る 環の圏と核 (代数学)

核 (圏論)

圏論とホモロジー代数において核(かく,kernel)は、群準同型の核や加群準同型の核や他の代数系の核を一般化した圏論的構成である。直観的には,圏の射 の核は、 の右側から合成して 0 になる「最も一般的な」射 である。

見る 環の圏と核 (圏論)

極限 (圏論)

数学の一分野圏論において、極限とは積や引き戻しや逆極限といった普遍的な構成たちの根底にある性質を捉えた抽象概念である。双対的に余極限とは非交和、直和、余積、、直極限のような構成を一般化したものである。 極限と余極限は、強く関連した概念である普遍性や随伴関手と同様に、高度に抽象化された存在である。これらを理解するために、一般化される前の特定の概念を先に学ぶのがよい。

見る 環の圏と極限 (圏論)

標数

標数(ひょうすう、characteristic)は、環あるいは体の特徴を表す非負整数のひとつ。整域の標数は 0 または素数に限られる。

見る 環の圏と標数

有理数

有理数(ゆうりすう、rational number)とは、整数の比(ratio)として表すことができる実数のことである。分母・分子ともに整数の分数として表すことができる実数との説明もされる。整数は、分母が 1 の分数と考えることにより、有理数の特別な場合となる。

見る 環の圏と有理数

有限体

有限体(ゆうげんたい、英語:finite field)とは、代数学において、有限個の元からなる体、すなわち四則演算が定義され閉じている有限集合のことである。主に計算機関連の分野においては、発見者であるエヴァリスト・ガロアに因んでガロア体あるいはガロア域(ガロアいき、Galois field)などとも呼ぶ。 有限体においては、体の定義における乗法の可換性についての条件の有無は問題にはならない。実際、ウェダーバーンの小定理と呼ばれる以下の定理 が成り立つことが知られている。別の言い方をすれば、有限体において乗法の可換性は、体の有限性から導かれるということである。

見る 環の圏と有限体

数学

数学(すうがく)とは、数・量・図形などに関する学問であり、理学の一種。「算術・代数学・幾何学・解析学・微分法・積分法などの総称」とされる。 数学は自然科学の一種にも、自然科学ではない「形式科学」の一種にも分類され得る。

見る 環の圏と数学

整域

抽象代数学における整域(せいいき、integral domain)は、零因子を持たない可換環であって、自明環 でないものをいう。整域の概念は整数全体の成す環の一般化になっており、整除可能性を調べるのに自然な設定を与える。環の定義に乗法単位元を含めない場合であっても、単に可換環あるいは整域と言ったときには乗法単位元を持つと仮定することが少なくない。即ち、整域とは単位的可換域のことをいう。 上記の如く「整域」を定めるのが広く採用されているけれども、いくらかの揺れもある。特に、非可換な整域を許すことが時としてある。しかし、「整域」(integral domain) という語を可換の場合のために用い、非可換の場合には「域」(domain) を用いることにすると約束するのがたいていの場合には有効である(奇妙な話ではあるが、この文脈では形容辞「整」の中に「可換」の意も含まれるということになる)。別な文献では(ラングが顕著だが)整環 (entire ring) を用いるものがある「整環」という用語は、代数体の整環 (order) などに対しても用いられる。

見る 環の圏と整域

整数

整数(mathbb Z)は有理数(mathbb Q )の一部であり、自然数(mathbb N)を含む。 数学における整数(せいすう、integer; whole number、Ganze Zahl、nombre entier、número entero)は、1 とそれに 1 ずつ加えて得られる自然数 (1, 2, 3, 4, …) 、これらに−1を乗じて得られる負数 (−1, −2, −3, −4, …) 、および 0 の総称である。 整数は数直線上の格子点として視覚化される 整数の全体からなる集合は、一般に太字の mathbf Z または黒板太字の mathbb Z で表す。これはドイツ語"Zahlen"(ツァーレン。「数」の意・複数形)に由来する。

見る 環の圏と整数

参考情報

圏 (数学)

単位的環の圏、可換環の圏、擬環の圏 別名。

群 (数学)群の圏群環環 (数学)環の局所化環のスペクトル環の直積環上の加群環上の多元環環上の射影直線環準同型点ごと直積集合随伴関手違いを除いて行列環部分圏部分環関手自由代数自由積零射零環集合集合の圏P進数核 (代数学)核 (圏論)極限 (圏論)標数有理数有限体数学整域整数