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バンド理論

索引 バンド理論

固体物理学における固体のバンド理論(バンドりろん、band theory)または帯理論とは、結晶などの固体物質中に分布する電子の量子力学的なエネルギーレベルに関する理論を言う。1920年代後半にフェリックス・ブロッホ、ルドルフ・パイエルス、レオン・ブリルアンらによって確立された。.

41 関係: APW法ほとんど自由な電子半導体実空間法密度汎関数理論伝導帯強結合近似強相関電子系価電子帯マフィンティンポテンシャルハバードモデルバンドギャップバンド構造モット絶縁体ルドルフ・パイエルスレオン・ブリルアンブロッホの定理フェリックス・ブロッホフェルミエネルギーカー・パリネロ法クローニッヒ・ペニーのモデルグリーン–久保公式グリーン関数法コヒーレントポテンシャル近似固体物理学第一原理バンド計算第一原理経路積分分子動力学法絶縁体直交化された平面波DFPT法量子数自由電子金属電子状態KKR法LAPW法LMTOPAW法波動関数波数擬ポテンシャル

APW法

APW法 (Augmented Plane Wave method) は、1937年にジョン・クラーク・スレイターによって発明されたバンド計算手法で、マフィンティンポテンシャルを用いて電子状態計算を行う。それまでのセルラー法の難点を改良した。日本語の直訳で、補強された平面波による方法、補強された平面波法などと言われることもある。 基底関数はマフィンティン半径の外側(格子間領域と言う)では平面波が採用され、マフィンティン半径の内側では補強された平面波(球面波成分を含む)を用いる。これらの基底関数から記述される、格子間領域内の波動関数とマフィンティン半径内(すなわちマフィンティン球内)の波動関数は、マフィンティン半径上(すなわちマフィンティン球面上)で接続される。 ただしこのとき、マフィンティンポテンシャル内外の波動関数の導関数は不連続となっていて、通常の波動関数の満たすべき境界条件を満たしていない。 またAPW法では、解くべき行列要素の中に求めるべき固有値が含まれるため、セルフコンシステントな非線型問題を解く必要がある。この問題を解決するために線形化版(LAPW法)が提案された。 更にその後、フルポテンシャル版(FLAPW法)や、局在軌道 を用いた拡張版(APW+lo法)なども提案されている。.

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ほとんど自由な電子

ほとんど自由な電子(ほとんどじゆうなでんし、nearly-free electron、NFE)とは、金属中の電子のバンド構造を考えるときに用いられる近似法の一種である。自由電子に対し、非常に弱い周期的なポテンシャルによる摂動を考える。この近似法は典型金属元素によくあてはまる。これと対照的な近似法に強束縛近似がある。.

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半導体

半導体(はんどうたい、semiconductor)とは、電気伝導性の良い金属などの導体(良導体)と電気抵抗率の大きい絶縁体の中間的な抵抗率をもつ物質を言う(抵抗率だけで半導体を論じるとそれは抵抗器と同じ特性しか持ち合わせない)。代表的なものとしては元素半導体のケイ素(Si)などがある。 電子工学で使用されるICのような半導体素子はこの半導体の性質を利用している。 良導体(通常の金属)、半導体、絶縁体におけるバンドギャップ(禁制帯幅)の模式図。ある種の半導体では比較的容易に電子が伝導帯へと遷移することで電気伝導性を持つ伝導電子が生じる。金属ではエネルギーバンド内に空き準位があり、価電子がすぐ上の空き準位に移って伝導電子となるため、常に電気伝導性を示す。.

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実空間法

実空間法(じつくうかんほう)とは、実空間での波動関数を、FET(有限要素法)や、差分方程式を直接解いて求める方法。 これに対し、通常のバンド計算では、周期的境界条件の下に、逆格子空間での計算を必要とする。.

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密度汎関数理論

密度汎関数理論(みつどはんかんすうりろん、density functional theory、略称: DFT)は電子系のエネルギーなどの物性を電子密度から計算することが可能であるとする理論である。また密度汎関数法(みつどはんかんすうほう)は密度汎関数理論に基づく電子状態計算法である。 密度汎関数理論は物理や化学の分野で、原子、分子、凝集系などの多体電子系の電子状態を調べるために用いられる量子力学の手法である。この理論では多体系の全ての物理量は空間的に変化する電子密度の汎関数(すなわち関数の関数)として表され、密度汎関数理論という名前はそこから由来している。密度汎関数理論は凝集系物理学や計算物理、計算化学の分野で実際に用いられる手法の中で、もっとも使われていて汎用性の高い手法である。 1970年代には密度汎関数理論は固体物理でよく用いられるようになった。多くの固体で密度汎関数理論を用いた計算は実験結果との十分な一致を得ることができ、しかも計算コストもハートリー–フォック法やその派生といった多体の波動関数を用いる手法と比べて小さかった。密度汎関数理論を用いた方法は1990年代までは量子化学の計算には十分な精度がでないと考えられていたが、交換-相関相互作用に対する近似が改善されることによって今日では化学と固体物理学の両方の分野を牽引する手法の一つとなっている。 このような進歩にも関わらず、分子間相互作用(特にファンデルワールス力)や、電荷移動励起、ポテンシャルエネルギー面、強い相関を持った系を表現することや、半導体のバンドギャップを計算することは、未だに密度汎関数理論を用いた手法での扱いが難しい。(すくなくとも単独では)分散を表現するのに効果的な密度汎関数理論を用いた手法は今のところ存在せず、分散が支配する系(例えば、相互作用しあう希ガス原子)や分散が他の効果と競い合うような系(例えば生体分子)では適切な取り扱いを難しくしている。この問題を解決するために、汎関数を改善したり、他の項を取り入れたりする手法が現在の研究の話題となっている。.

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伝導帯

伝導帯(でんどうたい、Conduction band)は、バンドギャップのある系において、バンドギャップの直上にある、空のバンドのこと。バンドギャップのない場合にも、価電子帯、伝導帯の区別ができる場合がある(例:半金属)。しかし、純然たる金属のバンドにおいては、価電子帯、伝導帯の区別が判然としない(区別できない)場合もある。.

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強結合近似

固体物理学において、強結合近似(きょうけつごうきんじ、)は電子バンド計算の際に用いられる近似の一つで、系の波動関数を各原子の場所に位置する孤立原子に対する波動関数の重ね合わせにより近似する手法である。この手法は量子化学で用いられるLCAO法と密接な関係がある。さまざまな固体に対して用いることができ、多くの場合で定量的に良い結果を得ることができる。そうでない場合は他の手法と組み合せることもできる。強結合近似は一電子近似であるが、表面準位計算や様々な多体問題、準粒子の計算などの進んだ計算の叩き台として用いられる。強束縛近似、タイトバインディング近似とも。.

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強相関電子系

強相関電子系(きょうそうかんでんしけい、英:)とは固体物理学の用語で、物質の中でも電子どうしの間に働く有効なクーロン相互作用が強いものをこのように呼び表す。.

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価電子帯

金属、および半導体・絶縁体のバンド構造の簡単な模式図 価電子帯(かでんしたい、valence band)とは、絶縁体や半導体において、価電子によって満たされたエネルギーバンドのこと。荷電子帯とも表記される。 絶対零度において「電子を含む一番エネルギーの高いバンド」が完全に電子で満たされている場合、これを狭義の充満帯 (filled band) と呼ぶ。これは絶縁体や半導体にのみ存在する。特に共有結合型結晶の充満帯を、価電子帯と呼ぶ。価電子帯の頂上から伝導帯の底までのギャップが、バンドギャップである。半導体や絶縁体においては、バンドギャップ中にフェルミ準位が存在する。 金属では価電子を含むバンドに空き準位がある(バンド中にフェルミ準位がある)ため、価電子がそのまま伝導電子(自由電子)となる。これに対し、半導体や絶縁体においては通常、価電子にバンドギャップを超えるエネルギーを与えて価電子帯から伝導帯へ励起することで、初めて伝導電子を得られる。完全に電子で占有された価電子帯では、電流は流れない。 なお広義には、電子で満たされた全てのエネルギーバンドを充満帯と呼ぶ。 Category:電子 Category:電子状態 Category:半導体.

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マフィンティンポテンシャル

マフィンティン・ポテンシャル(Muffin-Tin potential、MTポテンシャル)とは、APW法、LMTO法、KKR法等、全電子によるバンド計算手法で用いられるポテンシャルである。マフィンティンポテンシャルは、原子核部分を記述する球対称なポテンシャル部分と、それ以外(格子間領域)の平らな部分とからなる。この平らな部分は通常、V.

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ハバードモデル

ハバードモデル(Hubbard model)とは1963年にによって提出された、電子相関の効果の強い固体中の電子の振る舞いを量子論的に記述するモデルである。 元々は、遷移金属の様に最外殻電子がd軌道やf軌道にあり、電子の波動関数の広がりが大きく、電子同士の波動関数の重なりのために生じる電子相関が大きな固体中の電子を良く記述するモデルとして提出されたものである。 ハバードモデルは非常に単純なハミルトニアンを持つモデルであるにも関わらず、非常に多様な電子の振る舞いを表現できる。 この様な電子の振る舞いの多様さは電子同士の相互作用(電子相関)によってもたらされていると考えられている。電子相関が物性を決める上で重要になる系を強相関電子系と言うが、ハバードモデルは強相関電子系の基本的なモデルである。 ハバードモデルによる重要な成果としてモット絶縁体の発見、磁性の起源の尤もらしい記述、銅酸化物高温超電導体の記述等が挙げられる。これらの現象は全て不可分の物で、互いに関連した現象であると考えられている。.

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バンドギャップ

バンドギャップ(Band gap、禁止帯、禁制帯)とは、広義の意味は、結晶のバンド構造において電子が存在できない領域全般を指す。 ただし半導体、絶縁体の分野においては、バンド構造における電子に占有された最も高いエネルギーバンド(価電子帯)の頂上から、最も低い空のバンド(伝導帯)の底までの間のエネルギー準位(およびそのエネルギーの差)を指す。 E-k空間上において電子はこの状態を取ることができない。バンドギャップの存在に起因する半導体の物性は半導体素子において積極的に利用されている。 半導体のバンド構造の模式図。Eは電子の持つエネルギー、kは波数。Egが'''バンドギャップ'''。半導体(や絶縁体)では「絶対零度で電子が入っている一番上のエネルギーバンド」が電子で満たされており(価電子帯)、その上に禁制帯を隔てて空帯がある(伝導帯)。 金属、および半導体・絶縁体のバンド構造の簡単な模式図(k空間無視) バンドギャップを表現する図は、E-k空間においてバンドギャップ周辺だけに着目した図、さらにk空間を無視してエネルギー準位だけを表現した図も良く用いられる。.

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バンド構造

バンド構造(バンドこうぞう、band structure)は、ポテンシャルや誘電率などの周期的構造によって生じる、波動(電子や電磁波など)に対する分散関係のことである。; 電子バンド構造; フォトニックバンド構造 他にも、フォノニックバンド構造やプラズモニックバンド構造などがある。 ---- 電子バンド構造(でんしバンドこうぞう、electronic band structure)は、結晶などの固体の中で、波として振舞う電子(価電子)に対するバンド構造のことである。.

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モット絶縁体

モット絶縁体 (Mott-insulator) とは、バンド理論では金属的と予想されるにもかかわらず、電子間斥力の効果(電子相関効果)によって実現している絶縁体状態のことである。 バンド理論によれば、単位胞あたりの電子数が奇数の場合は、バンドは部分的にしか占有されないため、必ず金属的になるはずである。しかし実際には単位胞あたりの電子数が奇数となる化合物の中にも金属的な電気伝導を示さず、絶縁体となるものが存在する。これらの絶縁体の基底状態が電子相関に起因するものであることを指摘したのがモットとパイエルスである。モットが指摘したこの転移は、絶縁相に関して磁性の状態は仮定されていないが、現実の「モット絶縁体」では反強磁性を示すなど磁性状態になる。.

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ルドルフ・パイエルス

ルドルフ・エルンスト・パイエルス(Rudolf Ernst Peierls、1907年6月5日 - 1995年9月19日)は、ドイツ生まれのイギリスの物理学者。王立協会フェロー。 一次元電子-格子系が、構造不安定性を持つことを指摘した(パイエルス不安定性、パイエルス転移)。.

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レオン・ブリルアン

レオン・ニコラ・ブリルアン(フランス語:Léon Nicolas Brillouin、1889年8月7日 - 1969年10月4日)は、フランス・セーヴル生まれの物理学者。量子力学、大気中の電磁放射、固体物理学、情報理論などの分野に貢献した。 オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが著書『生命とは何か』の中で「negative entropy」という概念を提唱したが、これを縮めて「ネゲントロピー」と命名したことで知られる。.

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ブロッホの定理

量子力学や物性物理学におけるブロッホの定理(ブロッホのていり、Bloch's theorem)とは、ハミルトニアンが空間的な周期性(並進対称性)をもつ場合に、その固有関数が満たす性質を表した定理のこと。1928年に、フェリックス・ブロッホによって導出された。 結晶は基本格子ベクトルだけ並進すると自分自身と重なり合うため、並進対称性を持つ。よって結晶のエネルギーバンドを計算する際にブロッホの定理は重要となる。.

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フェリックス・ブロッホ

フェリックス・ブロッホ(Felix Bloch, 1905年10月23日 - 1983年9月10日)は、スイスのユダヤ系物理学者で、後にアメリカに移住し働いた。.

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フェルミエネルギー

量子力学や物性物理学においてフェルミエネルギー (Fermi energy)あるいフェルミ準位(Fermi level)とは、相互作用のないフェルミ粒子系(理想フェルミ気体)の絶対零度での化学ポテンシャルのことであり、E_Fと表される。 また理想フェルミ気体の化学ポテンシャルを、絶対零度では「フェルミエネルギー」、有限温度では「フェルミ準位」と区別して呼ぶこともある。このように定義した場合、絶対零度でフェルミ準位とフェルミエネルギーは等しくなる。.

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カー・パリネロ法

ー・パリネロ法(カーパリネロほう、Car-Parrinello method、CP法)は、1985年、カー(R. Car)とパリネロ(M. Parrinello)によって考案されたバンド計算の手法である。従来用いられていた行列要素の対角化を行わずに固有値(及び固有ベクトル)を求めることにより、計算を大幅に高速化した。これにより、系の電子状態と共に、その構造の最適化(この部分は古典的分子動力学法を用いる)も可能とした。.

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クローニッヒ・ペニーのモデル

ーニッヒ・ペニーのモデル()は結晶内での電子の挙動を近似的に記述する量子力学的なモデルの1つである。周期的な井戸型ポテンシャル型の一次元のモデルであり、狭義には周期的にデルタ関数型のポテンシャルを持つモデルを指すこともある。1931年にラルフ・クローニッヒとウィリアム・ペニーによって提出された。バンド理論の基本的な枠組みをこのモデルで説明することができる。.

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グリーン–久保公式

リーン–久保公式(Green–Kubo relations)あるいは中野–久保公式とは、線形応答理論における、輸送係数をカレントの時間相関で表す関係式を一般化して定式化されたものである。メルヴィル・S・グリーン、中野藤生、久保亮五らの名前を冠して名付けられている。 外場H'(t).

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グリーン関数法

リーン関数法.

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コヒーレントポテンシャル近似

ヒーレントポテンシャル近似(コヒーレントポテンシャルきんじ、coherent potential approximation、CPA) は1967年に P. Sovenが考案したバンド計算手法のことである。 ポテンシャルがランダムな系(例:不規則二元合金、原理上三元以上でも計算可能)の電子状態を計算するための手法であり、電子の散乱理論を基にして電子状態を求める KKR-CPA法が最もよく使われる。これは、KKR法をランダムな系に対応させるためCPAを導入したものである。 他に、タイトバインディング法によるCPA(TB-CPA)もある。.

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固体物理学

固体物理学(こたいぶつりがく、Solid-state physics)とは物理学の一分野であり、より広い意味で使われる物性物理学に含まれる分野である。.

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第一原理バンド計算

一原理バンド計算(だいいちげんりバンドけいさん)は、実験結果に依らないで(第一原理)計算が遂行されるバンド計算である。第一原理電子構造計算、第一原理電子状態計算、あるいは単にバンド計算とも言う。 第一原理バンド計算手法には、様々なものがある。主に、擬ポテンシャル+平面波基底によるものと、全電子による電子状態計算手法とがある。全電子手法には、LMTO法、APW法、線形化 APW 法(LAPW法)、KKR法とそのフルポテンシャル版などがある。.

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第一原理経路積分分子動力学法

一原理経路積分分子動力学法(だいいちげんりけいろせきぶんぶんしどうりきがくほう、First-principles path-integral molecular dynamics method)とは、経路積分手法と第一原理分子動力学法とを、融合(統合)した手法。 水素のような非常に軽い元素は、原子核(この場合はプロトン、つまり陽子のこと)自身が持つ量子効果を無視できない場合が出てくる。この量子効果を記述するために経路積分法を用いる。適用されるのは、水素のような軽元素以外に、固体内でのミューオンの挙動などを記述する場合にも用いられる。.

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絶縁体

絶縁体(ぜつえんたい、insulator)は、電気あるいは熱を通しにくい性質を持つ物質の総称である。.

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直交化された平面波

原子において、内殻電子の波動関数はポテンシャルの影響を強く受けるため激しく変化する。このため、波動関数は原子軌道を基底関数として記述するのが適当であるが、価電子部分はポテンシャルの影響が内殻よりずっと弱いので波動関数の変化は、格子間領域で緩やかとなる。従って価電子部分の波動関数は平面波を基底関数として記述するのが適当である。 この時、価電子部分を記述する平面波基底は、内殻電子の波動関数と直交する必要があり、直交するようにしたものを直交化された平面波(英:Orthogonalized plane wave, OPW)と言う。これを使って電子状態を求める方法を直交化された平面波による方法(OPW法)と言う。 この手法は展開すべき平面波の数を減らすことができるが、基底関数の形は複雑になるため、現在バンド計算にはあまり用いられない。.

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DFPT法

DFPT法は、密度汎関数摂動論(英語:density functional perturbation theory、略称:DFPT)に基づく電子状態計算の方法の一つ。分子または結晶中の原子核の変位に対応するポテンシャル変化を摂動として扱い、摂動状態についても非摂動状態と同様に、拘束条件付き変分原理を満たす形式で記述できるとした理論。周期系に対するDFPTはBaroniらによって1987年に提唱された。DFPTにより、任意の波数ベクトルを持つ原子の変位に伴う全エネルギーの二階微分を高精度で効率よく計算できる(線形応答理論を使う)。これから基準振動のエネルギーまたはフォノンバンド(フォノンバンドからフォノン状態密度も求められる)を得る事ができる。同様の手法を使ってマグノンの計算をさせることも可能。 DFPT法で扱う系が超伝導体の場合、DFPT法で得られたフォノン(格子振動)に関しての情報と、同時に求めた電子状態の情報から、BCS理論の範囲内での超伝導になる転移温度を求めることができる。通常のバンド計算手法でも、フォノン等の情報が従来型の方法で求められれば上記と同様に超伝導転移温度の計算は可能。 また、フォノンの分散だけでなく誘電率、弾性定数、圧電定数などの応答係数の計算にも適用されている。.

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量子数

量子力学において量子数 (りょうしすう、quantum number) とは、量子状態を区別するための数のこと。 量子数はただ1組とは限らず、原理的には多数存在しうる。状態を区別できるのであれば量子数はどのように選んでも良い。しかし系の物理量がとる値自身、またはそれを区別する数を量子数として採用するしか方法は無い。例えばN粒子系では、各粒子の位置\bold_1, \cdots, \bold_Nを量子数に選んでも良いし、運動量\bold_1, \cdots, \bold_Nを選ぶこともできる。このときは量子数は全部で3N個となる。また一次元調和振動子では、位置や運動量を選ぶこともできるが、エネルギー固有値E_nの番号nを選ぶこともできる。位置や運動量を量子数として選んだ場合は量子数は連続変数となるが、エネルギー固有値の番号を選んだ場合は量子数は離散値になる。.

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自由電子

自由電子(じゆうでんし, free electron)とはポテンシャルがいたるところでゼロ、つまり何ら束縛を受けていない電子のこと。電子気体(フェルミ気体)とも呼ばれることがある。この自由電子をモデルとしたものを自由電子モデル(自由電子模型、Free electron model)と言う。現実の電子系について、それらが自由電子であると仮定する近似を自由電子近似と言う。 特に金属の場合は、伝導電子と同じ意味で自由電子という言葉が用いられる。金属内部の自由電子は、電気伝導や熱伝導を担う。 実際には通常の金属においても、伝導電子はごく弱くはあるが相互作用を受けている。強く束縛を受ける伝導電子などには適用できず、電子同士の多体相互作用も無視している。自由電子として扱うのは一種の理想化である。.

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金属

リウム の結晶。 リチウム。原子番号が一番小さな金属 金属(きんぞく、metal)とは、展性、塑性(延性)に富み機械工作が可能な、電気および熱の良導体であり、金属光沢という特有の光沢を持つ物質の総称である。水銀を例外として常温・常圧状態では透明ではない固体となり、液化状態でも良導体性と光沢性は維持される。 単体で金属の性質を持つ元素を「金属元素」と呼び、金属内部の原子同士は金属結合という陽イオンが自由電子を媒介とする金属結晶状態にある。周期表において、ホウ素、ケイ素、ヒ素、テルル、アスタチン(これらは半金属と呼ばれる)を結ぶ斜めの線より左に位置する元素が金属元素に当たる。異なる金属同士の混合物である合金、ある種の非金属を含む相でも金属様性質を示すものは金属に含まれる。.

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電子状態

電子状態(でんしじょうたい)または電子構造(でんしこうぞう)とは、物質(原子、分子なども含む)における電子の状態のこと。 「電子状態」「電子構造」に相当する英語としては、"electronic structure"、"electronic state(s)"、"electronic property" などがある。 電子状態間の遷移を電子遷移(でんしせんい)という。.

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KKR法

KKR法とは、J.

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LAPW法

LAPW法 (Linearized Augmented Plane Wave method) はバンド計算法の一種。APW法で生じる問題点を解決するため、1975年に O. K. Andersen によって考案された。 単純なAPW法ではシュレーディンガー方程式を解いて得られる行列の各要素が固有値の関数となっているために、一般化固有値問題に適用することができないため、ディターミナントを計算しなければならず、そのために膨大な計算時間を必要とするAndersen (1975).

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LMTO

LMTO法(Linear Muffin-Tin Orbital Method: 線形化されたマフィンティン軌道による方法)は、比較的計算が高速な第一原理バンド計算手法。精度がLAPWより若干劣る。線形化されたバンド計算手法では、ゴーストバンドの問題が生じることがある。平面波を利用するのと違い、原子軌道を直接扱っているため、Hubbardモデルなどへのマップなどが比較的容易にできる。局所的クーロン相互作用による局在性を取り入れたLDA+U法、LDA+DMFT法が最初に適用された手法である。.

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PAW法

PAW法 (projector augmented wave method) は第一原理電子構造計算の手法の一つ。擬ポテンシャル法とLAPW法を一般化した手法であり、より効率的に密度汎関数計算を行うことを可能とする。P.

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波動関数

波動関数(はどうかんすう、wave function)は、もともとは波動現象一般を表す関数のことだが、現在では量子状態(より正確には純粋状態)を表す複素数値関数のことを指すことがほとんどである。.

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波数

波数(はすう、wavenumber, wave-number)とは、波の個数のことで、物理化学および分光学の分野では が、波動力学では が記号として用いられる。 国際単位系における単位は毎メートルであるが、電磁波の波数の場合はCGS単位系の毎センチメートルを使う場合があり、カイザーという固有名称もある。.

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擬ポテンシャル

擬ポテンシャル(ぎポテンシャル、pseudopotential)は、第一原理計算において原子核近傍の内核電子を直接取り扱わず、これを価電子に対する単なるポテンシャル関数に置き換える手法である。これは原子間結合距離など、多くの物性において、内核電子の直接の影響が小さいことを利用したものである。平面波基底を用いて第一原理計算を行う場合、計算コストの問題から、何らかの擬ポテンシャルを使う場合がほとんどである。 こうした擬ポテンシャルは、内核電子が与える静電相互作用や交換相関相互作用とは全く無関係に、原子核から或る半径よりも外側では、波動関数が全電子計算の結果と一致することだけを指針に作成される。そのため平均場近似といった物理的な近似や洞察を含むものではなく、あくまでも計算のための便宜的な手法といえる。価電子帯の波動関数は、原子核近傍で同径方向に節(ノード)を持つが、擬ポテンシャルを作製する際には、こうした節を取り除き、滑らかな波動関数となるように問題をすり替える。このため、擬ポテンシャル法により得られる波動関数(密度汎関数法に用いる場合はKohn-Sham軌道)は擬波動関数と呼ばれることもある。こうした操作が、カットオフエネルギーの大幅な削減へと繋がる。.

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エネルギーバンドエネルギー帯

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