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フェルミエネルギー

索引 フェルミエネルギー

量子力学や物性物理学においてフェルミエネルギー (Fermi energy)あるいフェルミ準位(Fermi level)とは、相互作用のないフェルミ粒子系(理想フェルミ気体)の絶対零度での化学ポテンシャルのことであり、E_Fと表される。 また理想フェルミ気体の化学ポテンシャルを、絶対零度では「フェルミエネルギー」、有限温度では「フェルミ準位」と区別して呼ぶこともある。このように定義した場合、絶対零度でフェルミ準位とフェルミエネルギーは等しくなる。.

26 関係: 半導体宮本恭幸井戸型ポテンシャル伝導帯価電子帯化学ポテンシャルバンドギャップバンド構造プランク定数フェルミ分布関数フェルミ粒子フェルミ面フェルミ気体エネルギースピン角運動量等方的と異方的群速度結晶絶対零度絶縁体物性物理学運動量量子力学量子統計力学金属電子

半導体

半導体(はんどうたい、semiconductor)とは、電気伝導性の良い金属などの導体(良導体)と電気抵抗率の大きい絶縁体の中間的な抵抗率をもつ物質を言う(抵抗率だけで半導体を論じるとそれは抵抗器と同じ特性しか持ち合わせない)。代表的なものとしては元素半導体のケイ素(Si)などがある。 電子工学で使用されるICのような半導体素子はこの半導体の性質を利用している。 良導体(通常の金属)、半導体、絶縁体におけるバンドギャップ(禁制帯幅)の模式図。ある種の半導体では比較的容易に電子が伝導帯へと遷移することで電気伝導性を持つ伝導電子が生じる。金属ではエネルギーバンド内に空き準位があり、価電子がすぐ上の空き準位に移って伝導電子となるため、常に電気伝導性を示す。.

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宮本恭幸

宮本 恭幸(みやもと やすゆき、1961年2月- )は、日本の工学者。工学博士、専門は半導体プロセス・デバイス 。2015年現在、東京工業大学大学院理工学研究科電子物理工学専攻教授。.

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井戸型ポテンシャル

井戸型ポテンシャル(いどがたポテンシャル)とは、量子力学の初歩で扱う例題である。例題としては極めて平易であるが、得られる結果は量子力学の特性をよく反映しているので、多くの教科書・演習書に取り上げられている。 様々なバリエーションがあるが、全てに共通する設定としては、ある有界領域Dを定め、ポテンシャルVを とする (V00.

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伝導帯

伝導帯(でんどうたい、Conduction band)は、バンドギャップのある系において、バンドギャップの直上にある、空のバンドのこと。バンドギャップのない場合にも、価電子帯、伝導帯の区別ができる場合がある(例:半金属)。しかし、純然たる金属のバンドにおいては、価電子帯、伝導帯の区別が判然としない(区別できない)場合もある。.

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価電子帯

金属、および半導体・絶縁体のバンド構造の簡単な模式図 価電子帯(かでんしたい、valence band)とは、絶縁体や半導体において、価電子によって満たされたエネルギーバンドのこと。荷電子帯とも表記される。 絶対零度において「電子を含む一番エネルギーの高いバンド」が完全に電子で満たされている場合、これを狭義の充満帯 (filled band) と呼ぶ。これは絶縁体や半導体にのみ存在する。特に共有結合型結晶の充満帯を、価電子帯と呼ぶ。価電子帯の頂上から伝導帯の底までのギャップが、バンドギャップである。半導体や絶縁体においては、バンドギャップ中にフェルミ準位が存在する。 金属では価電子を含むバンドに空き準位がある(バンド中にフェルミ準位がある)ため、価電子がそのまま伝導電子(自由電子)となる。これに対し、半導体や絶縁体においては通常、価電子にバンドギャップを超えるエネルギーを与えて価電子帯から伝導帯へ励起することで、初めて伝導電子を得られる。完全に電子で占有された価電子帯では、電流は流れない。 なお広義には、電子で満たされた全てのエネルギーバンドを充満帯と呼ぶ。 Category:電子 Category:電子状態 Category:半導体.

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化学ポテンシャル

化学ポテンシャル(かがくポテンシャル、)は熱力学で用いられる示強性状態量の一つである。 推奨される量記号は、μ(ミュー)である。 化学ポテンシャルはアメリカの化学者ウィラード・ギブズにより導入され、浸透圧や化学反応のようなマクロな物質量の移動が伴う現象で重要な量である。.

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バンドギャップ

バンドギャップ(Band gap、禁止帯、禁制帯)とは、広義の意味は、結晶のバンド構造において電子が存在できない領域全般を指す。 ただし半導体、絶縁体の分野においては、バンド構造における電子に占有された最も高いエネルギーバンド(価電子帯)の頂上から、最も低い空のバンド(伝導帯)の底までの間のエネルギー準位(およびそのエネルギーの差)を指す。 E-k空間上において電子はこの状態を取ることができない。バンドギャップの存在に起因する半導体の物性は半導体素子において積極的に利用されている。 半導体のバンド構造の模式図。Eは電子の持つエネルギー、kは波数。Egが'''バンドギャップ'''。半導体(や絶縁体)では「絶対零度で電子が入っている一番上のエネルギーバンド」が電子で満たされており(価電子帯)、その上に禁制帯を隔てて空帯がある(伝導帯)。 金属、および半導体・絶縁体のバンド構造の簡単な模式図(k空間無視) バンドギャップを表現する図は、E-k空間においてバンドギャップ周辺だけに着目した図、さらにk空間を無視してエネルギー準位だけを表現した図も良く用いられる。.

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バンド構造

バンド構造(バンドこうぞう、band structure)は、ポテンシャルや誘電率などの周期的構造によって生じる、波動(電子や電磁波など)に対する分散関係のことである。; 電子バンド構造; フォトニックバンド構造 他にも、フォノニックバンド構造やプラズモニックバンド構造などがある。 ---- 電子バンド構造(でんしバンドこうぞう、electronic band structure)は、結晶などの固体の中で、波として振舞う電子(価電子)に対するバンド構造のことである。.

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プランク定数

プランク定数(プランクていすう、プランクじょうすう、)は、光子のもつエネルギーと振動数の比例関係をあらわす比例定数のことで、量子論を特徴付ける物理定数である。量子力学の創始者の一人であるマックス・プランクにちなんで命名された。作用の次元を持ち、作用量子とも呼ばれている。SIにおける単位はジュール秒(記号: J s)である。.

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フェルミ分布関数

フェルミ分布関数(フェルミぶんぷかんすう、)とは、相互作用のないフェルミ粒子の系において、一つのエネルギー準位にある粒子の数(占有数)の分布を与える理論式である東京大学 知の構造化センター「物性物理学入門 (進化する教科書 Wiki)」。フェルミ・ディラック分布とも呼ばれる。.

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フェルミ粒子

フェルミ粒子(フェルミりゅうし)は、フェルミオン(Fermion)とも呼ばれるスピン角運動量の大きさが\hbarの半整数 (1/2, 3/2, 5/2, …) 倍の量子力学的粒子であり、その代表は電子である。その名前は、イタリア=アメリカの物理学者エンリコ・フェルミ (Enrico Fermi) に由来する。.

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フェルミ面

フェルミ面(フェルミめん)とは、 で定義される波数空間上の曲面のことである。ここで、 はフェルミエネルギー、 は粒子の分散関係である。自由粒子など、分散関係が線形となる場合には球面となるので、特にフェルミ球(フェルミきゅう )と呼び、その半径をフェルミ波数と呼ぶ。 定義から分かるように、固体中の電子のバンド構造においてフェルミ面を持つのは金属(半金属も含む)のみで、バンドギャップ中にフェルミエネルギーが存在する半導体や絶縁体にはフェルミ面は存在しない。 三次元空間における自由電子のフェルミ面は球形である。比較的自由電子に近いs軌道が価電子となっているアルカリ金属などのフェルミ面には、球形に近いものがある。 フェルミ面の形はフェルミエネルギー近傍のバンド構造に依存し、遷移金属や複雑な金属間化合物などでは非常に複雑なフェルミ面となることがある。 実験的にはサイクロトロン共鳴実験、ドハース・ファンアルフェン効果を使った実験、電子-陽電子消滅実験やコンプトン散乱実験によって求まる運動量密度(運動量分布→電荷密度参照)などからフェルミ面に関する情報が得られる。また、角度分解光電子分光により直接フェルミ面を観測することも可能となっている。.

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フェルミ気体

フェルミ気体 (Fermi gas) とは、数多くのフェルミ粒子(名前はエンリコ・フェルミに由来)の集まった相のこと。 フェルミ粒子はフェルミ=ディラック統計に従う粒子である。 これらの統計は熱平衡状態のフェルミ気体におけるフェルミ粒子のエネルギー分布を決め、その数密度、温度、可能なエネルギー状態の組によって特徴づけられる。 パウリの排他原理により同じ量子数の組をもつ量子状態を2つ以上のフェルミ粒子がとることができない。 よってボース気体とは異なり、相互作用のないフェルミ気体はボース=アインシュタイン凝縮を起こすことは禁じられるが、相互作用があるフェルミ気体では凝縮を起こす場合もある。 絶対零度でのフェルミ気体の全エネルギーは1粒子基底状態の和よりも大きくなる。 なぜならパウリの排他原理は、ある種の相互作用や圧力によって互いのフェルミ粒子が同じ状態にならないように動くことを意味しているからである。 この理由のため、古典的な理想気体とは対照的に、温度0においてもフェルミ気体の圧力は0にはならない。 縮退圧と呼ばれるこの圧力は、中性子星(中性子のフェルミ気体)や白色矮星(電子のフェルミ気体)を、表面上は星を崩壊させブラックホールにする内部へ向かう重力に対して安定化する。 星が十分に質量を持ち、縮退圧に打ち勝つときにのみ、崩壊して特異点となる。 その温度以下では気体は縮退すると言えるような温度が定義でき、フェルミ温度という(そのときの圧力はほぼパウリの原理のみに由来する)。 フェルミ温度はフェルミ粒子の質量とエネルギー状態密度に依存する。 金属では、電子気体のフェルミ温度は一般的に数千ケルビンであり、日常的な条件では縮退しているといえる。 温度ゼロでのフェルミ粒子のエネルギー最大値はフェルミエネルギーと呼ばれる。 運動量空間におけるフェルミエネルギー面は、フェルミ面として知られる。.

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エネルギー

ネルギー(、)とは、.

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スピン角運動量

ピン角運動量(スピンかくうんどうりょう、spin angular momentum)は、量子力学上の概念で、粒子が持つ固有の角運動量である。単にスピンとも呼ばれる。粒子の角運動量には、スピン以外にも粒子の回転運動に由来する角運動量である軌道角運動量が存在し、スピンと軌道角運動量の和を全角運動量と呼ぶ。ここでいう「粒子」は電子やクォークなどの素粒子であっても、ハドロンや原子核や原子など複数の素粒子から構成される複合粒子であってもよい。 「スピン」という名称はこの概念が粒子の「自転」のようなものだと捉えられたという歴史的理由によるものであるが、現在ではこのような解釈は正しいとは考えられていない。なぜなら、スピンは古典極限 において消滅する為、スピンの概念に対し、「自転」をはじめとした古典的な解釈を付け加えるのは全くの無意味だからであるランダウ=リフシッツ小教程。 量子力学の他の物理量と同様、スピン角運動量は演算子を用いて定義される。この演算子(スピン角運動量演算子)は、スピンの回転軸の方向に対応して定義され、 軸、 軸、 軸方向のスピン演算子をそれぞれ\hat_x,\hat_y,\hat_z と書き表す。これらの演算子の固有値(=これら演算子に対応するオブザーバブルを観測したときに得られる値)は整数もしくは半整数である値 を用いて、 と書き表せる。値 は、粒子のみに依存して決まり、スピン演算子の軸の方向には依存せずに決まる事が知られている。この を粒子のスピン量子数という。 スピン量子数が半整数 になる粒子をフェルミオン、整数 になる粒子をボゾンといい、両者の物理的性質は大きく異る(詳細はそれぞれの項目を参照)。2016年現在知られている範囲において、.

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等方的と異方的

ある対象の性質や分布が方向に依存しないときそれは等方的(英語:isotropic)であるという。また、方向に依存するとき異方的(anisotropic)であるという。別な表現では、ある対象の性質や分布が回転により変化しないとき等方的であり、回転により変化するとき異方的である。対象が等方的か異方的かは、対象の等方性(isotropy)もしくは異方性(anisotropy)の有無として表現する場合もある。 空間(真空)は、本質的には、回転に関して物理法則が不変であるので等方的である。また、そこに何らかの物体があるとその場は異方的になる場合がある。.

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群速度

重力波における、周波数分散を持つ波束(波群)を表したもの。赤点は'''位相速度'''で動き、緑点は'''群速度'''で動いている。このように水深が深い場合には、水面では位相速度は群速度の二倍になる。図の左から右に動く間、赤点は緑点を二回追い越す。波束の後方(の緑点)で新しい波が出現し、波束の中心に向かって振幅が大きくなり、波束の前方(の緑点)で消えているように見える。水面の重力波においては、ほとんどの場合、水粒子の速度は位相速度よりもずっと小さい。 位相速度と群速度が逆の例。 群速度(ぐんそくど、)とは、複数の波を重ね合わせた時にその全体(波束)が移動する速度のことである。 波(波動)の周波数(角振動数)を 、その波数ベクトルを とすると分散関係 から、群速度 は次のように定義される。 群速度はしばしばエネルギーや情報が伝わる速度と考えられている。多くの場合、これは正しく波形が伝わる信号速度と考えることができる。しかし、波が吸収性のある媒質を伝播する場合には、上のことが常に成り立つとは限らない。 1980年までに多くの実験により、レーザー光のパルスの速度が真空中の光速度を超える速度で特別な物質中を伝播することが確かめられた。だからといって、超光速度の情報伝達はこの場合には不可能である。それは信号の速度は光の速度よりも遅いためである。また、群速度を小さくして0として静止させたり、負の速度としパルスを逆向きに伝播するようにすることができる。しかしながら、これらの場合には光子は媒質中での光速度で伝播を続けている。 位相速度と区別する群速度の概念は1839年にハミルトンにより初めて提案された。1877年にレイリーが において最初に扱った。.

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結晶

結晶(けっしょう、crystal)とは原子や分子が空間的に繰り返しパターンを持って配列しているような物質である。より厳密に言えば離散的な空間並進対称性をもつ理想的な物質のことである。現実の物質の大きさは有限であるため、そのような理想的な物質は厳密には存在し得ないが、物質を構成する繰り返し要素(単位胞)の数が十分大きければ(アボガドロ定数個程度になれば)結晶と見なせるのである。 この原子の並びは、X線程度の波長の光に対して回折格子として働き、X線回折と呼ばれる現象を引き起こす。このため、固体にX線を当てて回折することを確認できれば、それが結晶していると判断できる。現実に存在する結晶には格子欠陥と呼ばれる原子の配列の乱れが存在し、これによって現実の結晶は理想的な性質から外れた状態となる。格子欠陥は、文字通り「欠陥」として物性を損ねる場合もあるが、逆に物質を特徴付けることもあり、例えば、一般的な金属が比較的小さな力で塑性変形する事は、結晶欠陥の存在によって説明される。 準結晶と呼ばれる構造は、並進対称性を欠くにもかかわらず、X線を回折する高度に規則的な構造を持っている。数学的には高次元結晶の空間への射影として記述される。また、液晶は3次元のうちの一つ以上の方向について対称性が失われた状態である。そして、規則正しい構造をもたない物質をアモルファス(非晶質)と呼び、これは結晶の対義語である。.

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絶対零度

絶対零度(ぜったいれいど、Absolute zero)とは、絶対温度の下限で、理想気体のエントロピーとエンタルピーが最低値になった状態、つまり 0 度を表す。理想気体の状態方程式から導き出された値によるとケルビンやランキン度の0 度は、セルシウス度で −273.15 ℃、ファーレンハイト度で −459.67 である。 絶対零度は最低温度とされるが、エンタルピーは0にはならない。統計力学では0 K未満の負温度が存在する。.

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絶縁体

絶縁体(ぜつえんたい、insulator)は、電気あるいは熱を通しにくい性質を持つ物質の総称である。.

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物性物理学

物性物理学(ぶっせいぶつりがく)は、物質のさまざまな巨視的性質を微視的な観点から研究する物理学の分野。量子力学や統計力学を理論的基盤とし、その理論部門を物性論(ぶっせいろん)と呼ぶことも多い。これらは日本の物理学界独特の名称であるが、しばしば凝縮系物理学に比定される。狭義には固体物理学を指し、広義には固体物理学(結晶・アモルファス・合金)およびソフトマター物理学・表面物理学・物理化学、プラズマ・流体力学などの周辺分野を含む。.

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運動量

運動量(うんどうりょう、)とは、初等的には物体の運動の状態を表す物理量で、質量と速度の積として定義される。この意味の運動量は後述する一般化された運動量と区別して、運動学的運動量(あるいは動的運動量、kinetic momentum, dynamical momentum)と呼ばれる。また、角運動量 という運動量とは異なる量と対比する上で、線型運動量 などと呼ばれることもある。 日常生活において、物体の持つ運動量は、動いている物体の止めにくさとして体感される。つまり、重くて速い物体ほど運動量が大きく、静止させるのに大きな力積が必要になる。 アイザック・ニュートンは運動量の時間的変化と力の関係を運動の第2法則として提示した。 解析力学では、上述の定義から離れ、運動量は一般化座標とオイラー=ラグランジュ方程式を通じて与えられる。この運動量は一般化座標系における一般化速度の対応物として、一般化運動量 と呼ばれる。 特にハミルトン形式の解析力学においては、正準方程式を通じて与えられる正準変数の一方を座標と呼び他方を運動量と呼ぶ。この意味の運動量は、他と区別して、正準運動量 と呼ばれる。また、正準運動量は、正準方程式において座標の対となるという意味で、共役運動量 と呼ばれる。運動量は、ハミルトン形式の力学では、速度よりも基本的な量であり、ハミルトン形式で記述される通常の量子力学においても重要な役割を果たす。 共役運動量と通常の運動学的運動量の違いが際立つ例として、磁場中を運動する電子の運動の例が挙げられる(#解析力学における運動量も参照)。電磁場中を運動する電子に対してはローレンツ力が働くが、このローレンツ力に対応する一般化されたポテンシャルエネルギーには電子の速度の項があるために、共役運動量はラグランジアンのポテンシャル項に依存した形になる。このとき共役運動量と運動学的運動量は一致しない。また、電磁場中の電子の運動を記述する古典的ハミルトニアンでは、共役運動量の部分がすべて共役運動量からベクトルポテンシャルの寄与を引いたものに置き換わる。.

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量子力学

量子力学(りょうしりきがく、quantum mechanics)は、一般相対性理論と同じく現代物理学の根幹を成す理論として知られ、主として分子や原子、あるいはそれを構成する電子など、微視的な物理現象を記述する力学である。 量子力学自身は前述のミクロな系における力学を記述する理論だが、取り扱う系をそうしたミクロな系の集まりとして解析することによって、ニュートン力学に代表される古典論では説明が困難であった巨視的な現象についても記述することができる。たとえば量子統計力学はそのような応用例の一つである。従って、生物や宇宙のようなあらゆる自然現象もその記述の対象となり得る。 代表的な量子力学の理論として、エルヴィン・シュレーディンガーによって創始された、シュレーディンガー方程式を基礎に置く波動力学と、ヴェルナー・ハイゼンベルク、マックス・ボルン、パスクアル・ヨルダンらによって構成された、ハイゼンベルクの運動方程式を基礎に置く行列力学がある。ただしこの二つは数学的に等価である。 基礎科学として重要で、現代の様々な科学や技術に必須な分野である。 たとえば科学分野について、太陽表面の黒点が磁石になっている現象は、量子力学によって初めて解明された。 技術分野について、半導体を利用する電子機器の設計など、微細な領域に関するテクノロジーのほとんどは量子力学を基礎として成り立っている。そのため量子力学の適用範囲の広さと現代生活への影響の大きさは非常に大きなものとなっている。一例として、パソコンや携帯電話、レーザーの発振器などは量子力学の応用で開発されている。工学において、電子工学や超伝導は量子力学を基礎として展開している。.

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量子統計力学

量子統計力学 (りょうしとうけいりきがく、) とは量子力学的な系を扱う統計力学の手法。統計力学の基礎づけは量子力学に拠っているため、広義には統計力学一般を意味し、狭義には古典近似を用いないモデルを指す。対義語は古典統計力学。.

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金属

リウム の結晶。 リチウム。原子番号が一番小さな金属 金属(きんぞく、metal)とは、展性、塑性(延性)に富み機械工作が可能な、電気および熱の良導体であり、金属光沢という特有の光沢を持つ物質の総称である。水銀を例外として常温・常圧状態では透明ではない固体となり、液化状態でも良導体性と光沢性は維持される。 単体で金属の性質を持つ元素を「金属元素」と呼び、金属内部の原子同士は金属結合という陽イオンが自由電子を媒介とする金属結晶状態にある。周期表において、ホウ素、ケイ素、ヒ素、テルル、アスタチン(これらは半金属と呼ばれる)を結ぶ斜めの線より左に位置する元素が金属元素に当たる。異なる金属同士の混合物である合金、ある種の非金属を含む相でも金属様性質を示すものは金属に含まれる。.

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電子

電子(でんし、)とは、宇宙を構成するレプトンに分類される素粒子である。素粒子標準模型では、第一世代の荷電レプトンに位置付けられる。電子は電荷−1、スピンのフェルミ粒子である。記号は e で表される。また、ワインバーグ=サラム理論において弱アイソスピンは−、弱超電荷は−である。.

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