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アンドロマケー

索引 アンドロマケー

アンドロマケー(Ἀνδρομάχη, Andromachē)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してアンドロマケともいわれる。名前の意味は「男の戦い」で、ανδρος が「男の」、μαχη が「戦い」を表す。 エーエティオーンの娘で、父が支配していたキリキアのテーベで生まれ育った。夫はトロイア王プリアモスの子ヘクトールで、子にアステュアナクスがいた。 トロイア戦争で、夫のヘクトールはアキレウスに討たれ、幼い子供アステュアナクスはアキレウスの子ネオプトレモスに殺された。ネオプトレモスはアンドロマケーを妾、ヘクトールの兄弟ヘレノスを奴隷として連れ去った。 ネオプトレモスとの間にはモロッソスが生まれた。エウリーピデースの『アンドロマケー』では、彼女と子供は、ネオプトレモスの妻でヘレネーの娘ヘルミオネーに暗殺されそうになっている。 ネオプトレモスが死ぬと、アンドロマケーはヘレノスと結婚し、エーペイロスの女王となった。.

27 関係: たとえば野に咲く花のようにネオプトレモストロイア戦争ヘルミオネーヘレノスヘレネーヘクトールプリアモスビブリオテーケーホメーロスアポロドーロスアンドロマックアエネーイスアキレウスアステュアナクスイリオスイーリアスイピロスウィリアム・シェイクスピアウェルギリウスエウリピデスギリシア神話シャルル・ボードレールジャン・ラシーヌジャン・ジロドゥ長母音悪の華

たとえば野に咲く花のように

『たとえば野に咲く花のように』(たとえばのにさくはなのように)は、水上澄子による日本の漫画作品。 『なかよし』(講談社)にて連載された。.

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ネオプトレモス

ネオプトレモス(Νεοπτόλεμος,, Neoptolemus)は、ギリシア神話の人物である。ホメーロスの叙事詩『イーリアス』の主人公であるアキレウスとスキューロス島の王リュコメーデースの娘デーイダメイアの息子。.

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トロイア戦争

トロイア戦争(トロイアせんそう、Τρωικός πόλεμος, Trojan War)は、ギリシア神話に記述された、小アジアのトロイアに対して、ミュケーナイを中心とするアカイア人の遠征軍が行った戦争である。 トロイア、あるいはトローアスという呼称は、後の時代にイーリオス一帯の地域につけられたものである。この戦争の記述から、古代ギリシアにおいて、ホメーロスの英雄叙事詩『イーリアス』、『オデュッセイア』のほか、『キュプリア』、『アイティオピス』、『イーリオスの陥落』などから成る一大叙事詩環が派生した。またウェルギリウスはトロイア滅亡後のアイネイアースの遍歴を『アエネーイス』にて描いている。.

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ヘルミオネー

ヘルミオネー (Ἑρμιόνη, Hermionē)は、ギリシア神話に登場する女性である。長母音を省略してヘルミオネとも表記される。スパルタ王メネラーオスとその妻ヘレネーの娘。.

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ヘレノス

ヘレノス(Ἕλενος,, Helenus)は、ギリシア神話の人物で、トロイアの予言者である。 トロイア王プリアモスとヘカベーの子で、ヘクトール、パリス、デーイポボス、パムモーン、アンティポス、ヒッポノオス、ポリュドーロス、トローイロス、クレウーサ、ラーオディケー、ポリュクセネー、カッサンドラーと兄弟。後にアンドロマケーを妻とし、ケストリーノスをもうけた。 ヘレノスは一説にカッサンドラーと双子の兄弟で、ともにアポローンによって予言の術を授けられたという。トロイア戦争では主に武将として戦ったが、ときには神の会話を聞くなどによって予言し、トロイア軍を助けた。戦後については諸説がある。.

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ヘレネー

ヘレネーとパリス、ジャック=ルイ・ダヴィッド(1788) ヘレネー(Ἑλένη, Helenē, Helena, Helen)は、ギリシア神話に登場する女性である。長母音を省略してヘレネとも表記される。元来はスパルタで信仰された樹木崇拝に関わる女神だったと考えられている。 表向きはスパルタ王テュンダレオースと王妃レーダーの娘であるが、実父はゼウスであり、実母はネメシスともされる。兄にディオスクーロイ(カストールとポリュデウケース)兄弟、姉にクリュタイムネーストラーがいる。メネラーオスの妻となったが、イーリオス(トロイア)の王子パリスにさらわれ、トロイア戦争の原因となった。 ヘレネーは成長すると、地上で最も美しい絶世の美女となった。テーセウスは彼女をさらって母アイトラーのもとにあずけたが、ディオスクーロイにアイトラーごと取り返された。アイトラーは、この後ヘレネーに召し使われてイーリオスまでついて行き、イーリオス陥落の際にテーセウスの息子のデーモポーンとアカマースに再会した。 ヘレネーの結婚に際しては、求婚者がギリシア中から集まった。ヘレネーの義父テュンダレオースは、彼らの中の誰を結婚相手に選んでも、それ以外の男たちの恨みを買う恐れがあるため、あらかじめ「誰が選ばれるにしても、その男が困難な状況に陥った場合には、全員がその男を助ける」という約束をさせ、彼らの中からメネラーオスを選んだ。 メネラーオスの妻となったヘレネーは、イーリオスの王子パリスの訪問を受けた。パリスは美の審判の際に、アプロディーテーからヘレネーを妻にするようそそのかされていたのである。ヘレネーはパリスに魅了され、娘ヘルミオネーを捨てて、イーリオスまでついていってしまった。 メネラーオスとその兄アガメムノーンらは、ヘレネーを取り返すべく、求婚者仲間たちを集めてイーリオスに攻め寄せた。元求婚者たちは、前の約束があるためにこれを断ることができず、トロイア戦争に参加した。 トロイア戦争では、ヘレネーを返してギリシア勢に引き上げてもらおうという提案がなされるが、パリスが反論して沙汰やみになった。パリスの死後は、パリスの弟のヘレノスとデーイポボスがヘレネーをめぐって争いをおこし、ヘレネーはデーイポボスの妻になることとなった。ヘレノスは弟にヘレネーを奪われたことをうらみ、戦闘に参加するのをやめて市外に逃れた。その後ヘレノスはオデュッセウスに捕まって説得され、ギリシア勢に味方することになった。ヘレノスは予言能力によりイーリオス陥落に必要な条件を教え、その滅亡を助けた。 イーリオス陥落の際、木馬の中にいたメネラーオスは、デーイポボスの館に駆けつけてデーイポボスを殺した。そしてヘレネーも殺そうとするが、恋情やみがたく殺すことができなかった。ヘレネーはメネラーオスと共にスパルタに帰った。 後日談では、再びスパルタの王妃として、かつての求婚者たちの許しを得て平穏に暮らしたとされる。また、別の話ではアガメムノーンの息子オレステースによって殺されたとある。オレステースは、密通の果てに夫アガメムノーンを殺した母クリュタイムネーストラーを自らの手にかけたが、叔母であるヘレネーをも「父アガメムノーンを10年に及ぶ戦争に連れ出し、家族崩壊の原因を作った不義の女」として成敗した。ギリシア悲劇でもしばしば扱われたが、三大作家の一人エウリーピデースによる悲劇『ヘレネー』が現存している。 ヘロドトスはその著書「歴史」で、エジプトで得た知識としてこれらの通説とは異なる話を記載している。 それによると、パリスの船が風の影響でエジプトに来航した際に、彼の従者が神殿に駆け込んで主人のヘレネー誘拐を暴露した為、パリス一行はエジプトの官憲に逮捕されてしまう。当時のエジプトには「漂着者は丁重に保護する」という規則があった為、パリスは命だけは助けられたものの、ヘレネーと彼女と共に略奪したスパルタ王室の宝物をエジプト王室の管理下に置かれた上で国外追放の判決が下された。事態を知らされたパリスの父でトロイ王プリアモスはスパルタに事情を説明するが、激怒したメネラーオスはトロイ側の話をトロイが落城するまで信用せず、エジプトに問い合わせすらしなかった。トロイが占領されるに至って、トロイからヘレネーの姿も痕跡も発見されず、尚且つ生き残った捕虜もプリアモスの話を繰り返すだけであった事から、漸くメネラーオスはエジプトを来訪。エジプトのファラオから歓待を受けた上、丁重に扱われていたヘレネーと厳重に保管されていた宝物の返還を受けた。しかしながら、帰国を焦るメネラーオスが航海安全祈願の生贄の為に現地民の子供を誘拐した事が発覚した為、慌てて出航したスパルタ人はリビア方面に流されてしまい、却って帰国に手間取ることになってしまった。 ヘロドトス自身は「王族を含む大量の戦死者が出ている状況でヘレネーを返還しないのは異常。返還しようにも返還できない状況にあったと考える方が合理的。」として、通説よりもこのエジプトで伝えられていた説を支持している。.

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ヘクトール

ヘクトール(、 Hector)は、ギリシア神話の英雄である。日本語では長母音記号を省略し、ヘクトルともいう。トロイアの王子であり、トロイア戦争におけるトロイア勢最強の戦士。トロイアを築いたダルダノスとトロースの末裔プリアモス王と王妃ヘカベーの間に生まれた。妻アンドロマケーとの間に一子スカマンドリオス(トロイアの人間はアステュアナクスと呼ぶ)をもうけた。イーリアスにおいて、兜きらめくヘクトールと称される。 トロイア防衛の総大将として軍勢を指揮し、また個人の勇猛さをもってアカイア勢を敗走寸前にまで追い込んでいる。アカイアの戦士を31人殺したと伝わる。 善き夫、善き父でもあり、戦争に負けた後に起こる妻子の処遇を案じている。トロイア戦争の元凶となった弟パリスについても、叱りこそすれ見放すことはなかった。国のことを第一に考えるヘクトールに対し、自身が原因にもかかわらずパリスは飄々としている。 パトロクロスの猛反撃も打ち破るが、アキレウスに敗北し遺体を辱められる。父であるプリアモス王がアキレウスの陣まで出向き、ヘクトールの遺体を引き取る。 トロイアの陥落後、妻アンドロマケーはアキレウスの子ネオプトレモスの戦利品となった。そして、アステュアナクスは殺された。 中世ヨーロッパにおいてジャック・ド・ロンギオンは九偉人の一人に挙げている。ジェームズ・レッドフィールドは「国に殉じた男、かけがえのない日常生活を守るため死んでいった英雄」と述べている。.

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プリアモス

プリアモス(Πρίαμος,, Priamus, Priam)は、ギリシア神話上の人物(ただし、トローイアの実在が判明している今、相当する人物が実在した可能性もないわけではない)で、イーリオス(トローイア)の王ラーオメドーンの子で、その後をつぎ、トローイア最後の王となった。ホメーロスの叙事詩『イーリアス』に登場する。 もともとはポダルケースという名前だった。ヘーラクレースによるトローイア攻略の際、姉ヘーシオネーによって、ヘーラクレースから購われた。このことにちなんで、プリアモスと呼ばれるようになったという。(Priamai「買う」という意味) アリスベーを妻とし、アイサコスが生まれた。しかしアリスベーをヒュルタコスに与えて、新しい妻ヘカベーを迎える。 ヘカベーとの間に、ヘクトール、パリス、カッサンドラ、デーイポボス、ヘレノス、パムモーン、ポリーテース、アンティポス、ヒッポノオス、ポリュドーロス、クレウーサ、ラーオディケー、ポリュクセネー、が生まれた。パリスがトローイアを滅亡させるとの神託を受け、イーダー山に捨てさせたが、パリスがヘレネーを伴い帰還したときにはこれを受け入れた。 他の女性との間にも息子メラニッポス、ゴルギュティオーン、ピライモーン、ヒッポトオス、グラウコス、アガトーン、ケルシダマース、エウアゴラース、ヒッポダマース、メーストール、アータース、ドリュクロス、リュカーン、、ビアース、クロミオス、アステュゴノス、テレスタース、エウアンドロス、ケブリオネース、ミュリオス、アルケマコス、ラーオドコス、エケプローン、イードメネウス、ヒュペリオーン、アスカニオス、デーモコオーン、アレートス、デーイオピテース、クロニオス、エケムモーン、ヒュペイロコス、アイゲオーネウス、リューシトオス、ポリュメドーン、娘メドゥーセー、メーデシカステー、リューシマケー、アリストデーメーなどが生まれた。 トロイア戦争でヘクトールがアキレウスに殺され、屍が戦車によって引きずりまわされた際には、アキレウスの陣まで自ら陰行して出向き、ヘクトールの遺骸をアキレウスに請うた。アキレウスは感動してヘクトールの遺骸を引き渡した。『イーリアス』はイーリオン城へ帰るプリアモスを描いて終わっている。 トローイア落城の際、ネオプトレモス(アキレウスの息子)に殺害された。.

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ビブリオテーケー

『ビブリオテーケー』(Βιβλιοθήκη、、Bibliotheca)は、伝統的なギリシア神話と英雄伝説の概要を述べた本。3巻が現存する。日本語訳書の題は『ギリシア神話』だが、原題は「文庫」の意。 この種類の書籍として、古代より現在にまで伝存した唯一のもので、世界の起源からトロイア戦争までのギリシア神話の系統的概説書である。.

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ホメーロス

ホメーロス(、Homerus、Homer)は、紀元前8世紀末のアオイドス(吟遊詩人)であったとされる人物を指す。ホメロスとも。西洋文学最初期の2つの作品、『イーリアス』と『オデュッセイア』の作者と考えられている。「ホメーロス」という語は「人質」、もしくは「付き従うことを義務付けられた者」を意味する。古代人はホメーロスを「詩人」()というシンプルな異名で呼んでいた。 今日でもなお、ホメーロスが実在したのかそれとも作り上げられた人物だったのか、また本当に2つの叙事詩の作者であったのかを断ずるのは難しい。それでも、イオニアの多くの都市(キオス、スミルナ、コロポーンなど)がこのアオイドスの出身地の座を争っており、また伝承ではしばしばホメーロスは盲目であったとされ、人格的な個性が与えられている。しかし、彼が実在の人物であったとしても、生きていた時代はいつ頃なのかも定まっていない。もっとも信じられている伝説では、紀元前8世紀とされている。また、その出生についても、女神カリオペの子であるという説や私生児であったという説などがありはっきりしない。さらに、彼は、キュクラデス諸島のイオス島で没したと伝承されている。。 当時の叙事詩というジャンルを1人で代表するホメーロスが古代ギリシア文学に占める位置は極めて大きい。紀元前6世紀以降、『イーリアス』と『オデュッセイア』はホメーロスの作品と考えられるようになり、また叙事詩のパロディである『蛙鼠合戦』や、ホメーロス讃歌の作者とも見做されるようになった。主にイオニア方言などからなる混成的なは紀元前8世紀には既に古風なものであり、テクストが固定された紀元前6世紀にはなおのことそうであった。両叙事詩は(ダクテュロスのヘクサメトロス)で歌われており、ホメーロス言語はこの韻律と密接に結び付いている。 古代において、ホメーロスの作品に与えられていた史料としての価値は、今日では極めて低いものと見做されている。このことは同時に、西洋において叙事詩というジャンルを確立した文学的創造、詩としての価値をさらに高めた。無数の継承者が出現し、21世紀のハリウッドにまで続いている。.

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アポロドーロス

アポロドーロス(Apollodoros)は、古代ローマ時代のギリシャの著作家。長母音表記を省略してアポロドロスとも。『ビブリオテーケー』(『ギリシア神話』)の編纂者として知られる。1世紀から2世紀頃の人物と推定されている。 紀元前2世紀後半ごろのアテーナイの文法家にアポロドーロスという人がいて、著作『神々について』、『年代記』の断片が現存している。かつてこのアポロドーロスと、『ビブリオテーケー』の編者は同一人物と見なされていたが、後年の研究によって、別人説が有力となっている。このため、『ビブリオテーケー』の編者は「偽アポロドーロス」とも呼ばれる。 『ビブリオテーケー』の編者については、9世紀にフォティオスが言及しているのが初出で、その後ツェツェース(Tzetzes, およそ1110年 - 1180年)が引用しているが、それ以前の記録は無い。伝承の諸写本ではこのアポロドーロスを「アテーナイ人にして文法家」、フォティオスも「文法家」と呼んでおり、古代後期の頃からこの両者は同一視されていたと見られる。 19世紀に入り、ローベルト(C.Robert)の研究(1873年)によって別人説が打ち出された。すなわち、アテーナイ人の文法家の著書の断片と『ビブリオテーケー』の比較から、文法家の合理主義的神話解釈と『ビブリオテーケー』の古代文学より伝承された神話の無批判的な編纂方針に於ける大きな乖離があることである。また、『ビブリオテーケー』ではカストール(Kastor)が引用されているが、異説はあるにせよ、ストラボンやスーイダースの伝えるところによれば、カストールは紀元前1世紀の歴史家であることから、『ビブリオテーケー』の編者としてのアポロドーロスは、最も早くとも紀元前1世紀より遡ることはないとの見解が有力である。とはいえ、年代を紀元前1世紀以後のいつごろに帰すべきかについては諸説の一致を見ておらず、「1世紀から2世紀ごろ」についても推定の域を出ていない。.

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アンドロマック

『アンドロマック』(Andromaque)は、フランスの劇作家、ジャン・ラシーヌ作の悲劇。執筆は1667年。初演はその同じ年の11月17日オテル・ド・ブルーゴーニュ座で、王妃マリー・テレーズ・ドートリッシュのために上演された。 アンドロマック(アンドロマケー)を主人公にした劇は、エウリーピデースとウェルギリウスが書いていて、ラシーヌの劇はそれらを元にしている。トロイア戦争で、夫エクトール(ヘクトール)をアシール(アキレウス)に殺されたアンドロマックは、戦利品としてアシールの息子ピリュス(ネオプトレモス)の奴隷となる。ピリュスはスパルタ王メネラス(メネラーオス)の娘エルミオーヌ(ヘルミオネー)と結婚すると思われていた。 ラシーヌの劇の構造は、一方通行の愛の連鎖である。オレスト(オレステース)はエルミオーヌを愛し、エルミオーヌはピリュスを、ピリュスはアンドロマックを、アンドロマックは亡夫エクトールと息子アスティアナクス(アステュアナクス)を愛している。ピリュスの宮廷にオレストが到着したその時から、登場人物たちは激情的に破滅へと向かいだす。前作(『アレクサンドル大王 』1665年)に引き続き、この劇の重要なテーマは「勇ましさ」である。以降、ラシーヌの劇はますます悲劇的要素を濃くし、そして『フェードル』(1677年)で、ついにその頂点を極めることになる。 他のラシーヌの劇と違って、『アンドロマック』の人気が廃れることはなかった。この悲劇は、コメディ・フランセーズのレパートリーの中でも最も由緒ある劇である。さらに、フランスの学校では、劇の古典として、最も多く読まれ、研究されている。上映時間4時間に及ぶジャック・リヴェット監督の『狂気の愛』(1969年)は、舞台『アンドロマック』のリハーサルを中心にして物語が進行する。.

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アエネーイス

『アエネーイス』()は、古代ローマの詩人ウェルギリウス(前70年–前19年)の叙事詩。全12巻。イーリオス(トロイア)滅亡後の英雄アエネーアース(Aenēās、ギリシア語ではアイネイアース Αἰνείας)の遍歴を描く。アエネーイスは「アエネーアースの物語」の意。 ウェルギリウスの最後にして最大の作品であり、ラテン文学の最高傑作とされる。この作品の執筆にウェルギリウスは11年(前29年–前19年)を費やした。最終場面を書き上げる前に没したため未完である。彼は死の前にこの草稿の焼却を望んだが、アウグストゥスが刊行を命じたため世に出ることになった。『アエネーイス』以後に書かれたラテン文学で、この作品を意識していないものはない。.

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アキレウス

アキレウス(Ἀχιλλεύς、Achilles)は、ギリシア神話に登場する英雄で、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』の主人公である。ラテン語ではアキレス。 プティーアの出身で、プティーア王ペーレウスと海の女神テティスとの間に生まれた。アイアコスの孫にあたる。スキューロス島の王リュコメーデースの娘デーイダメイアとの間にネオプトレモスをもうけた。トロイア戦争にはミュルミドーン人を率いて50隻の船と共に参加し、たった一人で形勢を逆転させ、敵の名将を尽く討ち取るなど、無双の力を誇ったが、戦争に勝利する前に弱点の踵を射られて命を落とした。足が速く、『イーリアス』では「駿足のアキレウス」と形容される。.

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アステュアナクス

アステュアナクス(Ἀστυάναξ, Astyánax)とは、ギリシア神話に登場する人物。.

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イリオス

イリオス(古代ギリシア語イオニア方言形:イーリオス)は、ギリシア神話に登場する都市。イリオン(イオニア方言形:イーリオン)、トロイア(アッティカ方言形:トロイア、イオニア方言形:トロイエー、ドーリス方言形:トローイア)、トロイ(英語:Troy)、トロイアー(古典ラテン語:トロイヤ)などとも呼ばれる。現在のトルコ北西部、ダーダネルス海峡以南(同海峡の東側、アジア側、トルコ語ではトゥルヴァ)にあったとされる。遺跡の入り口には、有名な「トロイの木馬」の複製が建てられている。 一般に、ハインリヒ・シュリーマンによって発掘された遺跡がイリオスに比定されている。神話ではかなりの規模を持った都市国家であるが、現在発掘によって確認される遺跡は城塞以上のものではない。ギリシア神話においては、アガメムノーンを頭とするアカイア軍に滅ぼされたとされ、そのあらましはホメロスの『イーリアス』をはじめとする叙事詩環に描かれている。 トロイの古代遺跡については、イリオス遺跡を参照のこと。.

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イーリアス

イーリアスの表紙(1572年・Rihel社) 『イーリアス』(Iλιάς, Ilias, Iliad)は、ホメーロスによって作られたと伝えられる長編叙事詩で、最古期の古代ギリシア詩作品である。.

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イピロス

イピロス(ギリシャ語: Ήπειρος / Ípiros、Epirus、Epiri)は、ギリシャ共和国の広域自治体であるペリフェリア(地方)のひとつ。歴史的な地名としては、現在のギリシャとアルバニアにまたがるイオニア海沿岸の地域を指す。 古典ギリシャ語ではエペイロス(Ἤπειρος / Ēpeiros)、ラテン語ではエピルス(Epirus)と呼ばれた。日本語表記ではギリシャ語に基づく慣用形としてエピロスも用いられる。.

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ウィリアム・シェイクスピア

ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare, 1564年4月26日(洗礼日) - 1616年4月23日(グレゴリオ暦5月3日))は、イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼の残した膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている。 出生地はストラトフォード・アポン・エイヴォンで、1585年前後にロンドンに進出し、1592年には新進の劇作家として活躍した。1612年ごろに引退するまでの約20年間に、四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。「ヴィーナスとアドーニス」のような物語詩もあり、特に「ソネット集」は今日でも最高の詩編の一つと見なされている。 2002年BBCが行った「100名の最も偉大な英国人」投票で第5位となった。 「シェイクスピア」の日本における漢字表記(借字)は「沙吉比亜」だが、これは中国での表記「莎士比亞」(繁体字での表記で、簡体字では「莎士比亚」)の「莎」を「沙」と、「亞」を「亜」と略し、「士」の代わりに「吉」を用いたもの。「沙翁」と呼ばれることもある。.

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ウェルギリウス

プーブリウス・ウェルギリウス・マーロー(Publius Vergilius Maro、紀元前70年10月15日? - 紀元前19年9月21日)は、ラテン文学の黄金期を現出させたラテン語詩人の一人である。共和政ローマ末の内乱の時代からオクタウィアヌスの台頭に伴う帝政の確立期にその生涯を過ごした(#生涯)。『牧歌』、『農耕詩』、『アエネーイス』の三作品によって知られる(#作品)。ヨーロッパ文学史上、ラテン文学において最も重視される人物である(#受容)。.

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エウリピデス

ウリピデス(、 紀元前480年頃 - 紀元前406年頃)は、古代アテナイのギリシア悲劇における三大悲劇詩人の1人である。エウリーピデースと長母音で表記されることもある。現代にも大きな影響を及ぼしている。代表作は『メデイア』、『アンドロマケ』など。.

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ギリシア神話

リシア神話(ギリシアしんわ、ΜΥΘΟΛΟΓΊΑ ΕΛΛΗΝΙΚΉ)は、古代ギリシアより語り伝えられる伝承文化で、多くの神々が登場し、人間のように愛憎劇を繰り広げる物語である。ギリシャ神話とも言う。 古代ギリシア市民の教養であり、さらに古代地中海世界の共通知識でもあったが、現代では、世界的に広く知られており、ギリシャの小学校では、ギリシャ人にとって欠かせない教養として、歴史教科の一つになっている。 ギリシア神話は、ローマ神話の体系化と発展を促進した。プラトーン、古代ギリシアの哲学や思想、ヘレニズム時代の宗教や世界観、キリスト教神学の成立など、多方面に影響を与え、西欧の精神的な脊柱の一つとなった。中世においても神話は伝承され続け、その後のルネサンス期、近世、近代の思想や芸術にとって、ギリシア神話は霊感の源泉であった。.

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シャルル・ボードレール

ャルル=ピエール・ボードレール(Charles-Pierre Baudelaire()、1821年4月9日 - 1867年8月31日)は、フランスの詩人、評論家である。.

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ジャン・ラシーヌ

ャン・ラシーヌ ジャン・バティスト・ラシーヌ(Jean Baptiste Racine,1639年12月21日誕生、12月22日受洗 - 1699年4月21日没)は、17世紀フランスの劇作家で、フランス古典主義を代表する悲劇作家である。 シャンパーニュ地方出身。幼少時に両親を亡くし、ジャンセニスムの影響下にある修道院の付属学校で、厳格なカトリック教育を受ける。ラシーヌはこの学校で古典文学に対する教養と、ジャンセニスムの世界観を身につけた。このことは後のラシーヌの作品に深い影響を及ぼした。 その悲劇作品のほとんどは、三一致の法則を厳格に守り、主にギリシア神話、古代ローマの史実に題材をとる。『旧約聖書』に題材をとるものを、ラシーヌは悲劇とせず史劇と呼んだ。 ラシーヌは均整の取れた人物描写と劇的な筋の構成を、アレクサンドラン詩行と呼ばれるイアンボス6詩脚の丹精で華麗な韻文に綴った。後期の『聖書』を題材とする作品を除けば、ラシーヌの劇は、二人の若い恋人を中心とするものが多い。二人は愛し合っているが、女性が王など高位の男性に望まれる、あるいは二人が敵対しあう家系にいるなどして、恋愛は成就しない。この葛藤がラシーヌの悲劇の中心となる。これに第三者の嫉妬、政治闘争などが加わり筋が複雑になり、最終的に二人の恋は成就せず、主人公の死をもって幕が下りる。 またラシーヌは自身の作品を印刷に付し刊行する際、必ず書き下ろしの序文をつける習慣があった。このためラシーヌの作品は、たんに悲劇としての価値のみならず、演劇論としての価値をももつ。ラシーヌの詩論のなかではオスマン帝国の皇位継承争いを題材にする『バジャゼ』につけた序文での「悲劇の題材は観客から適切な隔たりをもつものでなければならない。この隔たりは神話や古い歴史のような時間的な隔たりだけでなく、時間的にはあまり遠くないがわれわれの風俗になじみのない距離的な隔たりであってもよい」とするものなどが知られる。 ラシーヌの代表作として今日もなお上演されるものには『アンドロマック』、『ベレニス』、『フェードル』などがある。 なお、彼の肖像はかつて、フランスの50フラン紙幣に描かれていた。.

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ジャン・ジロドゥ

ドゥ、1927年 ジャン・ジロドゥ(Jean Giraudoux、1882年10月29日 - 1944年1月31日)は、フランスの外交官・劇作家・小説家。オート=ヴィエンヌ県の小都邑ベラック生まれ。ナチス占領末期のパリで死去。.

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長母音

長母音(ちょうぼいん)とは、母音の持続時間が長いものをいう。これと対照的に持続時間が短いものは、短母音(たんぼいん)と呼ばれる。.

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悪の華

『悪の華』(あくのはな、Les Fleurs du mal)は、シャルル・ピエール・ボードレールの詩集(『悪の花』とも)。はじめ題名は『冥府』となる予定だった。 詩人の生誕から死までを退廃的、官能的に表現する。ボードレール唯一の韻文詩集。象徴主義詩の始まりとされ、各国の詩人たちに多大な影響を与えた。   .

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