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アンドロマック

索引 アンドロマック

『アンドロマック』(Andromaque)は、フランスの劇作家、ジャン・ラシーヌ作の悲劇。執筆は1667年。初演はその同じ年の11月17日オテル・ド・ブルーゴーニュ座で、王妃マリー・テレーズ・ドートリッシュのために上演された。 アンドロマック(アンドロマケー)を主人公にした劇は、エウリーピデースとウェルギリウスが書いていて、ラシーヌの劇はそれらを元にしている。トロイア戦争で、夫エクトール(ヘクトール)をアシール(アキレウス)に殺されたアンドロマックは、戦利品としてアシールの息子ピリュス(ネオプトレモス)の奴隷となる。ピリュスはスパルタ王メネラス(メネラーオス)の娘エルミオーヌ(ヘルミオネー)と結婚すると思われていた。 ラシーヌの劇の構造は、一方通行の愛の連鎖である。オレスト(オレステース)はエルミオーヌを愛し、エルミオーヌはピリュスを、ピリュスはアンドロマックを、アンドロマックは亡夫エクトールと息子アスティアナクス(アステュアナクス)を愛している。ピリュスの宮廷にオレストが到着したその時から、登場人物たちは激情的に破滅へと向かいだす。前作(『アレクサンドル大王 』1665年)に引き続き、この劇の重要なテーマは「勇ましさ」である。以降、ラシーヌの劇はますます悲劇的要素を濃くし、そして『フェードル』(1677年)で、ついにその頂点を極めることになる。 他のラシーヌの劇と違って、『アンドロマック』の人気が廃れることはなかった。この悲劇は、コメディ・フランセーズのレパートリーの中でも最も由緒ある劇である。さらに、フランスの学校では、劇の古典として、最も多く読まれ、研究されている。上映時間4時間に及ぶジャック・リヴェット監督の『狂気の愛』(1969年)は、舞台『アンドロマック』のリハーサルを中心にして物語が進行する。.

25 関係: 劇作家マリー・テレーズ・ドートリッシュネオプトレモスメネラーオストロイア戦争ヘルミオネーヘクトールフランスフェードルアンドロマケーアガメムノーンアキレウスアステュアナクスイリオスイピロスウェルギリウスエリーニュスエウリピデスオレステースコメディ・フランセーズジャン・ラシーヌジャック・リヴェットスパルタ11月17日1667年

劇作家

劇作家(playwright, dramatist)は、演劇の上演のために書かれる戯曲の作者。戯曲家と呼ばれることもある。日本においては演出家を兼ねている者が多い。現在までその作品が残っている最も古い劇作家としては、紀元前5世紀頃のアイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデスなどの古代ギリシアにおける悲劇作家達が挙げられる。その作品である戯曲は、通常は俳優によって観客の前で演劇として上演するために執筆される。戯曲の中には、上演を目的とせず読まれることを目的に書かれたレーゼドラマや、戯曲の形式をとってはいるが上演は意図していない作品もある。 「プレイライト」という発音になる英語の playwright は、「play(プレイ.

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マリー・テレーズ・ドートリッシュ

マリー・テレーズ・ドートリッシュ(Marie Thérèse d'Autriche, 1638年9月10日 - 1683年7月30日)は、フランス王ルイ14世の王妃。父はスペイン王フェリペ4世、母はフランス王アンリ4世とマリー・ド・メディシスの娘イサベル・デ・ボルボン。スペイン名はマリア・テレサ(María Teresa de Austria)。 ルイ14世の父ルイ13世はイサベルの兄、母アンヌ・ドートリッシュはフェリペ4世の姉であり、ルイ14世とマリー・テレーズとは父方・母方双方で従兄妹に当たる。神聖ローマ皇帝レオポルト1世の皇后マルガリータ・テレサは異母妹、スペイン・ハプスブルク家最後の王カルロス2世は異母弟である。.

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ネオプトレモス

ネオプトレモス(Νεοπτόλεμος,, Neoptolemus)は、ギリシア神話の人物である。ホメーロスの叙事詩『イーリアス』の主人公であるアキレウスとスキューロス島の王リュコメーデースの娘デーイダメイアの息子。.

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メネラーオス

メネラーオス(Μενέλαος,, Menelaus)は、ギリシア神話の英雄である。長母音を省略してメネラオス、あるいはメネラウスとも表記される。トロイア戦争におけるギリシア側の副大将で、伝説上のスパルタ王である。ミュケーナイ王アトレウスの子。妻はヘレネーで、兄はアガメムノーン、父はアトレウス、娘にはヘルミオネーがいる。.

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トロイア戦争

トロイア戦争(トロイアせんそう、Τρωικός πόλεμος, Trojan War)は、ギリシア神話に記述された、小アジアのトロイアに対して、ミュケーナイを中心とするアカイア人の遠征軍が行った戦争である。 トロイア、あるいはトローアスという呼称は、後の時代にイーリオス一帯の地域につけられたものである。この戦争の記述から、古代ギリシアにおいて、ホメーロスの英雄叙事詩『イーリアス』、『オデュッセイア』のほか、『キュプリア』、『アイティオピス』、『イーリオスの陥落』などから成る一大叙事詩環が派生した。またウェルギリウスはトロイア滅亡後のアイネイアースの遍歴を『アエネーイス』にて描いている。.

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ヘルミオネー

ヘルミオネー (Ἑρμιόνη, Hermionē)は、ギリシア神話に登場する女性である。長母音を省略してヘルミオネとも表記される。スパルタ王メネラーオスとその妻ヘレネーの娘。.

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ヘクトール

ヘクトール(、 Hector)は、ギリシア神話の英雄である。日本語では長母音記号を省略し、ヘクトルともいう。トロイアの王子であり、トロイア戦争におけるトロイア勢最強の戦士。トロイアを築いたダルダノスとトロースの末裔プリアモス王と王妃ヘカベーの間に生まれた。妻アンドロマケーとの間に一子スカマンドリオス(トロイアの人間はアステュアナクスと呼ぶ)をもうけた。イーリアスにおいて、兜きらめくヘクトールと称される。 トロイア防衛の総大将として軍勢を指揮し、また個人の勇猛さをもってアカイア勢を敗走寸前にまで追い込んでいる。アカイアの戦士を31人殺したと伝わる。 善き夫、善き父でもあり、戦争に負けた後に起こる妻子の処遇を案じている。トロイア戦争の元凶となった弟パリスについても、叱りこそすれ見放すことはなかった。国のことを第一に考えるヘクトールに対し、自身が原因にもかかわらずパリスは飄々としている。 パトロクロスの猛反撃も打ち破るが、アキレウスに敗北し遺体を辱められる。父であるプリアモス王がアキレウスの陣まで出向き、ヘクトールの遺体を引き取る。 トロイアの陥落後、妻アンドロマケーはアキレウスの子ネオプトレモスの戦利品となった。そして、アステュアナクスは殺された。 中世ヨーロッパにおいてジャック・ド・ロンギオンは九偉人の一人に挙げている。ジェームズ・レッドフィールドは「国に殉じた男、かけがえのない日常生活を守るため死んでいった英雄」と述べている。.

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フランス

フランス共和国(フランスきょうわこく、République française)、通称フランス(France)は、西ヨーロッパの領土並びに複数の海外地域および領土から成る単一主権国家である。フランス・メトロポリテーヌ(本土)は地中海からイギリス海峡および北海へ、ライン川から大西洋へと広がる。 2、人口は6,6600000人である。-->.

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フェードル

『フェードル』初版のタイトル・ページ 『フェードル』(Phèdre)は、フランスの劇作家、ジャン・ラシーヌ作の悲劇。初演時の題名は『フェードルとイポリート Phèdre et Hippolyte 』だった。全体で5幕からなり、アレクサンドラン(十二音綴)で書かれている。初演は1677年1月1日、オテル・ド・ブルーゴーニュ座。ラシーヌにとっては、最後の世俗的悲劇で、この作品を書いてから12年間、新作を書くことなく、宗教と王への献身に専念することになる。 『フェードル』はギリシア神話から題材を得ている。ギリシア・ローマの悲劇詩にも取り上げられ、とくにエウリピデスの『ヒッポリュトス』とセネカの『パエドラ』が有名である。フェードル(パイドラ)は、夫テゼー(テセウス)の留守中に、義理の息子イポリート(ヒッポリュトス)に恋をしてしまう、という話である。 『フェードル』はすべての面で完成度が高い。悲劇的構成、人間観察の深さ、韻文の豊かさ、さらにマリー・シャンメレが演じた主役フェードルの解釈。ヴォルテールはこの劇のことを「人間精神を扱った最高傑作」と呼んでいる。エウリピデスと反対に、ラシーヌは劇の最後でフェードルを死なせている。つまり、フェードルがイポリートの死を知ってしまうのだ。フェードルのキャラクター造型はラシーヌの悲劇作品の中でも最高のものである。フェードルは他人を不幸にしながら、実は彼女自身も己の衝動の犠牲者である。怖さと哀れさを共に備えたキャラクターといえよう。 この劇の台詞のいくつかは、たとえば「la fille de Minos et de Pasiphaë(ミノスとパジファエの娘)」(第1幕第1場にあるイポリートの台詞)など、フランスの古典的な名台詞となった。十二音綴詩句は音楽性の美しさが特徴だが、ラシーヌはただ響きの美しさだけを考えて台詞を書いたわけではない。フェードルの中には、母パジフィエから受け継いだ、飽くことなき欲望と死への恐怖が複雑に入り混じっている。 コルネイユを後援するブイヨン公爵夫人とその一派の陰謀により、初演は成功にいたらなかった。彼女たちは、今では忘れられた作家ニコラス・プラドンに同じ題材の劇を急いで書かせ、その上演を『フュードル』にぶつけてきたのだ。そのせいで、ラシーヌは1689年まで劇の執筆を絶つことになった。なお、その時書いた劇は『エステル』で、ルイ14世の寵姫マントノン侯爵夫人の依頼によるものだった。しかし現在では、『フェードル』はラシーヌの代表作の一つと見なされ、また、17世紀以降現在まで上演回数の最も多い作品のひとつとなっている。.

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アンドロマケー

アンドロマケー(Ἀνδρομάχη, Andromachē)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してアンドロマケともいわれる。名前の意味は「男の戦い」で、ανδρος が「男の」、μαχη が「戦い」を表す。 エーエティオーンの娘で、父が支配していたキリキアのテーベで生まれ育った。夫はトロイア王プリアモスの子ヘクトールで、子にアステュアナクスがいた。 トロイア戦争で、夫のヘクトールはアキレウスに討たれ、幼い子供アステュアナクスはアキレウスの子ネオプトレモスに殺された。ネオプトレモスはアンドロマケーを妾、ヘクトールの兄弟ヘレノスを奴隷として連れ去った。 ネオプトレモスとの間にはモロッソスが生まれた。エウリーピデースの『アンドロマケー』では、彼女と子供は、ネオプトレモスの妻でヘレネーの娘ヘルミオネーに暗殺されそうになっている。 ネオプトレモスが死ぬと、アンドロマケーはヘレノスと結婚し、エーペイロスの女王となった。.

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アガメムノーン

アガメムノーンの黄金の仮面。実際にはアガメムノーンの時代より3世紀も昔のものだった アガメムノーンの帰還 アガメムノーンの死 アガメムノーン(Ἀγαμέμνων, )は、ギリシア神話の英雄である。長母音を省略してアガメムノンとも表記される。 アガメムノーンはミュケーナイの王であり、トロイア戦争におけるギリシア軍の総大将である。父はアトレウス。弟にメネラーオス。妻にクリュタイムネーストラー。息子にオレステース。娘にイーピゲネイアおよびエーレクトラー。.

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アキレウス

アキレウス(Ἀχιλλεύς、Achilles)は、ギリシア神話に登場する英雄で、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』の主人公である。ラテン語ではアキレス。 プティーアの出身で、プティーア王ペーレウスと海の女神テティスとの間に生まれた。アイアコスの孫にあたる。スキューロス島の王リュコメーデースの娘デーイダメイアとの間にネオプトレモスをもうけた。トロイア戦争にはミュルミドーン人を率いて50隻の船と共に参加し、たった一人で形勢を逆転させ、敵の名将を尽く討ち取るなど、無双の力を誇ったが、戦争に勝利する前に弱点の踵を射られて命を落とした。足が速く、『イーリアス』では「駿足のアキレウス」と形容される。.

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アステュアナクス

アステュアナクス(Ἀστυάναξ, Astyánax)とは、ギリシア神話に登場する人物。.

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イリオス

イリオス(古代ギリシア語イオニア方言形:イーリオス)は、ギリシア神話に登場する都市。イリオン(イオニア方言形:イーリオン)、トロイア(アッティカ方言形:トロイア、イオニア方言形:トロイエー、ドーリス方言形:トローイア)、トロイ(英語:Troy)、トロイアー(古典ラテン語:トロイヤ)などとも呼ばれる。現在のトルコ北西部、ダーダネルス海峡以南(同海峡の東側、アジア側、トルコ語ではトゥルヴァ)にあったとされる。遺跡の入り口には、有名な「トロイの木馬」の複製が建てられている。 一般に、ハインリヒ・シュリーマンによって発掘された遺跡がイリオスに比定されている。神話ではかなりの規模を持った都市国家であるが、現在発掘によって確認される遺跡は城塞以上のものではない。ギリシア神話においては、アガメムノーンを頭とするアカイア軍に滅ぼされたとされ、そのあらましはホメロスの『イーリアス』をはじめとする叙事詩環に描かれている。 トロイの古代遺跡については、イリオス遺跡を参照のこと。.

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イピロス

イピロス(ギリシャ語: Ήπειρος / Ípiros、Epirus、Epiri)は、ギリシャ共和国の広域自治体であるペリフェリア(地方)のひとつ。歴史的な地名としては、現在のギリシャとアルバニアにまたがるイオニア海沿岸の地域を指す。 古典ギリシャ語ではエペイロス(Ἤπειρος / Ēpeiros)、ラテン語ではエピルス(Epirus)と呼ばれた。日本語表記ではギリシャ語に基づく慣用形としてエピロスも用いられる。.

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ウェルギリウス

プーブリウス・ウェルギリウス・マーロー(Publius Vergilius Maro、紀元前70年10月15日? - 紀元前19年9月21日)は、ラテン文学の黄金期を現出させたラテン語詩人の一人である。共和政ローマ末の内乱の時代からオクタウィアヌスの台頭に伴う帝政の確立期にその生涯を過ごした(#生涯)。『牧歌』、『農耕詩』、『アエネーイス』の三作品によって知られる(#作品)。ヨーロッパ文学史上、ラテン文学において最も重視される人物である(#受容)。.

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エリーニュス

リーニュス()は、ギリシア神話に登場する復讐の女神たちである。複数形でエリーニュエス()、またはフューリズ(Furies)とも称する。日本語では長母音を省略してエリニュス、エリニュエスとも呼ぶ。 古くは数が不定で、多数からなる女神であったと考えられるが、後代の神話では、アレークトー(止まない者)、ティーシポネー(殺戮の復讐者)、メガイラ(嫉妬する者)の三女神に整理された。親殺しや偽誓の罪に対する「復讐の女神たち」として知られる。神話上の系譜ではティーターンに属し、オリュンポスの神々とは異なる祭祀を受けた。.

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エウリピデス

ウリピデス(、 紀元前480年頃 - 紀元前406年頃)は、古代アテナイのギリシア悲劇における三大悲劇詩人の1人である。エウリーピデースと長母音で表記されることもある。現代にも大きな影響を及ぼしている。代表作は『メデイア』、『アンドロマケ』など。.

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オレステース

''The Remorse of Orestes'' - ウィリアム・アドルフ・ブグロー (1862) オレステース(Ὀρέστης, Orestēs)は、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』に登場するギリシア軍の総大将アガメムノーンの息子でミュケーナイの王子である。長母音を省略してオレステスとも表記される。殺伐とした復讐譚『オレステイア』の主人公で、『イーリアス』をめぐる因果応報を清算する人物として描かれている。.

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コメディ・フランセーズ

メディ・フランセーズ(Comédie-Française)は、1680年に結成されたフランスを代表する王立の(後に国立の)劇団である。 また、その劇団が本拠とするパリ1区のパレ・ロワイヤルに建つ劇場の名称でもあり、テアトル・フランセ(Théâtre-Français)とも呼ばれる。2008年現在、コメディ・フランセーズは、ほかに6区ヴュー・コロンビエ通りにあるヴュー・コロンビエ劇場と1区リヴォリ通りにあるステュディオ劇場の2つの劇場をもつ。.

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ジャン・ラシーヌ

ャン・ラシーヌ ジャン・バティスト・ラシーヌ(Jean Baptiste Racine,1639年12月21日誕生、12月22日受洗 - 1699年4月21日没)は、17世紀フランスの劇作家で、フランス古典主義を代表する悲劇作家である。 シャンパーニュ地方出身。幼少時に両親を亡くし、ジャンセニスムの影響下にある修道院の付属学校で、厳格なカトリック教育を受ける。ラシーヌはこの学校で古典文学に対する教養と、ジャンセニスムの世界観を身につけた。このことは後のラシーヌの作品に深い影響を及ぼした。 その悲劇作品のほとんどは、三一致の法則を厳格に守り、主にギリシア神話、古代ローマの史実に題材をとる。『旧約聖書』に題材をとるものを、ラシーヌは悲劇とせず史劇と呼んだ。 ラシーヌは均整の取れた人物描写と劇的な筋の構成を、アレクサンドラン詩行と呼ばれるイアンボス6詩脚の丹精で華麗な韻文に綴った。後期の『聖書』を題材とする作品を除けば、ラシーヌの劇は、二人の若い恋人を中心とするものが多い。二人は愛し合っているが、女性が王など高位の男性に望まれる、あるいは二人が敵対しあう家系にいるなどして、恋愛は成就しない。この葛藤がラシーヌの悲劇の中心となる。これに第三者の嫉妬、政治闘争などが加わり筋が複雑になり、最終的に二人の恋は成就せず、主人公の死をもって幕が下りる。 またラシーヌは自身の作品を印刷に付し刊行する際、必ず書き下ろしの序文をつける習慣があった。このためラシーヌの作品は、たんに悲劇としての価値のみならず、演劇論としての価値をももつ。ラシーヌの詩論のなかではオスマン帝国の皇位継承争いを題材にする『バジャゼ』につけた序文での「悲劇の題材は観客から適切な隔たりをもつものでなければならない。この隔たりは神話や古い歴史のような時間的な隔たりだけでなく、時間的にはあまり遠くないがわれわれの風俗になじみのない距離的な隔たりであってもよい」とするものなどが知られる。 ラシーヌの代表作として今日もなお上演されるものには『アンドロマック』、『ベレニス』、『フェードル』などがある。 なお、彼の肖像はかつて、フランスの50フラン紙幣に描かれていた。.

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ジャック・リヴェット

ャック・リヴェット(Jacques Rivette, 1928年3月1日 - 2016年1月29日) は、フランスの映画監督、脚本家、映画批評家、雑誌編集者。『カイエ・デュ・シネマ』誌元編集長であり、ヌーヴェルヴァーグの中心的人物である。.

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スパルタ

パルタ(: Σπάρτα / Spártā スパルター、Sparta)は、現在のペロポネソス半島南部スパルティにあった古代ギリシア時代のドーリス人による都市国家(ポリス)である。自らはラケダイモーン(Λακεδαίμων / Lakedaimōn)と称した。 古代ギリシア世界で最強の重装歩兵軍を誇り、ペルシア戦争ではギリシア軍の主力であった。ペロポネソス同盟の盟主となり、アテナイを破って一時期はギリシア世界に覇を唱えた。他のギリシャ諸都市とは異なる国家制度を有しており、特に軍事的教育制度は「スパルタ教育」として知られる。.

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11月17日

11月17日(じゅういちがつじゅうななにち、じゅういちがつじゅうしちにち)は、グレゴリオ暦で年始から321日目(閏年では322日目)にあたり、年末まであと44日ある。 毎年この日ごろしし座流星群が観測できる。.

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1667年

記載なし。

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