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クルチウス転位

索引 クルチウス転位

ルチウス転位 (クルチウスてんい、Curtius rearrangement) は有機化学における転位反応の一つで、酸アジドを加熱することにより、窒素の発生を伴いながらイソシアネートを生成する反応である。テオドール・クルチウスが1890年に報告した。 かつては酸アジドの合成法として酸塩化物とアジ化ナトリウムとの反応、酸ヒドラジドと亜硝酸誘導体との反応などが用いられていた。近年ではジフェニルリン酸アジド(DPPA)の開発により、単にカルボン酸とDPPAを混合して加熱するだけでよく、実験操作の安全性・簡便性は大幅に向上した。 クルチウス転位の生成物は反応性に富んだイソシアネートであり、これを酸で処理すれば一級アミンに、tert-ブチルアルコールやベンジルアルコールを加えればそれぞれBoc基、Z基で保護されたアミンがワンポットで得られてくる。 。 カルボン酸としては一級・二級・三級アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸などが使用できる。この時立体化学は完全に保持され、カルボン酸から一炭素減少したアミンが得られることになる。他の方法では作りにくいアミンが合成できるため、合成法としての価値が高い。 クルチウス反応の機構は一般に、窒素分子 (N2) が脱離してニトレンが発生し、置換基(R)が転位する二段階機構、あるいは窒素分子の脱離と転位が協奏的に起こる一段階機構のいずれかである。.

21 関係: 亜硝酸ロッセン転位ニトレンホフマン転位ベンジルアルコールベンジルオキシカルボニル基アミンアジ化ナトリウムアジ化物イソシアネートウルフ転位カルボン酸カルボン酸塩化物シュミット反応ジフェニルリン酸アジドChemische Berichte立体化学転位反応Tert-ブチルアルコールTert-ブトキシカルボニル基有機化学

亜硝酸

亜硝酸(あしょうさん、nitrous acid)とは、窒素のオキソ酸のひとつで化学式 HNO2 で表される弱酸である。IUPAC命名法系統名はジオキソ硝酸 (dioxonitric(III) acid) である。遊離酸の状態では不安定で分解しやすい為、亜硝酸塩または亜硝酸エステル等の形で保存あるいは使用されることが多い。.

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ロッセン転位

ッセン転位(ロッセンてんい、Lossen rearrangement)とは有機化学における転位反応の一種で、下の式のようにヒドロキサム酸 1 が 塩化パラトルエンスルホニル のような脱水性の試薬と縮合して 2 のような O-置換体となり、それが自発的に転位してイソシアネート 3 へと変わる反応である。 ヒドロキサム酸は通常、対応するカルボン酸エステルとヒドロキシルアミンから合成される。.

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ニトレン

ニトレン または ナイトレン (nitrene) とは、HN: と表される中性分子の名称。または HN: を母化合物とする一連の誘導体 R-N: のこと。まれに アミニレン (aminylene) とも呼ばれる。類縁体にあたる炭素化合物がカルベンであり、性質が類似する。.

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ホフマン転位

ホフマン転位(ホフマンてんい、Hofmann rearrangement)はカルボン酸アミドを臭素のアルカリ水溶液で処理すると、炭素数が1個減少したアミンが得られる転位反応のことである。1871年にアウグスト・ヴィルヘルム・フォン・ホフマンによって報告された。 反応は以下のような機構によって進行する。.

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ベンジルアルコール

ベンジルアルコール (benzyl alcohol) は、示性式 C6H5CH2OH、分子量 108.14 の芳香族アルコール。融点 −15.3 ℃、沸点 205 ℃ の無色の液体。CAS登録番号は 。フェニルメタノール(phenylmethanol) とも呼ばれる。.

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ベンジルオキシカルボニル基

ベンジルオキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニルき、benzyloxycarbonyl group)は有機化学における原子団の一種で、C6H5CH2−O−C(.

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アミン

アミン(amine)とは、アンモニアの水素原子を炭化水素基または芳香族原子団で置換した化合物の総称である。 置換した数が1つであれば第一級アミン、2つであれば第二級アミン、3つであれば第三級アミンという。また、アルキル基が第三級アミンに結合して第四級アンモニウムカチオンとなる。一方アンモニアもアミンに属する。 塩基、配位子として広く利用される。.

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アジ化ナトリウム

アジ化ナトリウム (アジかナトリウム、sodium azide) は組成式 NaN3 で表される、白色無臭の塩である。ナトリウムアジドともいう。式量 65.01、融点 275℃、沸騰する前に分解するので沸点は無い。室温では六方晶系の結晶である。窒化ナトリウム Na3N(式量 82.976)と混同されやすいが、これとは全く別の化合物である。.

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アジ化物

アジ化物(アジかぶつ、azide)とは −N3 原子団を持つ化合物の総称である。アジ化物イオン (N3&minus) の塩も、置換基であるアジ基 (−N3) が共有結合した化合物もアジド (azide) と呼ばれる。特にアシル基にアジ基が置換した化合物を酸アジドと呼ぶ。 アジ化物塩は爆発性を示すものが多く、重金属塩は爆発物の信管に利用される(記事 アジ化鉛に詳しい)。金属のアジ化物は消防法第2条第7項及び別表第一第5類10号、危険物の規制に関する政令第1条により危険物第5類に指定されている。アジ基を持つ有機化合物の大半は爆発性を示さないが、常圧蒸留等で過熱した際に爆発するものも一部存在する。 アジ化物イオンもアジ基も直線構造ではなく、僅かに曲がっている(約172度)。.

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イソシアネート

イソシアネート (isocyanate) とは −N.

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ウルフ転位

ウルフ転位(ウルフてんい、Wolff rearrangement)とは、有機化学における転位反応のひとつで、α-ジアゾケトンからケテンが生成する反応である。1912年に L. Wolff により報告された。 ウルフ転位 生成物であるケテンに水やアルコールが求核付加するとカルボン酸やエステルが生成する。.

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カルボン酸

ルボン酸(カルボンさん、carboxylic acid)とは、少なくとも一つのカルボキシ基(−COOH)を有する有機酸である。カルボン酸の一般式はR−COOHと表すことができ、Rは一価の官能基である。カルボキシ基(carboxy group)は、カルボニル基(RR'C.

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カルボン酸塩化物

ルボン酸塩化物(カルボンさんえんかぶつ、carboxylic acid chloride)は、R-C(.

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シュミット反応

ュミット反応(シュミットはんのう、Schmidt reaction)は化合物を酸性条件下においてアジ化水素で処理した際に起こる化学反応のことである。いずれも転位反応であるため、シュミット転位(シュミットてんい、Schmidt rearrangement)とも呼ばれる。 この反応には多くのパターンがある。 カルボン酸とアジ化水素を反応させるとカルボン酸アジドを経てイソシアン酸エステルが得られる。シュミット反応と言った場合には、この反応を指すことがもっとも多い。クルチウス転位と関連する反応であるが、カルボン酸から直接イソシアン酸エステルが得られる点が異なる。この点でジフェニルリン酸アジドを用いるクルチウス転位の変法は、シュミット反応に近い。 ケトンとアジ化水素を反応させるとカルボニル基の隣りにNHが挿入されたカルボン酸アミドが得られる。この反応はベックマン転位と類似している。反応機構はカルボニル基にアジ化水素が求核付加した後、ヒドロキシ基が脱離することでベックマン転位でのオキシムに対応するR2C.

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ジフェニルリン酸アジド

フェニルリン酸アジド(ジフェニルリンさんアジド、diphenylphosphoryl azide, 略称 DPPA)は有機合成化学において、アジドの導入に用いられる試薬で、(PhO)2P(.

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Chemische Berichte

Chemische Berichte (ヘミッシェ・ベリヒテ) は、1868年にドイツで創刊された、化学を中心に扱う学術雑誌。Chem.

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立体化学

立体化学(りったいかがく、英語:stereochemistry)とは、分子の3次元的な構造のこと、あるいはそれを明らかにするための方法論や、それに由来する物性論などを含めた学問領域をいう。 化学物質の立体的な構造は、その物性に極めて大きな影響を及ぼす。したがって、立体化学は化学のなかでも最も基本的かつ重要な項目である。基本的な分野であるため、講義科目や教科書名で多用される用語である。.

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転位反応

転位反応(てんいはんのう、英語:rearrangement reaction)とは、化合物を構成する原子または原子団(基)が結合位置を変え、分子構造の骨格変化を生じる化学反応の総称である。一方、原子または原子団(基)が骨格に変化を与えずに結合位置を変える化学反応(メトキシ基やアセチル基の分子内転移など)を転移反応とよぶ。 反応形式別に、自己の分子骨格内で基が移動する分子内転位(ぶんしないてんい、intramolecular rearrangement)、基が一度遊離して異なる分子にも移動しうるものを分子間転位(ぶんしかんてんい、intermolecular rearrangement)と呼ぶ。 また反応機構別に求核転位(求核反応)、求電子転位(求電子反応)、シグマトロピー転位(シグマトロピー反応)、ラジカル転位(ラジカル反応)と呼び分けられる。 異性化の多くはプロトン(水素イオン)の転位を反応機構とし、生体内では酵素(EC.5群に属する異性化酵素)によって頻繁に転位反応が起こされている(注:EC.2群に属する転移酵素は分子内でなく分子間で原子団を移すものである)。.

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Tert-ブチルアルコール

tert-ブチルアルコール(ターシャリー-ブチルアルコール、tert-butyl alcohol)または2-メチル-2-プロパノールとは最も単純な構造の第三級アルコールで、四種存在するブタノールの異性体の一つである。なお、特に産業分野では「tert-ブタノール」と称されることがあり、特許公報などでは広く用いられているが、この名称はIUPAC命名法に反する誤った名称であり、使うべきではない。tert-ブチルアルコールは透明な液体で樟脳のような臭いを持ち、水、エタノール、ジエチルエーテルと均一に混和する。融点が摂氏25度をわずかに上回るので、常温で固体になるという特徴はブタノールの異性体の中でも唯一である。.

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Tert-ブトキシカルボニル基

''tert''-ブトキシカルボニル基 tert-ブトキシカルボニル基(ターシャリーブトキシカルボニルき、tert-butoxycarbonyl group)は有機化学における原子団の一種で、(CH3)3C−O−C(.

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有機化学

有機化学(ゆうきかがく、英語:organic chemistry)は、有機化合物の製法、構造、用途、性質についての研究をする化学の部門である。 構造有機化学、反応有機化学(有機反応論)、合成有機化学、生物有機化学などの分野がある。 炭素化合物の多くは有機化合物である。また、生体を構成するタンパク質や核酸、糖、脂質といった化合物はすべて炭素化合物である。ケイ素はいくぶん似た性質を持つが、炭素に比べると Si−Si 結合やSi.

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