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立体化学

索引 立体化学

立体化学(りったいかがく、英語:stereochemistry)とは、分子の3次元的な構造のこと、あるいはそれを明らかにするための方法論や、それに由来する物性論などを含めた学問領域をいう。 化学物質の立体的な構造は、その物性に極めて大きな影響を及ぼす。したがって、立体化学は化学のなかでも最も基本的かつ重要な項目である。基本的な分野であるため、講義科目や教科書名で多用される用語である。.

46 関係: 単結晶同位体同素体不斉合成幾何異性体化学化学式化学結合化学物質メソ化合物ラセミ体トランス (化学)デオキシリボ核酸分子分子構造アノマーアンチエピマーエクリプスキラリティークラム則ゴーシュシクロヘキサンの立体配座シス (化学)ジアステレオマーサリドマイド元素光学異性体立体異性体立体選択性立体配座立体配置異性体異性化物性物性物理学鏡像鏡像体過剰率英語IUPAC命名法X線回折投影式核磁気共鳴構造異性体次元新モッシャー法

単結晶

単結晶(たんけっしょう、single crystal, monocrystal)とは結晶のどの位置であっても、結晶軸の方向が変わらないものをいう。単結晶の集合体が多結晶である。多結晶中の個々の単結晶を結晶粒という。.

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同位体

同位体(どういたい、isotope;アイソトープ)とは、同一原子番号を持つものの中性子数(質量数 A - 原子番号 Z)が異なる核種の関係をいう。この場合、同位元素とも呼ばれる。歴史的な事情により核種の概念そのものとして用いられる場合も多い。 同位体は、放射能を持つ放射性同位体 (radioisotope) とそうではない安定同位体 (stable isotope) の2種類に分類される。.

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同素体

同素体(どうそたい、allotrope、allotropism)とは、同一元素の単体のうち、原子の配列(結晶構造)や結合様式の関係が異なる物質同士の関係をいう。同素体は単体、すなわち互いに同じ元素から構成されるが、化学的・物理的性質が異なる事を特徴とする。 典型的な例としてよく取り上げられるものに、ダイヤモンドと黒鉛(グラファイト)がある。 炭素の同素体である両者は硬度以外にも、透明度や電気伝導性が大きく異なるが、これはダイヤモンドの分子(正四面体の格子) とグラファイトの分子(平面的な六方格子の層)の構造に大きな違いがあるためで、物性における分子構造の重要性を示す例となっている。 多くの同素体は安定した分子として存在し、相転移(気体、液体、固体)しても化学形は変化しない (例:O2、O3) が、例外的にリンの同素体は固体でのみ現れ、液体ではすべて P4 の形を取る。.

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不斉合成

不斉合成(ふせいごうせい)とは化学的な処理過程のひとつ。光学活性(キラル)な物質を作り分けることである。 光学活性な物質とは、分子構造が非対称なために鏡写しの構造をとった分子(鏡像体、エナンチオマー)が元の分子とは異なる物質のことである。これらは、化学反応性や物性がほぼ等しいため分離が困難であるが、生体への作用はまったく異なっている場合がある。そのため、鏡写しの分子のうち有用な物質を選択的に合成することが医薬品、農薬の開発に大きな貢献をした。 光学活性な化合物の合成手法としては、ジアステレオ選択的な方法とエナンチオ選択的な合成方法がある。ジアステレオ選択的な方法とは、すでに不斉の要素を持つ化合物に対して反応を行うことで、一方のジアステレオマーを優先的に合成する方法である。 エナンチオ選択的な方法とは、不斉の要素を持たない化合物に対して反応を行うことで、一方のエナンチオマーを優先的に合成する方法である。野依良治は不斉な配位子を持つ金属錯体を触媒として、不斉要素を持たない化合物のエナンチオ選択的還元反応において有用な方法を開発し、2001年のノーベル化学賞を受賞している。 ちなみに、光学活性な化合物を得る不斉合成以外の方法としては、ラセミ体に対して光学活性な基質を反応させて、ジアステレオマーにして分離することで光学活性な化合物を単離する方法(ジアステレオマー塩法)や、ラセミ体のうち一方と選択的に反応させることで光学的に純粋な原料と生成物とを得る方法(速度論的分割)などがある。 エナンチオ選択的不斉合成反応では基質の側鎖を少し変化させただけで、選択性(異性体の片方が過剰にできる割合)が劇的に変化する。モデル化合物で選択性の高い反応が見つかっても、有用な化合物の生産には全く役立たず、不斉触媒を使うよりもエナンチオマーの等量混合物であるラセミ体を合成して、それを分離するほうが手間がかからず、安価になる場合もある。.

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幾何異性体

幾何異性体(きかいせいたい、geometrical isomer)は有機化合物や錯体の立体異性体の一種である。有機化合物の場合 正式にはシス-トランス異性体 (cis-trans isomer) と呼び、幾何異性体という言葉はIUPACでは推奨されていない。しかし日本の高校の化学ではまだ使われている。幾何異性体と呼ばれるものは次の3種類である。.

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化学

化学(かがく、英語:chemistry、羅語:chemia ケーミア)とは、さまざまな物質の構造・性質および物質相互の反応を研究する、自然科学の一部門である。言い換えると、物質が、何から、どのような構造で出来ているか、どんな特徴や性質を持っているか、そして相互作用や反応によってどのように別なものに変化するか、を研究する岩波理化学辞典 (1994) 、p207、【化学】。 すべての--> 日本語では同音異義の「科学」(science)との混同を避けるため、化学を湯桶読みして「ばけがく」と呼ぶこともある。.

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化学式

化学式(かがくしき、chemical formula)とは、化学物質を元素の構成で表現する表記法である。分子からなる物質を表す化学式を分子式(ぶんししき、molecular formula)、イオン物質を表す化学式をイオン式(イオンしき、ionic formula)と呼ぶことがある。化学式と呼ぶべき場面においても、分子式と言い回される場合は多い。 化学式が利用される場面としては、物質の属性情報としてそれに関連付けて利用される場合と、化学反応式の一部として物質を表すために利用される場合とがある。.

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化学結合

化学結合(かがくけつごう)は化学物質を構成する複数の原子を結びつけている結合である。化学結合は分子内にある原子同士をつなぎ合わせる分子内結合と分子と別の分子とをつなぎ合わせる分子間結合とに大別でき、分子間結合を作る力を分子間力という。なお、金属結晶は通常の意味での「分子」とは言い難いが、金属結晶を構成する結合(金属結合)を説明するバンド理論では、分子内結合における原子の数を無限大に飛ばした極限を取ることで、金属結合の概念を定式化している。 分子内結合、分子間結合、金属結合のいずれにおいても、化学結合を作る力は原子の中で正の電荷を持つ原子核が、別の原子の中で負の電荷を持つ電子を電磁気力によって引きつける事によって実現されている。物理学では4種類の力が知られているが、電磁気力以外の3つの力は電磁気力よりも遥かに小さい為、化学結合を作る主要因にはなっていない。したがって化学結合の後述する細かな分類、例えば共有結合やイオン結合はどのような状態の原子にどのような形で電磁気力が働くかによる分類である。 化学結合の定式化には、複数の原子がある場合において電子の軌道を決定する必要があり、そのためには量子力学が必須となる。しかし多くの簡単な化合物や多くのイオンにおいて、化学結合に関する定性的な説明や簡単な定量的見積もりを行う分には、量子力学で得られた知見に価電子や酸化数といった分子の構造と構成を使って古典力学的考察を加える事でも可能である。 それに対し複雑な化合物、例えば金属複合体では価電子理論は破綻し、その振る舞いの多くは量子力学を基本とした理解が必要となる。これに関してはライナス・ポーリングの著書、The Nature of the Chemical Bondで詳しく述べられている。.

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化学物質

化学物質(かがくぶっしつ、chemical substance)とは、分野や文脈に応じて以下のような様々な意味で用いられている言葉である。.

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メソ化合物

メソ化合物もしくは メソ体 とは立体化学の用語のひとつで、分子内にキラル中心を持つが、同時に対称面も持つためにキラリティーを示さない化合物のこと。.

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ラセミ体

ラセミ体(—たい) (racemate) とは、立体化学の用語で、キラル化合物の2種類の鏡像異性体(エナンチオマー)が等量存在することにより旋光性を示さなくなった状態の化合物のこと。日本語の「ラセミ体」は、ラセミ混合物 (racemic mixture) を表す場合と、ラセミ化合物 (racemic compound) を表す場合とがある。 キラル化合物の2つのエナンチオマーをそれぞれR体およびS体とすると、ラセミ混合物とはR体とS体とを等モル量混合したもののことであり、ラセミ化合物とはR体とS体の分子が、分子間力や水素結合などの分子間相互作用により 1:1、あるいは n:n の数比でつくった会合体のことである。ラセミ体では各分子の旋光性が互いに打ち消し合い、観測されなくなる。 エナンチオマーの旋光度が小さすぎて観測できなければ旋光度測定によるラセミ体の判定はできないが、その場合でもR体とS体を混合すれば融点の変化は観測できる。旋光分散 (ORD)、円二色性 (CD) の測定により光学活性が明らかになることもある。 ラセミ混合物を結晶化すると、R体またはS体のみの結晶よりも、両者が1:1で対を形成したラセミ結晶が析出しやすい。これは、R体とS体が相補的に充填されるため、より高密度で安定な結晶となるためであり、この現象はオットー・ヴァラッハにちなみヴァラッハ則 (Wallach's rule) と呼ばれる。.

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トランス (化学)

トランス (trans) とは、有機化合物や無機化合物の立体化学について、2個の置換基の位置関係を示す用語のひとつで、「シス」(cis) との対として用いられる。ほか、いくつかの化学用語で接頭語とされている。.

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デオキシリボ核酸

DNAの立体構造 デオキシリボ核酸(デオキシリボかくさん、deoxyribonucleic acid、DNA)は、核酸の一種。地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質である。.

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分子

分子(ぶんし)とは、2つ以上の原子から構成される電荷的に中性な物質を指すIUPAC.

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分子構造

分子構造(ぶんしこうぞう、molecular structure、molecular geometry)とは、分子の幾何学的構造をいい、例えば原子間距離や配向などをさす。分子構造を調べるには、主に回折法と分光法が用いられる。.

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アノマー

アノマー(anomer)とはピラノースあるいはフラノースが環状構造を取ることで発生する立体異性体の関係を示す化学用語である。ピラノースやフラノースは他の糖とグルコシド結合していない状態ではヘミアセタール(ヘミケタール)結合を生成したり、加水分解したりすることで、鎖状構造と環状構造との間で平衡が存在する。アノマーは環状構造を取ったときに、ヘミアセタール(ヘミケタール)を形成するC-1炭素が不斉炭素になることで発生する立体異性体なので、糖が単独で存在する場合はアノマー同士には平衡状態が存在する。 アノマーの違いを表記する為にα-またはβ-の接頭辞が使用される。D-Glucoseをハース投影式で記述した場合、C-1炭素のヒドロキシ基が下向きなアノマーがα-D-Glucoseであり、上向きのアノマーがβ-D-Glucoseに相当する。 500px.

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アンチ

アンチ 、アンタイ(anti-).

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エピマー

ピマー (epimer) とは立体化学を表す用語で、2ヶ所以上のキラル中心を持ちジアステレオマーの関係にある化合物のうち、特に1ヶ所のキラル中心上の立体配置だけが異なる化合物を指す。 例えば、α-グルコースとβ-グルコースはエピマーの関係にある。α-グルコースでは1位のヒドロキシ基 (-OH) がアキシャル方向に向いているが、β-グルコースではエカトリアル方向に向いている。これらは1位の炭素上の配置だけが異なるエピマーである。糖の場合、1位の立体が異なるエピマーを特に アノマー (anomer) とも呼ぶ。 β-D-グルコピラノースとβ-D-マンノピラノースは2位の炭素上の立体配置だけが異なるエピマーである。β-D-グルコピラノースの2位のヒドロキシ基はエカトリアル方向へ、β-D-マンノピラノースではアキシャル方向へ向いている。これらはアノマーとは呼ばれない。 化合物の名称において、ある化合物に対するエピマーに epi- という接頭辞をつけて呼ぶことがある。例えばキニーネに対して、ヒドロキシ基の立体が異なるエピマーをエピキニーネ (epi-quinine) と呼ぶ。.

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エクリプス

リプス、イクリプス、エクリップス (eclipse) は、「日食」や「蝕」を意味する英語。ギリシア語で「力を失う」ことを意味する εκλειπσισ (ékleipsis) からラテン語を経て、英語へ取り込まれた。.

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キラリティー

ラリティー (chirality) は、3次元の図形や物体や現象が、その鏡像と重ね合わすことができない性質。掌性。 キラリティがあることをキラル (chiral) という。英語風の発音でカイラリティ、カイラルともいう。これらの語はギリシャ語で「手」を意味するχειρ (cheir) が語源である。手はキラルなものの一例で、右手とその鏡像である左手は互いに重ね合わせられない(右手の掌と左手の甲を向かい合わせたときに重なり合わないということである)。一方でキラリティがない、つまり鏡像と重ね合わせられることをアキラル (achiral) という。キラルな図形とその鏡像を互いに(たとえば右手に対する左手を)enantiomorphsと言い、ギリシャ語で「反対」を意味するεναντιος (enantios) が語源である。 対掌性(たいしょうせい)ともいう。対掌とは右と左の手のひらの対を意味している。対称性と紛らわしいが、キラリティとは鏡像対称性の欠如であり、むしろ逆の意味になる。 幾何学的な図形のほか、分子、結晶、スピン構造などについて使われる。以下では分子のキラリティを中心に述べる。.

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クラム則

クラム則(クラムそく)は、α位に不斉中心を持つカルボニル基への求核付加反応の立体選択性についての経験則である。 1952年にドナルド・ジェームス・クラム (Donald James Cram)らによって提唱された。 このクラムのモデルにおいてはカルボニル基のα位の不斉中心においてはカルボニル基の酸素原子に配位したルイス酸との立体反発により、最も立体的に大きい置換基がカルボニル基とアンチペリプラナーに位置する立体配座をとる分子が優先的に存在していると考える。 そして、この立体配座において、最も立体的に小さい置換基のある側の面から求核付加が起こった生成物のほうが優先的に得られる。 また、1959年にα位にヒドロキシ基やエーテル結合を持つ化合物についてのモデルもクラムらによって提唱されている。 このモデルはキレーション・モデルと呼ばれ、ヒドロキシ基やエーテル結合の酸素原子がカルボニル基に配位しているルイス酸とキレート結合するため、ヒドロキシ基やエーテル結合はカルボニル基とシンペリプラナーの立体配座をとると考える。 そしてこの立体配座において、最も立体的に小さい置換基のある側の面から求核付加が起こった生成物のほうが優先的に得られる。 クラムのモデルは電子的な効果については考慮していないため、α位にハロゲン置換基を持つような、カルボニル基への求核付加反応の立体選択性はうまく説明できない。 このため立体電子効果を取り入れたフェルキン-アーンのモデルが提唱されている。 Category:立体化学 Category:有機化学.

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ゴーシュ

ーシュ.

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シクロヘキサンの立体配座

ヘキサンの立体配座(シクロヘキサンのりったいはいざ、cyclohexane conformation)は、シクロヘキサン分子がその化学結合の完全性を保ちながら取ることができる複数の三次元形状のいずれかである。 平らな正六角形の内角は120º であるが、炭素鎖における連続する結合間の望ましい角度は約109.5º (正四面体の中心と頂点を結ぶ直線のなす角)である。したがって、シクロヘキサン環は、全ての角度が109.5º に近づき、平らな六角形形状よりも低いひずみエネルギーを持つ特定の非平面立体配座を取る傾向にある。最も重要な形状はいす形、半いす形、舟形、ねじれ舟形である。シクロヘキサン分子はこれらの立体配座間を容易に移ることができ、「いす形」と「ねじれ舟形」のみが純粋な形で単離することができる。 シクロヘキサンの立体配座は配座異性の古典的な例であるため有機化学において広く研究されてきており、シクロヘキサンの物理的および化学的性質に顕著な影響を与えている。.

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シス (化学)

(cis) とは、有機化合物や無機化合物の立体化学について、2個の置換基の位置関係を示す用語のひとつで、「トランス」(trans) との対として用いられる。.

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ジアステレオマー

酒石酸には 3 つの立体異性体があり、このうち D 体とメソ体、L 体とメソ体がそれぞれジアステレオマーの関係にある。 ジアステレオマー (Diastereomer) は化学物質の異性体のひとつ。立体異性体のうち、鏡像異性体(エナンチオマー)でないものをいう。幾何異性体(シス-トランス異性体)もジアステレオマーに含まれる。偏左右異性体という訳語が稀に用いられる。 化合物 A が化合物 B のジアステレオマーである場合、A と B の分子式や化学結合の様式は等しいが、平行移動や回転操作を施してもぴったりと重ね合わせることはできない。また、A の鏡像も B とは重ならない。.

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サリドマイド

リドマイド(thalidomide)とは、非バルビツール酸系の化合物で、催眠作用と催奇形性を持ち、抗多発性骨髄腫薬、ハンセン病の2型らい反応の治療薬としても知られる。 海外で1957年にコンテルガン、日本では睡眠薬イソミン(1958年発売)やすぐ後の胃腸薬プロバンMとして販売されたが、催奇形が判明し世界規模の薬害サリドマイド禍を引き起こし、日本では1962年9月に販売停止された。妊婦が服用した場合に、サリドマイド胎芽症の新生児が生まれたためである。 1965年にはサリドマイドがらい性結節性紅斑に一時抑制効果が確かめられた。サリドマイド事件から40年後の1998年、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、らいに対して使用を承認した。また1999年には多発性骨髄腫(骨髄がん)への臨床試験が行われ、日本でも2008年サレドカプセルの商品名で再承認された。日本では使用にあたって「サリドマイド製剤安全管理手順」の遵守が求められる。.

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元素

元素(げんそ、elementum、element)は、古代から中世においては、万物(物質)の根源をなす不可欠な究極的要素広辞苑 第五版 岩波書店を指しており、現代では、「原子」が《物質を構成する具体的要素》を指すのに対し「元素」は《性質を包括する抽象的概念》を示す用語となった。化学の分野では、化学物質を構成する基礎的な成分(要素)を指す概念を指し、これは特に「化学元素」と呼ばれる。 化学物質を構成する基礎的な要素と「万物の根源をなす究極的要素」としての元素とは異なるが、自然科学における元素に言及している文献では、混同や説明不足も見られる。.

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光学異性体

光学異性体(こうがくいせいたい)は、主に有機化学で用いられる用語である。"optical isomer" の訳語で、立体異性体の種類を表すが、IUPACでは使用が推奨されておらず、代わりに「エナンチオマー」や「ジアステレオマー」を使うことが推奨されている。関連する光学的な現象の詳細については、「キラリティー」および「旋光」(光学活性)の項を参照されたい。 生化学や天然物化学、また薬学では、有機化合物の光学異性体の区別が重要になる。生体を構成する物質に異性体が多かったり、異性体の違いにより生理活性が異なるためである。.

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立体異性体

立体異性体(りったいいせいたい、stereoisomer)は異性体の一種であり、同じ構造異性体同士で、3次元空間内ではどう移動しても重ね合わせることができない分子をいう。立体異性が生じる原因には立体配置の違いと立体配座の違いがある。 構造異性体同士の化学的性質が大きく異なることは珍しくないが、立体異性体同士の化学的性質はよく似ていながらもわずかに異なるので、立体異性体の性質を研究する立体化学は化学において重要である。 異性体特に立体異性体が重要になる化合物は、多数の原子の共有結合でできた分子からなる化合物(ほとんどの有機化合物がそうである)および複数種類の配位子を持つ錯体である。.

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立体選択性

立体選択性(りったいせんたくせい)とは、ある化学反応の生成物として複数の立体異性体が考えられる場合に、ある特定の立体異性体が優先的に得られる反応の性質についていう。 考えられる生成物の立体異性体がジアステレオマーの関係にある場合にはジアステレオ選択性、エナンチオマーの関係にある場合にはエナンチオ選択性という。 立体選択性を定量的に表すためには、生成物の異性体比やジアステレオマー過剰率、鏡像体過剰率が使用される。 また、その反応の機構上ある特定の立体異性体のみしか得られないような反応の性質を立体特異性という。 例えばSN2反応は脱離基の背面側から求核剤が反応するというその機構上必ずワルデン反転を伴う。 そのため立体特異性のある反応である。 しかしある反応である特定の立体異性体のみしか得られなかったからといってその反応が立体特異性を持つとは限らない。.

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立体配座

立体配座(りったいはいざ、Conformation)とは、単結合についての回転や孤立電子対を持つ原子についての立体反転によって相互に変換可能な空間的な原子の配置のことである。 二重結合についての回転や不斉炭素についての立体反転のように通常の条件では相互に変換不可能な空間的な原子の配置は立体配置という。.

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立体配置

立体配置(りったいはいち)とは、化合物の分子に固有な原子の空間的な配置のことである。単結合まわりの回転などで生じる空間的な配置の違いのように、通常の条件で相互変換可能な空間的な配置、すなわち通常の条件では異性体として単離されない配置は立体配座と呼ばれ、立体配置とは分けて考える。 原子の結合の順番が同じでありながら立体配置が異なる2つの化合物は立体異性体と呼ばれる。立体配置を表記する方法としてはE/Z表示法、R/S表示法、D/L表示法などがある。.

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異性体

性体(いせいたい、、発音:()とは同じ数、同じ種類の原子を持っているが、違う構造をしている物質のこと。分子A1と分子A2が同一分子式で構造が異なる場合、A1はA2の異性体であり、A2はA1の異性体である。また同一分子式の一群の化合物をAと総称した場合、A1もA2もAの異性体である。「ジエチルエーテルはブタノールの異性体である」というのが前者の使い方であり、「ブタノールの構造異性体は4種類ある」というのが後者の使い方である。分子式C4H10Oの化合物の構造異性体と言えば、ブタノールに加えてジエチルエーテルやメチルプロピルエーテルも含まれる。 大多数の有機化合物のように多数の原子の共有結合でできた分子化合物は異性体を持ちうる。ひとつの中心原子に複数種類の配位子が配位した錯体は異性体を持ちうる。 異性体を持つという性質、異性体を生じる性質を異性(isomerism、発音:または)という。イェンス・ベルセリウスが、「同じ部分が一緒になっている」ことを意味するギリシャ語ιςομερηςから1830年に命名した。.

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異性化

性化(Isomerization)は、ある分子が原子の組成は全くそのままに、原子の配列が変化して別の分子に変換することである。これらの関連する分子のことは異性体と呼ぶ。ある条件下で自発的に異性化する分子もある。多くの異性体は、等しいかほぼ等しい結合エネルギーを持ち、そのためほぼ等量が存在する。これらは比較的自由に相互変換でき、即ち2つの異性体間のエネルギー障壁は高くはない。分子間で異性化が起きると、転位反応とみなせる。 有機金属化合物の異性化の例には、結合異性からのデカフェニルフェロセンの生成がある。 Formation of decaphenylferrocene from its linkage isomer.

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物性

物性(ぶっせい)とは、物質の示す物理的性質のこと。機械的性質(力学的性質)、熱的性質、電気的性質、磁気的性質、光学的性質がある。.

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物性物理学

物性物理学(ぶっせいぶつりがく)は、物質のさまざまな巨視的性質を微視的な観点から研究する物理学の分野。量子力学や統計力学を理論的基盤とし、その理論部門を物性論(ぶっせいろん)と呼ぶことも多い。これらは日本の物理学界独特の名称であるが、しばしば凝縮系物理学に比定される。狭義には固体物理学を指し、広義には固体物理学(結晶・アモルファス・合金)およびソフトマター物理学・表面物理学・物理化学、プラズマ・流体力学などの周辺分野を含む。.

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鏡像

鏡像(きょうぞう)とは一般的な意味では、鏡に映った像のこと。一般的な意味での鏡像は、数学的意味での鏡像と、光の反射の性質によってつながっている。鏡面が完全に平坦ならば鏡像は元の図形と合同になるが、凹面鏡や凸面鏡のように曲面の場合はその限りではない。.

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鏡像体過剰率

鏡像体過剰率(きょうぞうたいかじょうりつ、enantiomeric excess)とはキラルな化合物の光学純度を表す言葉で ee と略される。ee は多い方の物質量から少ない方の物質量を引き、全体の物質量で割った値で表される(多い方の比から少ない方の比を引いても良い)。ラセミ体は2つのエナンチオマーの1:1の混合物であるから、 ee は0%である。ee はキラルHPLCや、キラルシフト試薬を添加したサンプルの NMR などから決定される。 ee は不斉合成の分野でよく用いられ、例えばプロキラルな化合物からキラルな化合物を合成した場合、生成物の光学純度の高さは ee によって表される。 ジアステレオマーの場合はジアステレオマー過剰率 (diastereomeric excess, de) を用いる。 きようぞうたいかしようりつ.

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英語

アメリカ英語とイギリス英語は特徴がある 英語(えいご、)は、イ・ヨーロッパ語族のゲルマン語派に属し、イギリス・イングランド地方を発祥とする言語である。.

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IUPAC命名法

IUPAC命名法(アイユーパックめいめいほう)は、IUPACが定める、化合物の体系名の命名法の全体を指す言葉。IUPAC命名法は、化学界における国際的な標準としての地位を確立している。 有機・無機化合物の命名法についての勧告は2冊の出版物としてまとめられ、英語ではそれぞれ「ブルー・ブック」「レッド・ブック」の愛称を持つ。 広義には、その他各種の定義集の一部として含まれる化合物の命名法を含む。IUPAPとの共同編集で、記号および物理量を扱った「グリーン・ブック」、その他化学における多数の専門用語を扱った「ゴールド・ブック」のほか、生化学(ホワイト・ブック;IUBMBとの共同編集)、分析化学(オレンジ・ブック)、高分子化学(パープル・ブック)、臨床化学(シルバー・ブック)があり、各分野の用語法の拠り所となっている。 これらの「カラー・ブック」について、IUPACはPure and Applied Chemistry誌上で、特定の状況に対応するための補足勧告を継続的に発表している。.

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X線回折

X線回折(エックスせんかいせつ、、XRD)は、X線が結晶格子で回折を示す現象である。 1912年にドイツのマックス・フォン・ラウエがこの現象を発見し、X線の正体が波長の短い電磁波であることを明らかにした。 逆にこの現象を利用して物質の結晶構造を調べることが可能である。このようにX線の回折の結果を解析して結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定する手法をX線結晶構造解析あるいはX線回折法という。しばしばこれをX線回折と略して呼ぶ。他に同じように回折現象を利用する結晶構造解析の手法として、電子回折法や中性子回折法がある。.

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投影式

投影式(とうえいしき)とは、分子の立体構造を平面上に書き表すために使用される化学式の書き方。代表的なものに以下の3種類がある。.

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核磁気共鳴

核磁気共鳴(かくじききょうめい、nuclear magnetic resonance、NMR) は外部静磁場に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用する現象である。.

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構造異性体

構造異性体(こうぞういせいたい、structural isomer)とは、化学における異性体の分類のひとつで、組成式は等しいが原子の間の結合関係が異なる分子のこと。すなわち、トポロジカル構造が異なる異性体にあたる。 グラフ理論の考え方を導入して説明する。原子を点とし結合を線としたグラフで分子を表したとき、実際の立体構造は無視して結合関係が異なるグラフで表される分子同士が構造異性体である。ただしこのとき多重度の異なる結合は別の種類の線として区別する。異性体のうち、構造異性体ではないが、3次元空間内ではどのような配座をとらせてもぴったりとは重ならないものは立体異性体と呼ぶ。 構造異性体としての性質を構造異性 (structural isomerism) と呼ぶ。構造異性の分類として、連鎖異性(chain isomerism、鎖形異性、鎖状異性ともいう)、位置異性 (position isomerism)、官能基異性 (functional isomerism)、メタメリー (metamery)、核異性 (nuclear isomerism) などの言葉もあるが、これらは定義に厳密さを欠くところもあり現在ではその使用は推奨されない。.

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次元

次元(じげん)は、空間の広がりをあらわす一つの指標である。座標が導入された空間ではその自由度を変数の組の大きさとして表現することができることから、要素の数・自由度として捉えることができ、数学や計算機において要素の配列の長さを指して次元ということもある。自然科学においては、物理量の自由度として考えられる要素の度合いを言い、物理的単位の種類を記述するのに用いられる。 直感的に言えば、ある空間内で特定の場所や物を唯一指ししめすのに、どれだけの変数があれば十分か、ということである。たとえば、地球は3次元的な物体であるが、表面だけを考えれば、緯度・経度で位置が指定できるので2次元空間であるとも言える。しかし、人との待ち合わせのときには建物の階数や時間を指定する必要があるため、この観点からは我々は4次元空間に生きているとも言える。 超立方体正八胞体は四次元図形の例である。数学と無縁な人は「正八胞体は四つの次元を持つ」というような「次元」という言葉の使い方をしてしまうこともあるが、専門用語としての通常の使い方は「正八胞体は次元(として) 4 を持つ」とか「正八胞体の次元は 4 である」といった表現になる(図形の次元はひとつの数値であって、いくつもあるようなものではない)。 また、転じて次元は世界の構造を意味することがある。.

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新モッシャー法

新モッシャー法(しんモッシャーほう)とは、1973年にハリー・モッシャー (Harry S. Mosher) らによって報告されたモッシャー法を改良した、キラル二級アルコールおよび一級アミン、二級カルボン酸の絶対立体配置の決定法である。徳島大学薬学部の楠見武徳らによって、1991年に発表された。特に、水溶性低分子化合物を多く扱う天然物化学の分野において、化合物の絶対立体構造を決定する際にしばしば用いられている。.

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