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1,3,5-シクロヘキサトリエン

索引 1,3,5-シクロヘキサトリエン

1,3,5-シクロヘキサトリエンを仮想したときの分子構造 1,3,5-シクロヘキサトリエン(1,3,5-cyclohexatriene)は、ベンゼンが共鳴構造をとらず、電子が局在化していると仮定したときの、仮想の物質である。一般的なアルケンの性質から置換反応ではなく付加反応を起こしやすく、またC-C結合が二重結合と単結合の二種類存在し、オルト二置換体が二種類生成するなどの性質が予想される。しかし、ベンゼンはこれらの性質を示さず、全てのC-C結合は等価であることが明らかになり、電子が非局在化した共鳴構造モデルが考案された。 シクロヘキセンから予想される水素化の反応熱は-358.86kJ/mol(-119.62×3)であり、実測されたベンゼンの水素化反応熱-208.36kJ/molとの差、約150kJ/molがベンゼンの共鳴エネルギーであると見積もられた。 ベンゼン環とシクロブタジエン環が120度曲がりながら、交互にがらせん状につながった分子であるヘリフェン(heliphene)においては、末端から偶数番目のベンゼン環は芳香族性を失い1,3,5-シクロヘキサトリエンになっている。 ベンゼン環を記述する際、1,3,5-シクロヘキサトリエンの構造を描くのは正確ではないが、反応機構の考察に有用であるなどの理由により多くの場合1,3,5-シクロヘキサトリエンとして描かれる。.

13 関係: 反応熱付加反応ベンゼンアルケンオルトシクロヘキセンシクロブタジエン共鳴理論置換反応物質芳香族化合物電子水素化

反応熱

反応熱(はんのうねつ、heat of reaction)とは化学反応に伴い、発生もしくは吸収される熱である(場合によっては核反応も含まれるが本稿では言及しない)。通常は定圧過程におけるエンタルピー変化(反応エンタルピー ΔrH, )を指す。.

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付加反応

チレンへの塩素の付加 付加反応(ふかはんのう)とは多重結合が解裂し、それぞれの端が別の原子団と新たな単結合を生成する反応である。 大きく分けて、アルケンのブロモ化を代表とする求電子付加反応(AdE)と、カルボニルとグリニャール試薬との反応を代表とする求核付加反応(AdN)に区分されるが、この他に非極性付加反応のラジカル付加がある。 炭素化合物では三重結合で最も起きやすく、二重結合がそれに次ぐ。これは三重結合の結合エンタルピーが小さいためである。 付加反応の生成物は 付加体 と呼ばれる。.

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ベンゼン

ベンゼン (benzene) は分子式 C6H6、分子量 78.11 の最も単純な芳香族炭化水素である。原油に含まれており、石油化学における基礎的化合物の一つである。分野によっては慣用としてドイツ語 (Benzol:ベンツォール) 風にベンゾールと呼ぶことがある。ベンジン(benzine)とはまったく別の物質であるが、英語では同音異綴語である。.

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アルケン

アルケン(、)は化学式 CnH2n (n≧2) で表される有機化合物で、C-C間の二重結合を1つ持つ。すなわち、不飽和炭化水素の一種。エチレン系炭化水素、オレフィン (olefin)、オレフィン系炭化水素とも呼ばれる。C-C二重結合を構成している2つπ結合1つとσ結合1つから成り立っており、このうちπ結合の結合エネルギーはC-H結合のものよりも小さく、付加反応が起こりやすい。例えばエテン(エチレン)と塩素の混合物に熱を与えると 1,2-ジクロロエタンが生成する。.

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オルト

ルト (ortho-) は、ギリシア語で「正規の」を意味する接頭辞である。化学及び物理化学においては、以下のような化合物を区別するために使われる。.

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シクロヘキセン

ヘキセン (cyclohexene) は、分子式がC6H10のシクロアルケンの一種である。無色透明の液体で、石油に似た強い特有の悪臭を持つ。光や空気に対して不安定なため長期間保存することができない。使用する直前に蒸留して過酸化物を除去する必要がある。有機化学の初学者が行う実験に、酸触媒でシクロヘキサノールを脱水し、反応混合物から蒸留によってシクロヘキセンを取り出すものがある。シクロヘキセン誘導体は種々の薬品に用いられる。接着剤の溶剤としても使われる。シクロヘキセンに触れると炎症を起こす。消防法による第4類危険物 第1石油類に該当する。.

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シクロブタジエン

1,3-シクロブタジエン (1,3-cyclobutadiene) は分子式が C4H4 と表される、4員環に2個の二重結合を持った有機化合物である。最も小さいアヌレン( アヌレン)である。赤外分光法により基底状態では長方形の構造であることが確認されている。シクロブタジエンは理論計算や置換シクロブタジエンの分光分析と結晶学的研究に基づいて、長方形/非平面の基底状態と正方形の励起三重項状態の対の間の平衡状態にあると考えられている。シクロブタジエンは交互に並んだ単結合と二重結合を持っているが、ヒュッケル則を満たしておらず平面構造は三重項の不安定な反芳香族分子であると予測されている。一部のシクロブタジエン-金属化合物は安定である。これは金属原子が系にもう2電子を与えることが原因であると考えられる(シクロブタジエンジアニオン種のπ電子数は6個となりヒュッケル則を満たすため芳香族性を示し安定となる)。一重項状態への平面、長方形歪みはヤーン・テラー効果が原因である。テトラ-tert-ブチル置換シクロブタジエンはX線結晶構造を決定するのに十分安定であり、この分析によって歪んだ非平面幾何構造と分子中のC–C二重結合が通常よりも長い(観測値1.464 Å、期待値1.34 Å)ことが明らかにされた。 シクロブタジエンのπ電子エネルギーは、対応する鎖状分子の1,3-ブタジエンよりも高い。したがって、シクロブタジエンは「芳香族」ではなく反芳香族であると言われる。シクロブタジエンの電子状態は様々な計算手法によって調べられてきた。一重項状態は長方形構造を持つ。第一励起状態は平面幾何構造を持つ三重項である。長方形構造は2つの異なる1,2-ジューテリオ-1,3-シクロブタジエン立体異性体の存在と一致する。これは、π電子が局在化しており、ゆえに芳香族とは見なされないことを示している。.

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共鳴理論

二酸化窒素の寄与構造の内の2種類 化学における共鳴理論(きょうめいりろん)とは、量子力学的共鳴の概念により、共有結合を説明しようとする理論である。.

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置換反応

置換反応(ちかんはんのう)とは有機化学において、化合物の同一原子上で置換基が置き換わる化学反応のことを指す。一般的に結合エネルギーが高い結合から結合エネルギーの低い結合へと置き換わる反応が進行しやすい。 置換反応は大きく求核置換反応と求電子置換反応(親電子置換反応とも言う)に分けられる。求核置換反応は反応機構別に SN2反応やSN1反応などのさまざまな形式に分類される。親電子置換反応は芳香環によく見られる反応である。また、置き換わる分子の数によって、単置換反応(en:single displacement reaction)と二重置換反応(en:double displacement reaction)に分けられる。 反応機構は求核置換反応、芳香族求核置換反応、芳香族求電子置換反応の項に詳しい。 芳香族求電子置換反応の場合、反応が同一原子上に限定されて進行するわけではないので厳密には置換反応の定義から外れるが、反応前後の様式から置換反応と呼ばれる。.

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物質

物質(ぶっしつ)は、.

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芳香族化合物

芳香族化合物(ほうこうぞくかごうぶつ、aromatic compounds)は、ベンゼンを代表とする環状不飽和有機化合物の一群。炭化水素のみで構成されたものを芳香族炭化水素 (aromatic hydrocarbon)、環構造に炭素以外の元素を含むものを複素芳香族化合物 (heteroaromatic compound) と呼ぶ。狭義には芳香族化合物は芳香族炭化水素と同義である。 19世紀ごろ知られていた芳香をもつ化合物の共通構造であったことから「芳香族」とよばれるようになった。したがって匂い(芳香)は芳香族の特性ではない。.

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電子

電子(でんし、)とは、宇宙を構成するレプトンに分類される素粒子である。素粒子標準模型では、第一世代の荷電レプトンに位置付けられる。電子は電荷−1、スピンのフェルミ粒子である。記号は e で表される。また、ワインバーグ=サラム理論において弱アイソスピンは−、弱超電荷は−である。.

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水素化

水素化(すいそか、hydrogenation)とは、水素ガスを還元剤として化合物に対して水素原子を付加する還元反応のことである。水素添加反応(すいそてんかはんのう)、略して水添(すいてん)と呼ばれることもある。この反応は触媒を必要とするため、接触水素化(せっしょくすいそか、catalytic hydrogenation)とも呼ばれる。文脈によっては水素化反応を使用した実験手法・技術のことを指す場合もある。 より広義には還元剤が何であるかを問わず、化合物に水素原子を付加する還元反応全般のことを指す場合もある。.

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