9 関係: 双極子、スカラー場、勾配 (ベクトル解析)、四極子、球対称、磁気単極子、発散 (ベクトル解析)、音響学、荷電粒子。
双極子
双極子(そうきょくし、)とは、一対の正負の同じ大きさの単極子をわずかに離れた位置に置いたものである。和訳せずダイポールと呼ばれることもある。 双極子は、負から正の単極子への方向ベクトルとその大きさとの積で特徴づけられる。このベクトルを双極子モーメント()あるいは双極子能率といい、このベクトルの方向との関係により指向性を持つ場となる。 一般に双極子のポテンシャルφは単極子のそれφmonopole の空間についての偏微分で表される。.
スカラー場
ラー場(スカラーば、scalar field)とは、数学および物理学において、空間の各点に数学的な数やなんらかの物理量のスカラー値を対応させた場である。スカラー場には「空間(あるいは時空)の同一点におけるスカラー場の値が、観測者が同じ単位を用いる限りにおいて必ず一致する」という意味で座標に依存しない (coordinate-independent) ことが要求される。物理学で用いられるスカラー場の例としては、空間全体にわたる温度分布や、液体の圧力分布、ヒッグス場のようなスピンを持たない量子場などが挙げられる。これらの場はスカラー場の理論における主題である。.
勾配 (ベクトル解析)
ベクトル解析におけるスカラー場の勾配(こうばい、gradient; グラディエント)は、各点においてそのスカラー場の変化率が最大となる方向への変化率の値を大きさにもつベクトルを対応させるベクトル場である。簡単に言えば、任意の量の空間における変位を、傾きとして表現(例えば図示)することができるが、そこで勾配はこの傾きの向きや傾きのきつさを表している。 ユークリッド空間上の関数の勾配を、別なユークリッド空間に値を持つ写像に対して一般化したものは、ヤコビ行列で与えられる。さらに一般化して、バナッハ空間から別のバナッハ空間への写像の勾配をフレシェ微分を通じて定義することができる。.
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四極子
四極子(しきょくし、quadrupole, quadrapole)または四重極とは、モーメントが等しい双極子が、2個逆向きに接近して並んでいるような単極子の分布をいう。単極子を正方形状に配置したものと、直線状に配置したものがあり、それぞれ横型、縦型と呼び分けられる。 電荷の分布を電気四極子、磁荷の分布を磁気四極子という。電磁気学においては単に四極子といえば、電気四極子を指すことが多い。 一般に四極子のポテンシャルφは単極子のそれφmonopole の空間についての2階微分で表される。 電荷などの場合、ポテンシャルは距離に反比例するため、四極子は距離の3乗に反比例するポテンシャルを作る。たとえば電気四極子が誘電率 ε の媒質中で作る電位 φ は以下のように表される。 ここで Q は2階の対称トレースレステンソルで四極子モーメントと呼ばれる。四極子モーメントは、電荷 qi がri の位置に存在するとすると以下のように定義される。 ここで δij はクロネッカーのデルタである。 また、音響学においても用いられ、音源の一種として扱われる。.
球対称
初等幾何学における幾何学的対象が球対称(きゅうたいしょう、radial symmetric; 放射対称)あるいは回転不変(かいてんふへん、rotational invariant)であるとは、その対象が「任意の」回転変換(すなわち、対象の中心を通る任意の軸に対する任意角度の回転)に対して不変となることをいう。従って、球対称な対象を記述するための基準系は(方向成分は関係してこないため)原点の取り方のみが重要である。三次元空間内の回転に関する場合のみを「球対称」(spherical symmetry) と呼ぶ場合もある。三次元空間内の立体で球対称なものは球体に限る(中身が詰まっていないものも許すならば、同心球面の合併も入る)。 数学において適当な内積空間上で定義された函数が回転不変あるいは球対称(radial; 動径的)であるとは、その値が引数に対する任意の回転に関して不変となることを言う。例えば、函数 は原点周りの平面回転の下で不変である。より一般に、空間 上の変換あるいはそのような写像の成す写像空間上に作用する作用素に対しても、 における回転と両立する作用に関する意味で球対称性は定義できる。例えば二次元のラプラス作用素 は、任意の回転変換 に対して となる任意の写像 に対して を満たす(つまり写像に対する回転は単にそのラプラシアンに対する回転になる)という意味において球対称である。 物理学における場が球対称であるとき、放射状場 (radial field) などと呼ばれる。また物理的な系がその空間における向きに依らず同じ値を示すとき、そのラグランジアンは球対称になる。ネーターの定理によれば、物理的な系の(ラグランジアンに対する時間に関する積分の)作用は回転不変であり、従って角運動量は保存される。.
磁気単極子
磁気単極子、磁気モノポール(magnetic monopole)とは単一の磁荷のみを持つもののことである。2015年現在に至るまで素粒子としては発見されておらず、現在では、宇宙のインフレーションの名残として生み出されたと仮定されるものの一つである。現在でも磁気単極子の素粒子を観測する試みがスーパーカミオカンデなどで続けられている。.
発散 (ベクトル解析)
ベクトル解析における発散(はっさん、divergence)は、各点においてベクトル場のの大きさを符号付きスカラーの形で測るベクトル作用素である。より技術的に言えば、発散が表すのは与えられた点の無限小近傍領域から出る流束の体積密度である。例えば、空気を熱したり冷ましたりするものとして考えると、各点において空気の移動速度を与えるベクトル場を例にとることができる。領域内で空気を熱すれば空気は全方向へ膨張していくから、速度場は領域の外側をさしていることになり、従って速度場の発散はこの領域で正の値をとり、この領域は流入(あるいは湧き出し、湧出、source)域であることが示される。空気を冷まして収縮させるなら、発散の値は負となり、この領域は流出(あるいは沈み込み、排出、sink)域と呼ばれる。.
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音響学
音響学(おんきょうがく、acoustics)とは、音の発生、音の伝播、聴覚器官による音響感覚、音楽、騒音 等々、音に関するあらゆる現象を扱う学問でありブリタニカ百科事典「音響学」、その領域は物理学・工学・心理学・生理学など多くの分野にわたる。.
荷電粒子
荷電粒子(かでんりゅうし)とは、電荷を帯びた粒子のこと。通常は、イオン化した原子や、電荷を持った素粒子のことである。 核崩壊によって生じるアルファ線(ヘリウムの原子核)やベータ線(電子)は、荷電粒子から成る放射線である。質量の小さな粒子が電荷を帯びると、電場によって正と負の電荷が引き合ったり、反対に正と正、負と負が反発しあったりするクーロン力を受けたり、また磁場中でこういった粒子が運動することで進行方向とは直角方向に生じる力を受けたりする。これら2つの力をまとめてローレンツ力というが、磁場によって生じる力のほうが大きい場合には電界による力を無視して、磁場の力だけをローレンツ力と言うことがある。これはローレンツ力の定義式にある電界の項をゼロとおき(電界の影響が小さいため無視する)、磁場の影響だけを計算した結果で、近似である。詳しくはローレンツ力を参照。.