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マルエージング鋼

索引 マルエージング鋼

マルエージング鋼またはマレージング鋼は、航空・宇宙分野の構造材として開発された特殊鋼である。日本ではゴルフクラブヘッドの素材として使われている。炭素の含有量を減らした鋼(0.03 % 以下)で、Ni と Co などをあわせて 30 % 含む特殊鋼である。マルテンサイト化した後、時効処理 (aging) によって強度を向上して使われる。 強度、靭性に優れている。可鍛性(塑性加工時の加工硬化が小さい)。時効処理によるひずみの発生が少ない。窒化処理が容易である。熱膨張率が少ない。耐低温脆性に優れている、などの優れた特徴をもっているが、高価な合金成分を多く含むために高価であるのが最大の欠点である。 ウラン濃縮用の遠心分離機やミサイルの部品にも使用されることから各国で輸出規制の対象となっており、日本でも輸出貿易管理令で規制されている。 また、初期のAPFSDS弾ではタングステン合金のみで強度を確保できなかったため、靭性の高いマルエージング鋼製の保持筒に入れられていた。 Category:鋼 Category:ニッケル Category:コバルト.

23 関係: APFSDS加工硬化ひずみ合金鋼塑性加工強度ミサイルマルテンサイトニッケルウラン濃縮クラブ (ゴルフ用具)コバルトタングステン窒化処理炭素熱膨張率遠心分離靱性航空宇宙工学脆性日本時効 (金属)

APFSDS

APFSDS(弾体+装弾筒) 125mm BM15 APFSDS(Armor-Piercing Fin-Stabilized Discarding Sabot)は、戦車の主砲などに使用される砲弾で、装甲を貫くのに特化した砲弾である。日本語では装弾筒付翼安定徹甲弾(そうだんとうつきよくあんていてっこうだん)などといわれる。開発当初はAPDSとの対比としてAPDS-FSと呼ばれていた。この呼称も一部の国で使われている。.

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加工硬化

加工硬化(かこうこうか、英語:work hardening、strain hardening)とは、金属に応力を与えると塑性変形によって硬さが増す現象。ひずみ硬化とも呼ばれる。金属に応力を与えると結晶面に沿ってすべりが生じるが(塑性変形)、このすべりは結晶格子を構成する原子の配列に対し一様にズレるのではなく、歪みすなわち、転位を生み出すC.Kittel、pp.286-289、 20.転位、すべり - 転位。。転位は順次に結晶格子内を移動していくが、加工硬化を起こし易い金属あるいは合金では、加工を繰り返すことで転位密度が高まり、転位は解放されずに次第に蓄積して絡み合い、そのすべり面に対しての抵抗が徐々に増してくる。すなわち、冷間加工により変形が進む程、転位は増加・重層化(ポリゴン化)して抵抗が大きくなり硬さを増していくことになる。これが加工硬化である。この性質を利用して、加工材料の強度の向上をさせることができる古沢、pp.112-113、9.鋼の塑性加工、9.1.3 加工硬化による鋼の強化。。.

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ひずみ

ひずみ(Strain)は、連続体力学における物体の変形状態を表す尺度であり、物体の基準(初期)状態の単位長さあたりに物体内の物質点がどれだけ変位するかを示す。.

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合金鋼

合金鋼(ごうきんこう)とは、炭素鋼に一つまたは数種の元素(合金元素という)を添加してその性質を改善し、種々の目的に適合するようにした鋼のことである『機械材料学』、日本材料学会、太洋堂、2000年、ISBN4-901381-00-8、237頁。一方で、鋼自体に鉄合金という意味があるのでいわゆる自家撞着的用語であり、使用範囲が曖昧なので学術論文ではあまり使用されない。従って同じものを合金鋼ではなく、特殊鋼と呼ぶ場合が多い。 それぞれの合金元素添加量については下限が定められており、FeとC以外の元素いずれもがその下限に満たないものは、合金鋼と呼ばない。このような鋼は炭素鋼と呼ぶ。 ISOでの下限は、次のようになっているが、特に優れた効果をもつものであれば添加元素と認められる。 Al:0.1、B:0.0008、Co:0.1、Cr:0.3、Cu:0.4La:0.05、Mo:0.08、Nb:0.06、Ni:0.3、Pb:0.4Se:0.1、Te:0.1、Ti:0.05、V:0.1、W:0.1、Zr:0.05 これらの合金元素の合計量が5以下ならば低合金鋼、5~10ならば中合金鋼、10以上ならば高合金鋼と呼ぶ。特に特殊鋼において多元系化が進められており、 中でも工具鋼において、最多元系のものが開発されている。.

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塑性加工

塑性加工(そせいかこう、Plastic working または Deformation processing)とは、物質の塑性を利用し、材料に大きな力を加えて変形させることによって、目的とする形状に加工することである。一般に他の加工方法より加工時間が短く、材料のロスが少なくエネルギー原単位が比較的少なく、巨大なものにも適応可能であることから工業製品の生産等に広く用いられる。並びうる素形材造形技術として、切削加工、研削研磨加工、鋳造加工、粉末加工、3Dプリンター、レーザー加工、放電加工に比べ広い範囲に応用されている。.

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強度

材料の強度(きょうど)あるいは強さ(つよさ)とは、その材料が持つ、変形や破壊に対する抵抗力を指す。 古くから経験的に把握されていた材料における強度の概念について最初に定量化を試みたのはレオナルド・ダ・ヴィンチであるが、彼の個人的なノートでの記述に限られていた。一般に公開された書物としては1638年に出版されたガリレオ・ガリレイの『新科学対話』における記述が最初である。18世紀に入ると引張試験や曲げ試験など様々な強度試験の方法が確立し、ステファン・ティモシェンコの確立した材料力学の考え方とともに建築分野や機械設計分野の基礎を支えていると一般のエンジニアには思われている。しかしながら、戦場の最前線のごとく、破損した材料の屍を築く領域や、永久には持たないならその寿命を工学的に管理するなど分野においては、破壊力学(靭性)的考え方を採用することも重要で、一般の人々の感覚に還元すると強度と靭性のバランスポイントがありそこが最も強度が高いという認識になる。 強度を表す指標は様々であり、材料の変形挙動の種類によって以下のように用語を使い分ける。; 降伏強さ; 引張強さ; 延性; 破壊エネルギー(靭性); 曲げ強度(抗折力); 硬度.

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ミサイル

ュピター 広くミサイル(missile)として知られる、誘導ミサイルあるいは誘導弾(ゆうどうだん、guided missile)は、目標に向かって誘導を受けるか自律誘導によって自ら進路を変えながら、自らの推進装置によって飛翔していく軍事兵器のことである。.

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マルテンサイト

マルテンサイト(martensite)は、Fe-C系合金(鋼や鋳鉄)を安定なオーステナイトから急冷する事によって得られる組織である。体心正方格子の鉄の結晶中に炭素が侵入した固溶体で、鉄鋼材料の組織の中で最も硬く脆い組織である。 1891年にドイツの冶金学者(Adolf Martens)により発見され、マルテンサイトという名称も、彼の名前に由来している。現在ではあまり使用されないが、組織形状が麻の葉に似ていることから、日本の冶金学者本多光太郎による麻留田(マルテン)という漢字の当て字がある。.

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ニッケル

ニッケル (nikkel, nickel, niccolum) は、原子番号28の金属元素である。元素記号は Ni。 地殻中の存在比は約105 ppmと推定されそれほど多いわけではないが、鉄隕石中には数%含まれる。特に 62Ni の1核子当たりの結合エネルギーが全原子中で最大であるなどの点から、鉄と共に最も安定な元素である。岩石惑星を構成する元素として比較的多量に存在し、地球中心部の核にも数%含まれると推定されている。.

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ウラン濃縮

ウラン濃縮(ウランのうしゅく)とは、核分裂性のウラン235の濃度を高めるために行う同位体分離である。.

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クラブ (ゴルフ用具)

各種ゴルフクラブ クラブ(club)は、ゴルフにおいてボールを打つために使用される用具。ゴルフクラブとも呼ばれる。.

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コバルト

バルト (cobalt、cobaltum) は、原子番号27の元素。元素記号は Co。鉄族元素の1つ。安定な結晶構造は六方最密充填構造 (hcp) で、強磁性体。純粋なものは銀白色の金属である。722 K以上で面心立方構造 (fcc) に転移する。 鉄より酸化されにくく、酸や塩基にも強い。.

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タングステン

タングステンまたはウォルフラム(Wolfram 、wolframium、tungsten )は原子番号74の元素。元素記号は W。金属元素の一つ。 原子量は183.84である。銀灰色の非常に硬く重い金属で、クロム族元素に属する。化学的に安定で、その結晶は体心立方構造 (BCC) を持つ。融点は で、沸点は 。比重は19.3。希少金属の一つである。 ため、鍛造、伸線、または押出により加工できる。一般的なタングステン製品は焼結で生産される。 タングステンはすべての金属中で融点が最も高く(3422°C)、1650°C以上の領域で蒸気圧が最も低く、引っ張り強度は最強である。炭素はタングステンより高温でも固体であるが、大気圧では昇華してしまい融点はないため、タングステンが最も融点の高い元素となる。また、タングステンは最も熱膨張係数が小さい金属でもある。高い融点と引っ張り強度、小さい熱膨張係数は、タングステン結晶において5d軌道の電子が強い共有結合を形成していることによってもたらされている。 -->.

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窒化処理

化処理(ちっかしょり、nitridization、nitriding)とは、広義には金属に窒素を浸み込ませるプロセス全般を指し、狭義には鉄鋼材料、チタン合金への表面硬化処理を指す。.

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炭素

炭素(たんそ、、carbon)は、原子番号 6、原子量 12.01 の元素で、元素記号は C である。 非金属元素であり、周期表では第14族元素(炭素族元素)および第2周期元素に属する。単体・化合物両方において極めて多様な形状をとることができる。 炭素-炭素結合で有機物の基本骨格をつくり、全ての生物の構成材料となる。人体の乾燥重量の2/3は炭素である​​。これは蛋白質、脂質、炭水化物に含まれる原子の過半数が炭素であることによる。光合成や呼吸など生命活動全般で重要な役割を担う。また、石油・石炭・天然ガスなどのエネルギー・原料として、あるいは二酸化炭素やメタンによる地球温暖化問題など、人間の活動と密接に関わる元素である。 英語の carbon は、1787年にフランスの化学者ギトン・ド・モルボーが「木炭」を指すラテン語 carbo から名づけたフランス語の carbone が転じた。ドイツ語の Kohlenstoff も「炭の物質」を意味する。日本語の「炭素」という語は宇田川榕菴が著作『舎密開宗』にて用いたのがはじめとされる。.

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熱膨張率

熱膨張率(ねつぼうちょうりつ、、略: )は、温度の上昇によって物体の長さ・体積が膨張(熱膨張)する割合を、温度当たりで示したものである。熱膨張係数(ねつぼうちょうけいすう)とも呼ばれる。温度の逆数の次元を持ち、単位は毎ケルビン(記号: )である。.

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遠心分離

卓上型の遠心機。円周上に並んでいる穴に沈殿管をセットする。 遠心分離(えんしんぶんり、)とは、ある試料に対して強大な遠心力をかけることにより、その試料を構成する成分(分散質)を分離または分画する方法である。 懸濁液や乳液などは、ろ過や抽出操作では分離することが困難であるが、遠心分離では通常なら分離困難な試料に対しても有効にはたらく場合が多い。その原理は、高速回転により試料に強大な加速度を加えると、密度差がわずかであっても遠心力が各分散質を異なる相に分離するように働くためである。遠心分離に使用する機械を遠心機という。 19世紀から開発され、現代的なものはテオドール・スヴェドベリにより1920-1930年にかけて開発された。.

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靱性

靱性(じんせい、toughness)とは、物質の脆性破壊に対する抵抗の程度、あるいはき裂による強度低下に対する抵抗の程度のことで、端的には破壊に対する感受性や抵抗を意味する。材料の粘り強さとも言い換えられる。 「靱」の文字が常用漢字に含まれていないことからじん性という表記や、「靱」の異体字を使用した靭性という表記もある。 本記事では学術用語集に準じて「靱性」の表記で統一する。.

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航空宇宙工学

航空宇宙工学(こうくううちゅうこうがく、)とは、航空工学と宇宙工学の総称であり、航空機・ロケット・人工衛星などの設計・製造・運用に関する工学の一分野。宇宙開発は航空機の発展ときわめて密接に関係しながら発達してきた歴史的経緯もあり、航空機と宇宙機はともに研究・開発されることが多い。 航空機・宇宙機はその性質上、気圧・温度の急激な変化にさらされたり、機体構造に大きな荷重がかかったりするなど過酷な環境におかれる、といったことが目に見えてわかりやすいが、真の難しさは、航空機や宇宙機がその機能を果たすためには安全係数を大きく取れないことにある。そのため、その過程では空気力学・構造力学をはじめとして様々な科学技術の知識が必要となり、これら航空宇宙機に用いられる知識体系が集合的に航空宇宙工学という分野を形成している。このように関係する分野の多彩さから、航空宇宙工学に携わる者が一人で全容を把握することは極めて困難であり、必然的に実際の開発は様々な分野の専門家がチームを形成し、分担して関わることになる。また、各分野からみて望ましい機体の形状や性能は互いに矛盾する場合があり、開発に当たっては各観点の重要度を総合的に判断し、性能・価格・技術的課題のバランスをみながら進めていくというのも、航空宇宙工学の特徴の1つである。.

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脆性

脆性(ぜいせい、brittleness)は、物質の脆さを表す技術用語。破壊に要するエネルギーの小さいことをいう。対語としては靱性(じんせい:壊れにくいこと)と展延性(壊れずに変形すること)がある。 「脆」の文字が常用漢字に含まれていないことからぜい性と表記されることもある。本記事では学術用語集に準じて「脆性」の表記で統一する。.

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鋼(はがね、こう、釼は異体字、steel)とは、炭素を0.04~2パーセント程度含む鉄の合金。鋼鉄(こうてつ)とも呼ばれる。強靭で加工性に優れ、ニッケル・クロムなどを加えた特殊鋼や鋳鋼等とあわせて鉄鋼(てっこう)とも呼ばれ、産業上重要な位置を占める。.

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日本

日本国(にっぽんこく、にほんこく、ひのもとのくに)、または日本(にっぽん、にほん、ひのもと)は、東アジアに位置する日本列島(北海道・本州・四国・九州の主要四島およびそれに付随する島々)及び、南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島などから成る島国広辞苑第5版。.

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時効 (金属)

金属における時効(じこう、英語:aging)とは、金属の材料特性が時間の経過とともに変化することである。 金属製品は製造過程での意図的な「焼入れ」加工の他にも、その出荷後に削り出しや溶接などで熱が加わる過程が多いが、これらの工程においても、加熱とそれに続く急冷によって内部が過飽和固溶体となることがある。過飽和固溶体は常温のように比較的低い温度になってから、徐々に微量の金属間化合物の析出が起こる。それは時間と共に増加して行き、素材の特性が変化していく。これが時効である。時効での変化は、最初に硬化して行き、やがて最大値を過ぎた後は硬度が落ちてゆく。 金属の特性が時間経過に従って人間にとって良い方向に変化することは「時効」と呼ばれるが、悪い方向に変化(劣化)する場合は「経時変化」と呼ばれる。.

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