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テトラピロール

索引 テトラピロール

テトラピロール (tetrapyrrole) は4個のピロール環を含む化合物群である。コリン(corrin)を除き、ピロール環どうしはメチレン架橋で繋がれており(フタロシアニンは窒素で架橋)、環状のものと直鎖状のものがある。 直鎖状のものにはビリルビンなどのビリン類や、シアノバクテリアがもつフィコビリンなどが知られる。 環状(テトラピロール環)のものには、4つあるピロール環の不飽和状態によりポルフィリン(全環が不飽和)、クロリン(D環のみ飽和)、バクテリオクロリン(B環、D環が飽和)の3種類に分類されている。これらのテトラピロール構造は金属と安定な錯体を形成する。鉄(Fe)を配したヘム、マグネシウム(Mg)を配したクロロフィルが知られている。 コリンもテトラピロール環であるが、4つのピロール環をつなぐメチレン架橋の1つが、ピロール環どうしの直接結合に置き換わった類似物質だが、やはり錯体を形成し、コバルト(Co)を配したビタミンB12が知られる。これらはいずれも生物の呼吸代謝に関する重要な生理活性を担っている。.

20 関係: 代謝マグネシウムポルフィリンメタンジイル基ヘムビリルビンビリンピロールフィコビリンフタロシアニン呼吸クロリンクロロフィルコバルトコリン (化合物)シアノコバラミン錯体藍藻金属

代謝

代謝(たいしゃ、metabolism)とは、生命の維持のために有機体が行う、外界から取り入れた無機物や有機化合物を素材として行う一連の合成や化学反応のことであり、新陳代謝の略称である生化学辞典第2版、p.776-777 【代謝】。これらの経路によって有機体はその成長と生殖を可能にし、その体系を維持している。代謝は大きく異化 (catabolism) と同化 (anabolism) の2つに区分される。異化は物質を分解することによってエネルギーを得る過程であり、例えば細胞呼吸がある。同化はエネルギーを使って物質を合成する過程であり、例えばタンパク質・核酸・多糖・脂質の合成がある。 代謝の化学反応は代謝経路によって体系づけられ、1つの化学物質は他の化学物質から酵素によって変換される。酵素は触媒として、熱力学的に不利な反応を有利に進めるため極めて重要な存在である。また、酵素は、細胞の環境もしくは他の細胞からの信号(シグナル伝達)の変化に反応することにより代謝経路の調節も行う。 有機体の代謝はその物質の栄養価の高さがどれだけか、また、毒性の高さがどれだけかを決定する。例えば、いくつかの原核生物は硫化水素を使って栄養を得ているが、この気体は動物にとっては毒であることが知られている。また、代謝速度はその有機体がどれだけの食物を必要としているかに影響を与える。.

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マグネシウム

マグネシウム(magnesium )は原子番号 12、原子量 24.305 の金属元素である。元素記号は Mg。マグネシュームと転訛することがある。中国語は金へんに美と記する。 周期表第2族元素の一種で、ヒトを含む動物や植物の代表的なミネラル(必須元素)であり、とりわけ植物の光合成に必要なクロロフィルで配位結合の中心として不可欠である。また、有機化学においてはグリニャール試薬の構成元素として重要である。 酸化マグネシウムおよびオキソ酸塩の成分としての酸化マグネシウムを、苦い味に由来して苦土(くど、bitter salts)とも呼称する。.

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ポルフィリン

ポルフィリン (porphyrin) は、ピロールが4つ組み合わさって出来た環状構造を持つ有機化合物。環状構造自体はポルフィン (porphine, CAS 101-60-0) という名称であるが、これに置換基が付いた化合物を総称してポルフィリンと呼ぶ。古代より使用されてきた貝紫(ポルフィラ、πορφύρα)が名前の由来。類似化合物としてフタロシアニン・コロール・クロリンなどがある。 分子全体に広がったπ共役系の影響で平面構造をとり、中心部の窒素は鉄やマグネシウムをはじめとする多くの元素と安定な錯体を形成する。また、πスタッキング(J会合)によって他の化合物と超分子を形成することもある。金属錯体では、ポルフィリン平面に対してz方向に軸配位子を取ることも多く、この効果を利用しても様々な超分子がつくられている。 ポルフィリンや類似化合物の金属錯体は、生体内でヘム、クロロフィル、シアノコバラミン(ビタミンB12)などとして存在しいずれも重要な役割を担う他、人工的にも色素や触媒として多様に用いられる。.

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メタンジイル基

メチレン架橋(メタンジイル基) メタンジイル基(Methanediyl group)またはメチレン架橋(Methylene bridge)は、分子内において-CH2-で表される構造である。つまり、2つの水素原子と結合する1つの炭素原子が、分子の残りの部分の2つの原子と単結合で繋がった構造である。非分岐直鎖アルカンの骨格の繰り返し単位となる。 この構造はまた、錯体において2つの金属と結合する二配位リガンドとなる。例としては、チタンおよびアルミニウムと結合するテッベ試薬があるW.

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ヘム

ヘムaの構造 ヘムbの構造 ヘム(英語: Haem、米語: Heme、ドイツ語: Häm)は、2価の鉄原子とポルフィリンから成る錯体である。通常、2価の鉄とIX型プロトポルフィリンからなるプロトヘムであるフェロヘムのことをさすことが多い。ヘモグロビン、ミオグロビン、ミトコンドリアの電子伝達系(シトクロム)、薬物代謝酵素(P450)、カタラーゼ、一酸化窒素合成酵素、ペルオキシダーゼなどのヘムタンパク質の補欠分子族として構成する。ヘモグロビンは、ヘムとグロビンから成る。ヘムの鉄原子が酸素分子と結合することで、ヘモグロビンは酸素を運搬している。 フェリヘムやヘモクロム、ヘミン、ヘマチンなど、その他のポルフィリンの鉄錯体もヘムと総称されることもある。.

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ビリルビン

ビリルビン(英: Bilirubin)は、(以前はヘマトイジン(hematoidin、類血素)とも言われた)黄色のヘムの通常の分解代謝物である。ヘムはヘモグロビンの構成物であり、赤血球の主要構成物の一つである。ビリルビンは、胆汁または尿から排出され、異常な濃度上昇は何らかの疾病を指し示している。ビリルビンは、痣の黄色の原因物質であり、黄疸により黄色く変色が起こる原因物質である。 ビリルビンは、ゴクラクチョウカ科の数種の植物からも発見されている。.

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ビリン

ビリン(bilin)(ビラン又は胆汁色素)はポルフィリン類の代謝物としてたくさんの臓器で生成される生化学的な色素である。ビリン(ビリクロムとも呼ばれる)は、ヒトの胆汁(バイル)から名付けられたが、これらの物質はより下等な脊椎動物、無脊椎動物、紅藻、緑色植物、シアノバクテリアからも発見されている。ビリン類は、赤色、オレンジ色、黄色、茶色、青色、緑色を呈することができる。.

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ピロール

ピロール(PyrroleまたはPyrrol)は、分子式 C4H5N、分子量 67.09 の五員環構造を持つ複素環式芳香族化合物のアミンの一種である。二重結合の位置が違う異性体に2''H''-ピロールと3''H''-ピロールがある。.

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フィコビリン

フィコビリン(Phycobilin)は藻類に分布するビリン色素のサブグループで、タンパク質と共有結合して、シアノバクテリアや真核藻類(灰色藻,紅藻,クリプト藻)における光合成の主要な集光色素としはたらいている。また、最近、シアノバクテリアの光受容体であるフィトクロムやシアノバクテリオクロムの発色団としても、フィコシアノビリンやフィコビオロビリンが結合していることがわかってきた。 フィコビリンは藻を表すphycoと胆汁を表すbileの合成語である.フィコビリンはシアノバクテリアや灰色藻,紅藻,クリプト藻などの真核藻類に広く分布する開環テトラピロールで,タンパク質と結合してフィコビリタンパク質を形成し,主要な光合成色素として重要な役割を果たしている。フィコビリタンパク質は通常,フィコビリソームという超複合体を構成するが,フィコビリソームをもたないクリプト藻や海洋性シアノバクテリアProchlorococcus類においても光合成の集光色素としてはたらいている。.

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フタロシアニン

フタロシアニン (Phthalocyanine) は、4つのフタル酸イミドが窒素原子で架橋された構造をもつ環状化合物。ポルフィリンに類似した構造を持つ。略語Pc。.

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呼吸

生物における呼吸(こきゅう)は、以下の二種類に分けられる。.

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クロリン

リン(Chlorin)は、大員環化合物の複素環式芳香族炭化水素である。核は、3つのピロールと1つのピロリンが4つのメチン基で繋がった構造を持つ。中央の芳香環がポルフィリンであるポルフィンとは異なり、クロリンは大きな芳香環であるが、環の外周全体でみると芳香族性を持たない。 マグネシウムを含むクロリンは、クロロフィルと呼ばれ、葉緑体の中心となる光感受性色素である。 大員環の構造となる2つのピロールと2つのピロリンでできた関連化合物は、バクテリオクロリン及びイソバクテリオクロリンと呼ばれる。 その光感受性のため、クロリンは、光線力学療法の感光剤として用いられる。.

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クロロフィル

フィルの1種、クロロフィル''a'' の分子構造。マグネシウムが配位した テトラピロール環(クロリン)に、長鎖アルコール(フィトール)がエステル結合している。 クロロフィル (Chlorophyll) は、光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質。葉緑素(ようりょくそ)ともいう。 4つのピロールが環を巻いた構造であるテトラピロールに、フィトール (phytol) と呼ばれる長鎖アルコールがエステル結合した基本構造をもつ。環構造や置換基が異なる数種類が知られ、ひとつの生物が複数種類をもつことも珍しくない。植物では葉緑体のチラコイドに多く存在する。 天然に存在するものは一般にマグネシウムがテトラピロール環中心に配位した構造をもつ。マグネシウム以外では、亜鉛が配位した例が紅色光合成細菌 Acidiphilium rubrum において報告されている。金属がはずれ、2つの水素で置換された物質はフェオフィチンと呼ばれる。抽出されたクロロフィルでは、化学反応によって中心元素を人工的に置換することができる。特に銅が配位したものはマグネシウムのものよりも光や酸に対して安定であり、化粧品や食品への添加物として利用される。 2010年にクロロフィルfの発見が報告された。NMR、質量分析法等のデータから構造式はC55H70O6N4Mgだと考えられている。.

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コバルト

バルト (cobalt、cobaltum) は、原子番号27の元素。元素記号は Co。鉄族元素の1つ。安定な結晶構造は六方最密充填構造 (hcp) で、強磁性体。純粋なものは銀白色の金属である。722 K以上で面心立方構造 (fcc) に転移する。 鉄より酸化されにくく、酸や塩基にも強い。.

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コリン (化合物)

リン(corrin)は、複素環式化合物の一つ。置換誘導体の基となる大員環化合物で、ビタミンB12で見られる。物質名はビタミンB12(コバラミン)の核であることが反映されている。.

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シアノコバラミン

アノコバラミン(cyanocobalamin)は、ヒドロキソコバラミンなどと共にビタミンB12とも呼ばれる代表的なコバラミンの一種であり、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。化学式 C63H88O14N14PCo。分子量 1355.4 g/mol。赤色又はピンク色を呈する。.

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錯体

錯体(さくたい、英語:complex)もしくは錯塩(さくえん、英語:complex salt)とは、広義には、配位結合や水素結合によって形成された分子の総称である。狭義には、金属と非金属の原子が結合した構造を持つ化合物(金属錯体)を指す。この非金属原子は配位子である。ヘモグロビンやクロロフィルなど生理的に重要な金属キレート化合物も錯体である。また、中心金属の酸化数と配位子の電荷が打ち消しあっていないイオン性の錯体は錯イオンと呼ばれよ 金属錯体は、有機化合物・無機化合物のどちらとも異なる多くの特徴的性質を示すため、現在でも非常に盛んな研究が行われている物質群である。.

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藍藻

藍藻(らんそう、blue-green algae)は、藍色細菌(らんしょくさいきん、cyanobacteria)の旧名である。藍色細菌は、シアノバクテリア、ラン色細菌とも呼ばれる細菌の1群であり、光合成によって酸素を生み出す酸素発生型光合成細菌である。単細胞で浮遊するもの、少数細胞の集団を作るもの、糸状に細胞が並んだ構造を持つものなどがある。また、ネンジュモなどの一部のものは寒天質に包まれて肉眼的な集団を形成する。.

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金属

リウム の結晶。 リチウム。原子番号が一番小さな金属 金属(きんぞく、metal)とは、展性、塑性(延性)に富み機械工作が可能な、電気および熱の良導体であり、金属光沢という特有の光沢を持つ物質の総称である。水銀を例外として常温・常圧状態では透明ではない固体となり、液化状態でも良導体性と光沢性は維持される。 単体で金属の性質を持つ元素を「金属元素」と呼び、金属内部の原子同士は金属結合という陽イオンが自由電子を媒介とする金属結晶状態にある。周期表において、ホウ素、ケイ素、ヒ素、テルル、アスタチン(これらは半金属と呼ばれる)を結ぶ斜めの線より左に位置する元素が金属元素に当たる。異なる金属同士の混合物である合金、ある種の非金属を含む相でも金属様性質を示すものは金属に含まれる。.

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鉄(てつ、旧字体/繁体字表記:鐵、iron、ferrum)は、原子番号26の元素である。元素記号は Fe。金属元素の1つで、遷移元素である。太陽や他の天体にも豊富に存在し、地球の地殻の約5%を占め、大部分は外核・内核にある。.

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