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分配関数

索引 分配関数

統計力学において、分配関数(ぶんぱいかんすう、Partition function)または状態和(じょうたいわ、state sum, sum over states)は、ある系の物理量の統計集団的平均を計算する際に用いられる規格化定数を指す。単に分配関数と呼ぶときはカノニカル分布における分配関数を指し、ドイツ語で状態和を表す語Zustandssummeに由来する記号Zで表すW.

32 関係: 対角化位相空間 (物理学)化学ポテンシャルハミルトニアンボルツマン定数ボルツマン因子ヒルベルト空間カノニカル分布グランドポテンシャルグランドカノニカル分布固有状態状態数粗視化系 (自然科学)縮退統計力学統計集団熱力学熱力学ポテンシャル熱力学温度物理量非交和跡 (線型代数学)量子力学量子状態量子統計力学自由エネルギー逆温度KT (エネルギー)母関数活量演算子

対角化

対角化(たいかくか、diagonalization)とは、正方行列を適当な線形変換によりもとの行列と相似な対角行列に変形することを言う。あるいは、ベクトル空間の線形写像に対し、空間の基底を取り替え、その作用が常にある方向(固有空間)へのスカラー倍(固有値)として現れるようにすること。対角化により変換において本質的には無駄な計算を省くことで計算量を大幅に減らすことが出来る。.

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位相空間 (物理学)

物理学における位相空間(いそうくうかん、phase space)とは、力学系の位置と運動量を座標(直交軸)とする空間のことである。数学における位相空間()と区別するために、相空間と呼ぶ流儀もある。 ハミルトン形式においては位置と運動量が力学変数となり、力学変数の関数として表される物理量は位相空間上の関数となる。 1個の質点の運動の状態は、その位置と運動量を指定することで定まる。-次元空間における運動では、位置と運動量がそれぞれ 成分あり、合わせて 成分となる。これらを座標とする 次元の空間が位相空間である。1個の質点の運動の状態は位相空間上の1個の点として表現され、これは状態点と呼ばれる。運動方程式に従って位置と運動量は時間変化し、時間の経過とともに状態点は1本の軌跡を描く。 -次元空間を運動する 個の質点系の運動の状態は 次元位相空間上の 個の状態点の分布として表現され、時間とともにその分布が変化する。 質点系は上記の分布による表現だけではなく、 個の質点の各々の位置と運動量のすべてを座標とする -次元の位相空間を考えることができる。質点系の運動の状態はこの -次元空間上の1個の状態点として表現され、時間の経過とともに1本の軌跡を描く。.

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化学ポテンシャル

化学ポテンシャル(かがくポテンシャル、)は熱力学で用いられる示強性状態量の一つである。 推奨される量記号は、μ(ミュー)である。 化学ポテンシャルはアメリカの化学者ウィラード・ギブズにより導入され、浸透圧や化学反応のようなマクロな物質量の移動が伴う現象で重要な量である。.

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ハミルトニアン

ハミルトニアン(Hamiltonian)あるいはハミルトン関数、特性関数(とくせいかんすう)は、物理学におけるエネルギーに対応する物理量である。各物理系の持つ多くの性質は、ハミルトニアンによって特徴づけられる。名称はイギリスの物理学者ウィリアム・ローワン・ハミルトンに因む。 ここでは、古典力学(解析力学)と量子力学の2つの体系に分けて説明するが、量子力学が古典力学から発展した経緯から、両者は密接に関連する。ハミルトニアンはそれぞれの体系に応じて関数または演算子もしくは行列の形式をとる。例えば、古典力学においてはハミルトニアンは正準変数の関数であり、量子力学では正準変数を量子化した演算子(もしくは行列)の形をとる。.

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ボルツマン定数

ボルツマン定数(ボルツマンていすう、Boltzmann constant)は、統計力学において、状態数とエントロピーを関係付ける物理定数である。統計力学の分野において重要な貢献をしたオーストリアの物理学者ルートヴィッヒ・ボルツマンにちなんで名付けられた。通常は記号 が用いられる。特にの頭文字を添えて で表されることもある。 ボルツマンの原理において、エントロピーは定まったエネルギー(及び物質量や体積などの状態量)の下で取りうる状態の数 の対数に比例する。これを と書いたときの比例係数 がボルツマン定数である。従って、ボルツマン定数はエントロピーの次元を持ち、熱力学温度をエネルギーに関係付ける定数として位置付けられる。国際単位系(SI)における単位はジュール毎ケルビン(記号: J K)が用いられる。.

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ボルツマン因子

物理学において、ボルツマン因子(ぼるつまんいんし、Boltzmann factor)とは、温度T の熱平衡状態にある系において、特定の状態が発現する相対的な確率を定める重み因子である。ボルツマン因子は、通常カノニカル分布によって記述される系を議論する際に用いられる。グランドカノニカル分布で記述される系に対しては、系と外部環境の間での粒子の移動を考慮するギブス因子を用いる方がより適切である。.

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ヒルベルト空間

数学におけるヒルベルト空間(ヒルベルトくうかん、Hilbert space)は、ダフィット・ヒルベルトにその名を因む、ユークリッド空間の概念を一般化したものである。これにより、二次元のユークリッド平面や三次元のユークリッド空間における線型代数学や微分積分学の方法論を、任意の有限または無限次元の空間へ拡張して持ち込むことができる。ヒルベルト空間は、内積の構造を備えた抽象ベクトル空間(内積空間)になっており、そこでは角度や長さを測るということが可能である。ヒルベルト空間は、さらに完備距離空間の構造を備えている(極限が十分に存在することが保証されている)ので、その中で微分積分学がきちんと展開できる。 ヒルベルト空間は、典型的には無限次元の関数空間として、数学、物理学、工学などの各所に自然に現れる。そういった意味でのヒルベルト空間の研究は、20世紀冒頭10年の間にヒルベルト、シュミット、リースらによって始められた。ヒルベルト空間の概念は、偏微分方程式論、量子力学、フーリエ解析(信号処理や熱伝導などへの応用も含む)、熱力学の研究の数学的基礎を成すエルゴード理論などの理論において欠くべからざる道具になっている。これら種々の応用の多くの根底にある抽象概念を「ヒルベルト空間」と名付けたのは、フォン・ノイマンである。ヒルベルト空間を用いる方法の成功は、関数解析学の実りある時代のさきがけとなった。古典的なユークリッド空間はさておき、ヒルベルト空間の例としては、自乗可積分関数の空間 、自乗総和可能数列の空間 、超関数からなるソボレフ空間 、正則関数の成すハーディ空間 などが挙げられる。 ヒルベルト空間論の多くの場面で、幾何学的直観は重要である。例えば、三平方の定理や中線定理(の厳密な類似対応物)は、ヒルベルト空間においても成り立つ。より深いところでは、部分空間への直交射影(例えば、三角形に対してその「高さを潰す」操作の類似対応物)は、ヒルベルト空間論における最適化問題やその周辺で重要である。ヒルベルト空間の各元は、平面上の点がそのデカルト座標(直交座標)によって特定できるのと同様に、座標軸の集合(正規直交基底)に関する座標によって一意的に特定することができる。このことは、座標軸の集合が可算無限であるときには、ヒルベルト空間を自乗総和可能な無限列の集合と看做すことも有用であることを意味する。ヒルベルト空間上の線型作用素は、ほぼ具体的な対象として扱うことができる。条件がよければ、空間を互いに直交するいくつかの異なる要素に分解してやると、線型作用素はそれぞれの要素の上では単に拡大縮小するだけの変換になる(これはまさに線型作用素のスペクトルを調べるということである)。.

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カノニカル分布

正準分布(せいじゅんぶんぷ)、カノニカル分布(canonical distribution)は、統計力学において系の微視的状態を表現する統計集団の一つである正準集団、カノニカルアンサンブル(canonical ensemble)が従う統計分布である。正準集団とは、との間でのみエネルギーを自由にやりとりできる系を表現する統計集団である。正準分布は、小正準分布、大正準分布とは体積が十分に大きい極限(すなわちエネルギーや粒子の出入りが無視できる極限)において熱力学的に等価である。.

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グランドポテンシャル

ランドポテンシャル()とは、熱力学における示量性状態量の1つである。 統計力学においてはグランドカノニカルアンサンブルと関係付けられる。 グランドポテンシャルはエネルギーの次元を持つ。 記号 J や \Omega で表されることが多い。また、単に熱力学ポテンシャル(ねつりきがくポテンシャル、)と呼ばれることもある。.

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グランドカノニカル分布

大正準分布(だいせいじゅんぶんぷ)、グランドカノニカル分布(grand canonical distribution)は、統計力学において系の微視的状態を表現する統計集団の一つである大正準集団、グランドカノニカルアンサンブル(grand canonical ensemble)に従う統計分布である。グランドカノニカル分布は熱浴(heat bath)との間でエネルギーを、粒子浴との間で粒子数を自由にやりとりできる系(開放系)に対応する統計分布で、小正準分布、正準分布とは体積が十分に大きい極限において熱力学的に等価である。.

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固有状態

量子力学において、ある物理量 の固有状態 (eigenstate) とは、その物理量(オブザーバブル)を表すエルミート演算子 \hat の固有ベクトル \ \ のことである。 よって物理量 の固有状態 \ \ は以下の固有値方程式を満たす。 一般に、量子系について物理量の測定を行った時、どんなに同じように状態を用意して同じように測定をしても、測定値は測定によってバラバラである。しかし系が\hatの固有値 a_n \ に属する固有状態 |a_n\rangle \ であるときは、物理量 \hat を観測すれば必ず a_n \ という値を得る(オブザーバブルを参照)。よって「物理量 \hat の固有状態 |a_n\rangle \ は、物理量 \hat が確定した値 a_n を持っている状態である」と解釈できる。 また \hat はエルミート演算子なので、その固有値はすべて実数である。.

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状態数

態数(じょうたいすう、number of states)は、統計力学において、系のエネルギーが(マクロにみて)ある値をとるときに、系が取りうる(ミクロな)状態の数である。ミクロカノニカルアンサンブルにおける分布関数の正規化係数として現れる。.

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粗視化

粗視化(そしか、coarse graining)とは、ある変数空間で定義された連続的な物理量を、その変数を任意の単位スケールで離散化し、単位スケール内で物理量の平均を取ることで、その物理量そのものも離散化し情報量を減らす手法。単純に言うと、モザイクを掛ける事、解像度を下げる事がこれに相当する。解像度の高い空間から低い空間への射影操作であるとも言える。可逆な基礎方程式(ニュートン方程式など)から不可逆な現象(エントロピー増大則など)を説明するためのトリックの一つだと考えられている。.

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系 (自然科学)

自然科学における系(けい、)とは、宇宙(世界、ユニバース、)の一部のうち、考察の対象として注目している部分である。分野や考察の内容に応じて力学系、生態系、太陽系、実験系などというように用いられる。システムの記事も参照。 宇宙のうち、系ではない考察の対象としない部分はという。これは外界が系に比べて非常に大きく、外界が系に影響を及ぼして系の状態の変化を引き起こすことがあっても、系が外界に及ぼす影響は無視できるとする仮定の下に考察の対象から外される。外界の状態は、常に一定であるとしたり、単純な変化をしたりと、考察の前提として仮定される。また、観測者は外界にいるものとして通常は考察の対象とされない。 物理学では、系を古典論で記述するとき、その系を古典系と呼ぶ。一方で系を量子論で記述するとき、その系を量子系とよぶ。.

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縮退

縮退(しゅくたい、Degeneracy、ごくまれに縮重とも)とは物理学において、2つ以上の異なったエネルギー固有状態が同じエネルギー準位をとること。.

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統計力学

統計力学(とうけいりきがく、statistical mechanics)は、系の微視的な物理法則を基に、巨視的な性質を導き出すための学問である。統計物理学 (statistical physics)、統計熱力学 (statistical thermodynamics) とも呼ぶ。歴史的には系の熱力学的な性質を気体分子運動論の立場から演繹することを目的としてルートヴィッヒ・ボルツマン、ジェームズ・クラーク・マクスウェル、ウィラード・ギブズらによって始められた。理想気体の温度と気圧ばかりでなく、実在気体についても扱う。.

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統計集団

統計集団(とうけいしゅうだん、statistical ensemble)とは、統計力学における基本的な概念の一つで、巨視的に同じ条件下にある、力学的に同じ系を無数に集めた仮想的な集団である。統計的(とうけいてき)アンサンブル、確率集団(かくりつしゅうだん)、ギブズ集団、あるいは単にアンサンブルとも呼ばれる。 巨視的には同じ条件下にあっても、力学系が取り得る力学的な状態は一つに定まらない。無数に集めた系の内である状態を取っている系の割合を、系がその状態を取る確率であると考える。この確率で重み付けした加重平均をアンサンブル平均と呼ぶ。.

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熱力学

熱力学(ねつりきがく、thermodynamics)は、物理学の一分野で、熱や物質の輸送現象やそれに伴う力学的な仕事についてを、系の巨視的性質から扱う学問。アボガドロ定数個程度の分子から成る物質の巨視的な性質を巨視的な物理量(エネルギー、温度、エントロピー、圧力、体積、物質量または分子数、化学ポテンシャルなど)を用いて記述する。 熱力学には大きく分けて「平衡系の熱力学」と「非平衡系の熱力学」がある。「非平衡系の熱力学」はまだ、限られた状況でしか成り立たないような理論しかできていないので、単に「熱力学」と言えば、普通は「平衡系の熱力学」のことを指す。両者を区別する場合、平衡系の熱力学を平衡熱力学、非平衡系の熱力学を非平衡熱力学 と呼ぶ。 ここでいう平衡 とは熱力学的平衡、つまり熱平衡、力学的平衡、化学平衡の三者を意味し、系の熱力学的(巨視的)状態量が変化しない状態を意味する。 平衡熱力学は(すなわち通常の熱力学は)、系の平衡状態とそれぞれの平衡状態を結ぶ過程とによって特徴付ける。平衡熱力学において扱う過程は、その始状態と終状態が平衡状態であるということを除いて、系の状態に制限を与えない。 熱力学と関係の深い物理学の分野として統計力学がある。統計力学は熱力学を古典力学や量子力学の立場から説明する試みであり、熱力学と統計力学は体系としては独立している。しかしながら、系の平衡状態を統計力学的に記述し、系の状態の遷移については熱力学によって記述するといったように、一つの現象や定理に対して両者の結果を援用している 。しかしながら、アインシュタインはこの手法を否定している。.

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熱力学ポテンシャル

熱力学ポテンシャル(ねつりきがくポテンシャル、thermodynamic potential)とは、熱力学において、系の平衡状態における熱力学的性質の情報を全て持つ示量性状態量である。完全な熱力学関数とも呼ばれる。 ポテンシャルという名前がつけられているが、エネルギーの次元をもつことに注意。.

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熱力学温度

熱力学温度(ねつりきがくおんど、)熱力学的温度(ねつりきがくてきおんど)とも呼ばれる。は、熱力学に基づいて定義される温度である。 国際量体系 (ISQ) における基本量の一つとして位置付けられ、次元の記号としてサンセリフローマン体の が用いられる。また、国際単位系 (SI) における単位はケルビン(記号: K)が用いられる。熱力学や統計力学に関する文献やそれらの応用に関する文献では、熱力学温度の意味で温度 という言葉を使うことが多い。 熱力学温度は平衡熱力学における基本的要請を満たすように定義される示強変数であり、そのような温度は一つに限らない。 熱力学温度が持つ基本的な性質の一つとして普遍性がある。具体的な物質の熱膨張などを基準として定められる温度は、選んだ物質に固有の性質をその定義に含んでしまい、特殊な状況を除いて温度の取り扱いが煩雑になる。熱力学温度はシャルルの法則や熱力学第二法則のような物質固有の性質に依存しない法則に基づいて定められるため、物質の選択にまつわる困難を避けることができる。 熱力学温度が持つもう一つの基本的な性質として、下限の存在が挙げられる。熱力学温度の下限は実現可能な熱力学的平衡状態熱力学や統計力学に関する文献では単に平衡状態と呼ばれることが多い。を決定する。この熱力学温度の下限は絶対零度と呼ばれる。 統計力学の分野においては逆温度が定義されしばしば熱力学温度に代わって用いられる。逆温度 は(理想気体温度の意味での)熱力学温度 に反比例する ことが知られ( はボルツマン定数)、このことが の名前の由来となっている。 また統計力学では「絶対零度を下回る」温度として負温度が導入されるが、負温度は熱力学や平衡統計力学の意味での温度とは異なる概念である。熱力学で用いられる通常の温度は平衡状態の系を特徴づける物理量だが、負温度は反転分布の実現するような非平衡系や系のエネルギーに上限が存在するような特殊な系を特徴づける量である。負温度はある種の非平衡系に対してカノニカル分布を拡張した際に、この分布に対する逆温度の逆数(をボルツマン定数で割ったもの)として定義され、負の値をとる。すなわち、負の逆温度 に対し負温度 は という関係が成り立つように定められる。この関係は通常の(正の)温度と逆温度の関係をそのまま非平衡系に対して適用したものとなっている。しかしながらその元となる逆温度と温度の対応関係は、統計力学で定義される諸々の熱力学ポテンシャルが熱力学で定義されたものと(漸近的に)一致するという要請から導かれるものであり、負温度が実現する系において同様の関係が成り立つと考える必然性はない。 熱力学温度はしばしば絶対温度(ぜったいおんど、absolute temperature)とも呼ばれる。多くの場合、熱力学温度と絶対温度は同義であるが、「絶対温度」という言葉の用法はまちまちであり「カルノーの定理や理想気体の状態方程式から定義できる自然な温度」を指すこともあれば、「温度単位としてケルビンを選んだ場合の温度」ないし「絶対零度を基準点とする温度」のようなより限定された意味で用いられることもある。 気体分子運動論によれば分子が持つ運動エネルギーの期待値は絶対零度において 0 となる。このとき、分子の運動は完全に停止していると考えられる。しかしながら、極低温の環境において古典力学に基づく運動論は完全に破綻するため、そのような古典的な描像は意味を持たない。.

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物理量

物理量(ぶつりりょう、physical quantity)とは、.

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非交和

集合論において、集合の族の直和 (direct sum) は、以下の緊密に関連した二種類の概念を指して用いられる。.

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跡 (線型代数学)

数学、特に線型代数学における行列の跡(せき、trace; トレース、Spur; シュプール)あるいは対角和(たいかくわ)は行列の主対角成分の総和である。それは基底変換に関して不変であり、また固有値の総和(固有値和)に等しい。即ち、行列の跡は行列の相似を除いて定まり、したがって一般に行列に対応する線型写像の跡として定義することができる。 行列の跡は、正方行列に対してのみ定義されることに注意せよ。この語は(この同じ数学的対象を意味する)ドイツ語のSpurからの翻訳借用である。.

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量子力学

量子力学(りょうしりきがく、quantum mechanics)は、一般相対性理論と同じく現代物理学の根幹を成す理論として知られ、主として分子や原子、あるいはそれを構成する電子など、微視的な物理現象を記述する力学である。 量子力学自身は前述のミクロな系における力学を記述する理論だが、取り扱う系をそうしたミクロな系の集まりとして解析することによって、ニュートン力学に代表される古典論では説明が困難であった巨視的な現象についても記述することができる。たとえば量子統計力学はそのような応用例の一つである。従って、生物や宇宙のようなあらゆる自然現象もその記述の対象となり得る。 代表的な量子力学の理論として、エルヴィン・シュレーディンガーによって創始された、シュレーディンガー方程式を基礎に置く波動力学と、ヴェルナー・ハイゼンベルク、マックス・ボルン、パスクアル・ヨルダンらによって構成された、ハイゼンベルクの運動方程式を基礎に置く行列力学がある。ただしこの二つは数学的に等価である。 基礎科学として重要で、現代の様々な科学や技術に必須な分野である。 たとえば科学分野について、太陽表面の黒点が磁石になっている現象は、量子力学によって初めて解明された。 技術分野について、半導体を利用する電子機器の設計など、微細な領域に関するテクノロジーのほとんどは量子力学を基礎として成り立っている。そのため量子力学の適用範囲の広さと現代生活への影響の大きさは非常に大きなものとなっている。一例として、パソコンや携帯電話、レーザーの発振器などは量子力学の応用で開発されている。工学において、電子工学や超伝導は量子力学を基礎として展開している。.

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量子状態

量子状態(りょうしじょうたい、)とは、量子論で記述される系(量子系)がとる状態のことである。 これは系の物理量(可観測量、オブザーバブル)を測定したとき、その測定値のバラつき具合を表す確率分布によって定義される。 以下に述べるように、量子状態には、純粋状態と混合状態とがある。.

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量子統計力学

量子統計力学 (りょうしとうけいりきがく、) とは量子力学的な系を扱う統計力学の手法。統計力学の基礎づけは量子力学に拠っているため、広義には統計力学一般を意味し、狭義には古典近似を用いないモデルを指す。対義語は古典統計力学。.

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自由エネルギー

自由エネルギー(じゆうエネルギー、)とは、熱力学における状態量の1つであり、化学変化を含めた熱力学的系の等温過程において、系の最大仕事(潜在的な仕事能力)、自発的変化の方向、平衡条件などを表す指標となるChang『生命科学系のための物理化学』 pp.63-65アトキンス『物理化学(上)』 pp.120-125。 自由エネルギーは1882年にヘルマン・フォン・ヘルムホルツが提唱した熱力学上の概念で、呼称は彼の命名による。一方、等温等圧過程の自由エネルギーと化学ポテンシャルとの研究はウィラード・ギブズにより理論展開された。 等温等積過程の自由エネルギーはヘルムホルツの自由エネルギー()と呼ばれ、等温等圧過程の自由エネルギーはギブズの自由エネルギー()と呼びわけられる。ヘルムホルツ自由エネルギーは F で表記され、ギブズ自由エネルギーは G で表記されることが多い。両者の間には G.

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逆温度

逆温度(ぎゃくおんど、inverse temperature) は、統計力学によって定義される物理量。統計集団を用いて平衡状態を記述する際に重要な役割を担うパラメーターとして現れる。逆温度βは絶対温度Tとボルツマン定数kBを用いて次のように定義される。.

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KT (エネルギー)

はボルツマン定数 と温度 の積である。この積は物理学において、分子スケールの系におけるエネルギー値のスケーリング因子として(エネルギーの単位として用いられることもある)、エネルギーのみには依存しないが、エネルギーと との比、すなわち (アレニウスの式とボルツマン分布を参照)には依存する多くの過程の速度および頻度として使用される。正準集団に従う平衡系では、エネルギー を持つ状態にある系の確率は に比例する。 より根本的には、 は系の熱力学的エントロピーの増大に必要な熱の量である(自然単位系ではナット)。したがって、 は自然単位系において測定される分子毎のエントロピーの量を表わす。 数多くの分子が含まれる巨視的スケールの系では、RT 値が一般的に使用される。そのSI単位はジュール毎モル(J/mol:)である。.

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母関数

数学において、母関数(ぼかんすう、generating function; 生成関数)は、(自然数で添字付けられた)数列 に関する情報を内包した係数を持つ、形式的冪級数である。母関数は、一般線型回帰問題の解決のためにド・モアブルによって1730年に初めて用いられた。複数の自然数で添字付けられる数の配列(多重数列)の情報を取り込んだ多変数冪級数を同様に考えることもできる。 母関数には、通常型母関数、指数型母関数、ランベルト級数、ベル級数、ディリクレ級数 など様々なものがある。これらについては定義と例を後述する。原理的にはあらゆる列についてそれぞれの種類の母関数が存在する(ただし、ランベルト級数とディリクレ型は添字を 1 から始めることが必要)が、扱い易さについてはそれぞれの種類で相当異なるかもしれない。どの母関数が最も有効かは、その列の性質と解くべき問題の詳細に依存する。 母関数を、形式的冪級数に対する演算・操作を用いるなどして(級数の形ではなく)の式で表すこともよく行われる。このような母関数の表示は、母関数の不定元を x とすれば、四則演算、母関数のx に関する微分、他の母関数へ代入すること、などを行った結果として得られる。これらの操作は関数に対しても定義されるものであるし、結果として得られる式もやはり x の関数であるかのように見える。実際、母関数を x の(十分小さい)具体的な値で評価することのできる関数として解釈することができる場合も少なくない(このとき、母関数の冪級数表示は、母関数の閉じた形の式のテイラー級数と解釈される)のであり、それがこの式が「母関数」と呼ばれる所以でもある。しかし、形式的冪級数は x に何らかの数値を代入したときに収束するかどうかは問題にしないのであって、母関数についてそのような関数としての解釈が可能であるということは必ずしも要求されるものではないし、同様に x の関数として意味を持つ式がいずれも形式的冪級数に対して意味を持つわけではない。 慣例的に母「関数」と呼ばれてはいるが、始域から終域への写像という関数の厳密な意味に照らして言えば母関数は関数ではなく、今日的には生成級数(母級数)と呼ぶこともしばしばである。.

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活量

活量(かつりょう、activity)は、できる限りモル濃度(あるいは他の濃度)に近い性質を持ち、しかも厳密な熱力学の関係に登場し得る量である。一般的には、温度、圧力、物質量についての複雑な関数になる。 理想系と実存系に存在する誤差を修正するためにギルバート・ルイスによって導入された物理量で、普通a、或いはAと表される。活動度と呼ばれる場合もある。.

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演算子

演算子(えんざんし、operator symbol, operator name)は、数式やコンピュータプログラミング言語などで、各種の演算を表わす記号・シンボルである。普通は、演算子は単なる記号ないし記号列であって構文論的なものであり、それに対応する演算は意味論の側にある。たとえばJavaにおいて、演算子 + を使った a + b という式は、構文論上は単にそういう式だというだけである。意味論的には数値の加算であったり、文字列の連結であったりするが、それは a と b の型に依って決まる(理論的には項書き換えのように、構文論的に意味論も与えられた演算子といったものもある)。 演算が作用する対象のことを被演算子(operand; オペランド、被演算数、引数)という。たとえば、n と 3 との和を表す式 "n + 3" において、"+" は演算子であり、その被演算子は "n" と "3" である。また、数式として一般的な被演算子と被演算子の間に演算子を記述する構文は中置記法と呼ばれる。 数学的には、基本的には、関数(単項演算子では1引数の関数、2項演算子は2引数の関数)をあらわすある種の糖衣構文のようなものに過ぎない。しかし、汎函数計算など、演算子を操作するような手法もある。.

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グランドカノニカル分配関数大分配関数分配函数状態和

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