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アセチルセロトニン-O-メチルトランスフェラーゼ

索引 アセチルセロトニン-O-メチルトランスフェラーゼ

アセチルセロトニン-O-メチルトランスフェラーゼ(acetylserotonin O-methyltransferase, ASMT)は、メラトニン生合成の最終反応を触媒する酵素で、ノルメラトニンをメラトニンに変換する。この反応は、トリプトファン代謝経路にも組み込まれており、そちらでは5-ヒドロキシインドール酢酸から5-メトキシインドール酢酸に変換する。 ヒトでは、この酵素はASMT遺伝子にコードされており、この遺伝子はX染色体とY染色体の両方に全く同じく存在する。.

8 関係: ノルメラトニンメラトニントリプトファン遺伝子触媒酵素X染色体Y染色体

ノルメラトニン

ノルメラトニン(Normelatonin)またはN-アセチルセロトニン(N-Acetylserotonin)は、セロトニンからのメラトニンの合成の中間体として、天然に生成する化合物である。アルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼの作用によってセロトニンから生成し、アセチルセロトニン-O-メチルトランスフェラーゼの作用によってメラトニンになる。メラトニンと同様、ノルメラトニンはMT1、MT2、MT3のアゴニストとなり、神経伝達物質でもあると考えられている。さらにノルメラトニンは、セロトニンもメラトニンも分布しない脳の特定の画分に分布し、これは単にメラトニン合成の前駆体としての役割を果たすだけではなく、中枢神経系における独自の機能を持つことが示唆されている。 近年、ノルメラトニンはセロトニンやメラトニンと異なり、強いTrkBアゴニストとして働くことが示された。TrkBが仲介する強い抗うつ、神経防護、神経栄養効果を示す。さらに、ノルメラトニンを欠くAANATノックアウトマウスは、強制水泳試験等の抗うつ試験において、不動時間がかなり長くなることが示された。 またノルメラトニンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬やモノアミン酸化酵素阻害薬の抗うつ効果に対しても重要な役割を果たしている。選択的セロトニン再取り込み阻害薬のフルオキセチンやモノアミン酸化酵素A阻害薬のクロルギリンは、セロトニン作動性の機構によってAANATを間接的に上方調整し、それによって慢性投与後にノルメラトニンの濃度を上昇させ、抗うつ効果を発現させる。さらに、光の照射はノルメラトニンの合成を阻害し、モノアミン酸化酵素阻害薬の抗うつ効果を下げる。これらのデータは、ノルメラトニンの気分調整や抗うつ効果に対する役割を強く支持している。 また機構は未知であるが、ノルメラトニンは、モノアミン酸化酵素阻害薬による治療に伴って見られる起立性低血圧の原因でもあると考えられている。ノルメラトニンはネズミの血圧を低下させ、松果体切除は、ノルメラトニンやメラトニンの合成の場である)によって、クロルギリンの低血圧効果はなくなる。しかし、同じようにノルメラトニン濃度を上昇させる選択的セロトニン再取り込み阻害薬で起立性低血圧が見られない理由は分かっていない。.

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メラトニン

メラトニン()は、動物、植物、微生物に存在するホルモンであり、また化学的にN-アセチル-5-メトキシトリプタミン(N-acetyl-5-methoxytryptamine)として知られる。動物では、メラトニンの血中濃度は1日の周期で変化しており、それぞれの生物学的な機能における概日リズムによる同調を行っている。 メラトニンによる多くの生物学的な効果は、の活性を通して生成され、他にも広範囲にわたる強力な抗酸化物質としての役割によって 特に核DNAやミトコンドリアDNAを保護する。 ヒトにおける長期的な外因的な補給による完全な影響は、まだ判明していない。 メラトニンはアメリカ食品医薬品局(FDA)によってサプリメントに分類されており、医薬品ではない。メラトニンの徐放剤は、2007年に欧州医薬品庁によって55歳以上の人々に対して処方せん医薬品として承認されたが、小さな効果しか示していない。またオーストラリアでは2009年に承認された。.

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トリプトファン

トリプトファン はアミノ酸の一種である。ヒトにおける9つの必須アミノ酸の内の1つ。 系統名 2-アミノ-3-(インドリル)プロピオン酸。略号はTrpまたはW。 側鎖にインドール環を持ち、芳香族アミノ酸に分類される。蛋白質構成アミノ酸である。糖原性・ケト原性の両方を持つ。多くのタンパク質中に見出されるが、含量は低い。ナイアシンの体内活性物質であるNAD(H)をはじめ、セロトニン・メラトニンといったホルモン、キヌレニン等生体色素、また植物において重要な成長ホルモンであるインドール酢酸の前駆体、インドールアルカロイド(トリプタミン類)などの前駆体として重要である。.

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遺伝子

遺伝子(いでんし)は、ほとんどの生物においてDNAを担体とし、その塩基配列にコードされる遺伝情報である。ただし、RNAウイルスではRNA配列にコードされている。.

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触媒

触媒(しょくばい)とは、特定の化学反応の反応速度を速める物質で、自身は反応の前後で変化しないものをいう。また、反応によって消費されても、反応の完了と同時に再生し、変化していないように見えるものも触媒とされる。「触媒」という用語は明治の化学者が英語の catalyser、ドイツ語の Katalysator を翻訳したものである。今日では、触媒は英語では catalyst、触媒の作用を catalysis という。 今日では反応の種類に応じて多くの種類の触媒が開発されている。特に化学工業や有機化学では欠くことができない。また、生物にとっては酵素が重要な触媒としてはたらいている。.

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酵素

核酸塩基代謝に関与するプリンヌクレオシドフォスフォリラーゼの構造(リボン図)研究者は基質特異性を考察するときに酵素構造を抽象化したリボン図を利用する。 酵素(こうそ、enzyme)とは、生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子である。酵素によって触媒される反応を“酵素的”反応という。このことについて酵素の構造や反応機構を研究する古典的な学問領域が、酵素学 (こうそがく、enzymology)である。.

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X染色体

X染色体(エックスせんしょくたい)とは有性生殖をする真核生物にみられる性染色体の一種である。雌が性染色体として相同染色体の対を持つとき、それをX染色体と呼ぶ。このとき、雄はX染色体と共にY染色体を組として持つか(XY型)、あるいは対にならないX染色体のみを持つ(XO型)。このような性決定様式は雄がヘテロ型であるため「雄ヘテロ型」と呼ぶ。.

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Y染色体

Y染色体(ワイせんしょくたい、英語:Y chromosome)は性染色体の一つ。正常な雄個体ではX染色体と同時に存在し、正常な雌個体には存在しない性染色体をY染色体という。 X染色体とY染色体が同時に関与する性決定様式を、雄がX染色体とY染色体との組を持つヘテロ型であるため、雄ヘテロ型、さらに限定してXY型と呼ぶ。雄ヘテロ型性決定にはY染色体が関与しないXO型もあり、他に雌ヘテロ型の性染色体・性決定様式(ZW型・ZO型)も存在する。.

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