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渤海語

索引 渤海語

渤海語(ぼっかいご)は、渤海国で使用されていた言語のことである。 渤海国では、高句麗語と靺鞨語が混用され、やがて一つの渤海語が形成され、渤海の滅亡とともに衰退し、遅くても12世紀から13世紀には消滅したという説が存在している。 渤海語研究では資料的な制約のため詳細については不明である。僅かながら『新唐書』に渤海語と思われる単語が収録されている程度のものである。 『新唐書』渤海伝によると渤海語では、王を「可毒夫」「聖主」「基下」といい、王の命令を「教」といった。 俗謂王曰「可毒夫」,曰「聖王」,曰「基下」。其命爲「教」。(『新唐書』渤海伝) 俗称では王(を名付けて)可毒夫、あるいは聖主、あるいは基下といった。(王の)命令を教という。 アレクセイ・オクラドニコフの弟子のロシア科学アカデミーのエ・ヴェ・シャフクノフ(Ernst Vladimirovich Shavkunov、Эрнст Владимирович Шавкунов)の研究によれば、渤海語で王をいう“可毒夫”は「おそらく満州語の“卡達拉”(満州語: 、kadalambi、カダラ:管理するの意)や、ナーナイ語の“凱泰”(カイタイ)と関係があり、その本来の意味は年長の管理者の意味であろう」としている。また、渤海人と靺鞨人の名前の最後に“蒙”の字がついていることがあるが(烏借芝蒙、己珍蒙、慕思蒙など)、これは靺鞨語の重要な膠着語尾の一つを示しており、ツングース語系の各民族は氏族を“木昆”“謀克”と称しているが、“蒙”の音が“木”や“謀”の音と近いことを考えると、この“蒙”の音はその人が属する氏族を表す音節であろうと推測できると述べている。 表記文字としては当時の東アジアで一般的であった漢字を利用していたものと考えられている。 ロシア史学会では考古学資料から渤海独自の文字が存在したという研究もあるが、現時点で一般的に認知されているものではない。 アレキサンダー・ボビンは2012年の論文において、漢字の範疇に入らない文字があり、その中には女真文字と共通・類似するものがあると指摘しており、仮説として、「女真文字が渤海文字から発展した」と提示しているが、疑問点もあるとされる。.

18 関係: 女真文字平凡社井上秀雄ナナイ語ロシア科学アカデミーツングース語族アレキサンダー・ボビンアレクセイ・オクラドニコフ靺鞨言語高句麗語東洋文庫東方書店渤海 (国)満州語新唐書扶余語族2012年

女真文字

女真文字(じょしんもじ、女真文: 、発音: )は、中国の華北、東北部に金(アルチュフ)を建てた女真族が使用した文字。女真大字と女真小字の2種類の文字があるとされる。.

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平凡社

株式会社平凡社(へいぼんしゃ)は、日本の出版社。百科事典の出版社として有名で、多様な一般書のほか岩波書店、筑摩書房と並んで学術・教養性の強い出版物を多く刊行する。現在も継続刊行中の東洋文庫(1963年創刊)、『別冊 太陽』(1972年創刊)などは歴史が古い。社名の「平」の字は、厳密には二つの点が末広がりになった旧字体「」を用いる(大正末期創業のため)。.

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井上秀雄

井上 秀雄(いのうえ ひでお、1924年(大正13年)12月1日 - 2008年10月7日)は、日本の歴史学者。東北大学、樟蔭女子短期大学名誉教授。専門は古代朝鮮史、日朝関係史。.

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ナナイ語

ナナイ語はロシアのハバロフスク地方、沿海地方、中国の黒竜江省に居住するナナイ族の言語で、ツングース諸語南ツングース語派ナナイ語群に属する。.

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ロシア科学アカデミー

ア科学アカデミー(Росси́йская акаде́мия нау́к、Rossiiskaya Akademiya Nauk、略称はРАН、RAN)は、ロシアの最高学術機関とされる国立アカデミーである。ロシア科学アカデミーは、ロシア連邦全土の学術研究機関を包括するものである。 アカデミーの名称は、1803年からは、帝国科学アカデミー、1836年以降は、帝国サンクトペテルブルク科学アカデミー、ロシア革命により、1917年帝政ロシアが倒れると、ロシア科学アカデミーとなる。ソ連成立後の1925年からは、ソビエト社会主義共和国連邦科学アカデミー(Академия наук СССР、Akademiya Nauk SSSR)の名称で知られていた。.

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ツングース語族

ツングース語族(-ごぞく)は世界の基本となる語族の一つ。を構成する語族のうちの一つ。シベリア東部・沿海地方、樺太の一部、満州(中国東北部)に住むツングース系諸民族の言語である。 言語類型論的には膠着語であり、複雑な格システム(多くの言語に格の一致がある)や時制・相の区別が発達した言語が多く、所有接辞も用いられる。また母音調和が顕著であり、語頭にRが立たない傾向がある。これらはチュルク語族・モンゴル語族と共通する部分が多いため、合わせてアルタイ語族とも呼ばれてきた。しかしこれらの間には基礎語彙の音韻対応がほとんど見られないことから、語族とは証明されていない。将来的に「アルタイ語族」が成立すると証明されれば、ツングース語派と呼ばれるようになるが、未だアルタイ語族は立証されていないため、ツングース語族が正しい。しかしこのような経緯から単にツングース諸語(-しょご)と呼ばれることが多い。 満州語は清の支配階級の出身言語として文字(満州文字)で書かれ多くの記録が残されたが、その他の言語については最近まで文字記録に乏しかった。.

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アレキサンダー・ボビン

ボビン(2007年) アレキサンダー・ボビン(Alexander Vladimirovich Vovin, Александр Владимирович Вовин, 1961年1月27日 - )は、ロシアのサンクトペテルブルク生まれのアメリカ人言語学・文献学者。.

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アレクセイ・オクラドニコフ

アレクセイ・パーヴロヴィチ・オクラドニコフ(Алексей Павлович Окладников、 Alexey Pavlovich Okladnikov、1908年10月3日 - 1981年11月18日)は、ソビエト連邦及びロシアの考古学者。.

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靺鞨

靺鞨(まつかつ、まっかつ、拼音:Mòhé)は、中国の隋唐時代に中国東北部、沿海州に存在した農耕漁労民族。南北朝時代における「勿吉(もつきつ)」の表記が変化したものであり、粛慎,挹婁の末裔である。16部あったが、後に高句麗遺民と共に渤海国を建国した南の粟末部と、後に女真族となって金朝,清朝を建国した北の黒水部の2つが主要な部族であった。.

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言語

この記事では言語(げんご)、特に自然言語について述べる。.

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高句麗語

句麗語(こうくりご)は、高句麗(紀元前37年 - 668年)の領域で使用されていた言語のことである。高句麗の滅亡とともに衰退し、言語としては消滅したと見られている。扶余語族に属す。.

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東洋文庫

公益財団法人東洋文庫(とうようぶんこ)は、東京都文京区に所在する東洋学の専門図書館、研究所である。英語名はThe Oriental Libraryであるが、Toyo Bunkoとしても知られている。東洋史と文化に関する文献資料を収集した東洋学専門図書館であり、EU東洋学研究コンソーシアム、フランス極東学院、台湾中央研究院、ユネスコ東アジア文化研究センター、ハーバード燕京研究所などの海外の東洋学関連研究機関との提携も進んでいる。.

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東方書店

東方書店(とうほうしょてん)は、東京都にある中国関係書籍専門書店、中国関係図書出版社。 1951年(昭和26年)、前身の極東書店が操業開始。1966年に極東書店から中国部門が分離独立して東方書店(株)を創立。当初から日中出版文化の交流が目的であった。 本店は神田神保町にあり、日本国内の代表的中国関係書籍専門書店である。大阪府吹田市には関西支社がある。 出版部門は、中国語や韓国語の辞典・テキスト・参考書、中国をテーマとする東方選書、教養啓蒙書・専門書など幅広い出版活動を行っている。 1975年9月に創刊した月刊誌『東方』は東方書店のPR誌であるが、毎号学術面に重点を置いた中国関係図書書評および中国関連エッセイを掲載し、中国関係学術情報の重要な媒体となっている。.

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渤海 (国)

渤海(ぼっかい、698年 - 926年)は、現中国東北部から朝鮮半島北部、現ロシアの沿海地方にかけて、かつて存在した国家。大祚栄により建国され、周囲との交易で栄え、唐からも「海東の盛国」(『新唐書』)と呼ばれたが、最後は契丹(遼)によって滅ぼされた。 大祚栄や渤海国の成り立ちに関して『旧唐書』渤海靺鞨伝は「渤海靺鞨大祚榮者,本高麗別種也。高麗既滅,祚榮率家屬徙居營州。(渤海靺鞨の(建国者)大祚栄は、もと高(句)麗の別種である。高(句)麗が既に滅亡(六六八)してしまったので、(大)祚栄は一族を率いて営州(遼寧省朝陽市)へ移り住んだ。)」と記し、『新唐書』はより具体的に「渤海,本粟末靺鞨附高麗者,姓大氏。(渤海は、もとの粟末靺鞨で、高(句)麗に付属していた。姓は大氏である。)と記しており、高句麗に服属していた粟末靺鞨の出とある。 『大金国志』には、女直(女真)は粛慎の遺種であり、渤海の別種(又曰女直、粛慎氏遺種、渤海之別種也。)と記す。 渤海の風俗は高句麗・契丹と同じ(風俗瑟高麗及契丹同「風俗は高麗契丹に重なり同じくする」)とある。 「渤海」の名は本来、遼東半島と山東半島の内側にあり黄河が注ぎ込む湾状の海域のことである。初代国王大祚栄が、この渤海の沿岸で現在の河北省南部にあたる渤海郡の名目上の王(渤海郡王)に封ぜられたことから、本来の渤海からやや離れたこの国の国号となった。.

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満州語

満州語(滿洲語、まんしゅうご、ᠮᠠᠨᠵᡠᡤᡳᠰᡠᠨ、転写:manju gisun)は、満州族が話すツングース諸語に属する言語。.

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新唐書

『新唐書』(しんとうじょ)は、中国の唐代の正史である。五代の後晋の劉昫の手になる『旧唐書』(くとうじょ)と区別するために、『新唐書』と呼ぶが、単に『唐書』(とうじょ)と呼ぶこともある。 北宋の欧陽脩らの奉勅撰、225巻、仁宗の嘉祐6年(1060年)の成立である。.

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扶余語族

扶余語族(ふよごぞく、朝鮮語:부여(Buyeo)、中国語:扶余(Fúyú))とは、満州南部、朝鮮半島北部にかつて分布した語族である。中国の歴史資料に基づけば、扶余(夫余)、高句麗、東濊、沃沮、百済、濊貊の言語が含まれると考えられる。 日本列島まで含むとする説もある(日本語扶余語系説)。また古朝鮮語も近い可能性があるが、異論もある。.

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2012年

この項目では、国際的な視点に基づいた2012年について記載する。.

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