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キサース

索引 キサース

ース(قصاص)とは、イスラーム刑法に定めのある刑罰のひとつで、裁判官の監視の下、被害者が蒙ったのと同様の苦痛を加害者に与える刑罰(同害報復刑)である。具体的には殺人や傷害に対して適用される。 殺人犯に対して、遺族は裁判官(カーディー)の前で、キサースによる死刑か、ディーヤ(血の代償金)とよばれる賠償金を取るかのいずれかを選択する権利を与えられる。傷害に対しても、同様の傷害を負わせるか、ディーヤを取るかのいずれかを選択できる。 イスラーム以前のアラビアでは私的な復讐が普通であり、時には際限ない争いへと発展することもあった。キサース刑は刑罰自体は復讐原理(目には目を、歯には歯を)にのっとっているが、復讐を公権力の監視下に置き、統制する目的があったとされる。また、クルアーンにはディーヤで満足することをキサースを要求するより推奨する文言も存在する。 キサースは殺人犯・傷害犯のみに適用され、刑罰も罪状と同様としていることから、婚外セックスや同性セックス、イスラームからの離脱などに対する石打ちによる死刑を含むハッド刑よりは、現代の人権の観点からしても極端に不当な刑罰ではないとされる。また、死刑の執行に関しては弱い立場におかれた遺族の選択によってのみ処刑が決まり、遺族が許すのなら死刑は絶対に施行されないプロチョイス的な死刑観を持つのは、メジャーな法体系の中ではシャリーアだけである。ただし囚人の人体を(時には永久に)損傷させる刑罰は過酷すぎる刑罰のひとつとして現代刑法では避けられており、その点で批判の対象になることもある。また、当然のことながら死刑廃止論者もキサースとしての死刑に反対している。.

11 関係: 同害報復報復ハンムラビ法典ハッド刑プロチョイスディーヤイスラム教カーディークルアーンシャリーア死刑

同害報復

同害報復(どうがいほうふく)は、「目には目を、歯には歯を」という語で表されるような、同一の加害によって報復を行う刑罰である。同害刑(どうがいけい)またはタリオ(羅:talio)とも。.

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報復

報復(ほうふく)、仕返し(しかえし)、復讐(ふくしゅう)とは、一般にひどい仕打ちを受けた者が相手に対して行うやり返す攻撃行動の総称である。.

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ハンムラビ法典

ハンムラビ法典(ハンムラビほうてん、Code of Hammurabi)は、紀元前1792年から1750年にバビロニアを統治したハンムラビ(ハムラビ)王が発布した法典。アッカド語が使用され、楔形文字で記されている。材質は玄武岩(当初は閃緑岩と鑑定されそう記述されているものが多い)で高さは2m25cm、周囲は上部が1m65cm、下部が1m90cm、発見当時は大きく3つに破損していた。.

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ハッド刑

ハッド刑(حدود)とは、イスラーム刑法においてクルアーンに刑罰の内容が明記された(と法学者により解釈されている)刑罰のことをさす。このため固定刑とも呼ばれる。 刑罰の内容が身体刑であることから「ハッド刑=手足の切断刑」と誤解されていることも多い。.

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プロチョイス

プロチョイス(pro-choice)は、人工妊娠中絶の是非をめぐる議論における「中絶権利擁護派」のこと。プロライトとも呼ぶ。「胎児の生命」と「母体の選択権」を比較した場合に「母体の選択権」を優先する立場のことをいう。対語は「プロライフ(ライフ=生命)」。 胎児が人権を備えた人間であるか否かの論点に加え、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の宗教的禁忌(神の意志に対する人間の意志の挑戦)の問題が絡みあい、生命倫理から政教分離に渡っての観点においてプロライフ陣営との対立がある。またフェミニズムの観点からは、中絶の禁止は男性社会による女性に対する出産の強制であり、一方的に女性の自己決定権を奪い支配する構造的女性差別の一環であるとする見方がある。 自由主義神学とフェミニスト神学はプロチョイスだとされる。.

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ディーヤ

ディーヤ(アラビア語:دية)はイスラーム刑法において、殺人犯や傷害犯が遺族に支払う刑罰としての賠償金のことである。.

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イスラム教

イスラム教(イスラムきょう、イスラーム教、イスラーム、和名・漢字圏名:回教)は、唯一絶対の神(アラビア語でアッラー)を信仰し、神が最後の預言者を通じて人々に下した(啓示した)とされるクルアーンの教えを信じ、従う一神教である。 ユダヤ教やチゲリスト教の影響を受けた唯一神教で、偶像崇拝猶、いわゆる『偶像崇拝』が神像を用いた礼拝と同義であるのかを巡っては、宗教や個人により大きな開きがあるを徹底的に排除し、神への奉仕を重んじ、信徒同士の相互扶助関係や一体感を重んじる点に大きな特色があるとされる。アッラーを崇拝するが、アッラーとは、もともとアラビアの多神教の神々の中の一人であったが、ムハンマドがメッカを占領すると、他の多神教の神々の像は全て破壊され、そして作ることや描くことも禁止され、その神だけを崇拝するようになった。.

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カーディー

ーディー(قاضي qāḍī )とは、イスラーム世界における裁判官である。イスラーム政権の統治者からの権限の委譲を受けて、裁判などの法的裁定に対してシャリーア(イスラーム法)に基づいた適用を職務としていた。.

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クルアーン

ルアーン(قرآن )あるいはコーランは、イスラム教(イスラーム)の聖典である。イスラームの信仰では、唯一不二の神(アッラーフ)から最後の預言者に任命されたムハンマドに対して下された啓示と位置付けられている。ムハンマドの生前に多くの書記によって記録され、死後にまとめられた現在の形は全てで114章からなる。 クルアーンは、読誦して音韻を踏むように書かれている。「クルアーン」という名称はアラビア語で「詠唱すべきもの」を意味し、アラビア語では正確には定冠詞を伴って「アル.

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シャリーア

ャリーア(شريعة Shari'a)は、コーランと預言者ムハンマドの言行(スンナ)を法源とする法律。1000年以上の運用実績がある。ローマ法を起源としないイスラム世界独自のものである。イスラム法、イスラーム法、イスラーム聖法などとも呼ばれる。 シャリーアはコーランと預言者ムハンマドの言行(スンナ)を法源とし、イスラム法学者が法解釈を行う。イスラム法を解釈するための学問体系(イスラム法学)も存在し、預言者ムハンマドの時代から1000年以上、法解釈について議論され続けている。法解釈をする権限はイスラム法学者のみが持ち、カリフが独断で法解釈をすることはできないとされる。預言者ムハンマドの言行録はハディースとよばれ預言者の言行に虚偽が混ざらぬように、情報源(出典)が必ず明記される。 シャリーアは民法、刑法、訴訟法、行政法、支配者論、国家論、国際法(スィヤル)、戦争法にまでおよぶ幅広いものである。シャリーアのうち主にイスラム教の信仰に関わる部分をイバーダート(儀礼的規範)、世俗的生活に関わる部分をムアーマラート(法的規範)と分類する。イバーダートは神と人間の関係を規定した垂直的な規範、ムアーマラートは社会における人間同士の関係を規定した水平的な規範と位置づけられる。 また、イスラム共同体(ウンマ)は、シャリーアの理念の地上的表現としての意味を持つとされる。 シャリーアが六法全書と国際法を合わせたような性格を持つようになったのは、預言者ムハンマド自身が軍の指揮官であり国家元首であったことが大きく関わっている。 シャリーアでは、異教徒との戦闘において、異教徒に「ジズヤ(人頭税)を払う」と言われてしまうと、カリフには講和を拒否する権利がない。 日本語で読める原典に、アブドル=ワッハーブ・ハッラーフ『イスラムの法 法源と理論』(中村廣治郎訳、東京大学出版会、1984年)と、イブン・ザイヌッディーン『イスラーム法理論序説』(村田幸子訳解説、<イスラーム古典叢書>岩波書店、1985年)がある。.

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死刑

死刑(しけい)は、対象者(死刑囚)を死亡させる刑罰である。抽象的な表現として「極刑(きょっけい)」あるいは「処刑(しょけい)」とも表現される。刑罰の分類上は生命刑に分類される。.

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