目次
17 関係: 伝令RNA、ポリ(A)結合タンパク質、リン酸化、リボソーム、ヘリカーゼ、プロテアーゼ、タンパク質複合体、真核生物の翻訳、真核生物の翻訳開始因子、EIF3、EIF4A、EIF4E、EIF4EBP1、足場タンパク質、MTOR、5'キャップ、7-メチルグアノシン。
伝令RNA
分子生物学において、伝令RNA(でんれいアールエヌエー、)は、mRNAまたはメッセンジャーリボ核酸とも呼ばれ、タンパク質を合成する過程でリボソームによって読み取られる、遺伝子の遺伝子配列に対応する一本鎖のリボ核酸(RNA)分子である。 mRNAは、RNAポリメラーゼという酵素が遺伝子を一次転写産物のmRNA前駆体(pre-mRNA)に変換する転写過程で作られる。このpre-mRNAには通常、最終的なアミノ酸配列をコードしないイントロンという領域が含まれるが、これらはRNAスプライシングの過程で除去され、タンパク質をコードする領域であるエクソンのみが残る。このエクソン配列が成熟mRNAを構成する。
見る EIF4Fと伝令RNA
ポリ(A)結合タンパク質
ポリ(A)結合タンパク質(ポリ(A)けつごうタンパクしつ、、略称: PABP)は、mRNAのポリアデニル化テール(ポリ(A)テール)に結合するRNA結合タンパク質である。RNAと複合体を形成した際には、RNAの3'末端の安定化、ポリ(A)テールの合成の促進、mRNAの翻訳の促進など多くの機能を果たす。核内型アイソフォームは約50ヌクレオチドに選択的に結合し、のRNAに対する親和性を高めることによってその活性を促進する。PABPはNMDや核細胞質間輸送など、mRNAの代謝の段階にも関与している。PABPはテールを分解から防ぎ、mRNAの産生を調節している可能性がある。PABPが結合していない場合、RNAは迅速に分解される。
リン酸化
リン酸化(リンさんか、phosphorylation)は、各種の有機化合物、なかでも特にタンパク質にリン酸基を付加させる化学反応である。この反応は、生化学の中で大きな役割を担っており、2013年2月現在、MEDLINEデータベースのタンパク質のリン酸化に関する記事は21万にも及んでいる。 リン酸化は、「ホスホリル化」とも呼ばれる。リン酸化を触媒する酵素は一般にキナーゼ (Kinase) と呼ばれ、特にタンパク質を基質とするタンパク質キナーゼを単にキナーゼと呼ぶことも多い。 なお、ATP生合成(ADPへのリン酸化)を単にリン酸化と呼ぶこともある(「酸化的リン酸化」等)。
見る EIF4Fとリン酸化
リボソーム
リボソーム( 、リボゾーム)は、すべての細胞に存在する生体タンパク質合成(mRNAの翻訳)を行う分子機械である。リボソームは、伝令RNA(mRNA)分子のコドンによって指定された順序でアミノ酸をつなぎ合わせ、ポリペプチド鎖を形成する。リボソームは、リボソーム小サブユニットとリボソーム大サブユニットという2つの主要な構成要素からなる。それぞれのサブユニットは、1つまたは複数のリボソームRNA(rRNA)分子と多数の(RPまたはr-タンパク質)から構成されている。リボソームとそれらが会合する分子を合わせて翻訳装置(translational apparatus)とも呼ぶ。
見る EIF4Fとリボソーム
ヘリカーゼ
ヘリカーゼ(helicase; ヘリケース)は核酸のリン酸エステル骨格に沿って動きながら絡み合う核酸をほどく酵素の総称である。すべての生物に必須であると考えられる。DNAの2本鎖をほどくものを特にDNAヘリカーゼ(DNA helicase)、RNAの二次構造をほどくものをRNAヘリカーゼ(RNA helicase)と呼び、一方、構造上はヘリカーゼに類似しているがDNA上を動くだけで核酸をほどかないものはDNAトランスロケースと呼ぶ。
見る EIF4Fとヘリカーゼ
プロテアーゼ
プロテアーゼ (protease)は、タンパク質をより小さなポリペプチドや単一のアミノ酸への分解を触媒する (速度を上げる) 加水分解酵素の総称である。ペプチダーゼ (peptidase) やプロテイナーゼ(proteinase)とも呼ばれる。それらは、水が反応して結合を壊す加水分解によってタンパク質内のペプチド結合を切断する。プロテアーゼは、摂取したタンパク質の消化、タンパク質の異化作用 (古いタンパク質の分解)、細胞シグナル伝達など、多くの生物学的機能に関与している。 プロテアーゼのような付加的な助力機構がない場合、タンパク質分解は非常に遅く、何百年もかかる反応である。プロテアーゼは、植物、動物、バクテリア、古細菌などあらゆる形態の生命体やウイルスに見られる。それらは独立して収斂進化 (しゅうれんしんか) しており、異なるクラスのプロテアーゼは、完全に異なる触媒機構によって同じ反応を実行できる。
見る EIF4Fとプロテアーゼ
タンパク質複合体
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真核生物の翻訳
真核生物の翻訳(しんかくせいぶつのほんやく、eukaryotic translation)とは、真核生物においてメッセンジャーRNA(mRNA)がタンパク質へと翻訳される生物学的過程であり、開始、伸長、終結、そして再生の4つの段階から構成される。
真核生物の翻訳開始因子
真核生物の翻訳開始因子(、略称: eIF)は、真核生物の翻訳の開始段階に関与するタンパク質またはタンパク質複合体である。これらのタンパク質は、開始コドン周辺での翻訳開始前複合体形成を安定化し、また転写後段階での遺伝子発現の制御の重要な因子にもなっている。いくつかの開始因子はリボソーム40Sサブユニットやメチオニル化開始tRNA(Met-tRNAiMet)とともに、(43S PIC)と呼ばれる複合体を形成する。eIF4F複合体(eIF4A、eIF4E、)は43S PICをmRNAの5'キャップ構造へリクルートし、この複合体はmRNAを5'→3'方向へスキャンしてAUG開始コドンに到達する。Met-tRNAiMetによる開始コドンの認識によってゲートとなっているリン酸との放出が促進され、続いて60Sサブユニットが結合して80Sリボソームが形成される。真核生物の翻訳開始因子は原核生物のものよりも種類が多く、ここには真核生物の翻訳の生物学的複雑性の高さが反映されている。真核生物の翻訳開始因子は少なくとも12種類存在し、この項ではそれらについて概説する。
EIF3
eIF3(eukaryotic initiation factor 3)は、真核生物の翻訳の開始段階で機能する多タンパク質複合体である。キャップ依存的・非依存的な翻訳開始の大部分の形態において、eIF3は必要不可欠である。ヒトでは、eIF3は13個の異なるサブユニット(aからm)によって構成される約800 kDaの複合体であり、翻訳開始因子の中では最大である。eIF3複合体は真核生物の間で広く保存されているが、個々のサブユニットの保存性は種間で異なる。例えば、大部分の哺乳類のeIF3複合体は13個のサブユニットから構成されるが、出芽酵母のeIF3はわずか6つのサブユニット(a、b、c、g、i、j)からなる。
見る EIF4FとEIF3
EIF4A
eIF4A(eukaryotic initiation factor 4A)ファミリーは、3種類の密接に関連したタンパク質、、、からなる。しかしながらeIF4A3は他の2つとは異なる機能を持ち、一般的に「eIF4A」という場合にはeIF4A1ならびにeIF4A2を指すことが多い。eIF4Aはリボソーム40SサブユニットがmRNAに結合するために必要であり、また二本鎖RNAを巻き戻すヘリカーゼとしても機能する。
見る EIF4FとEIF4A
EIF4E
eIF4E(eukaryotic translation initiation factor 4E)は、ヒトではEIF4E遺伝子にコードされるタンパク質である。
見る EIF4FとEIF4E
EIF4EBP1
EIF4EBP1(eukaryotic translation initiation factor 4E-binding protein 1)または4E-BP1は、ヒトではEIF4EBP1遺伝子にコードされるタンパク質である。4E-BP1は翻訳開始因子eIF4Eに結合することでキャップ依存的翻訳を阻害する。4E-BP1はリン酸化によってeIF4Eから放出され、その結果キャップ依存的翻訳が継続されてタンパク質合成速度が高まる。
足場タンパク質
足場タンパク質(あしばタンパクしつ、scaffold protein)とは、複数のタンパク質に同時に結合する事により、それらのタンパク質の細胞内局在や、シグナル伝達の効率を変化させるタンパク質を指す。多くの場合PDZドメインやSH3ドメインといった、タンパク質結合ドメインを持つ一方、それ自身には酵素活性は無い事が多い。 特に中枢神経シナプスにおいて、その生物学的意義と機能が詳細に調べられている。シナプスにおける代表的な足場タンパク質としてはPSD-95、Shank、AKAP、Homerなどが存在する。これらの働きにより、シナプス表面の受容体がシナプスに局在するとともに、その下流のタンパク質が受容体直下に分布する。
MTOR
mTOR(日本ではエムトールと呼ばれることもあるが、正しくはエムトアまたはエムトーである)は哺乳類などの動物で細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質キナーゼ(セリン・スレオニンキナーゼ)の一種。酵母を用いたスクリーニングでラパマイシンの標的分子として発見されたため、TOR (target of rapamycin)つまり「ラパマイシン標的タンパク質」の略として命名された(TOR1、TOR2の2種類がある)。後に哺乳類のホモログが見出され、同定した研究者らによりFRAP1、RAFT1などと命名されたが、一般にはmTOR (mammalian TOR:哺乳類のTOR)との呼称が普及した。その後、様々な生物種でTORホモログが広く同定されたのを受け、HUGO遺伝子命名法委員会 (HGNC)は2009年に本遺伝子の公式名をMTOR(mechanistic target of rapamycin)に決定した。なお、HGNCによる公式名称では、Mはmechanistic(物理的、機械的、機構的)の略であり、当初一般的であったmammalian(哺乳類の)ではない。
見る EIF4FとMTOR
5'キャップ
5'キャップとは、真核生物の細胞質mRNAなどの5'末端に見られる修飾構造で、成熟mRNAの安定性と翻訳開始などに関与している。ミトコンドリアや葉緑体のmRNAにはキャップ構造は存在しない。
見る EIF4Fと5'キャップ
7-メチルグアノシン
7-メチルグアノシン(7-Methylguanosine, m7G)は、修飾されたプリンヌクレオシドで、グアノシンのメチル化物で、尿中に見られる場合、いくつかのタイプの癌のバイオマーカーとなる可能性がある。伝令RNA中では、7-メチルグアノシンは、5'末端を保護する5'キャップの役割を持つ。

