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RNAウイルス

索引 RNAウイルス

RNAウイルスとは、ゲノムとしてRNAをもつウイルスのこと。 ゲノムRNAからDNAを介さずに遺伝情報が発現するタイプのウイルスと、ゲノムRNAをいったん逆転写酵素によってDNAとしてコピーしそのDNAから遺伝情報を読み出すタイプのものとがある。後者をとくにレトロウイルスと呼ぶ。 また、二本鎖RNAウイルスと一本鎖RNAウイルス、さらに一本鎖RNAウイルスを+鎖型と−鎖型に分けることもある。一本鎖の+鎖RNAウイルスはゲノム自体がmRNAとして機能し得る。SARSの原因であるコロナウイルスはこれに含まれる。レトロウイルスもここに含まれるが、上記のようにいったんDNAに遺伝情報を移す。−鎖RNAウイルスゲノムはmRNAと相補的な塩基配列のためそのままではmRNAとして機能できない。これをRNA依存性RNAポリメラーゼによって+鎖に転写して機能する。.

46 関係: 塩基配列伝令RNAノロウイルスマールブルグ熱ポリオウイルスラッサ熱ラブドウイルス科リボ核酸レトロウイルス科レオウイルス科トガウイルス科ブニヤウイルス科パラミクソウイルス科ヒト免疫不全ウイルスヒトTリンパ好性ウイルスピコルナウイルス科デング熱デオキシリボ核酸フラビウイルス科フィロウイルス科アレナウイルス科インフルエンザウイルスウイルスエボラ出血熱オルトミクソウイルス科カリシウイルス科クリミア・コンゴ出血熱ゲノムコロナウイルスサポウイルスサル免疫不全ウイルスC型肝炎狂犬病DNAウイルス遺伝情報風疹麻疹黄熱重症熱性血小板減少症候群ウイルス重症急性呼吸器症候群逆転写酵素G型肝炎RNA依存性RNAポリメラーゼRSウイルスSARSコロナウイルス流行性耳下腺炎

塩基配列

生物学における塩基配列(えんきはいれつ)とは、DNA、RNAなどの核酸において、それを構成しているヌクレオチドの結合順を、ヌクレオチドの一部をなす有機塩基類の種類に注目して記述する方法、あるいは記述したもののこと。 核酸の塩基配列のことを、単にシークエンスと呼ぶことも多い。ある核酸の塩基配列を調べて明らかにする操作・作業のことを、塩基配列決定、あるいはシークエンシングと呼ぶ。.

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伝令RNA

伝令RNA(でんれいRNA、メッセンジャーRNA、英語:messenger RNA)は、蛋白質に翻訳され得る塩基配列情報と構造を持ったRNAのことであり、通常mRNAと表記される。DNAに比べてその長さは短い。DNAからコピーした遺伝情報を担っており、その遺伝情報は、特定のアミノ酸に対応するコドンと呼ばれる3塩基配列という形になっている。 mRNAはDNAから写し取られた遺伝情報に従い、タンパク質を合成する(詳しくは翻訳)。翻訳の役目を終えたmRNAは細胞に不要としてすぐに分解され、寿命が短く、分解しやすくするために1本鎖であるともいわれている。 古細菌、真正細菌では転写されたRNAはほぼそのままでmRNAとして機能する。一方真核生物では転写されたmRNA前駆体はいくつかの切断(スプライシング)、修飾といったプロセシングを受けたのちに成熟mRNAになる。 真核生物のmRNAはRNAポリメラーゼIIによって転写されたRNAに由来する。5'末端にはm7Gキャップがあり、3'末端は一般にポリアデニル化される(poly (A)鎖で終了している)。これらの構造やmRNAの塩基配列は翻訳活性やmRNAの分解を制御する機能も持っている。古細菌、真正細菌も3'末端に短いpoly (A)鎖を持つが、5'末端のキャップ構造は持たない。 poly (A)鎖はrRNAやtRNAには存在しないmRNAの特徴であるとされており、このことを利用してmRNAを特異的に精製することができる。また、mRNAを鋳型にしてDNAを逆転写酵素によって合成することができ、これはcDNAと呼ばれる。cDNAは遺伝子が働いていることの非常に信頼性の高い証拠であり、ゲノムプロジェクトによって得られた大量のシークエンスデータの中から遺伝子を探す作業を補助することができる。.

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ノロウイルス

ノロウイルス(Norovirus)は、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一属である。感染者の糞便や吐瀉物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染するほか、河川を経由して蓄積された貝類の摂食による食中毒の原因になる場合もある。ノロウイルス属による集団感染は世界各地の学校や養護施設などで散発的に発生している。「NV」や「NoV」と略される。.

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マールブルグ熱

マールブルグ熱(マールブルグねつ)とはフィロウイルス科のマールブルグウイルスを原因とする人獣共通感染症。同義語としてマールブルグ出血熱(Marburg hemorrhagic fever)、マールブルグ病(Marburg disease)、ミドリザル出血熱(Vervet monkey hemorrhagic fever)。患者と接触した医療関係者や家族は、接触の程度により一定期間の監視が行われる。.

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ポリオウイルス

急性灰白髄炎(一般にポリオとも呼ばれる)の病原体、ポリオウイルス (Poliovirus) は、ピコルナウイルス科エンテロウイルス属に属する、ヒトを宿主とするウイルスである。 ポリオウイルスは約7500塩基対で1本鎖の+鎖RNAゲノムと、タンパク質でできたカプシドから構成される。ウイルス粒子は直径約30nmの正20面体構造も持つ。ゲノムが短い、エンベロープを持たずRNAとそれを包む正20面体の形状をしたカプシドのみからなる単純な構成であると言った特徴から、重要なウイルスの中では最もシンプルなウイルスであると認識されている。 ポリオウイルスは1909年にカール・ラントシュタイナーとErwin Popperの2人によって初めて分離された。1981年には2つの研究グループ、MITのVincent Racanielloとデビッド・ボルティモアのグループ、およびニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の喜多村直実とEckard Wimmerのグループがそれぞれポリオウイルスのゲノムを報告している。ポリオウイルスは非常に研究が進んでいるウイルスの1つであり、RNAウイルスの生態を理解する上で役に立つモデルとなっている。.

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ラッサ熱

ラッサ熱(らっさねつ、Lassa fever)は病名。出血熱のひとつ。アレナウイルス科ラッサウイルスによる。マストミス(Mastomys natalensis,en:Natal Multimammate Mouse)とよばれる齧歯類が自然宿主である。感染者のおよそ80%が軽症であるが、約20%が重症となり致死率は感染者の1~2%程度。毎年10万人以上が感染し、5000人程度が死亡している。妊婦は重症化し易く、胎内死亡、流早産を起こしやすい。.

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ラブドウイルス科

ラブドウイルス科(らぶどういるすか、Family Rhabdoviridae)とはウイルスの分類における一科。動物ウイルスではそのビリオンは銃弾型の形態をし、エンベロープに包まれている。ラブドウイルスの名前はギリシャ語で棒を意味するrhabdosに由来する。ゲノムは一本鎖-RNA。赤血球凝集性を有する。ラブドウイルス科の有名なウイルスとしては狂犬病ウイルスがあり、このウイルスはほとんどの温血動物に感染し、ヒトの場合は発症するとほとんどが死に至る。 宿主域は非常に広く、動物(脊椎動物、節足動物)および植物に感染するものが知られている。昆虫などにより媒介されるものも多いが、脊椎動物と植物とで共に感染するものはない。 多くのウイルスはL(large protein)、G(glycoprotein)、N(nucleoprotein)、P(phosphoprotein)、M(matrix protein)の5種の遺伝子を含む。多くは宿主細胞の細胞質で増殖するが、植物に感染するNucleorhabdovirus属だけは細胞核で増殖する。 RNAの転写と複製にはLとPが必要である。転写は遺伝子毎に行われ、細胞のものと同じ形のmRNAとなる。ビリオンにはカプシドを作るN、エンベロープの膜タンパク質G、これらをつなぐMの3種類のタンパク質が含まれる。.

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リボ核酸

リボ核酸(リボかくさん、ribonucleic acid, RNA)は、リボヌクレオチドがホスホジエステル結合でつながった核酸である。RNAと略されることが多い。RNAのヌクレオチドはリボース、リン酸、塩基から構成される。基本的に核酸塩基としてアデニン (A)、グアニン (G)、シトシン (C)、ウラシル (U) を有する。RNAポリメラーゼによりDNAを鋳型にして転写(合成)される。各塩基はDNAのそれと対応しているが、ウラシルはチミンに対応する。RNAは生体内でタンパク質合成を行う際に必要なリボソームの活性中心部位を構成している。 生体内での挙動や構造により、伝令RNA(メッセンジャーRNA、mRNA)、運搬RNA(トランスファーRNA、tRNA)、リボソームRNA (rRNA)、ノンコーディングRNA (ncRNA)、リボザイム、二重鎖RNA (dsRNA) などさまざまな分類がなされる。.

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レトロウイルス科

レトロウイルス科(retrovirus)とは、RNAウイルス類の中で逆転写酵素を持つ種類の総称。ウイルス核酸は、一本鎖RNAの+鎖である。単にレトロウイルスと呼ばれることも多い。.

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レオウイルス科

レオウイルス科(Reoviridae)はウイルスの分類における一科であり、RNAウイルスの一群の総称。そのビリオンは直径60 - 80nmの正二十面体構造を示し、10 - 12本の線状の二本鎖RNAをゲノムに持つ。エンベロープを持たないため、エーテルに対しては抵抗性である。細胞質内で増殖し、核周辺部に好酸性の細胞質内封入体を形成する。レオウイルス科のウイルスは同属のウイルス種間で遺伝子再集合を起こすことがある。オルビウイルス属およびコルチウイルス属のウイルスはアルボウイルスである。.

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トガウイルス科

トガウイルス科(とがういるすか、Family Togaviridae)とはウイルスの1科。そのビリオンは直径約70nmの球形粒子であり、エンベロープを有し、プラス一本鎖RNAをゲノムとする。ビリオンの表面には微小なスパイクが存在する。細胞質で増殖し、出芽の際にエンベロープを獲得する。.

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ブニヤウイルス科

ブニヤウイルス科(ぶにやういるすか、Family Bunyaviridae)とはウイルスの分類における一科。そのビリオンは92~105nmであり、エンベロープを有する。ゲノムは3分節のマイナス鎖RNA。フレボウイルス属およびトスポウイルス属のRNAの一部はプラス鎖で機能する。細胞質内で増殖する。節足動物内で増殖することができる。トスポウイルス属のみ植物ウイルスであり、その他の属は人畜に感染する。.

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パラミクソウイルス科

パラミクソウイルス科(Family Paramyxoviridae)とはビリオンがマイナス一本鎖RNAをゲノムに持つ150~350nmの多形性を示すウイルスの総称であり、ウイルスの分類における一科。その粒子はエンベロープに包まれ、エンベロープの表面には2種類の糖タンパク質のスパイクが密に配列している(FとHN)。エンベロープを持つためエーテルに対する感受性を持つ。細胞質内で増殖し、細胞膜から出芽をする。細胞融合能を持ち、多核巨細胞を形成するものが多い。.

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ヒト免疫不全ウイルス

ヒト免疫不全ウイルス(ヒトめんえきふぜんウイルス、Human Immunodeficiency Virus, HIV)は、人の免疫細胞に感染してこれを破壊し、最終的に後天性免疫不全症候群 (AIDS) を発症させるウイルス。1983年に分離された。日本では1985年に初感染者が発生した。 本項では主にHIVに関して解説する。HIVが引き起こす感染症に関しては上記「AIDS」の項を参照。.

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ヒトTリンパ好性ウイルス

ヒトTリンパ好性ウイルス(ヒトティーリンパこうせいウイルス、Human T-lymphotropic Virus、Human T-cell Leukemia Virus、HTLV)は、レトロウイルスの一種。HTLV-I, II, III, IVがある。.

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ピコルナウイルス科

ピコルナウイルス科(Family Picornaviridae)とはRNAウイルスの科の一つ。.

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デング熱

デング熱(デングねつ、まれにデンゲ熱とも、ˈdɛŋgi -, breakbone fever)とは、が原因の感染症であり、熱帯病の一つである。 蚊の吸血活動を通じて、ウイルスが人から人へ移り、高熱に達することで知られる一過性の熱性疾患であり、症状には、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛、はしかの症状に似た特徴的な皮膚発疹を含む。 治療方法は対症療法が主体で、急性デング熱にはいま起きている症状を軽減するための支持療法 (supportive therapy, supportive care)が用いられ、軽度または中等度であれば、経口もしくは点滴による水分補給、より重度の場合は、点滴静脈注射や輸血といった治療が用いられる。ただ稀ではあるが、生命を脅かすデング出血熱に発展し、出血、血小板の減少、または血漿(けっしょう)漏出を引き起こしたり、デングショック症候群に発展して出血性ショックを引き起こすこともある。 主な媒介生物はヤブカ属の中でも特にネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)などの蚊によって媒介される。このウイルスには4つの異なる型があり、ある型に感染すると、通常その型に対する終生免疫を獲得するが、他の型に対する免疫は短期間にとどまる。また、異なる型に続けて感染すると、重度の合併症のリスクが高まる。 デング熱が文献に現れるようになったのは1779年からであり、ウイルスが原因であることや伝染経路について解明されたのは、20世紀初頭である。第二次世界大戦以降、デング熱は世界的に広まり、1960年代からその発生数は急激に増加している。現在では、110か国以上で毎年およそ5000万人から1億人が感染する風土病となっている。うち70%がアジアで、インドは全世界の34%を占める世界一の感染者数を持つ。また「実際の感染規模は政府公表の数百倍を超える」とする専門家もいる。 主な原因として、急激な都市化や地球温暖化、また国際化による人の往来の増加による感染拡大が関与していると考えられている。対策としては、蚊の駆除の他に、ワクチンの研究やウイルスに直接働きかける薬物治療の研究が進められている。.

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デオキシリボ核酸

DNAの立体構造 デオキシリボ核酸(デオキシリボかくさん、deoxyribonucleic acid、DNA)は、核酸の一種。地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質である。.

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フラビウイルス科

フラビウイルス科(ふらびういるすか、Family Flaviviridae)は、一本鎖プラスRNAウイルスの一科。ウイルス粒子は直径40~60nmであり、エンベロープを持つ。学名の由来は黄熱ウイルスにちなむ(ラテン語flavusは黄色の意味)。フラビウイルス科にはフラビウイルス属、ペスチウイルス属、ヘパシウイルス属の3属が存在する。 フラビウイルス科のウイルスは脊椎動物に広く分布し、多くはベクター(蚊やダニ)を介して伝播する。そのほとんどは不顕性感染であるが、重篤な症状を引き起こすことがある。ウシウイルス性下痢ウイルス1、ウシウイルス性下痢ウイルス2およびブタコレラウイルスはニューカッスル病ウイルス(NDV)によってCPEが増強される。特にブタコレラウイルスによるものはEND法として利用される。.

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フィロウイルス科

マールブルグウイルスの電子顕微鏡像 エボラウイルスの電子顕微鏡像 フィロウイルス科(Family Filoviridae)とはウイルスの分類における一科であり、そのビリオンは多形性で紐状の形態(直径80nm、長さ14,000nm)を示し、そのゲノムはマイナス一本鎖RNAである。ビリオンはエンベロープを有し、エーテルに対しては感受性を持つ。螺旋対称性のヌクレオカプシドを有する。細胞質内で増殖し、細胞膜から出芽する。細胞質内封入体を形成。マールブルクウイルス、エボラウイルスのウイルス分離、血清学的診断はP4レベルの設備を有した検査室でのみ許可されている。.

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アレナウイルス科

アレナウイルス科(Family Arenaviridae)とはウイルスの分類における一科。一本鎖のアンビセンスRNA2分子をゲノムとするRNAウイルス。ビリオンは直径50~300nmであり、エンベロープを有する。ビリオン内に宿主由来のリボソームとRNAをもつ。宿主細胞の細胞質内で増殖し、細胞質内封入体を形成する。ビリオンを電子顕微鏡で観察すると、とりこまれリボソーム粒子が砂状に見えるのでラテン語の砂を意味する"arena"にちなんで命名された。.

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インフルエンザウイルス

インフルエンザウイルス インフルエンザウイルス (influenzavirus, flu virus) はヒト(人間)に感染して、感染症であるインフルエンザを引き起こすウイルス。 ウイルスの分類上は「エンベロープを持つ、マイナス鎖の一本鎖RNAウイルス」として分類されるオルトミクソウイルス科に属する、A型インフルエンザウイルス (influenzavirus A) 、B型インフルエンザウイルス (- B) 、C型インフルエンザウイルス (- C) の3属を指す。ただし一般に「インフルエンザウイルス」と呼ぶ場合は、特にA型、B型のものを指し、その中でもさらにヒトに感染するものを意味する場合が多い(インフルエンザ・ワクチンはC型を対象としていない)。またヒト以外のインフルエンザウイルスは、それぞれ分離された動物の名前またはその略をつけて呼ばれるが、ヒトの場合は本項のように省略される。 本来はカモなどの水鳥を自然宿主として、その腸内に感染する弱毒性のウイルスであったものが、突然変異によってヒトの呼吸器への感染性を獲得したと考えられている。.

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ウイルス

ウイルス()は、他の生物の細胞を利用して、自己を複製させることのできる微小な構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。生命の最小単位である細胞をもたないので、非生物とされることもある。 ヒト免疫不全ウイルスの模式図.

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エボラ出血熱

ボラ出血熱(エボラしゅっけつねつ、Ebola hemorrhagic feverアメリカ英語発音: イ(ー)ボウラ/アボウラ・ヘマラジ(ッ)ク・フィーヴァーEbola haemorrhagic fever、イギリス英語発音: イ(ー)ボウラ/アボウラ・ヘマラジ(ッ)ク・フィーヴァ; EHF)、またはエボラウイルス病(エボラウイルスびょう、Ebola virus diseaseアメリカ英語発音: イ(ー)ボウラ/アボウラ・ヴァイラス・ディズィーズ; EVD)『…必ずしも出血症状を伴うわけではないことなどから…呼称されることが多い。』 国立感染症研究所 2014年8月8日は、フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症。ラッサ熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱と並ぶ、ウイルス性出血熱の一つ。ヒトにも感染し、発症後の致死率は50-80%とされる。また、仮に救命できたとしても重篤な後遺症を残すことがある、リスクグループレベル4ウイルスの一つである。 「エボラ」(Ebola/Ébola)の名は、アフリカ大陸中部で発病者が出た地域を流れるエボラ川から命名された。.

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オルトミクソウイルス科

ルトミクソウイルス科またはオルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)はRNAウイルスの科の一つ。呼吸器感染症を引き起こすインフルエンザウイルス(Influenza virus)を含む。.

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カリシウイルス科

リシウイルス科(Family )とはウイルスの分類における一科で、5属7種に分類されている。。カリシウイルス科に属するウイルスは直径30~38nmの正二十面体構造のビリオンを形成し、単一のプラス鎖一本鎖RNAをゲノムに持ち、2-3種類のORFが存在する。エンベロープを持たないためクロロホルムやエーテルに対する耐性を持つ。酸(pH3-5)によって不活化される。ネガティブ染色による電子顕微鏡観察ではビリオンは「ダビデの星」と呼ばれる特徴的な形態を示す。 宿主は脊椎動物で、ヒト、ウシ、ブタ、ネコ、イルカ、ニワトリ、爬虫類、両生類などが知られている。代表的な種としては、ヒトなどの感染性胃腸炎の原因となるノーウォークウイルス、ネコの呼吸器疾患を引き起こす猫カリシウイルス、ウサギに出血病を起こす兎出血病ウイルスが挙げられる。.

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クリミア・コンゴ出血熱

リミア・コンゴ出血熱(クリミア・コンゴしゅっけつねつ、Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF))はブニヤウイルス科ナイロウイルス属に属するクリミア・コンゴ出血熱ウイルスによる感染症である。 ウイルス性出血熱の一つ。.

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ゲノム

ノム(Genom、genome, ジーノーム)とは、「遺伝情報の全体・総体」を意味するドイツ語由来の語彙であり、より具体的・限定的な意味・用法としては、現在、大きく分けて以下の2つがある。 古典的遺伝学の立場からは、二倍体生物におけるゲノムは生殖細胞に含まれる染色体もしくは遺伝子全体を指し、このため体細胞には2組のゲノムが存在すると考える。原核生物、細胞内小器官、ウイルス等の一倍体生物においては、DNA(一部のウイルスやウイロイドではRNA)上の全遺伝情報を指す。 分子生物学の立場からは、すべての生物を一元的に扱いたいという考えに基づき、ゲノムはある生物のもつ全ての核酸上の遺伝情報としている。ただし、真核生物の場合は細胞小器官(ミトコンドリア、葉緑体など)が持つゲノムは独立に扱われる(ヒトゲノムにヒトミトコンドリアのゲノムは含まれない)。 ゲノムは、タンパク質をコードするコーディング領域と、それ以外のノンコーディング領域に大別される。 ゲノム解読当初、ノンコーディング領域はその一部が遺伝子発現調節等に関与することが知られていたが、大部分は意味をもたないものと考えられ、ジャンクDNAとも呼ばれていた。現在では遺伝子発現調節のほか、RNA遺伝子など、生体機能に必須の情報がこの領域に多く含まれることが明らかにされている。.

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コロナウイルス

ナウイルス(Coronavirus)は、一本鎖(+)RNAウイルスのニドウイルス目のコロナウイルス科のウイルスをさし、コロナウイルス亜科、トロウイルス亜科を含む。 エンベロープ表面に存在する突起によって太陽のコロナのような外観を持つことからこの名が付いた。 ウイルスの増殖は細胞質内で行われ、小胞体やゴルジ装置から出芽する。 コロナウイルスの中にはエンベロープにヘマグルチニンエステラーゼを有し、赤血球凝集性を示す種が存在する。 SARSコロナウイルスは既知のコロナウイルスと大きく異なった塩基配列を持つことが示された。 コロナウイルス属のゲノムはRNAウイルス中最大(約30kb)である。.

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サポウイルス

ポウイルスはカリシウイルス科に属するウイルスの属で、サッポロウイルス1種のみが知られている。種名・属名ともに、札幌の孤児院で最初に集団感染が起きたことに因んでいる。.

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サル免疫不全ウイルス

ル免疫不全ウイルス(サルめんえきふぜんウイルス、英: Simian Immuno-deficiency Virus: SIV )は、霊長類を自然宿主とするウイルスであり、宿主の免疫細胞に感染し免疫細胞を破壊して、後天的に免疫不全を発症させるウイルスである。SIVはアフリカ大陸に生息する霊長類に広く分布しており、アフリカミドリザル等のセルコピテクス属、マンドリル等のドリル属、スーティーマンガベー等のマンガベー属、そしてチンパンジーから分離されている。アジアに生息するマカク属のサルからも分離されているが、自然感染の例が無く、全てアメリカの霊長類センターで飼育されているサルから分離されたため、同施設で飼育されていたアフリカ産のサルから感染したものと考えられている。 ウイルスの分類上は、エンベロープを持つプラス鎖の一本鎖RNAウイルスであるレトロウイルス科(Retrovividae)レンチウイルス(lentivirus)亜群に属する。SIVとして一括りにされているが、実際には多くの種類が存在する。 SIVはヒト免疫不全ウイルスのHIV-1、HIV-2の起源と考えられており、突然変異によって人に感染する能力を獲得したものと考えられている。ウイルスの塩基配列を比較すると、HIV-1はチンパンジーから分離されたSIVcpzに近く、HIV-2はスーティマンガベーから分離されたウイルスSIVsmmに近い。この様なことから、SIVに感染したサルからヒトへと感染し、HIVに進化した物と考えられている。HIV-1とHIV-2の基本的な遺伝子の構造はほぼ同じであるが、塩基配列の相同性は低く60%ほどである。最も大きな遺伝子の相違は、HIV-1にはvpu、HIV-2にはvpxがそれぞれに存在することである。またこの相違はSIVcpzとSIVsmmの間にも見られることから、HIV-1とHIV-2はそれぞれ独立した祖先から、ヒトに感染する能力を持ったウイルスに進化したものと考えられている。.

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C型肝炎

C型肝炎ウイルスの電子顕微鏡写真、スケールは50μm C型肝炎(Cがたかんえん、)とは、C型肝炎ウイルス (HCV) に感染することで発症するウイルス性肝炎の一つ。以前は、非A非B型肝炎と称されていた。.

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狂犬病

病(きょうけんびょう、rabies)は、ラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルス (Rabies virus) を病原体とするウイルス性の人獣共通感染症である。水などを恐れるようになる特徴的な症状があるため、恐水病または恐水症 (hydrophobia) と呼ばれることもある(実際は水だけに限らず、音や風も水と同様に感覚器に刺激を与えて痙攣等を起こす)。 毎年世界中で約5万人の死者を出しており、その95%以上はアフリカとアジアである。感染した動物に噛まれた人の40%は、15歳未満の子供であった。ヒトからヒトへの伝播がなく大流行に繋がる恐れもないことから、感染症対策の優先度が低くなる傾向がある。 日本では、感染症法に基づく四類感染症に指定されており(感染症法6条5項5号参照)、イヌなどの狂犬病については狂犬病予防法の適用を受け(狂犬病予防法2条参照)、また、ウシやウマなどの狂犬病については家畜伝染病として家畜伝染病予防法の適用を受ける(家畜伝染病予防法2条及び家畜伝染病予防法施行令1条参照)。 日本では咬傷事故を起こした動物は狂犬病感染の有無を確認するため、捕獲後2週間の係留観察が義務付けられている。係留観察中の動物が発症した場合は直ちに殺処分し、感染動物の脳組織から蛍光抗体法でウイルス抗原の検出を行う。.

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DNAウイルス

DNAウイルスとは、ゲノムとしてDNAをもつウイルスのこと。 ゲノムDNAから宿主細胞のRNAポリメラーゼを利用してmRNAを合成し、そのmRNAから蛋白質を合成するのがDNAウイルスの増殖経路である。 DNAウイルスはRNAウイルスと異なり、ゲノムの構造に多様性がない。ほとんどが二本鎖DNAウイルスであり、そうでないウイルスは一本鎖-鎖DNAウイルスのパルボウイルス科と不完全二本鎖DNAウイルスのヘパドナウイルス科のみである。DNAの構造はほとんどが線状であり、環状二本鎖DNAを有するのはパポバウイルス科(現在ではポリオーマウイルス科とパピローマウイルス科)のみである。なお、一本鎖DNAウイルスゲノムはそのままでは増殖できないため、宿主細胞のDNAポリメラーゼを使い二本鎖の状態を経て増殖する。また、ペパドナウイルスは非常に特異的な増殖様式を取る。部分的に一本鎖がある不完全環状DNAを有するこのウイルスゲノムは宿主細胞内で完全な二本鎖DNAとなり、mRNAを合成する。そしてDNAの合成はそのmRNAを逆転写することで合成される。 DNAウイルスには増殖の過程で生じたDNA複製のミスを修正する機構が備わっている。そのため、RNAウイルスと比較すると遺伝子の変異が少ない。そのため、長期にわたって同じワクチンが使用可能であり、天然痘をワクチンによって根絶することができたのも天然痘ウイルスがDNAウイルスであったためであるとされる。.

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遺伝情報

遺伝情報(いでんじょうほう)は遺伝現象によって親から子に伝わる情報。DNAの塩基配列情報だけではなくその修飾や、母性mRNA・蛋白質なども含む。いわゆる遺伝子は遺伝情報の担体(遺伝因子)のひとつである。現在では遺伝子がその生物もしくは病原のほとんどの遺伝情報を担っていると考えられている。プリオン、ウイロイドなども遺伝子ではない遺伝因子の分かり易い例としてあげられるであろう。 一般的にはゲノムDNAに書き込まれた塩基配列の情報のことと同義的に使われることが多い。様々な生物種の全ての核酸塩基配列を解読する、ゲノムプロジェクトが進行している。核酸塩基配列の調査は法医学でも用いられるようになってきている。バイオテクノロジーの発達により遺伝子診断などが可能になってきた現在では、個人の遺伝情報の公開や漏洩(ろうえい)などによる倫理的な問題も指摘されている。 Category:遺伝学.

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風疹

疹(ふうしん、)とは、ウイルス感染症の一種で、風疹ウイルスによる急性熱性発疹性疾患 厚生労働省 2013年5月8日閲覧。一般に日本では三日はしかとしても知られ、英語では「German measles(ドイツはしか)」とも呼ばれている。日本では「風しん」として感染症法に基づく五類感染症に指定して届出の対象としている。 伝染力は水痘(水疱瘡)、麻疹(はしか)より弱い。小学生の患者が多い。効果的な治療法は無く、症状に応じた対症療法をとることとなる。ワクチンによる予防が最も重要である。妊娠初期に妊婦が感染した場合の先天性風疹症候群が問題となる。.

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麻疹

麻疹(ましん、measles, rubeola、別名・痲疹)とは、ウイルス感染症の一種で、麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性疾患、中国由来の呼称で発疹が麻の実のようにみえる。日本では「麻しん」として感染症法に基づく五類感染症に指定して届出の対象としている(疹が常用漢字でない)。江戸時代以降の和語でははしか(漢字表記は同じく麻疹)と呼び、。古くから「はしかのようなもの」の慣用句があり、通過儀礼のようなもので2度なし病とも呼ばれたが、ワクチン時代の2000年代以降ではそうでもない。 麻疹は麻疹ウイルスウイルスは世界保健機関 (WHO) の分類により現在AからHの8群、22遺伝子型に分類されている。によるものであり、その感染力は極めて強く、その感染経路は空気感染を始めとして飛沫感染・接触感染と多彩である(空気感染もするので、たとえ患者に触れなくても、たとえ飛沫を浴びなくても、ただ患者がいる部屋の空気を吸うだけでも感染する)。 麻疹に関して麻疹ワクチンの予防接種は、効果がある唯一の予防法であり、世界では予防接種の実施により麻疹による死亡を2000-2013年の間に75%減少させた。世界児童のおよそ85%は接種を受けている。患者に接触してから3日以内であれば麻しんワクチンの接種により発病を予防できる可能性があり、 患者に接触してから6日以内であればガンマグロブリンの注射により発病を予防できる可能性がある。一度罹患するかワクチンによって、抗体価があるうちに感染すると症状は出ないが、抗体価が再び上昇するブースター効果がかかるが、現代では抗体価が減少し続けて再感染することがある。ワクチンによる獲得免疫の有効期間は約10年とされるが、ブースター効果による追加免疫が得られないこともある。 発病(発症)してからの治療法はなく、対症療法が行われる。先進国における栄養状態の改善、対症療法の発達によって死亡率は0.1-0.2%である。 世界の患者数は年間20万人ほどであり、主にアジア・アフリカの途上国である。流行株の変異によって、ワクチンで獲得した抗体での抑制効果が低くなることが懸念されている。定期的に流行しており、日本の江戸時代でも13回の大流行があり、ワクチン時代の2007-2008年に1万人の罹患者を超える流行が起きた。.

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黄熱

熱ウイルス 黄熱(おうねつ、yellow fever)は、ネッタイシマカ (Aedes aegypti) などのなどのカ(蚊)によって媒介されるフラビウイルス科フラビウイルス属に属する黄熱ウイルスを病原体とする感染症。感染症法における四類感染症。黄熱病と同義。発熱を伴い、重症患者に黄疸が見られることから命名された。.

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重症熱性血小板減少症候群ウイルス

重症熱性血小板減少症候群ウイルス(じゅうしょうねっせいけっしょうばんげんしょうしょうこうぐんういるす・Severe fever with thrombocytopenia syndrome virus)とは、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に属するウイルスの一種。重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) の病原体として同定されたウイルスである。名称が長いため、しばしば同症候群の頭文字をとってSFTSウイルス (SFTSV) と呼ばれる。.

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重症急性呼吸器症候群

重症急性呼吸器症候群(じゅうしょう きゅうせい こきゅうき しょうこうぐん、Severe acute respiratory syndrome; SARS )は、SARSコロナウイルス (SARS coronavirus; SARS-CoV) によって引き起こされるウイルス性の呼吸器疾患である。動物起源の人獣共通感染症と考えられている。ウイルス特定までは、その症状などから、新型肺炎(しんがたはいえん)、非定型肺炎(ひていけいはいえん、Atypical Pneumonia)などの呼称が用いられた。 2002年11月から2003年7月にかけて、中華人民共和国南部を中心に起きたアウトブレイクでは、世界保健機構 (WHO) の報告によると、香港を中心に8,096人が感染し、37ヶ国で774人が死亡したとされている(致命率9.6%)(なお数字に関しては、世界30ヶ国8,422人が感染、916人が死亡(致命率11%)という文献も存在する(文責:白木公康))。このアウトブレイク終息後は、封じ込め宣言後いくつかの散発例があったが、現在に至るまで、新規感染報告例は無い。 現在の症例定義は、「38度以上の高熱及び咳、呼吸困難、息切れのいずれかの症状」「レントゲン検査において肺炎の症状」を呈し、この原因が不明で、ウイルス検査で陽性となった者とされている。また水様性下痢を呈する例も存在する。感染経路としては飛沫感染や接触感染が考えられている。.

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逆転写酵素

逆転写酵素(ぎゃくてんしゃこうそ、reverse transcriptase、EC 2.7.7.49)は、RNA依存性DNAポリメラーゼ (RNA-dependent DNA polymerase) のこと。逆転写反応 (reverse transcription) を触媒する酵素。1970年、ハワード・マーティン・テミンとデビッド・ボルティモアによるそれぞれ別の研究により見出された。 この酵素は一本鎖RNA を鋳型として DNA を合成(逆転写)するもので、レトロウイルスの増殖に必須の因子として発見された。それまで、DNA は DNA自身の複製によって合成され、遺伝情報は DNA から RNA への転写によって一方向にのみなされると考えられていた(セントラルドグマ)が、この酵素の発見により遺伝情報は RNA から DNA へも伝達されうることが明らかとなった。 逆転写酵素はまた cDNA の合成に利用され、遺伝子工学や細胞で活動している遺伝子の同定など分子生物学的実験には必須の道具となっている。 レトロウイルスは RNA しか持っていないため逆転写して cDNA を作る。HIV などの増殖に必須であり、阻害剤が治療薬剤として使用される。エイズの治療薬として有名なアジドチミジン (AZT) をはじめとして、ddC、ddI、ネビラピン、ピリジノン、HEPT などの抗エイズ薬は HIV の逆転写酵素の作用を阻害する。 レトロウイルス以外にも、DNAウイルスであるB型肝炎ウイルスの増殖にも必須の因子であることが分かっている。B型肝炎ウイルスは転写でプレゲノムRNAを生成したのちに逆転写によってDNAを合成している。B型肝炎の治療薬として用いられるラミブジン、アデフォビル、エンテカビル、テノフォビルといった薬剤はHBVの逆転写酵素の作用を阻害する。.

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G型肝炎

G型肝炎(Gがたかんえん、)は、ウイルス性肝炎の一種で、GBウイルスC(GBV-C、またはしばしばG型肝炎ウイルスまたはHGVと称される)が原因であるとしばしば指摘されている。しかし、GBV-Cが実際に肝疾患を引き起こすかどうかについてはまだ明らかにされていない。GBV-Cは1996年に発見され、フラビウイルス科の中で未分類な一種である。 ヒトの疾患とGBV-Cとの因果関係を複雑にしている事実として、GBV-Cが関与したと考えられる急性肝炎の症例がごく僅かなこと、GBV-Cに感染したほとんどの人に臨床症状が現れないということ、他の肝炎ウイルスとの混合感染がごく普通に見られること、などが挙げられる。 HGVによる混合感染が実際にC型肝炎やHIVの進行を遅らせるかもしれないことを示唆した数件の研究がある。.

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RNA依存性RNAポリメラーゼ

RNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRp)、 (RDR)、 またはRNA複製酵素とはRNAを鋳型にRNAを複製を合成する酵素である。RNAを鋳型とする点で、DNAを鋳型としてRNAの転写を行う典型的なRNAポリメラーゼ(DNA依存性RNAポリメラーゼ)と対照的である。 RNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRp) はRNAのゲノムを保有し、かつ増殖ステップにDNAが関わらないウイルスにおいて必須のタンパク質である ただし、ウイルス粒子内にこの酵素を持つかどうかはウイルスのクラスによって異なる。具体的には二本鎖RNAをゲノムとして持つウイルスとマイナス鎖RNAをゲノムとして持つウイルスがこの酵素をウイルス粒子内に持つ一方、プラス鎖RNAをゲノムとして持つウイルスはウイルス粒子内にはこの酵素を含まない。。この酵素は鋳型のRNAと相補的となるRNAの合成を触媒する。 RNAの複製機構は2段階からなる。最初のステップは複製の開始であり、RNAの複製は鋳型RNAの3'末端、もしくはその近傍から始まる。複製開始はプライマーを必要としない方法(de novo合成)と、VPgなどのプライマーを必要とする方法とに分かれる。また、de novoの複製開始は最初のヌクレオシド三リン酸 (NTP) の3'-OHに付加される次のNTPの有無に左右される。複製開始に続く伸長過程においては、次のNTPを付加する核酸転移反応が繰り返され、最終的に相補的なRNAを生じる。RNA依存性RNAポリメラーゼはRNAワールド仮説を巡る探究の目標となっている。.

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RSウイルス

RSウイルス()は、ニューモウイルス科に属するRNAウイルスの一種。 遺伝子配列は決定されていて、A型とB型の2つの型に分類できる。ウイルス株間での差違は大きい。 環境中では比較的弱いウイルスで、凍結からの融解、55以上の加熱、界面活性剤、エーテル、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系消毒薬などで速やかに不活化される。呼吸器感染に際して、隣接する細胞の細胞膜を融合させ多核の巨細胞様の構造物を形成し、これを合胞体またはシンシチウム(syncytium, pl.

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SARSコロナウイルス

SARSコロナウイルス(サーズコロナウイルス)()は、重症急性呼吸器症候群 (Severe Acute Respiratory Syndrome, SARS) の病原体として同定されたコロナウイルスである。通称SARSウイルス。飛沫感染により広がるとみられている。.

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流行性耳下腺炎

流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)は、の感染によって発生するウイルス性の感染症。一般にはおたふく風邪として知られる。1967年にワクチンが開発される以前は、小児の疾患として全世界で一般的であり、今日でも発展途上国では脅威となっている。 発生に季節性は無く 臨床神経学 Vol.55 (2015) No.9 p.630-636, 、感染しても症状が出ない不顕感染の場合もある。しかし、一般的に成人が感染すると症状が重い場合が多い。日本では、ワクチン接種が任意となり接種率は約20%から30%とされている。このため初感染が高年齢となり、合併症を伴う成人ムンプスの増加が懸念されている。また、突発性難聴を示した患者の中には、抗ムンプスIgM抗体陽性者があり不顕感染でありながら突発性難聴を生じた可能性が示されている。 一般に、ワクチン接種や一度野生株に自然感染すると一生有効な免疫を獲得するとされている。しかし、再感染例も報告されている 耳鼻咽喉科臨床 Vol.96 (2003) No.6 P499-502, 。抗体価の減少による再感染の理由として、かつては周期的な小流行に伴う刺激により抗体価が維持されてきたが、流行による刺激が無くなり徐々に抗体価が下がってきたのではないかと考える専門家もいる。.

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