ロゴ
ユニオンペディア
コミュニケーション
Google Play で手に入れよう
新しい! あなたのAndroid™デバイスでユニオンペディアをダウンロードしてください!
無料
ブラウザよりも高速アクセス!
 

非定型抗精神病薬

索引 非定型抗精神病薬

非定型抗精神病薬(ひていけいこうせいしんびょうやく、英:Atypical antipsychotic)は、定型抗精神病薬に対して使われる言葉である。第二世代抗精神病薬ともいう。従来の定型抗精神病薬はその薬理学的メカニズムにより錐体外路症状、高プロラクチン血症などの副作用が出やすい傾向にあった。それに対して非定型抗精神病薬はそのような副作用が少ないとしてマーケティングされている。 しかしながら、大規模な試験はそのような傾向を見出していない。有効性も同等である。非定型抗精神病薬は高齢の認知症患者の死亡リスクの増加に結びついていることが示されており、小児や高齢者への使用を促進する違法なマーケティングにより、クエチアピン(セロクエル)、リスペリドン(リスパダール)、アリピプラゾール(エビリファイ)、オランザピン(ジプレキサ)、ジプラシドン(ジオドン)の販売会社に対して記録的な罰金が科されている。.

35 関係: 多剤大量処方医薬品・医療製品規制庁ペロスピロンメラトニンランセットリスペリドンブリストル・マイヤーズ スクイブブロナンセリンプロラクチンパリペリドンドーパミンドーパミン受容体アメリカ食品医薬品局アリピプラゾールアストラゼネカイーライリリー・アンド・カンパニーオランザピンクロルプロマジン換算クロザピンクエチアピンジョンソン・エンド・ジョンソンセロトニンセロトニン受容体ゾテピンサル統合失調症無顆粒球症白血球過感受性精神病認知症身体的依存錐体外路症状離脱抗精神病薬気分安定薬

多剤大量処方

accessdate.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と多剤大量処方 · 続きを見る »

医薬品・医療製品規制庁

イギリスの医薬品・医療製品規制庁(いやくひんいりょうせいひんきせいちょう、Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency、MHRA)とは、イギリス保健省配下のエージェンシー(executive agency)。医薬品および医療機器の認可および安全性に責務を持つ。 MHRAは2003年に医薬品規制庁(Medicines Control Agency、MCA)および医療機器庁(Medical Devices Agency、MDA)を併合して発足した。2013年には国立生物製品基準規制機構(National Institute for Biological Standards and Control、NIBSC)を併合し、MHRA配下の1グループとなった。MHRAは900人以上のスタッフを抱えている。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と医薬品・医療製品規制庁 · 続きを見る »

ペロスピロン

ペロスピロン(Perospirone)は、非定型抗精神病薬のひとつ。ペロスピロンは日本国内で統合失調症治療薬として承認を受けている。アメリカでは販売されていない。商品名ルーラン (Lullan)。 ペロスピロンは国産初のセロトニン・ドーパミン拮抗薬 (SDA) であり、国内で2番目に承認された非定型抗精神病薬である。 旧住友製薬が開発、現在は大日本住友製薬が製造・販売している。薬価は非定型抗精神病薬の中では安い部類に入る。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とペロスピロン · 続きを見る »

メラトニン

メラトニン()は、動物、植物、微生物に存在するホルモンであり、また化学的にN-アセチル-5-メトキシトリプタミン(N-acetyl-5-methoxytryptamine)として知られる。動物では、メラトニンの血中濃度は1日の周期で変化しており、それぞれの生物学的な機能における概日リズムによる同調を行っている。 メラトニンによる多くの生物学的な効果は、の活性を通して生成され、他にも広範囲にわたる強力な抗酸化物質としての役割によって 特に核DNAやミトコンドリアDNAを保護する。 ヒトにおける長期的な外因的な補給による完全な影響は、まだ判明していない。 メラトニンはアメリカ食品医薬品局(FDA)によってサプリメントに分類されており、医薬品ではない。メラトニンの徐放剤は、2007年に欧州医薬品庁によって55歳以上の人々に対して処方せん医薬品として承認されたが、小さな効果しか示していない。またオーストラリアでは2009年に承認された。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とメラトニン · 続きを見る »

ランセット

『ランセット』(The Lancet)は、週刊で刊行される査読制の医学雑誌である。 同誌は世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つであり、編集室をロンドンとニューヨーク市に持つ。 『ランセット』は、1823年にイギリスの外科医Thomas Wakley は翻訳によってトーマス・ウェイクリーと表記されることもあれば、トーマス・ワクリーと表記されることもある。によって創刊された。誌名をつけたのは彼で、手術用メスの一種であるランセットこのメスを Scalpel あるいは Lancetと呼ぶ。:en:Scalpelに詳しい。、および、光を取り入れるを含意するにちなんだものである。1991年以来、『ランセット』はレレックス・グループの一部であるエルゼビアに所有されている。2008年の時点で編集長はリチャード・ホートンである。 『ランセット』はいくつかの重要な医学的および非医学的事項に関して、政治的な立場を採ったことがある。近年の例では、ホメオパシーの効能が治療の選択肢になりうるという世界保健機構の主張を否定し、この件で世界保健機構を批判したこと、Reed Exhibitionsが軍需産業祭を主催した時点の不支持、そして2003年に、タバコを違法にする呼びかけがある。 『ランセット』は世界中にかなりの数の読者を持ち、高いインパクトファクターを有する。ことに同誌のウェブサイトTheLancet.comにおいては、1996年の立ち上げ以来180万人以上の登録ユーザーを集めている。『ランセット』は、原著論文、レビュー("seminars"と"reviews")、論説、書評、通信に加え、特集ニュースや症例報告を刊行している。『ランセット』は、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』 (NEJM)、『ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション』 (JAMA)、『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』 (BMJ)と並ぶ、"主要な"一般医学雑誌のひとつと見做されている。2012年のジャーナル・サイテーション・レポートでは、一般医学雑誌のなかで『ランセット』のインパクトファクターは45.217であり、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(55.873)に次ぐ2位に位置づけられた。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とランセット · 続きを見る »

リスペリドン

リスペリドン(英:Risperidone)は、非定型抗精神病薬のひとつである。主に統合失調症の治療に用いられる。商品名リスパダールほか、後発医薬品が販売される。ベルギーの製薬会社ヤンセンファーマが開発した。時にセロトニン・ドーパミン拮抗薬(SDA)に分類される。 高齢者では必要最小限の使用が推奨される。副作用に糖尿病のリスクがある。小児の自閉スペクトラム症では漫然と長期投与しない。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とリスペリドン · 続きを見る »

ブリストル・マイヤーズ スクイブ

ブリストル・マイヤーズ スクイブ(Bristol-Myers Squibb、略称:BMS、NYSE:)は、ブリストル・マイヤーズ社 (Bristol-Myers Company) とスクイブ社 (Squibb Corporation) が合併して1989年に設立されたアメリカの医薬品会社である。抗生剤・抗腫瘍薬・HIV治療薬に有力な製品群を持っており、一般には「バファリン」(解熱鎮痛剤)シリーズが広く知られている。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とブリストル・マイヤーズ スクイブ · 続きを見る »

ブロナンセリン

ブロナンセリン (Blonanserin) は、大日本住友製薬が開発した非定型抗精神病薬の一種である。主に統合失調症の治療薬として用いられる。 効能・効果は「統合失調症」とされている。 日本では2008年4月より商品名ロナセンで販売されている。 2012年7月27日、大日本住友製薬は日東電工と共同開発しているブロナンセリンの貼り薬について、患者を対象にした第2相臨床試験を始めたと発表した。第1相臨床試験ではすでに有効な経皮吸収性と安全性などが確認されており、有効性の検証と厚生労働省の認可が済んだのち、2018年(平成30年)にも発売する方針。抗精神病薬の貼り薬は世界初だという。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とブロナンセリン · 続きを見る »

プロラクチン

プロラクチン(Prolactin)は、主に脳下垂体前葉のプロラクチン分泌細胞(lactotroph)から分泌されるホルモンである。 主なプロラクチンは199個のアミノ酸から成り、分子量は23kDa。下垂体のプロラクチン産生細胞の他、胎盤や子宮など末梢組織でも産生される。成長ホルモンと構造が近く、同一の祖先遺伝子が重複し、機能が分化したと考えられている。ヒトの場合遺伝子は6番染色体に位置する。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とプロラクチン · 続きを見る »

パリペリドン

パリペリドン()は、非定型抗精神病薬であり、リスペリドンの活性代謝物(9-ヒドロキシリスペリドン)である。両成分は、共にヤンセン ファーマ社から発売されている。 2006年12月20日にアメリカ食品医薬品局 (FDA) に統合失調症の治療薬として承認された。日本では2011年より、ヤンセンファーマから錠剤がインヴェガ、注射剤がゼプリオンとして販売された。統合失調症の他に、アメリカ合衆国では統合失調感情障害にも適応症がある。 2014年には、ゼプリオン水懸筋注を使用中の患者の複数の死亡症例(ただし因果関係は不明)から厚生労働省より安全性速報が出され、使用上の注意が改定された。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とパリペリドン · 続きを見る »

ドーパミン

ドーパミン(dopamine)は、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる。セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミンを総称してモノアミン神経伝達物質と呼ぶ。またドーパミンは、ノルアドレナリン、アドレナリンと共にカテコール基をもつためカテコールアミンとも総称される。医学・医療分野では日本語表記をドパミンとしている。 統合失調症の陽性症状(幻覚・妄想など)は基底核や中脳辺縁系ニューロンのドーパミン過剰によって生じるという仮説がある。この仮説に基づき薬物療法で一定の成果を収めてきているが、一方で陰性症状には効果が無く、根本的病因としては仮説の域を出ていない。覚醒剤はドーパミン作動性に作用するため、中毒症状は統合失調症に類似する。強迫性障害、トゥレット障害、注意欠陥多動性障害 (ADHD) においてもドーパミン機能の異常が示唆されている。 一方、パーキンソン病では黒質線条体のドーパミン神経が減少し筋固縮、振戦、無動などの運動症状が起こる。また抗精神病薬などドーパミン遮断薬の副作用としてパーキンソン症候群が起こることがある。 中脳皮質系ドーパミン神経は、とくに前頭葉に分布するものが報酬系などに関与し、意欲、動機、学習などに重要な役割を担っていると言われている。新しい知識が長期記憶として貯蔵される際、ドーパミンなどの脳内化学物質が必要になる。陰性症状の強い統合失調症患者や、一部のうつ病では前頭葉を中心としてドーパミンD1の機能が低下しているという仮説がある。 下垂体漏斗系においてドーパミンはプロラクチンなどの分泌抑制因子として働く。そのためドーパミン作動薬は高プロラクチン血症の治療薬として使用され、逆にドーパミン遮断薬(抗精神病薬など)は副作用として高プロラクチン血症を誘発する。 ドーパミン部分作動薬のアリピプラゾール(エビリファイ)は低プロラクチン血症を誘発することが分かっており、高プロラクチン血症の治療効果もある。その副作用として異常性欲や性的倒錯があり、アメリカ食品医薬品局(FDA)は添付文書で黒枠の警告をしている (05-03-2016 FDA)。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とドーパミン · 続きを見る »

ドーパミン受容体

ドーパミンD3受容体の構造(エチクロプリドとの複合体) ドーパミン受容体(ドーパミンじゅようたい、dopamine receptor)は主に中枢神経系にあるGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、神経伝達物質であるドーパミンと結合する。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とドーパミン受容体 · 続きを見る »

アメリカ食品医薬品局

アメリカ食品医薬品局(アメリカしょくひんいやくひんきょく、Food and Drug Administration; FDA)は、アメリカ合衆国保健福祉省(Department of Health and Human Services, HHS)配下の政府機関。連邦食品・医薬品・化粧品法を根拠とし、医療品規制、食の安全を責務とする。 FDAは食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、たばこ、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行う。 食品については、所轄行政官庁が厚生労働省以外にも複数の官庁(農林水産省、経済産業省など)に渡る日本と異なり、FDAで一元的に管理しているとされる。しかし、食肉や鶏卵の衛生管理は農務省が所管しているなど、日本では厚生労働省が行っている業務の一部は他の官庁が実施している。日本の食品行政について、マスメディアで識者が指摘することの多い、日本の複数官庁にまたがる縦割り行政の問題を論ずる際の一つの比較例として、このFDAが良く引き合いに出されるが、この指摘は必ずしも正しくない。 2016年現在、FDAでは天然の大麻や、その成分を含む製品を承認していない。理由として、安全性及び有効性が確認されたことがないからとしている。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とアメリカ食品医薬品局 · 続きを見る »

アリピプラゾール

アリピプラゾール(Aripiprazole)は、非定型抗精神病薬の一つである。大塚製薬が開発した。2002年7月にメキシコで製造承認され、その後60以上の国と地域で承認された。日本では2006年1月に商品名エビリファイで承認され、同年6月に薬価基準に収載された。 日本では2012年に、双極性障害における躁症状の改善が追加された。2013年に、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)が追加された。2016年に、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性易刺激性とは、「かんしゃく、攻撃性、自傷行為、およびこれらの複合行為」であるの効能・効果が追加された。副作用は72.7%に認められ、特に多かったのは傾眠が48.9%であった。なお、6歳未満と18歳以上では有効性・安全性が確立されていない。2017年6月、ジェネリック医薬品が発売され当初の適応は統合失調症のみである。 日本の添付文書の警告枠では糖尿病に関する警告があり、使用上の注意において自閉スペクトラム症では漫然と長期投与しないこと。アメリカ食品医薬品局(FDA)は2015年に、アリピプラゾールが自動調節器のように働いていると主張するためには、そのようなデータの提出が必要であると警告した。 2016年にFDAは、衝動制御における副作用についての警告を追加した。 フェニルシクロヘキシルピペリジン(PCP)同様のドーパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用を有している。ARPのD2受容体結合親和性Ki値は0.34nM濃度であり、PCPのKi値2.7nMよりも高い親和性を有している。ARPはNMDA受容体の発現増加が示されており、NMDA受容体アンタゴニストの影響を相殺することから、NMDA受容体機能的拮抗作用を有する。高用量マウス10mg/kg用量を体重60kgのヒト等価用量(HED)へ換算すると約50mgとなる。では鎮痛作用と筋弛緩作用がある。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とアリピプラゾール · 続きを見る »

アストラゼネカ

アストラゼネカ(AstraZeneca plc)は、イギリス・ケンブリッジに本社を置く製薬企業である。ロンドン証券取引所、ストックホルム証券取引所、ニューヨーク証券取引所上場企業(、、)。 1999年にイギリスの大手化学会社ICIから医薬品部門が分離したゼネカと、スウェーデンに本拠を置き北欧最大の医薬品メーカーであったアストラが合併して誕生した。抗がん剤であり、上皮細胞成長因子阻害薬の「イレッサ」(一般名:ゲフィチニブ)の承認を世界に先駆けて日本で獲得したが、副作用などが問題となった。第4回ゲフィチニブ検討会にて、ガイドラインの周知を図ることでイレッサを使い続けることを決定した。 日本には現地法人として、大阪市北区大深町のグランフロント大阪内に、アストラゼネカ株式会社(AstraZeneca K.K.)本社を置く。また東京都千代田区丸の内の丸の内トラストタワー本館内に東京支社を置いている。ゼネカは旧ICI時代に住友化学(当時は住友化学工業)と合弁でアイ・シー・アイファーマを設立したことがあり、一方のアストラは旧藤沢薬品工業(現・アステラス製薬)と合弁で藤沢アストラを設立したことがあった(いずれも当社の前身にあたる)。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とアストラゼネカ · 続きを見る »

イーライリリー・アンド・カンパニー

イーライリリー・アンド・カンパニー(Eli Lilly and Company、NYSE:)は、米国の国際的な製薬会社で、売上高で現在世界9位である。本社は、インディアナ州インディアナポリス市にある。 社名は、創業者であるイーライ・リリーに由来している。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とイーライリリー・アンド・カンパニー · 続きを見る »

オランザピン

ランザピン(英:Olanzapine)は、非定型抗精神病薬の一つである。1996年に発売された。日本国内では統合失調症治療薬として承認され、後に双極性障害における躁症状およびうつ症状の改善する薬剤となった。商品名ジプレキサ。規制区分は劇薬、処方箋医薬品である。糖尿病には禁忌である。 イーライリリー社によって製造販売されている。錠剤、口腔内崩壊錠、細粒の他、筋注製剤(速効性)が承認されている。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とオランザピン · 続きを見る »

クロルプロマジン換算

ルプロマジン換算(-かんさん、略記:CP換算)は、主に抗精神病薬といわれる一群の薬について、その薬理作用を大まかに比較するために用いる換算方法である。換算の基準は、最初の抗精神病薬であるクロルプロマジンであり、他の薬の量を、クロルプロマジン何ミリグラム相当のように算出する方法である。。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とクロルプロマジン換算 · 続きを見る »

クロザピン

ピン(Clozapine)は、治療抵抗性の統合失調症を治療する非定型抗精神病薬である。日本では2009年6月より、商品名クロザリルがノバルティスファーマより発売されている。規制区分は、劇薬/処方箋医薬品である。クロザピンは、従来の抗精神病薬による遅発性ジスキネジアの副作用が生じにくいとして、1971年にヨーロッパで使用が始まり、後の非定型抗精神病薬のモデルとなったが、致命的な無顆粒球症を起こすことが判明し、販売中止された。後に治療薬物モニタリングの技術が向上し、定期的な血球数等の検査が義務付けられる。 クロザピンは、リチウムと共に自殺を減少させることが判明している数少ない医薬品である。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とクロザピン · 続きを見る »

クエチアピン

チアピン(英:Quetiapine)は、ジベンゾチアゼピン系の非定型抗精神病薬の一つである。国内外で商品名セロクエルで販売され、日本での適応は統合失調症である。主にその症状である幻覚や妄想を抑える。またアメリカでは双極性障害にも適応があり気分安定薬として用いられる。薬事法における劇薬。 糖尿病には禁忌である。添付文書の警告表示枠に、投与中に糖尿病性の副作用から死亡する場合があるため、血糖値測定等の十分な観察を行うよう記載されている。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とクエチアピン · 続きを見る »

ジョンソン・エンド・ジョンソン

ョンソン・エンド・ジョンソン()は、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューブランズウィックに本社を置く、製薬、医療機器その他のヘルスケア関連製品を取り扱う多国籍企業である。ニューヨーク証券取引所上場企業()。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とジョンソン・エンド・ジョンソン · 続きを見る »

セロトニン

トニン(serotonin)、別名5-ヒドロキシトリプタミン(5-hydroxytryptamine、略称5-HT)は、動植物に広く分布する生理活性アミン、インドールアミンの一種。名称はserum(血清)とtone(トーン)に由来し、血管の緊張を調節する物質として発見・名付けられた。ヒトでは主に生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与する。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とセロトニン · 続きを見る »

セロトニン受容体

トニン受容体(セロトニンじゅようたい、Serotonin receptor、5-HT receptor)は主に中枢神経系にある受容体の一群である。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とセロトニン受容体 · 続きを見る »

ゾテピン

ゾテピン(Zotepine)は、非定型抗精神病薬の一種。セロトニン・ドパミン拮抗薬(SDA)。統合失調症の治療薬に使用される。日本では商品名ロドピンでアステラス製薬より発売されている。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とゾテピン · 続きを見る »

サル

ニホンザル 日本語におけるサル(猿)とは、通俗的な意味ではサル目(霊長目)のうち、ヒト(古人類を含む)を除いたもののことである。ただし、生物学的観点から見ればヒトもまた「サル」の一種に他ならない。 日本の歴史的文献においては、単に猿といえば日本固有種のニホンザルを指す場合が多い。 一方、英語のmonkey(モンキー)や、いくつかの言語での相当する語は、学術的な定義上はオナガザル科(旧世界猿、old world monkey)と広鼻猿(新世界猿、new world monkey)の総称である。つまり、サルのうち原猿(曲鼻猿とメガネザル)と類人猿を含まない(メガネザルは分類学上の地位が不安定だが、それとは関係なくmonkeyには含めない)。そのため日本語でも、特に翻訳文献で、サルにこれら(特にヒトに最も近いチンパンジー)を含めないことがある。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬とサル · 続きを見る »

統合失調症

統合失調症(とうごうしっちょうしょう)またはスキゾフレニア(Schizophrenie、Schizophrénie、Schizophrenia、SZ)とは、思考、知覚、感情、言語、自己の感覚、および行動における他者との歪みによって特徴付けられる症状を持つ精神障害の一つ。一般的には幻聴、幻覚、異常行動などを伴うが、罹患者によって症状のスペクトラムも多様である。エミール・クレペリン、オイゲン・ブロイラー、クルト・シュナイダーが共通して挙げている当該疾患の特徴的で頻発の症状は「思考途絶(連合障害)」と「思考化声(自生思考)」である。日本では2002年(平成14年)まで、精神分裂病(せいしんぶんれつびょう)と呼ばれていた。 統合失調症は、精神病理学あるいは臨床単位上の精神障害の診断・統計カテゴリーの一つである。この疾患群は、自閉症状と連合障害(認知障害)を基礎疾患とする複数の脳代謝疾患群と考えられている。各症状が同根の神経生物学的基礎を有するか否かは、現在のところ全く不明である。発症のメカニズムや根本的な原因は解明されておらず、また、単一の疾患ではない可能性が指摘されており、症候群である可能性がある。様々な仮説が提唱されているものの、未だに決定的な定説の確立を見ない。 有病者数は世界で2,100万人(男性1,200万人、女性900万人)ほどで、患者は一般人口より死亡率が2.0 - 2.5倍ほど高い。成人の年間有病率は0.1 - 7.5%、生涯有病率は0.1 - 1.8%と世界保健機関は報告している。世界の障害調整生命年()のうち約1%を占める。日本では71万3千人の患者がいると推計されている。 精神疾患としては深刻なもの(Severe mental disorder)に位置づけられるが、治療可能な病気でありながら、患者の大部分(2人に1人)は受診につながっていない。この疾患の担当診療科は精神科であり、精神科医が診療に当たる。世界保健機関は、低中所得国を対象とした改善計画 を開始し、クリニカルパスおよび診療ガイドラインを作成し公開している。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と統合失調症 · 続きを見る »

無顆粒球症

無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう、agranulocytosis)とは、末梢血中において顆粒球、すなわち好中球が極端に減少すること。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と無顆粒球症 · 続きを見る »

白血球

走査型電子顕微鏡写真。左から赤血球、血小板、白血球(リンパ球)色は画像処理でつけたもので、実際の色ではない 白血球(はっけっきゅう、あるいは)は、広義には生体防御に関わる免疫担当細胞を指す。しかしながら、血液に含まれる細胞成分や、骨髄系前駆細胞から分化する免疫担当細胞(好中球をはじめとした顆粒球、単球、樹状細胞などを含み、リンパ球を含まない)、さらには狭義には好中球を単独で表すこともある例えば白血球増加症は実質的には好中球増加症である。ため、文脈により何を指すか全く異なる場合があることに留意する必要がある。一般にはリンパ球、顆粒球、単球の総称とされるため、本項は主に血液に含まれ、一般的な検査で検出される細胞成分の一つという定義に基づいている。この細胞成分は外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などを役割とする造血幹細胞由来の細胞である。 血液検査などではWBCと表されることが多い。 大きさは6から30µm(マクロファージはそれ以上)。数は、男女差はなく、正常血液1 µLあたり、3500から9500個程度である。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と白血球 · 続きを見る »

過感受性精神病

過感受性精神病(かかんじゅせいせいしんびょう、supersensitivity psychosis)とは、多剤大量や高用量の抗精神病薬の投与によって、薬の作用に対する耐性が形成された状態であり、大量の抗精神病薬によってドーパミンD2受容体が上方制御され、抗精神病薬の減量や中断によってすぐに悪化した精神病が見られることが特徴である。 より多くの抗精神病薬を必要とする状態となり、抗精神病薬の減量により精神病症状が再燃しやすい。過感受性精神病と遅発性ジスキネジアはよく併発する。過感受性精神病は基礎疾患とは関係なく生じることもあり、抗精神病薬の中止や減量における離脱時の症状として生じ誤診される恐れがある。 統合失調症が慢性化し治療抵抗性となる原因として抗精神病薬の多剤大量投与が指摘されており、適正な抗精神病薬の使用が要求されている。 このため、2014年には多剤で処方した際の診療報酬が改定されることとなった。伴って、安易に減薬された場合の急激な症状の悪化に懸念の声が上がっている。臨床研究によれば、症状を悪化させることなく減量する適切な減薬方法は、時間をかけて徐々に減量するということである。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と過感受性精神病 · 続きを見る »

認知症

認知症(にんちしょう、Dementia、Demenz)は認知障害の一種であり、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態である。認知症は犬や猫などヒト以外でも発症する。狭義では「知能が後天的に低下した状態」の事を指すが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」を含む認知障害や「人格変化」などを伴った症候群として定義される。これに比し、先天的に脳の器質的障害があり、運動の障害や知能発達面での障害などが現れる状態は知的障害、先天的に認知の障害がある場合は認知障害という。 従来、非可逆的な疾患にのみ使用されていたが、近年、。単に老化に伴って物覚えが悪くなるといった誰にでも起きる現象は含まず、病的に能力が低下するもののみをさす。また統合失調症などによる判断力の低下は、認知症には含まれない。また、頭部の外傷により知能が低下した場合などは高次脳機能障害と呼ばれる。 日本ではかつては痴呆(ちほう)と呼ばれていた概念であるが、2004年に厚生労働省の用語検討会によって「認知症」への言い換えを求める報告がまとめられ、まず行政分野および高齢者介護分野において「痴呆」の語が廃止され「認知症」に置き換えられた。各医学会においても2007年頃までにほぼ言い換えがなされている(詳細については#名称変更の項を参照)。 認知症は70歳以上人口において2番目に多数を占める障害疾患である。全世界で3,560万人が認知症を抱えて生活を送っており、その経済的コストは全世界で毎年0.5-0.6兆米ドル以上とされ、これはスイスのGDPを上回る。患者は毎年770万人ずつ増加しており、世界の認知症患者は2030年には2012年時点の2倍、2050年には3倍以上になるとWHOは推測している。 現在の医学において、認知症を治療する方法はまだ見つかっていない。安全で効果的な治療法を模索する研究が行われているが、その歩みは難航している。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と認知症 · 続きを見る »

身体的依存

身体的依存(しんたいてきいそん、Physical dependence)とは、耐性を形成する薬物の慢性的な使用と、急な断薬や減量のために、離脱による否定的な身体症状を生じさせる状態である 。生理的依存(Physiological dependence)とも呼ばれる。耐性、離脱症状、薬物の使用の抑制が困難といった特徴が、薬物依存症の診断基準である。 身体的依存は、ベンゾジアゼピン系やオピオイド、抗てんかん薬や抗うつ薬のような医薬品の低用量の医療用量でも、アルコールやオピオイド、ベンゾジアゼピンなどの娯楽薬の乱用でも形成される。高用量あるいは長期間の使用、あるいは低年齢での服用開始は、身体的依存が深刻となる予測因子であり、ゆえにより重篤な離脱症状を生じさせる。急性離脱症状は数日、数週間、また数か月続き、後-急性離脱症状(PAWS)として知られる遷延性離脱症候群(protracted withdrawal syndrome)―低い度合いで急性離脱症状と同じものが継続し、一般的に再燃-寛解の繰り返しで、しばしば激しい依存の再燃となり、長期的に能力水準を下げ、雇用を難しくしている―は、数か月から数年続くことが一般的で、きわめてまれに個人的要因により永続する。遷延性離脱症候群は、ベンゾジアゼピン系、アルコールやオピオイドの依存の大半でも示され、特に長期間、高用量、若年での開始、慢性的な再燃素質(すなわち、まったく同一の物質への依存からの離脱後の2度目、3度目の依存症)が要因である。離脱反応は、用量、薬物の種類、使用期間、患者の年齢、最初に使用した年齢、各個人間で異なる。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と身体的依存 · 続きを見る »

錐体外路症状

錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう、extrapyramidal symptom)は、大脳基底核が主として関与する神経学的症状である。錐体外路症候群とも呼ばれる。頭文字をとってEPSと略す場合がある。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と錐体外路症状 · 続きを見る »

離脱

離脱(りだつ、)とは、医薬品やのように依存を形成する薬物を減量あるいは断薬することによって一連の症状を生じることを意味する。また、その症状(離脱症状)のことを単に「離脱」と表現することもある。以前は退薬の訳語も併記された。アメリカでは1960年代後半以前に禁断の語が用いられたが、薬物を完全に断った場合のみならず、服用を続けながら減量した状態でも症状が現れるため、現在ではこの語は避けられている。減量とは逆に、薬物を過剰摂取したことによって生じる状態は薬物中毒とよばれる。 薬物の危険性と法的規制とが合致していないことが指摘されている。離脱症状には、身体的依存と精神的依存があり、身体症状をはっきりと示すものと示さないものとがある。離脱によって発作を起こし、致命的となる可能性がある物質は、アルコールと、ベンゾジアゼピン系・バルビツール酸系の鎮静催眠薬である。入院を要するものには、これらに加えモルヒネのようなオピオイドがある。つまり、これらの薬物に対しては、離脱時に身体症状を示す身体的依存が形成されている。とりわけアルコールと、ベンゾジアゼピン系薬、バルビツール酸系は振戦せん妄(DT)を引き起こし致命的となる可能性があり、また長期にわって離脱症状に苦しむ遷延性離脱症候群となる可能性がある。この他に身体的依存を示す薬物には、抗うつ薬、抗精神病薬、気分安定薬がある。 アルコールとバルビツール酸系・ベンゾジアゼピン系の鎮静/催眠薬では、共にGABAA受容体に作用し、離脱症状や副作用も互いに類似している。これらの薬物には、互いに交叉耐性があり、相互に離脱症状を抑えることができ依存対象が移行する可能性があるため、とりわけ、このどれかに依存症がある場合には、それ以外のものが禁忌となる。例外的に、アルコールの離脱を管理する目的でベンゾジアゼピン系薬が用いられる。 離脱が致命的でなく比較的安全なものは次の通りである。ニコチンからの離脱は、比較的安全とみなされ、外来で管理可能である。コカインのような精神刺激薬や、大麻からの離脱も同様に入院を要さない。LSDのような幻覚剤には離脱症状はなく、大麻や幻覚剤のように不快な離脱症状を避けるために薬物を摂取するという行動が認められない薬物がある。 このように見れば、依存性の最も強い部類のニコチンからの離脱は、比較的安全とみなされ、薬物に耐性を生じる幻覚剤には離脱症状はないというように、依存性や耐性は離脱症状の強さの予測因子ではない。また、離脱症状と依存症には因果関係はないというのは、離脱症状が軽度であれば離脱は困難ではなく、断薬できるということは依存症の基準を満たさないためである。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と離脱 · 続きを見る »

抗精神病薬

抗精神病薬(こうせいしんびょうやく、Antipsychotics)は、広義の向精神薬の一種で、主に統合失調症や躁状態の治療に承認されている精神科の薬である。過去には、神経遮断薬(Neuroleptics)、あるいはメジャートランキライザー(Major tranquilizers)とも呼ばれ、1950年代には単にトランキライザーと呼ばれた。薬事法における劇薬に指定されるものが多い。抗精神病薬は、それ以外にも幅広い精神障害に使用される。 抗精神病薬は大きく2分類することができ、古い定型抗精神病薬と、新世代型の非定型抗精神病薬がある。非定型抗精神病薬は、双極性障害のうつ状態やうつ病にも適応がある薬がある。非定型抗精神病薬は、従来の定型抗精神病薬と比較してドーパミンD2受容体拮抗作用に加えてセロトニン5HT2A受容体拮抗作用を有したり、「緩い」ドーパミンD2受容体拮抗作用を有するなどの特徴をもった薬剤である。非定型抗精神病薬は、錐体外路症状、口が渇く、便秘といった副作用が少なく、統合失調症の陰性症状にも効果が認められる場合があるとされる。しかし#定型対非定型節に見られるように、大規模な試験による分析によれば、非定型抗精神病薬が定型抗精神病薬よりも優れているという根拠は乏しい。 副作用として、口渇、便秘、無意識的に身体が動く錐体外路症状や、肥満といった代謝の異常、母乳が出るといった高プロラクチン血症などがある。代謝の異常は、特に非定型抗精神病薬に特徴的である。抗精神病薬を服用している患者の代謝のチェックが日常的に適切に行われていないことが多く、約90%の患者が1つ以上の代謝性の危険因子を持ち、約30%がメタボリックシンドロームである。さらに抗精神病薬の使用は高い無職率の原因となっている。また服薬を中断する場合#離脱症状が生じる可能性がある。#有効性節以下で示されるが、効果がなかったり副作用のため服薬の中止が多い薬剤である。 抗精神病薬の過剰処方が問題となっている。投与量の増大に伴う治療効果は頭打ちになるが、副作用発現率は上昇していくため、世界保健機関および英米の診療ガイドラインでは単剤療法を推奨している。日本でも2010年に、抗精神病薬の種類が2種類以下である場合に診療報酬が有利になる改定が行われた。厚生労働省自殺・うつ病等対策プロジェクトチームが「統合失調症に対する抗精神病薬多剤処方の是正に関するガイドライン」の策定を計画しており、2013年10月にSCAP法という減薬ガイドラインが公開された。抗精神病薬の大量処方からの減量は、過感受性精神病という離脱症状による精神症状の悪化を引き起こす可能性があり注意が必要である。 抗精神病薬の使用は脳の容積を減少させるかについてはさらなる研究を要する。抗精神病薬の使用は若年認知症発症の危険因子である。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と抗精神病薬 · 続きを見る »

気分安定薬

気分安定薬(きぶんあんていやく、mood stabilizer)は、激しい持続的な気分の変化を特徴とする気分障害、典型的には双極性障害の治療に用いられる精神科の薬である。ムードスタビライザーとも呼ばれる。 抗躁薬は、日本において抗精神病薬と抗躁薬にしか薬の分類が発達していなかった時代の名残で、一般に気分安定薬の語が用いられる。 英国国立医療技術評価機構(NICE)の2006年の臨床ガイドラインでは、気分安定薬の語には合意された定義がないため用いられない。 #有効性節で示されるように、薬の有効性が示されているといっても効果は限定的である。診療ガイドラインで最も推奨されているリチウムについて、2009年にもアメリカ国立精神衛生研究所所長のトーマス・インセルは「双極性障害は特に課題である。リチウムに反応する患者はわずかで、非常に多くの人にとって気分の変動を制御する薬が存在しない」と述べているとおりである。 薬は、日本の添付文書においてもいくつかの注意警告がある。まず、リチウムを除き、自殺関連の既往歴がある場合には、それを悪化させる可能性があるため慎重投与する旨が記載されている。次に、リチウムや抗てんかん薬では血中濃度が中毒域に達したり重篤な皮膚症状が生じる可能性、もしくは抗精神病薬による代謝異常の監視、またすべてにおいて内臓の障害の可能性が指摘されているため、適切な監視と投薬中止に関する旨が記載されている。また、相互作用で作用が増減される旨が記載されている。 つまり、特別な注意が必要で、有効性が限られている薬である。有効だという根拠は多くの場合、日本のうつ病学会によるガイドラインによれば、リチウム、抗てんかん薬、抗精神病薬のうち1剤によるものである。投薬は、危険性/利益の比率に基づいて考慮する必要があるが、日本のうつ病学会によるガイドラインは、2剤併用時の有効性についての少ない証拠も提示しているが、副作用発現率にまでは触れていない。 こういった基本事項を理解せず、どんどん薬を増やす医師が存在するため注意喚起がなされている。日本の精神科医は薬理学を不得意とすることが多いことが指摘されている。2010年にも、精神科領域の4学会が、向精神薬全般の不適切な多剤大量処方に対して注意喚起を行った。そのうえで、2012年にはリチウムでは過半数で適切な監視がなされていないことや、添付文書に記載された用量を超えての投薬によって起きやすい重篤な皮膚症状の症例が減少しないため、医薬品医療機器総合機構による注意喚起がなされている。個々の薬剤の用量が規定の用量であっても、多剤投与であれば、薬剤間相互作用により血中濃度が増加する。薬剤間相互作用についても、添付文書に記載されている。.

新しい!!: 非定型抗精神病薬と気分安定薬 · 続きを見る »

出ていきます入ってきます
ヘイ!私たちは今、Facebook上です! »