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量的形質遺伝子座

索引 量的形質遺伝子座

量的形質遺伝子座(りょうてきけいしついでんしざ、英:Quantitative trait locus、QTLと略す:量的形質座位ともいう)とは、'''量的形質'''がどのように生物に表現されるかに影響を与える染色体上のDNA領域のことである。そのDNA領域は、シス因子であることもあり、必ずしもRNAに転写される遺伝子とは限らない。 一般にはQTLの作用力は個々のQTLごとに異なる。形質の表現型は、関与するQTLの相加効果、優性効果、遺伝子座間の相互効果(エピスタシス)などの遺伝効果および環境効果の合計として観察される。 QTLは形質に関連する遺伝子(英:Quantitative Trait Gene、QTG)の候補を見出す手段としても有用である。同定したQTLの配列決定を行い、すでに明らかになっている遺伝子あるいはゲノムの配列データベースと比較する。このようにして形質と直接的に関連している遺伝子があればそれを明らかにすることができる。 QTLに関する情報を得るには、すでに知られている標識遺伝子(マーカー)とQTLの連鎖およびQTLの作用力を調べる方法(連鎖解析)が取られる。具体的には遺伝子型が異なる個体からなる集団について調査を行い、標識遺伝子の遺伝子型と形質の表現型の関連を統計学的に解析する。この連鎖分析によってQTLの情報を得る過程を、既存の遺伝子地図にQTL情報を加えることから、マッピング(mapping)とも言う。 最近発展してきた方法では、QTL解析と遺伝子発現プロファイリング(DNAマイクロアレイを用いて発現パターンを調べる方法)が組み合わせて用いられている。このような発現QTL(e-QTL)を用いると、疾病など形質に関連する遺伝子そのものの他、その発現に影響する調節因子(遺伝子近傍にある調節配列などのシス因子、および遺伝子に結合する転写因子の遺伝子などのトランス因子)を明らかにすることが可能である。.

19 関係: リボ核酸トランス (分子生物学)デオキシリボ核酸エピスタシスシスエレメント統計学DNAマイクロアレイ遺伝子遺伝子型遺伝子座遺伝子地図遺伝的連鎖表現型転写 (生物学)転写因子配列データベース染色体日本経済新聞出版社

リボ核酸

リボ核酸(リボかくさん、ribonucleic acid, RNA)は、リボヌクレオチドがホスホジエステル結合でつながった核酸である。RNAと略されることが多い。RNAのヌクレオチドはリボース、リン酸、塩基から構成される。基本的に核酸塩基としてアデニン (A)、グアニン (G)、シトシン (C)、ウラシル (U) を有する。RNAポリメラーゼによりDNAを鋳型にして転写(合成)される。各塩基はDNAのそれと対応しているが、ウラシルはチミンに対応する。RNAは生体内でタンパク質合成を行う際に必要なリボソームの活性中心部位を構成している。 生体内での挙動や構造により、伝令RNA(メッセンジャーRNA、mRNA)、運搬RNA(トランスファーRNA、tRNA)、リボソームRNA (rRNA)、ノンコーディングRNA (ncRNA)、リボザイム、二重鎖RNA (dsRNA) などさまざまな分類がなされる。.

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トランス (分子生物学)

分子生物学におけるトランス(Trans-)とは、「異なる分子の間で機能する」の意味である。「トランスに働く(機能する)」(英:Trans-acting)、「トランス・エレメント(要素)」(英:Trans-element)などの用法がある。対義語はシス。一般に、標的遺伝子に対してその発現に影響を与えるような、別の遺伝子(必ずしも別のDNA分子上になくてもよい)もしくはその遺伝子発現の産物であるRNAまたはタンパク質を指す用語である。トランス因子は標的遺伝子と同じ分子上にあるシス因子、または他のトランス因子を介して機能する。 転写においては、標的遺伝子の転写を調節するRNAまたはタンパク質、もしくはそれをコードする遺伝子をトランス要素という。タンパク質の場合は一般に転写因子という。このような発現産物が標的遺伝子と同じ染色体上にあるシス因子(オペレーター、エンハンサーやプロモーター等)に結合することにより、標的遺伝子の転写に影響を与える。 またmRNAの安定性や翻訳に影響を与えるトランス因子としても、種々のタンパク質因子のほか、miRNAなどのRNA因子が知られる。.

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デオキシリボ核酸

DNAの立体構造 デオキシリボ核酸(デオキシリボかくさん、deoxyribonucleic acid、DNA)は、核酸の一種。地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質である。.

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エピスタシス

ピスタシス()とは、遺伝学において、異なる遺伝子座間の相互作用が一つの形質に影響することである。一つの遺伝子座 (modifier gene) の遺伝子型が、別の遺伝子座の遺伝子型の表現型に影響するあらゆる種類の相互作用について意味している。異なる言い方をすれば、相互作用が相加的でない場合、と言える。 元来の意味では、ある遺伝子座の遺伝子型によって、別の遺伝子座の遺伝子型の発現が抑えられることであった。この意味において、表現型が現れる方の遺伝子の状態を上位(epistatic)、表現型が取り替えられる、あるいは、抑制される方の遺伝子の状態を下位(hypostatic、ハイポスタティック)と呼ぶ。その後、ロナルド・フィッシャーが、エピスタシスを相加的な線形モデルからのずれとして記述したことにより、二重の定義が生まれることになった。この用語の問題は今日でも議論されている。 エピスタシスは、優性が同じ遺伝子座における対立遺伝子間の相互作用であることと対照的である。エピスタシスは、しばしばQTLとポリジーン遺伝の関係で研究される。 適応度に対してエピスタシスな効果を持つ、強く連鎖した遺伝子の例として、超遺伝子 (supergene) や主要組織適合遺伝子複合体があげられる。その効果はゲノムレベルで直接働き、ある遺伝子が他の遺伝子の転写を妨げるタンパク質をコードしているためである。あるいは、その効果は表現型レベルではたらくこともある。 遺伝子相互作用の研究は、遺伝子の機能、突然変異の性質、機能の冗長性、タンパク質相互作用の解明につながるだろう。.

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シスエレメント

レメント(cis-element、cis-regulatory element またはcis-acting element)は同一分子上の遺伝子発現を調節するDNA またはRNA の領域を指す。シス(cis)はラテン語で「同じ側」の意味であり、「同じ側で発現調節する要素(因子)」がシスエレメントの原義。 一般にシスエレメントは遺伝子上流部の転写因子が結合する領域を指す場合が多い。転写因子はタンパク質であり細胞内に拡散して特定のDNA 配列(シスエレメント)に結合して転写を調節するため、同じ場所に留まらずトランス(trans)に作用する。一方、シスエレメントはDNA またはRNA 分子内の転写因子等に認識される塩基配列で、同一分子に即ちシスに作用し、遺伝子発現を調節する。 古典的なラクトースオペロンを例にとると、オペレーターがシスエレメントであり、トランス因子であるラックリプレッサーがここに結合することで同じDNA 分子上の近隣にある遺伝子の転写が抑制される。 ただしシスエレメントと標的遺伝子との位置的関係は様々である。例えば転写開始に直接関与するプロモーターは遺伝子の上流に当たる特定の位置に決まった方向で存在する必要があるが、転写を促進するエンハンサーは制御する遺伝子から離れて位置する場合が多い。またエンハンサーの及ぶ範囲を制御するためInsulator が存在している。 mRNA 分子上でその安定性や翻訳に影響を与えるシスエレメントもある。またPre-mRNA スプライシングの際には、切断する酵素の結合するシスエレメントが正確な切断位置の決定や特異的な選択的スプライシングに重要な役割を持っている。 生物間のゲノムの比較から、シスエレメントの位置の検索が試みられ、シスエレメントを検索するアルゴリズムは幾つか作成されている。 シスエレメントの再編成は生物の形態を変える能力を持っており、生物進化に大きな役割を果たしていることが推定されている。 またシスエレメントの異常は遺伝病の原因となっている場合がある。.

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統計学

統計学(とうけいがく、statistics、Statistik)とは、統計に関する研究を行う学問である。 統計学は、経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす。統計的手法は、実験計画、データの要約や解釈を行う上での根拠を提供する学問であり、幅広い分野で応用されている。 現在では、医学(疫学、EBM)、薬学、経済学、社会学、心理学、言語学など、自然科学・社会科学・人文科学の実証分析を伴う分野について、必須の学問となっている。また、統計学は哲学の一分科である科学哲学においても重要な一つのトピックになっている。.

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DNAマイクロアレイ

DNAマイクロアレイはDNAチップとも呼ばれ、細胞内の遺伝子発現量を測定するために、多数のDNA断片をプラスチックやガラス等の基板上に高密度に配置した分析器具のこと。 あらかじめ塩基配列の明らかな1本鎖のDNAを多種、基板上に配置しておき、これに検体を反応させれば、検体のDNA配列と相補的な塩基配列の部分にのみ検体のDNA鎖が結合する。結合位置を蛍光や電流によって検出し、最初の配置から検体に含まれるDNA配列を知る事が出来る。検体の塩基配列が予測できる場合には、効率的にその配列が特定できる。.

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遺伝子

遺伝子(いでんし)は、ほとんどの生物においてDNAを担体とし、その塩基配列にコードされる遺伝情報である。ただし、RNAウイルスではRNA配列にコードされている。.

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遺伝子型

遺伝子型(いでんしがた、いでんしけい、、ジェノタイプ、ジーノタイプ)は、ある生物個体が持つ遺伝子の構成のこと。 ある遺伝子が存在しても、その形質が発現しない場合もあり、表出する形質(表現型)と遺伝子型は必ずしも 1:1 に対応しない。例えば、ヒトのABO式血液型ならば、A型というひとつの表現型に対してAAとAOという二つの遺伝子型があり得る。.

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遺伝子座

遺伝子座(いでんしざ)とは染色体やゲノムにおける遺伝子の位置のこと。英語などでは Locus(ローカス)と呼び、これはラテン語で場所を意味する単語。複数形は Loci(ローサイ)。 通常、転写される領域を指すが、転写調節領域を含む場合もある。二倍体における対立遺伝子どうしの遺伝子座は同一である。また、遺伝子に該当しないような塩基配列・遺伝マーカーの位置は座位(ざい)という。 染色体上の遺伝子座を記載したものを遺伝子地図とよぶ。また組み替え価から導き出された遺伝子間の距離を基に作成したものは連鎖地図と呼ばれる。ゲノムプロジェクトによってゲノムの塩基配列が解読されることによって、全遺伝子座が明らかになるはずであるが、miRNAや偽遺伝子、反復配列など解決すべき問題が残っている。 Category:遺伝子.

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遺伝子地図

遺伝子地図(いでんしちず)とは染色体上の遺伝子の位置を示した地図のこと。染色体地図とも言う。 モーガンがショウジョウバエでこれを作り、遺伝子が染色体上にあるという、当時は仮説であったことを証明したことでよく知られ、遺伝子研究の歴史で大きな意味を持つ。 ただし現在でも作られることがある。金銭的な問題や効率面からゲノムプロジェクトの前段階として各種の地図が作られる他、実際の研究では塩基配列全ての情報よりも、こういった簡略化された地図が有用な場合も多い。そういった地図のひとつ。 組み換えや交差から遺伝子間の距離を基に作成する遺伝地図(連鎖地図ともいう)、制限酵素切断部位やDNAマーカーの位置、距離を基にした物理的地図、形質を支配する遺伝子座(QTL→Quantitative Trait Loci)を配したQTL地図などがある。ゲノムプロジェクトで行われているのは塩基配列に基づく塩基配列地図作りである。 組み替え頻度を基に遺伝地図を作る場合は、染色体上の位置に関係なく交差が無作為に同じ確率で起こり、遺伝子間距離と組み替え頻度が比例すると仮定しているが、 DNAの塩基配列を基に作成された遺伝地図と比較すると違いがある。これは染色体上には組み替えスポットと呼ばれる交差頻度が高い部位があり、実際には染色体の領域によって組み換え頻度が異なるからである。.

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遺伝的連鎖

遺伝的連鎖(いでんてきれんさ、英: genetic linkage)または連関(れんかん)とは、特定の対立遺伝子の組合せ(ハプロタイプ)が、メンデルの独立の法則に従わずに親から子へ一緒に遺伝する遺伝学的現象をいう。.

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表現型

表現型(ひょうげんがた、ひょうげんけい、)とは、ある生物のもつ遺伝子型が形質として表現されたものである。その生物の形態、構造、行動、生理的性質などを含む。獲得形質は含まない。.

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転写 (生物学)

転写中のDNAとRNAの電子顕微鏡写真。DNAの周りに薄く広がるのが合成途中のRNA(多数のRNAが同時に転写されているため帯状に見える)。RNAポリメラーゼはDNA上をBeginからEndにかけて移動しながらDNAの情報をRNAに写し取っていく。Beginではまだ転写が開始された直後なため個々のRNA鎖が短く、帯の幅が狭く見えるが、End付近では転写がかなり進行しているため個々のRNA鎖が長く(帯の幅が広く)なっている 転写(てんしゃ、Transcription)とは、一般に染色体またはオルガネラのDNAの塩基配列(遺伝子)を元に、RNA(転写産物transcription product)が合成されることをいう。遺伝子が機能するための過程(遺伝子発現)の一つであり、セントラルドグマの最初の段階にあたる。.

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転写因子

転写因子(てんしゃいんし)はDNAに特異的に結合するタンパク質の一群である。DNA上のプロモーターやエンハンサーといった転写を制御する領域に結合し、DNAの遺伝情報をRNAに転写する過程を促進、あるいは逆に抑制する。転写因子はこの機能を単独で、または他のタンパク質と複合体を形成することによって実行する。ヒトのゲノム上には、転写因子をコードする遺伝子がおよそ1,800前後存在するとの推定がなされている。.

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配列データベース

配列データベース(はいれつデータベース、 シーケンスデータベース 、英: sequence database)は、生物科学系の幅広い分野の研究に資するためにDNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列など(シーケンス)の情報を格納したデータベースである。バイオインフォマティクスにおける主要な研究開発領域の一つである。.

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英(えい、はなぶさ、はなふさ、〈名乗り:ひで〉).

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染色体

染色体(せんしょくたい)は遺伝情報の発現と伝達を担う生体物質である。塩基性の色素でよく染色されることから、1888年にヴィルヘルム・フォン・ヴァルデヤー(Heinrich Wilhelm Gottfried von Waldeyer-Hartz)によって Chromosome と名付けられた。Chromo- はギリシャ語 (chroma) 「色のついた」に、-some は同じく (soma) 「体」に由来する。.

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日本経済新聞出版社

株式会社日本経済新聞出版社(にほんけいざいしんぶんしゅっぱんしゃ)は、日本の出版社である。日本経済新聞社の完全子会社。.

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