29 関係: 励起状態、原子、偏光、半導体レーザー、反転分布、吸光、位相、ナノメートル、マイクロ波、メーザー、レーザー、レーザー媒質、分子、周波数、アルベルト・アインシュタイン、アインシュタイン係数、エネルギー準位、コヒーレンス (曖昧さ回避)、光子、光共振器、熱力学的平衡、発光ダイオード、量子力学、量子井戸、自然放出、電子、電磁場の量子化、電磁波、電荷担体。
励起状態
励起状態(れいきじょうたい、excited state)とは、量子力学において系のハミルトニアンの固有状態のうち、基底状態でない状態のこと。.
原子
原子(げんし、άτομο、atom)という言葉には以下の3つの異なった意味がある。.
偏光
偏光(へんこう、polarization)は、電場および磁場が特定の(振動方向が規則的な)方向にのみ振動する光のこと。電磁波の場合は偏波(へんぱ)と呼ぶ。光波の偏光に規則性がなく、直交している電界成分の位相関係がでたらめな場合を非偏光あるいは自然光と呼ぶ。 光電界の振幅は直交する2方向の振動成分に分解できることが分かっている。普通の光は、あらゆる方向に振動している光が混合しており、偏光と自然光の中間の状態(部分偏光)にある。このような光は一部の結晶や光学フィルターを通すことによって偏光を得ることができる。.
半導体レーザー
レーザーダイオード本体。非常に小さい。 赤色レーザーダイオードの発振 半導体レーザー 半導体レーザー(はんどうたいレーザー、semiconductor laser)は、半導体の再結合発光を利用したレーザーである。 同じものを指すのに、ダイオードレーザー (diode laser) や、レーザーダイオードという名称も良く用いられLDと表記されることも多い。半導体の構成元素によって発振する中心周波数、つまりレーザー光の色が決まる。常温で動作するものの他に、共振器構造や出力電力によっては冷却が必要なものもある。.
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反転分布
物理、とくに統計力学において、低いエネルギー状態よりも励起状態の方が占有率が高いような系が存在するとき、系のエネルギー分布が反転分布(はんてんぶんぷ、Population inversion)であるという。また反転分布は(便宜上)負温度とも呼ばれる。この様な概念は、レーザー科学において基礎的で重要な役割を演じている。レーザーを動かすうえで、欠かすことのできない過程が反転分布によって、生じているからである。 通常の電子の分布はフェルミ・ディラック分布に従い、より下の準位の方が電子の数が多い状態である。しかし、特殊な条件を満たしてやることによりこの「下のほうが電子が多い」状態とは異なる状態にすることができる。フェルミ・ディラック分布における式での温度項の符号をマイナスにした状態とも考えることもできるので負温度と呼ばれる。ただし、反転分布にある物質は熱平衡状態にはないので、これは熱力学温度とは異る概念である。 このような、高い準位に電子が多い状態に光が入射すると誘導放出により入射光を増幅でき、レーザーが発振される。 2準位系の励起では、下の電子が上に励起されても誘導放出により高い準位に低い準位よりも多くの電子を入れることは不可能である。 3準位系になって初めて、上の準位のほうが多くなれる条件を作り出せる。 4準位系になるとさらに反転分布を作りやすい状態になりうる。.
吸光
吸光(きゅうこう、英語:absorption)とは、物質が光を吸収する現象のことである。 量子論によると、物質の固有状態(電子の軌道や、分子の振動・回転などの状態)は連続でなく、飛び飛びの値をとる。この状態間のエネルギー差と等しい波長の光が物質に照射されると、そのエネルギーを吸収して状態の遷移が起こり、物質は励起される。(ただし、実際にはスピン禁制など、他の制限がつくため、エネルギー値のみで決まるわけではない。) 実際には、物質は光エネルギーを吸収したままなのではなく、すぐに励起状態から基底状態に戻り、この際に吸収したエネルギーを放出する。しかし、エネルギーの一部は無輻射過程を経るため、吸収した光と完全に同じ波長・強度の光として放出されるわけではない。したがって、光の一部は物質に吸収され続けるように観測される。 通常の場合、紫外・可視・近赤外領域の波長では電子遷移が生じ、赤外領域では分子の振動遷移あるいは回転遷移が生じる。 また、物質に白色光を照射し、その一部が吸収された場合、その物質は吸収された光の補色として観察される。.
位相
位相(いそう、)は、波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量で、通常は角度(単位は「度」または「ラジアン」)で表される。 たとえば、時間領域における正弦波を とすると、(ωt + &alpha) のことを位相と言う。特に t.
ナノメートル
ナノメートル(nanometre、記号: nm)は、国際単位系の長さの単位で、10−9メートル (m).
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マイクロ波
マイクロ波(マイクロは、Microwave)は、電波の周波数による分類の一つである。「マイクロ」は、電波の中で最も短い波長域であることを意味する。.
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メーザー
メーザー()とは、誘導放出によってマイクロ波を増幅したりコヒーレントなマイクロ波を発生させたりできる装置のこと。(誘導放出によるマイクロ波増幅)の略称である。メーザーはレーザー同様、非常に指向性・単波長性が高い。指向性の高さから、先端科学用ピンポイント加熱装置などに用いられることがある。また、分子構造の解析にも利用される。メーザーはマイクロ波用電子管やマイクロ波用半導体素子よりもはるかに低雑音である。.
レーザー
レーザー(赤色、緑色、青色) クラシックコンサートの演出で用いられた緑色レーザー He-Ne レーザー レーザー(laser)とは、光を増幅して放射するレーザー装置を指す。レーザとも呼ばれる。レーザー光は指向性や収束性に優れており、また、発生する電磁波の波長を一定に保つことができる。レーザーの名は、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(輻射の誘導放出による光増幅)の頭字語(アクロニム)から名付けられた。 レーザーの発明により非線形光学という学問が生まれた。 レーザー光は可視光領域の電磁波であるとは限らない。紫外線やX線などのより短い波長、また赤外線のようなより長い波長のレーザー光を発生させる装置もある。ミリ波より波長の長い電磁波のものはメーザーと呼ぶ。.
レーザー媒質
レーザー媒質 (レーザーばいしつ laser medium, lasing medium、活性媒質 active medium、利得媒質 gain medium とも)とは、レーザーの発振において、吸光を上回る速度で誘導放出を起こしてレーザーの振幅を増幅している、すなわちの源となっている物質を指す。 レーザー媒質の例としては次のようなものが挙げられる。.
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分子
分子(ぶんし)とは、2つ以上の原子から構成される電荷的に中性な物質を指すIUPAC.
周波数
周波数(しゅうはすう 英:frequency)とは、工学、特に電気工学・電波工学や音響工学などにおいて、電気振動(電磁波や振動電流)などの現象が、単位時間(ヘルツの場合は1秒)当たりに繰り返される回数のことである。.
アルベルト・アインシュタイン
アルベルト・アインシュタイン日本語における表記には、他に「アルト・アインシュタイン」(現代ドイツ語の発音由来)、「アルト・アインタイン」(英語の発音由来)がある。(Albert Einstein アルベルト・アインシュタイン、アルバート・アインシュタイン アルバ(ー)ト・アインスタイン、アルバ(ー)タインスタイン、1879年3月14日 - 1955年4月18日)は、ドイツ生まれの理論物理学者である。 特殊相対性理論および一般相対性理論、相対性宇宙論、ブラウン運動の起源を説明する揺動散逸定理、光量子仮説による光の粒子と波動の二重性、アインシュタインの固体比熱理論、零点エネルギー、半古典型のシュレディンガー方程式、ボーズ=アインシュタイン凝縮などを提唱した業績などにより、世界的に知られている偉人である。 「20世紀最高の物理学者」や「現代物理学の父」等と評され、それまでの物理学の認識を根本から変えるという偉業を成し遂げた。(光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明によって)1921年のノーベル物理学賞を受賞。.
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アインシュタイン係数
アインシュタイン係数(Einstein coefficients)とは、アインシュタインが導出した発光と吸光に関する遷移確率のこと。 自然放出の遷移確率をアインシュタインのA係数と呼び、吸光または誘導放出の遷移確率をアインシュタインのB係数と呼ぶ。 Category:量子力学 Category:量子光学 Category:エポニム.
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エネルギー準位
ネルギー準位(エネルギーじゅんい、)とは、系のエネルギーの測定値としてあり得る値、つまりその系のハミルトニアンの固有値E_1,E_2,\cdotsを並べたものである。 それぞれのエネルギー準位は、量子数や項記号などで区別される.
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コヒーレンス (曖昧さ回避)
ヒーレン.
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光子
|mean_lifetime.
光共振器
光共振器(ひかりきょうしんき、)とは、キャビティ(cavity,Optical cavity)などとも呼ばれ、光波の定常波のための共振器を形成するよう配置された鏡を主要素とする光学機器をいう。光共振器はレーザーの主要部を成し、レーザー媒質を囲うように配置され、レーザー光をフィードバックする。光パラメトリック増幅器や、いくつかの干渉計にも用いられている。共振器に閉じ込められた光は何回も反射され、特定の共振周波数の定常波を生じる。生じる定在波のパターンはモードと呼ばれる。は周波数のみが異なる一方、は周波数に加えてビーム断面に沿った強度分布も異なる。 光共振器内に浮遊するガラスナノ粒子 二つの鏡の間の距離とそれぞれの焦点距離によって共振器の種類が区別される(平面鏡は必要な精度で配置することが困難であるため、あまり用いられない)。形状(共振器の種類)はビームを安定に保つ(ビームのサイズが反射されるごとに継続的に大きくならない)よう選択される必要がある。共振器の種類は、ビームウェストが最小となることや共振器内に焦点を持たないこと(そのため光の強度が極端な点を持たないこと)、その他の基準を満たすよう設計される。 光共振器はQ値を大きくする、すなわち光が非常に多数回反射されても減衰が小さくなるよう設計される。したがって、レーザーの周波数スペクトル幅と周波数の絶対値との比は非常に小さくなる。.
熱力学的平衡
熱力学的平衡(ねつりきがくてきへいこう、)は、熱力学的系が熱的、力学的、化学的に平衡であることをいう。このような状態では、物質やエネルギー(熱)の正味の流れや相転移(氷から水への変化など)も含めて、熱力学的(巨視的)状態量は変化しない。逆に言えば、系の状態が変化するときは、多少なりとも熱力学的平衡からずれていることを意味する。極限として、限りなく熱力学的平衡に近い状態を保って行われる状態変化は、準静的変化とよばれる。また、系が熱力学的平衡であるとき、あるいは局所的に平衡とみなせる部分について、系の温度や圧力などの示強性状態量を定義することができる。 熱力学的に非平衡 (non-equilibrium) であるとは、上記の熱的、力学的、化学的平衡のいずれかが満たされていない状態であり、系に物質またはエネルギーの正味の流れ、あるいは相転移などが生じる。またこのような非平衡状態は不安定であるため別の状態へ転移するが、転移速度が極めて遅いために不安定な状態が維持される場合、この状態を準安定状態という。.
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発光ダイオード
光ダイオード(はっこうダイオード、light emitting diode: LED)はダイオードの一種で、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子である。 1962年、ニック・ホロニアックにより発明された。発明当時は赤色のみだった。1972年にによって黄緑色LEDが発明された。1990年代初め、赤崎勇、天野浩、中村修二らによって、窒化ガリウムによる青色LEDの半導体が発明された。 発光原理はエレクトロルミネセンス (EL) 効果を利用している。また、有機エレクトロルミネッセンス(OLEDs、有機EL)も分類上、LEDに含まれる。.
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量子力学
量子力学(りょうしりきがく、quantum mechanics)は、一般相対性理論と同じく現代物理学の根幹を成す理論として知られ、主として分子や原子、あるいはそれを構成する電子など、微視的な物理現象を記述する力学である。 量子力学自身は前述のミクロな系における力学を記述する理論だが、取り扱う系をそうしたミクロな系の集まりとして解析することによって、ニュートン力学に代表される古典論では説明が困難であった巨視的な現象についても記述することができる。たとえば量子統計力学はそのような応用例の一つである。従って、生物や宇宙のようなあらゆる自然現象もその記述の対象となり得る。 代表的な量子力学の理論として、エルヴィン・シュレーディンガーによって創始された、シュレーディンガー方程式を基礎に置く波動力学と、ヴェルナー・ハイゼンベルク、マックス・ボルン、パスクアル・ヨルダンらによって構成された、ハイゼンベルクの運動方程式を基礎に置く行列力学がある。ただしこの二つは数学的に等価である。 基礎科学として重要で、現代の様々な科学や技術に必須な分野である。 たとえば科学分野について、太陽表面の黒点が磁石になっている現象は、量子力学によって初めて解明された。 技術分野について、半導体を利用する電子機器の設計など、微細な領域に関するテクノロジーのほとんどは量子力学を基礎として成り立っている。そのため量子力学の適用範囲の広さと現代生活への影響の大きさは非常に大きなものとなっている。一例として、パソコンや携帯電話、レーザーの発振器などは量子力学の応用で開発されている。工学において、電子工学や超伝導は量子力学を基礎として展開している。.
量子井戸
量子井戸 (りょうしいど、quantum well) とは、電子の移動方向が束縛された状態のこと。もしくは、レーザーなどで用いられる同状態を得るための構造のこと。 MBEやMOCVDなどの結晶成長法を用い、厚さにしてnmオーダー(nm:ナノメートル.
自然放出
自然放出(しぜんほうしゅつ、英語:spontaneous emission)とは、光源となる物質 (原子、分子、原子核など) が励起状態からよりエネルギーの低い量子状態 (たとえば基底状態) へ移り、その際に光子を放出する過程のことである。 自然放出と誘導放出の異なる点は、自然放出の場合には自発的に励起状態から別のエネルギー状態への遷移が起こることであり、自然放出による光の強さは、外部から入力される光の強さに比例しない。 半古典論による取り扱いでは自然放出は記述できず、誘導放出しか理論に現れない。量子化された光を用いることで自然放出が記述できるようになる。量子化された電磁波 (つまり調和振動子の集まり) の零点振動に誘起されるものが自然放出である。 自然放出は多くの自然現象で重要な役割を果たし、応用面においても、蛍光灯や、テレビなどのモニターに用いられるブラウン管、プラズマディスプレイ、発光ダイオード (LED) などに利用されている。.
電子
電子(でんし、)とは、宇宙を構成するレプトンに分類される素粒子である。素粒子標準模型では、第一世代の荷電レプトンに位置付けられる。電子は電荷−1、スピンのフェルミ粒子である。記号は e で表される。また、ワインバーグ=サラム理論において弱アイソスピンは−、弱超電荷は−である。.
電磁場の量子化
電磁場の量子化(でんじばのりょうしか)とは、電磁場を量子化することである。量子化によって電磁場は光子の集まりであることがわかる。つまり、光子の状態を表す電磁ポテンシャルの時間微分が電場、空間微分が磁場である。 電磁場の量子化には2通り考えられる。1つ目の方法は、場の量子論の知識によって古典的な電磁場を量子化して、量子化された電磁場を得る方法である。 2つ目の方法は、古典電磁気学と解析力学によって「古典的な電磁場は、無限個の古典的な調和振動子の集まりと等価である」ことを示し、その調和振動子を量子力学の知識によって量子化する。すると無限個の量子的な調和振動子を得られるが、それを量子化された電磁場と考える。以下ではこちらの方法について述べる。.
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電磁波
電磁波(でんじは )は、空間の電場と磁場の変化によって形成される波(波動)である。いわゆる光(赤外線、可視光線、紫外線)や電波は電磁波の一種である。電磁放射()とも呼ばれる。現代科学において電磁波は波と粒子の性質を持つとされ、波長の違いにより様々な呼称や性質を持つ。通信から医療に至るまで数多くの分野で用いられている。 電磁波は波であるので、散乱や屈折、反射、また回折や干渉などの現象を起こし、 波長によって様々な性質を示す。このことは特に観測技術で利用されている。 微視的には、電磁波は光子と呼ばれる量子力学的な粒子であり、物体が何らかの方法でエネルギーを失うと、それが光子として放出される。また、光子を吸収することで物体はエネルギーを得る。.
電荷担体
電荷担体または電荷キャリア(charge carrier)とは、物理学において電荷を運ぶ自由な粒子を指し、特に電気伝導体における電流を担う粒子を指す。例えば、電子やイオンがある。 金属では、伝導電子が電荷担体となる。各原子の外側の1個または2個の価電子は金属の結晶構造の中を自由に移動できる。この自由電子の雲をフェルミ気体という。 塩水のような電解液では、陽イオンと陰イオンが電荷担体となる。同様にイオン性固体が融解した液体においても、陽イオンと陰イオンが電荷担体となる(例えば、ホール・エルー法を参照)。 電弧のようなプラズマでは、電子とイオン化した気体の陽イオン、さらには電極が蒸発した素材などが電荷担体となる。電極の気化は真空でも起きるが、電弧は真空中では存在しえない。その場合は気化した電極が低圧の気体となって電弧を生じるための電荷担体となっている。 真空管などの真空中では、自由電子が電荷担体となる。 半導体では、伝導電子と正孔(ホール)が電荷担体となる。正孔とは価電子帯の空席になっている部分を粒子のように移動するものと捉えた見方であり、正の電荷を担う。N型半導体では伝導電子、P型半導体では正孔が電荷担体(多数キャリア)となる。pn接合にみられる空乏層には電荷担体はほとんどない。.