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理想化と脱価値化

索引 理想化と脱価値化

想化(りそうか、idealization)と脱価値化(だつかちか、devaluation, 切り下げ)は、共に精神分析学で用いられる用語である。人は、困難な感情を統合することができない時、その耐え難い状況の認識を克服するためにスプリッティング(分裂)という防衛機制が動員される。スプリッティングは出来事や人物を、完全な善か悪かのいずれかとして捉えるものである。 対象をすべて良いものと捉えられたときには、原始的理想化(primitive idealization)が発生する。これは対象をスプリッティングし、一方を過度に誇大視して「理想化」することである。分裂されたもう一方は「脱価値化」を伴う。「高次の理想化」は、対象の悪い部分を見ないようにすることで自分の攻撃性を否認し、それに伴う罪悪感を取り去るのに対し、「原始的理想化」は、対象の悪い部分に破壊されないようにその部分を認識しないようにする。 対象をすべて悪いものと捉えられたときには脱価値化(devaluation)が起こる。理想化していた万能的期待が満たされない時に、直ちに価値のないものとして過小評価すること。価値を下げる意味としては、期待に応えない相手に対しての報復という目的と、怒りを向けた相手が後に自分を脅かすであろうと予測されるので、予想される相手のその能力を弱める意味がある。 児童の発達においては、理想化と脱価値化は非常に正常なものである。子供は幼児期において、人間というものは、良い構成要素と悪い構成要素の両方を含む、複雑な構造を成していることを学ぶ。この発達段階が中断された場合(たとえば幼児期の精神的外傷など)、こういった防御機構は成人期まで持続することがある。.

9 関係: 境界性パーソナリティ障害ナルシシズム分裂 (心理学)ジークムント・フロイト精神分析学認知の歪み防衛機制自己愛性パーソナリティ障害良い警官・悪い警官

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害(きょうかいせいパーソナリティしょうがい、Borderline personality disorder; BPD)は、境界型パーソナリティ障害、情緒不安定パーソナリティ障害(じょうちょうふあんてい-、)とも呼ばれ、不安定な自己 - 他者のイメージ、感情・思考の制御不全、衝動的な自己破壊行為などを特徴とする障害である。一般では英名からボーダーラインと呼称されることもある。旧来の疾患概念である境界例と混同されやすい。 症状は青年期または成人初期から多く生じ、30代頃には軽減してくる傾向がある。自傷行動、自殺、薬物乱用リスクの高いグループである。治療は精神療法(心理療法)を主とし、薬物療法は補助的に位置づけられ副作用と薬物乱用に注意し慎重に用いられる必要がある。.

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ナルシシズム

ラヴァッジオによって描かれたナルキッソス ナルシシズム(ドイツ語: Narzissmus, ギリシャ語: ναρκισσισμός, 英語: Narcissism)あるいは自己愛とは、自己を愛し、自己を性的な対象とみなす状態を言う広辞苑 第六版「ナルシシズム」。転じて「自己陶酔」「うぬぼれ」といった意味で使われることもある。語源はギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスが水面に映る自らの姿に恋をしたというエピソードに由来している。ナルシシズムを呈する人をナルシシスト(narcissist)と言うが、日本においてはナルシスト(narcist)という言葉で浸透している。 一次性のナルシシズムは人格形成期の6ヶ月から6歳でしばしばみられ、発達の分離個体化期において避けられない痛みや恐怖から自己を守るための働きである。 二次性のナルシシズムは病的な状態であって、思春期から成年にみられる、自己への陶酔と執着が他者の排除に至る思考パターンである。二次性ナルシシズムの特徴として、社会的地位や目標の達成により自分の満足と周囲の注目を得ようとすること、自慢、他人の感情に鈍感で感情移入が少ないこと、日常生活における自分の役割について過剰に他人に依存すること、が挙げられる。二次性ナルシシズムは自己愛性パーソナリティ障害の核となる。.

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分裂 (心理学)

心理学において分裂(ぶんれつ、Splitting)とは、人間の思考において、自己と他者の肯定的特質と否定的特質の両方をあわせ、現実的に、全体として捉えることの失敗である。スプリッティング、全か無か思考(all-or-nothing thinking)とも呼ばれる。スプリッティングは発達段階の一つとして、また防衛機制の一つとして理解されている。 スプリッティングの概念は、ロナルド・フェアバーンが対象関係論を定式化する中で発展してきた。スプリッティングは、赤ん坊が満足させてくれる親の側面(良い対象)と、満足させてくれない親の側面(悪い対象)を、良い面と悪い面を分けたままに見なして、同じ個人に統合することができないことに由来する。精神分析理論においては、これは防衛機制として機能している。.

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ジークムント・フロイト

ークムント・フロイト(、1856年5月6日1939年9月23日)は、オーストリアの精神医学者、精神分析学者、精神科医。オーストリアのモラヴィア辺境伯領のユダヤ人の家庭に生まれた。神経病理学者を経て精神科医となり、神経症研究、心的外傷論研究(PTSD研究)、自由連想法、無意識研究を行い、さらに精神力動論を展開した。精神分析学の創始者として知られる。 非常に詳細で精密な観察眼を示す症例報告を多数残した。それらは、現在においても次々と新しい角度から研究されている。フロイトの提唱した数々の理論は、のちに弟子たちによって後世の精神医学や臨床心理学などの基礎となったのみならず、20世紀以降の文学・芸術・人間理解に広く甚大な影響を与えた。弟子たちは、フロイトの考え方のどこかしらを批判した上でこれを受け継ぎ、様々な学派に分岐し、それぞれ独自の理論を展開していった。現代思想、特に大陸哲学、フランス現代思想の哲学者(ジャック・ラカン、ジャック・デリダ、フェリックス・ガタリなど多数)に大きな影響を与え、精神分析を基調とする哲学の創始者とされる。人間が意識していないいわゆる「無意識」を初めて扱ったフロイトの精神分析は、「無意識の哲学」として非常に重要なものであり、精神分析を広く援用する大陸現代思想に大きな影響を及ぼした。 フロイトは精神科医であり、精神医学(そのなかで彼が創始した精神分析学)の研究者・学者である。他方、フロイトが「心理学者」であるか否かは「心理学」という語をどのように定義するかによって異論が存在するが、少なくともフロイト自身は著作の中で自分を心理学者だと述べている。現代思想、哲学を解説する書物では広義の哲学者とされることもある。 タビストック・クリニックには銅像が作られた。.

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精神分析学

精神分析(せいしんぶんせき、Psychoanalysis )は、ジークムント・フロイトによって創始された人間心理の理論と治療技法の体系を指す。広義には、フロイト以後の分派を含めた理論体系全体も指す。 精神分析は、現在の英米系の精神医学と対立することがある。 精神分析は、人間には無意識の過程が存在し、人の行動は無意識によって左右されるという基本的な仮説に基づいている。フロイトは、ヒステリー(現在の解離性障害や身体表現性障害)の治療に当たる中で、人は意識することが苦痛であるような欲望を無意識に抑圧することがあり、それが形を変え神経症の症状などの形で表出されると考えた。そのため、無意識領域に抑圧された葛藤などの内容を自覚し、表面化させて、本人が意識することによって、症状が解消しうるという治療仮説を立てた。 フロイトの晩年においては、精神分析はエス―自我―超自我の葛藤による心的構造論という心的理解によって神経症は治されるようになった。この心的構造図式ではうつ病や精神病まで範囲に入り、それらの理解に寄与する事になった。またフロイト自身は晩年に文化や歴史や宗教に対しての心理的理解を深めるようになる。こうして精神分析は人間の心や精神を理解する包括的な心理学として台頭し、様々な近接学問や人文学思想に影響を与える事になった。.

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認知の歪み

認知の歪み(にんちのゆがみ、Cognitive distortion)とは、誇張的で非合理的な思考パターン(irrational thought pattern)である。これらは精神病理状態(とりわけ抑うつや不安)を永続化させうるとされている。 この概念は精神科医アーロン・ベックが基礎を築き、彼の弟子のデビッド・D・バーンズがその研究を引き継いだ。最も有名なのはバーンズが1989年に著した『フィーリングGoodハンドブック』であり、これらの認知パターンを学び、かつ除去する方法を記している。 こういった思考パターンは、その個人に現実を不正確に認識させ、ネガティブな思考や感情を再強化させうるとされている。バーンズは、気分や感情は事実ではなく、逆に「歪んだ考え方がマイナスの気分を生み出す」と述べている。.

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防衛機制

防衛機制(ぼうえいきせい、defence mechanism)とは、受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムである。欲求不満などによって社会に適応が出来ない状態に陥った時に行われる自我の再適応メカニズムを指す。広義においては、自我と超自我が本能的衝動をコントロールする全ての操作を指す。 元々はジークムント・フロイトのヒステリー研究から考えられたものであり、後に彼の娘のアンナ・フロイトが、父の研究を元に、児童精神分析の研究の中で整理した概念である。 防衛機制には、発動された状況と頻度に応じて、健康なものと不健康なものがある 2010.

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自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害(じこあいせいパーソナリティしょうがい、Narcissistic personality disorder; NPD)とは、ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込むパーソナリティ障害の一類型である市橋秀夫 (2006) pp.56-63。 DSMではクラスターBパーソナリティー障害に分類される。診断は専門家による面接によって行われる 。鑑別疾患として躁病と物質使用障害がある。 治療法は十分に研究されていない。心理療法は、患者はたいてい自分が問題であるとは認識していないため、多くは困難である。人口の1%が、一生のある時点でNPDを経験すると考えられている。女性よりも男性に多く、また老年者よりも若者に多い。このパーソナリティーは1925年にロバート・ウェルダーにより初めて記され、1968年にNPDとの用語が使われるようになった。.

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良い警官・悪い警官

良い警官・悪い警官(よいけいかん・わるいけいかん、good cop / bad cop)は、イギリスの軍事界においてはマットとジェフ()の名で知られ、他に共同質問()あるいは友人と敵()としても知られている、尋問に使用される心理学的な戦術である。.

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