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求核置換反応

索引 求核置換反応

求核置換反応(きゅうかくちかんはんのう)とは、反応の中心となる求電子剤に対して求核剤が求核攻撃し、脱離基が脱離する反応。求核置換反応の生成物は、求電子剤と求核剤の結合物と脱離した脱離基である。 本項目では、脂肪族炭素上における求核置換反応を扱う。sp3炭素上の置換反応の場合、反応の形態によって SN2反応 と SN1反応 などが知られる。芳香族炭素上の反応は芳香族求核置換反応を、カルボン酸誘導体の置換反応は求核アシル置換反応を参照のこと。.

36 関係: 基質 (化学)反応速度塩化チオニル付加反応メタノールヨードメタンラセミ体ヴァルデン反転プロトン性溶媒ベンジル基アリル化合物アルコールアセトンカルボカチオンクロロギ酸エステルジメチルスルホキシドジエチルエーテル立体配置置換反応芳香族求核置換反応遷移状態親電子置換反応脱離反応酢酸速度定数N,N-ジメチルホルムアミドSN1反応SN2反応極性水素結合求電子剤求核アシル置換反応求核剤溶媒濃度

基質 (化学)

基質(英語:substrate)とは、化学反応において他の試薬と反応して生成物を作る化学種の1つである。合成化学や有機化学においては、基質の化合物にわずかに修正を加えて目的の物質へと変換する。 生化学においては酵素と結合して酵素が働く場所となる物質を基質と呼ぶ。ルシャトリエの原理より、基質は濃度が変化する物質である。「基質」という言葉が指すものは文脈によって大きく異なる。 自発的反応.

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反応速度

反応速度(はんのうそくど、reaction rate)とは化学反応の反応物あるいは生成物に関する各成分量の時間変化率を表す物理量。通常、反応速度を表現する式は濃度のべき関数として表現される。.

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塩化チオニル

塩化チオニル(えんかチオニル、thionyl chloride)とは、亜硫酸の酸塩化物に相当する無機化合物で、化学式SOCl2、分子量118.97、融点-104.5℃、沸点76℃、比重1.65g/cm3の液体であり、発煙性や刺激臭を有する。CAS登録番号は。塩化スルフィニル(sulfinyl chloride)とも呼ばれる。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。また化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年四月五日法律第六十五号)により第二種指定物質として指定されている。.

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付加反応

チレンへの塩素の付加 付加反応(ふかはんのう)とは多重結合が解裂し、それぞれの端が別の原子団と新たな単結合を生成する反応である。 大きく分けて、アルケンのブロモ化を代表とする求電子付加反応(AdE)と、カルボニルとグリニャール試薬との反応を代表とする求核付加反応(AdN)に区分されるが、この他に非極性付加反応のラジカル付加がある。 炭素化合物では三重結合で最も起きやすく、二重結合がそれに次ぐ。これは三重結合の結合エンタルピーが小さいためである。 付加反応の生成物は 付加体 と呼ばれる。.

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メタノール

メタノール (methanol) は有機溶媒などとして用いられるアルコールの一種である。別名として、メチルアルコール (methyl alcohol)、木精 (wood spirit)、カルビノール (carbinol)、メチールとも呼ばれる。示性式は CH3OH で、一連のアルコールの中で最も単純な分子構造を持つ。ホルマリンの原料、アルコールランプなどの燃料として広く使われる。燃料電池の水素の供給源としても注目されている。.

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ヨードメタン

ヨードメタン(iodomethane)は、分子式 で表される有機化合物である。メタンの一ヨウ化物であり、別名はヨウ化メチル(Methyl Iodide)である。常温で無色透明の液体で、エタノール、ジエチルエーテルに任意の割合で溶ける。空気中で一部が光により分解し薄い紫色を帯びることがあるため、褐色ビンを用いて暗所保存する。その際には銅を安定化剤として用いる場合がある。有機合成化学においてはメチル化剤として良く用いられ、2反応によりメチル基を付加することが多い。毒性が高い。.

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ラセミ体

ラセミ体(—たい) (racemate) とは、立体化学の用語で、キラル化合物の2種類の鏡像異性体(エナンチオマー)が等量存在することにより旋光性を示さなくなった状態の化合物のこと。日本語の「ラセミ体」は、ラセミ混合物 (racemic mixture) を表す場合と、ラセミ化合物 (racemic compound) を表す場合とがある。 キラル化合物の2つのエナンチオマーをそれぞれR体およびS体とすると、ラセミ混合物とはR体とS体とを等モル量混合したもののことであり、ラセミ化合物とはR体とS体の分子が、分子間力や水素結合などの分子間相互作用により 1:1、あるいは n:n の数比でつくった会合体のことである。ラセミ体では各分子の旋光性が互いに打ち消し合い、観測されなくなる。 エナンチオマーの旋光度が小さすぎて観測できなければ旋光度測定によるラセミ体の判定はできないが、その場合でもR体とS体を混合すれば融点の変化は観測できる。旋光分散 (ORD)、円二色性 (CD) の測定により光学活性が明らかになることもある。 ラセミ混合物を結晶化すると、R体またはS体のみの結晶よりも、両者が1:1で対を形成したラセミ結晶が析出しやすい。これは、R体とS体が相補的に充填されるため、より高密度で安定な結晶となるためであり、この現象はオットー・ヴァラッハにちなみヴァラッハ則 (Wallach's rule) と呼ばれる。.

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ヴァルデン反転

SN2反応における3段階のモンタージュ。求核剤は緑色、脱離基は赤色、3つの置換基は橙色で示している。 SN2反応はヴァルデン反転として知られる立体化学的配置の反転を起こす。 ヴァルデン反転(ヴァルデンはんてん、Walden inversion、ワルデン反転とも)は、化学反応における分子中のキラル中心の反転である。分子はキラル中心の周りに2種類のエナンチオマーを形成できるため、ヴァルデン反転は一方のエナンチオマーからもう一方へと分子の配置を変換する。例えば、SN2反応において、ヴァルデン反転は正四面体型炭素原子で起こる。 風によって傘が裏返る様子に似ているヴァルデン反転は、1896年に化学者のによって初めて観測された。ヴァルデンは、化学物質の1つのエナンチオマーをもう一方のエナンチオマーへと変換し、いわゆるヴァルデン回路で元に戻すことができた。(+)-クロロコハク酸 (1) は、水中で酸化銀の作用によって立体配置を保持したまま、(+)-リンゴ酸へと変換される。次の段階では、五塩化リンの作用によってヒドロキシル基が塩素原子で置換され、クロロコハク酸の異性体3が生じる。次に酸化銀によって (−)-リンゴ酸 4 が得られ、最後にPCl5による反応で出発点へと回路が戻る。 この反応において、第1段階の酸化銀は水酸化物イオンの供与体として働き、銀は実際の役割は果たしていない。中間体はカルボキシルジアニオンAであり、分子内求核置換反応によって4員環β-ラクトン環Bを与える。もう一方のカルボキシル基も反応性はあるが、in silicoデータは3員環α-ラクトンが形成されるための遷移状態のエネルギーが非常に高いことを示している。水酸化物イオンはラクトン環を開環し、アルコールCへと戻る。こうして合わせて2回の反転が起こるため、立体配置は保持される。.

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プロトン性溶媒

プロトン性溶媒(Protic solvent)は、酸素(ヒドロキシ基)や窒素(アミン)等に結合した水素原子を含む溶媒である。一般に、不安定性を持つヒドロン(H+)を含む溶媒はプロトン性溶媒と呼ばれる。そのような溶媒の分子は、プロトン(H+)を容易に供与する。逆に、非プロトン性溶媒(aprotic solvent)はプロトンを供与することができない。.

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ベンジル基

ベンジル基 ベンジル基 (benzyl group) は有機化学における原子団のひとつで、芳香族アルキル基の一種。トルエン上のメチル基から水素1個が失われた構造にあたる1価の置換基である。構造式は C6H5CH2− と表される。しばしば Bn または Bzl と略記される。 C6H5CH.

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アリル化合物

アリル化合物(-かごうぶつ、allyl compound)とは、2-プロペニル (2-propenyl) 基 を持つ化合物の総称である。2-プロペニル基はアリル基 (allyl group) とも呼ばれ、IUPAC命名法では慣用名とされる。ただし、イソプロピル基などとは異なり、アリル基をさらに置換命名法で誘導した名称(例:2-メチルアリル基)を使用できる。 なお、日本語表記においては r と l を区別できないことから、芳香族基を示す aryl group は本記事のアリル基と区別するため「アリール基」と字訳することになっているので、注意が必要である。 「アリル」の語源はユリ科ネギ属の属名 に由来する。ネギ、タマネギ、ラッキョウ、ニンニクなど、ネギ属の植物には硫化アリルをはじめとする、アリル基を有する有機硫黄化合物が多く含まれている。 アリル化合物、特に1位に電子求引性や電子供与性の原子あるいは基を持つアリル化合物は反応性に富み、種々の反応や重合反応に利用される。.

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アルコール

アルコールの構造。炭素原子は他の炭素原子、または水素原子に結合する。 化学においてのアルコール(alcohol)とは、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基 (-OH) で置き換えた物質の総称である。芳香環の水素原子を置換したものはフェノール類と呼ばれ、アルコールと区別される。 最初に「アルコール」として認識された物質はエタノール(酒精)である。この歴史的経緯により、一般的には単に「アルコール」と言えば、エタノールを指す。.

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アセトン

142px アセトン (acetone) は有機溶媒として広く用いられる有機化合物で、もっとも単純な構造のケトンである。分子式 C3H6O、示性式 CH3COCH3、または、(CH3)2CO、IUPAC命名法では プロパン-2-オン (propan-2-one) と表される。両親媒性の無色の液体で、水、アルコール類、クロロホルム、エーテル類、ほとんどの油脂をよく溶かす。蒸気圧が20 ℃において24.7 kPaと高いことから、常温で高い揮発性を有し、強い引火性がある。ジメチルケトンとも表記される。.

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カルボカチオン

平面構造の''tert''-ブチルカチオン カルボカチオン (carbocation) は炭素原子上に正電荷を持つカチオンのことである。電気的に中性な有機化合物の炭素原子からヒドリドイオンが脱離した形の3価の炭素のカチオンと、電気的に中性な有機化合物の炭素原子にプロトンが付加した形の5価のカチオンがある。 IUPAC命名法では、そのカルボカチオンにヒドリドイオンを付加した炭化水素の語尾を -ylium に変更して命名するか、そのカルボカチオンからプロトンを除去した炭化水素の語尾を -ium に変更して命名する。すなわち CH3+ は CH4 メタン (methane) の語尾を -ylium に変更してメチリウム (methylium)、CH2 メチレン (methylene) の語尾を -ium に変更してメチレニウム (methylenium) と命名する。CH5+ はメタンの語尾を -ium に変更してメタニウム (methanium) と命名する。 このIUPAC命名法に従うと従来3価のカルボカチオンに対してしばしば使用されてきたカルボニウムイオン (carbonium ion) は5価のカチオンと混同する可能性がある。そのため、3価のカルボカチオンについては2価の炭素化合物であるカルベン (carbene) にプロトンが付加した形であることを強調してカルベニウムイオン (carbenium ion) という語が特に使われることもある。.

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クロロギ酸エステル

酸エステルの一般構造 クロロギ酸エステル (chloroformate) は、有機合成化学でよく用いられる化合物群で、クロロギ酸のエステルである。例えば、クロロギ酸ベンジルはベンジルオキシカルボニル基(Cbz基、Z基)、塩化フルオレニルメチルオキシカルボニルはフルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)を保護基として、アミノ基などを保護する場合に使われる。.

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ジメチルスルホキシド

メチルスルホキシド (Dimethyl sulfoxide、略称 DMSO) は、分子式 C2H6SO、示性式 CH3SOCH3、または、(CH3)2SO で表される有機化合物である。純度の高いものは無色無臭だが、長く貯蔵したものは分解物である硫黄化合物の臭気(磯の香りに似ている)を持つ。非常に吸湿性が高い。 皮膚への浸透性が非常に高いことでも知られている。ジメチルスルホキシド自体は毒性は低いが、他の物質が混入している場合、他物質の皮膚への浸透が促進されるので取り扱いには注意を要する。 化学構造の観点からは、ジメチルスルホキシドは理想的なCs対称性を持つ。その他の3配位S(IV) 化合物と同じく三角錐形分子構造を有し、四面体形硫黄原子上に非結合性電子対がある。スルホキシドの硫黄-酸素結合は一般にS.

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ジエチルエーテル

チルエーテル(diethyl ether)とは、エチル基とエチル基がエーテル結合した分子構造をしている有機化合物である。したがって、分子式は で、示性式は 、又は、で表される。分子量 74.12 。密度は0.708 g/cm。特徴的な甘い臭気を持つ、無色透明の液体である。エチルエーテル、硫酸エーテルとも呼び、また単にエーテルというときはこのジエチルエーテルのことを指す場合が多い。IUPAC名ではエトキシエタンとも呼ばれる。.

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立体配置

立体配置(りったいはいち)とは、化合物の分子に固有な原子の空間的な配置のことである。単結合まわりの回転などで生じる空間的な配置の違いのように、通常の条件で相互変換可能な空間的な配置、すなわち通常の条件では異性体として単離されない配置は立体配座と呼ばれ、立体配置とは分けて考える。 原子の結合の順番が同じでありながら立体配置が異なる2つの化合物は立体異性体と呼ばれる。立体配置を表記する方法としてはE/Z表示法、R/S表示法、D/L表示法などがある。.

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置換反応

置換反応(ちかんはんのう)とは有機化学において、化合物の同一原子上で置換基が置き換わる化学反応のことを指す。一般的に結合エネルギーが高い結合から結合エネルギーの低い結合へと置き換わる反応が進行しやすい。 置換反応は大きく求核置換反応と求電子置換反応(親電子置換反応とも言う)に分けられる。求核置換反応は反応機構別に SN2反応やSN1反応などのさまざまな形式に分類される。親電子置換反応は芳香環によく見られる反応である。また、置き換わる分子の数によって、単置換反応(en:single displacement reaction)と二重置換反応(en:double displacement reaction)に分けられる。 反応機構は求核置換反応、芳香族求核置換反応、芳香族求電子置換反応の項に詳しい。 芳香族求電子置換反応の場合、反応が同一原子上に限定されて進行するわけではないので厳密には置換反応の定義から外れるが、反応前後の様式から置換反応と呼ばれる。.

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芳香族求核置換反応

芳香族求核置換反応(ほうこうぞくきゅうかくちかんはんのう)とは、化学反応のうち、ベンゼン環などの芳香環上にある置換基が、求核剤の攻撃を受けて置き換えられる反応のこと。一般にその形式は下式のように表され、基質と求核剤の種類により SNAr機構、SN1機構、SRN1機構、ベンザイン機構など、いくつかの反応機構が知られる。 芳香族求核置換反応の一般式 基質として主に用いられるのは芳香族ハロゲン化物である。ほか、芳香族ジアゾニウム化合物も反応性の高い基質である。ニトロ化合物が置換を受ける場合もある。 以下に、芳香族求核置換反応に知られる主な反応機構について解説する。脂肪族炭素上の求核置換反応は項目: 求核置換反応 を参照のこと。.

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遷移状態

遷移状態(せんいじょうたい、英語:transition state)とは、化学反応の過程で原系から生成系に変換するときに通る最もエネルギーの高い状態のことである。 例えば、2つの分子の衝突によって反応が開始するとき、衝突によって力学的エネルギーが分子内部のエネルギーに変換され、2つの分子の構造は元の構造とは異ったゆがんだ構造となり、元の構造のときよりもエネルギーが高い。このような構造の内、最もエネルギーの高い状態を遷移状態と呼び、その周辺の状態を活性錯体(または活性複合体、活性錯合体)と呼ぶ。 遷移状態は、一般の反応中間体のように直接観測することはできない。しかしフェムト秒単位での赤外分光法により、遷移状態にごく近い反応中間体を捉えることが可能になっており、遷移状態は一般には元の結合が残る一方で新たな結合が形成されつつある状態であると考えられている。 遷移状態の概念は反応速度論において非常に重要である。原系と遷移状態とのエネルギー差が反応の活性化エネルギーに相当し、遷移状態のエネルギーが低い方が活性化エネルギーを獲得する分子の数が増して反応が進みやすくなる。遷移状態の概念は1935年頃ヘンリー・アイリングやマイケル・ポランニーらによって「遷移状態理論」として導入され、アイリングの「絶対反応速度論」などとして発展した。(記事 反応速度論に詳しい) 酵素による触媒作用の1つの要因として、遷移状態が安定化される(すなわち遷移状態のエネルギーが低下する)ことにより活性化エネルギーが減少する効果がある。これを応用して、目的とする反応の遷移状態に類似した化合物を用いて抗体酵素を得る研究がされている。.

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親電子置換反応

親電子置換反応(しんでんしちかんはんのう)とはカチオン分子種が置換する反応のことをいう。ベンゼン核上π電子に対してカチオン種が置換する。 通常カチオン種が安定に存在する強酸性条件化で反応が進行し、π電子とカチオン種との反応が律速段階となる。 代表的な反応としてニトロ化、ブロモ化(ハロゲン化)、スルホン化反応が挙げられる。前二者はin situで生成するカチオン種NO2+、Br+が反応化学種であることが速度論的に検証されている。例外として、スルフォン化の反応種は同じく速度論的に検証した結果SO3であると考えられている。これは、三つも酸素化された硫黄原子がI効果によりカチオン並みの親電子性を示すためである。 置換する位置は、π電子密度と相関があると考えられており、置換基効果によりオルト-パラ配向性ないしはメタ配向性を示す。多重置換のベンゼン核の場合も、ハメット則の相加性により異性体比率の傾向を予測できることが多い。.

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脱離反応

脱離反応(だつりはんのう、elimination reaction)は、化合物が原子団を放出してより原子数の少ない分子となる反応形式のことを言う。硫酸によってアルコールが脱水し、オレフィンとなる反応は脱離反応の好例である。反応機構別に E1反応 と E2反応 に分けられる。また反応機構的には全く異なるがカルボン酸の脱水縮合も脱離反応に含める場合があり、硫酸によりフタル酸が無水フタル酸になるのがこの例である。 脱離反応あるいは脱水縮合において放出される原子団は脱離基と呼ばれる。 脱水縮合については、記事 脱水縮合に詳しい。.

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酢酸

酢酸(さくさん、醋酸、acetic acid)は、化学式は示性式 CH3COOH、分子式 C2H4O2と表される簡単なカルボン酸の一種である。IUPAC命名法では酢酸は許容慣用名であり、系統名はエタン酸 (ethanoic acid) である。純粋なものは冬に凍結することから氷酢酸(ひょうさくさん)と呼ばれる。2分子の酢酸が脱水縮合すると別の化合物の無水酢酸となる。 食酢(ヴィネガー)に含まれる弱酸で、強い酸味と刺激臭を持つ。遊離酸・塩・エステルの形で植物界に広く分布する。酸敗したミルク・チーズのなかにも存在する。 試薬や工業品として重要であり、合成樹脂のアセチルセルロースや接着剤のポリ酢酸ビニルなどの製造に使われる。全世界での消費量は年間およそ6.5メガトンである。このうち1.5メガトンが再利用されており、残りは石油化学原料から製造される。生物資源からの製造も研究されているが、大規模なものには至っていない。.

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速度定数

速度定数(そくどていすう)は化学反応において生成物または反応物が増減する速さを表す量である。 反応速度に関する全般的な理論については反応速度論を、定式化の詳細は反応速度を参照のこと。.

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N,N-ジメチルホルムアミド

N,N-ジメチルホルムアミド (N,N-dimethylformamide, 略称DMF)は、示性式 (CH3)2NCHOであらわされる有機化合物。常温では無色で微かにアミン臭(純粋な場合は無臭)の液体。水やほとんどの有機溶媒と任意の割合で混合する。 引火性液体であり、日本では消防法により危険物第4類(第2石油類)に指定されている。作業環境の管理濃度は、10ppmである。.

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SN1反応

SN1反応(エスエヌワンはんのう)とは、有機化学における置換反応の一種である。 "SN"は求核置換反応であることを示し、"1"は律速段階(英語版)がであることを示している。したがって、反応速度式は求電子剤の濃度の1乗、求核剤の濃度の0乗に比例した式になる。これは求核剤がカルボカチオン中間体に比べて過剰にある場合でも成り立つが、この場合反応速度式はを用いてより正確に記述することができる。反応にはカルボカチオン中間体が関わっており、二級や三級のハロゲン化アルキルが強塩基下または強酸下で第二級ないし第三級のアルコールと反応する際に観察される。一級のハロゲン化アルキルについては代わりにSN2反応が起きる。無機化学では、SN1反応は「」としばしば呼ばれる。解離の経路についてはによって記述される。SN1反応の反応機構はクリストファー・ケルク・インゴルドらによって1940年に提唱された。 この反応はSN2反応ほど求核剤の強さに依存しない。.

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SN2反応

CH3IのSN2反応の球棒モデル表現 SN2反応の遷移状態 SN2反応(エスエヌツーはんのう)は有機化学で一般的な反応機構の一つである。この反応では、結合が1本切れ、それに合わせて結合が1本生成する。SN2反応は求核置換反応である。"SN" は求核置換反応であることを示し、"2" は律速段階(英語版)がであることを示している。そのほかの主な求核置換反応としてSN1反応がある。 また、「2分子求核置換反応」とも呼ばれる。無機反応の場合はあるいは交換機構 (interchange mechanism) とも呼ばれる。.

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極性

極性.

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水面から跳ね返っていく水滴 海水 水(みず)とは、化学式 HO で表される、水素と酸素の化合物である広辞苑 第五版 p. 2551 【水】。特に湯と対比して用いられ、温度が低く、かつ凝固して氷にはなっていないものをいう。また、液状のもの全般を指すエンジンの「冷却水」など水以外の物質が多く含まれているものも水と呼ばれる場合がある。日本語以外でも、しばしば液体全般を指している。例えば、フランス語ではeau de vie(オー・ドゥ・ヴィ=命の水)がブランデー類を指すなど、eau(水)はしばしば液体全般を指している。そうした用法は、様々な言語でかなり一般的である。。 この項目では、HO の意味での水を中心としながら、幅広い意味の水について解説する。.

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水素結合

doi.

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求電子剤

求電子剤(きゅうでんしざい、electrophile)あるいは求電子試薬(—しやく)、求電子種(—しゅ)とは、異なる化学種の間で電子の授受をともないながら化学結合を生成する反応において、電子を受け取る側、奪う側の化学種を指す、有機化学などで使われる用語である。これに対し、電子を与える側の化学種は求核剤(nucleophile)と呼ばれる。 「electrophile」という呼称は「nucleophile」とともに、クリストファー・ケルク・インゴルドにより提唱された。かつて日本では「electrophile」の訳に親電子の語が当てられた為に親電子剤と呼ばれることもある。求電子剤を機構の説明で図示する際に、その英語名から E と略される。 求電子剤は、反応する対象となる求核剤の、電子密度の高い部位に対して攻撃を行う。有機反応の多くは電子対の授受であるため、その場合は求電子剤をルイス酸と見なすこともできる。求電子剤には、陽イオン(H+、NO2+ など)、分極により陽性を帯びた部位を持つ中性分子(HCl、各種ルイス酸、ハロゲン化アルキル、カルボン酸ハロゲン化物、カルボニル化合物 など)、求核種の接近により分極が誘起される分子(Cl2、Br2 など)、酸化剤(過酸 RC(.

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求核アシル置換反応

求核アシル置換反応(きゅうかくアシルちかんはんのう、nucleophilic acyl substitution、NAS)は、あるアシル化合物が求核剤と反応して別のアシル化合物に変わる置換反応。アシル化合物はカルボン酸の誘導体で、エステル、アミド、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物など。求核剤はアルコキシドやエノラートなどのアニオンや、アミンなどの塩基性化合物である。触媒として酸を用いる反応もある。.

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求核剤

求核剤(きゅうかくざい、nucleophile)とは、電子密度が低い原子(主に炭素)へ反応し、多くの場合結合を作る化学種のことである。広義では、求電子剤と反応する化学種を求核剤と見なす。求核剤が関与する反応はその反応様式により求核置換反応あるいは求核付加反応などと呼称される。求核剤は、反応機構を図示する際に英語名の頭文字をとり、しばしばNuと略記される。 求核剤として反応性の高い化学種のほとんどは孤立電子対を持つ。アニオンであることも多い。例として、各種カルバニオン、アミンまたはその共役塩基(アミド)、アルコールまたはその共役塩基(アルコキシド)、ハロゲン化物イオンなど、多数が挙げられる。 一方、求核剤が攻撃対象とする炭素原子(反応中心炭素)の多くは、電気陰性度が高い原子(酸素、ハロゲンなど)に隣接するなどの理由によりその電子密度が低下している。例として、カルボニル基、ハロゲン化アルキル、シアノ基 などの炭素原子が挙げられる。これらは、後述する有機金属試薬を求核剤として作用させると、反応して炭素-炭素結合を作る。カルボニル基を攻撃する求核剤をハード求核剤、飽和した炭素を攻撃するものをソフト求核剤という。 求核的反応において孤立電子対の授受に着目すると、求核剤はルイス塩基として、反応中心炭素はルイス酸と見なすことができる。 求核的反応は、溶媒効果、隣接基効果、あるいは立体効果(立体障害)などの影響を受けることがある。溶媒効果は求核種の反応性に影響を与える。隣接基効果や立体効果は、反応速度や、生成物の選択性に影響する。また、求核的反応の反応性を評価、予測する経験則として、HSAB則、ハメット則が知られる。有機電子論の項目も参照されたい。 グリニャール試薬や有機リチウム化合物を代表とする各種有機金属試薬は、多様な基質に対し高い反応性を示すことから、有機合成法上、炭素-炭素結合を得たいときに用いられる重要な求核剤である。特に立体特異的な求核置換反応(SN2反応)や求核付加反応は選択的立体制御を可能にすることから不斉合成において多用される。.

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溶媒

水は最も身近で代表的な溶媒である。 溶媒(ようばい、solvent)は、他の物質を溶かす物質の呼称。工業分野では溶剤(ようざい)と呼ばれることも多い。最も一般的に使用される水のほか、アルコールやアセトン、ヘキサンのような有機物も多く用いられ、これらは特に有機溶媒(有機溶剤)と呼ばれる。 溶媒に溶かされるものを溶質(solute)といい、溶媒と溶質を合わせて溶液(solution)という。溶媒としては、目的とする物質を良く溶かすこと(溶解度が高い)、化学的に安定で溶質と化学反応しないことが最も重要である。目的によっては沸点が低く除去しやすいことや、可燃性や毒性、環境への影響などを含めた安全性も重視される。水以外の多くの溶媒は、きわめて燃えやすく、毒性の強い蒸気を出す。また、化学反応では、溶媒の種類によって反応の進み方が著しく異なることが知られている(溶媒和効果)。 一般的に溶媒として扱われる物質は常温常圧では無色の液体であり、独特の臭気を持つものも多い。有機溶媒は一般用途としてドライクリーニング(テトラクロロエチレン)、シンナー(トルエン、テルピン油)、マニキュア除去液や接着剤(アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル)、染み抜き(ヘキサン、石油エーテル)、合成洗剤(オレンジオイル)、香水(エタノール)あるいは化学合成や樹脂製品の加工に使用される。また抽出に用いる。.

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濃度

濃度(のうど)は、従来、「溶液中の溶質の割合を濃度という、いろいろな表し方がある。質量パーセント濃度、モル濃度等」(日本化学会編 第2版標準化学用語辞典)と定義されている。しかし、濃度をより狭く「特に混合物中の物質を対象に、量を全体積で除した商を示すための量の名称に追加する用語」(日本工業規格(JIS))『JISハンドブック 49 化学分析』日本規格協会;2008年と定義している場合がある。 後者に従えば「質量モル濃度」と訳されているMolarityは「濃度」ではない。しかし、MolarityやMolalityにそれぞれ「質量モル濃度」「重量モル濃度」等「~濃度」以外の訳語は見られない。.

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