47 関係: 力部、垂 (漢字)、偏、偏旁、卩部、又部、女部、寸部、尢部、乙部、彡部、刀部、冠 (漢字)、犬部、皮部、禾部、繞、瓦部、瓜部、隶部、隹部、韋部、聿部、頁部、頭 (漢字)、見部、貝部、鳥部、部首、赤部、邑部、脚 (漢字)、至部、艮部、而部、構、欠部、殳部、漢字、木部、月部、戸部、戈部、斤部、斗部、无部、攴部。
力部
left 力部(りょくぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では19番目に置かれる(2画の13番目)。 力の字は腕の筋肉が盛り上がる様子に象る。一説に刃先の分かれた農具の象形で後にちからの意味に借用されたともいう。 偏旁では意符として力量や力を入れる行為に関することを表す。 片仮名の「カ」は「力」(ちから)に似ているが、片仮名の「カ」は「力」を構成要素に持つ「加」という漢字から造られたためである。.
垂 (漢字)
垂(たれ)とは、漢字の構成要素である偏旁の区分けの一つであり、漢字の上部から左下にかけて置かれるものである。部首となるものがある。 一般に「厂(がんだれ)」「广(まだれ)」「尸(しかばね)」「疒(やまいだれ)」、そして「戸(とだれ)」の 5 部首が垂と呼ばれる。「虍(とらがしら・とらかんむり)」は、垂ではなく冠に分類される。また「戸(とだれ)」は冠に分類されることがある。 垂を部首とする漢字は、常用漢字 2141 字のうち 51 字(がんだれ 4 字・まだれ 17 字・しかばね 15 字・やまいだれ 15 字・とだれ 4 字)、人名用漢字 985 字のうち 12 字(がんだれ 2 字・まだれ 8 字・しかばね 2 字)。.
偏
偏(へん)とは、漢字の構成要素の一つである偏旁のうち主に左側に置かれるものの総称。部首として採用された偏は、全ての部首の中で最も種類が多く、偏を部首とする漢字は、全ての漢字の過半数を占める。常用漢字表においても、偏を部首とする漢字が占める割合は過半数である。 また、成り立ちは形声文字(片方で音、片方で意味を表す漢字)が大半を占め、ほかに会意文字がある。 表記する際は平仮名で書く。.
偏旁
偏旁(へんぼう)とは、漢字の字体を構成する要素の一つで、左右上下内外の部分に分解できる要素をいう。偏や旁を総合して言う。四字で偏旁冠脚(へんぼうかんきゃく)ともいう。筆画を組み合わせて作られ、同じ組み合わせの偏旁をもつ漢字同士は、類型的な意味あるいは音声のグループを形成する。 また偏旁の配置構造も漢字の字体を構成する重要な要素の一つであり、例えば「岩」であれば、「山」が左にあったり、下にあったり、右にあったりすることはなく、必ず上にあることで一つの字体として認識される。.
卩部
卩部(せつぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では26番目に置かれる(2画の20番目)。 卩字は『説文解字』は割り符の形に象るとしているが、甲骨文の研究からは人のひざまずく形に象るという。 偏旁としては跪いた人に関することを示す。多く旁の位置に置かれ、時に脚に置かれると「」のように縦画を右に曲げるかたちとなる。 卩部はこれらの構成要素をもつ漢字を収めるとともに、「卩」「」の形を筆画の一部にもつ漢字を分類している。.
又部
left 又部(ゆうぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では29番目に置かれる(2画の23番目)。 「又」の字は手の形に象る。「右」の古字。偏旁では「手」と関わることを示す。「聿、尹」などの一部に使われている「ヨ」もルーツは同じである。なお「又」は手を象る代表的な形であり、部首となっているもので言えば、「攴」「殳」は手に武器をもった形であり、「廾」は両手で捧げる形、「寸」は手首からの距離を表す。さらに「爪」は爪の先を下に向けた形である。 又部はこれを構成要素にもつ漢字を収める。 なお日本の新字体には「攴」を「又」に略した漢字がある。 書体によっては2画目に筆押さえが付く場合がある。これは普通はデザイン差とされるが、漢和辞典で筆押さえがあるものが旧字体であるとされていたり、大規模文字セットでは区別されている場合もある。.
女部
女部(じょぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では38番目に置かれる(3画の9番目)。 女の字は女性の跪いた様子に象り、女性を意味する。偏旁の意符としては女性・婚姻・姻戚・姓・感情などに関することを示す。意符としては、大抵は左か下に来る字が多い。 なお、「男」を意符とする字も少数ながら存在しており、『説文解字』には男部も存在していたが、『康熙字典』には存在せず、「男」は田部、「甥」は生部、「舅」は臼部、「嬲」は女部にそれぞれ置かれている。 女部は上記のような意符を構成要素とする漢字を収める。.
寸部
寸部(すんぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では41番目に置かれる(3画の12番目)。 寸の字は長さの単位であり、1寸は10分または1/10尺。『説文解字』によると「又」(手の象形)と「一」からなり、手から一寸離れた脈打つところ(寸口)を指すことで寸の距離を表しているという。偏旁の意符としては長さやきまりに関することを示すとされるが、多くは「又」同様、手の動作に関することを示している。 寸部は上記のような意符を構成要素とする漢字を収めている。.
尢部
尢部(おうぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では43番目に置かれる(3画の14番目)。 尢の字はあしに障害をもった人の意味であり、片足が曲がった人の形に象る。偏旁の意符としては身体の障害に関することを示している。尢部はこのような意符を構成要素とする漢字および「尢」を筆画としてもつ漢字を収める。ただし、「尢」の異体字である「」などによって構成される漢字を含めている。 なお中国では異体字関係を整理した際に、「」が使われた漢字もすべて「尢」に統一している。.
乙部
乙部(おつぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。ss.
彡部
彡部(さんぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では59番目に置かれる(3画の30番目)。 彡の字は毛髪の飾りの紋様を意味する。偏旁の意符としては模様や形象、装飾に関わり、また「須」(ひげ)のような長い毛に関わることを示す。 彡部は以上のような偏旁を構成要素とする漢字、および「彡」の形を筆画にもつ漢字を収める。.
刀部
刀部(とうぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では18番目に置かれる(2画の12番目)。 刀の字はかたなの形に象る。 偏旁では意符として刃物の性質や刃物を使った行為などを示す。旁の位置にある場合、多く「」の形に変化する。.
冠 (漢字)
冠(かんむり)とは、漢字の構成要素のうち上部に置かれるものの総称。かしらともいう。かえたら.
犬部
部(けんぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では94番目に置かれる(4画の34番目、巳集の10番目)。 left 犬の字はイヌを表す。側面から見たイヌの形に象る。「狗」と対照されるときには「犬」は大きいもの、「狗」は小さいものであるが、一般には区別なく使われた。現代中国語ではもっぱら「狗」のみが使われる。逆に日本ではもっぱら「犬」が使われ、「狗」は「走狗」「鶏鳴狗盗」といった熟語でしか用いられない。イヌは中国で古くから飼育された家畜であり、六畜(馬・牛・羊・鶏・犬・豚)の一つに挙げられている。狩猟や牧羊に用いられる他、その肉は食用された。新石器時代から食用犬の飼育が盛んだったことが知られており、「羊頭狗肉」といった熟語も現代に伝わっている。食用犬の価値が下がったのは五胡十六国時代、犬をもっぱら猟用する北方騎馬民族が華北に移動してきたためであり、宋朝以後、「狗肉は席に上さず」として公には食用を禁止した。現在では南方の一部に食用の習慣が残っている。 偏旁の意符としては獣類(現代的に言えば、四足歩行する哺乳類)に関することを示す。例えば獣の種類や名称(猿・猫…)、獣の性質(猛・狂…)、獣を捕獲すること(狩・獲…)などである。また「狄」など異民族の蔑称に用いたものもある。他に獣類に関する偏旁に「豸」がある。 犬部は上記のような偏旁を構成要素としてもつ漢字を収録する。.
皮部
部(ひぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では107番目に置かれる(5画の13番目、午集の13番目)。 「皮」字は獣の皮を剥ぎ取ることをいう。引伸して皮膚、植物の表皮、地表などをいう。『説文解字』では「又」を意符とし「為」の省略形を声符とする形声文字とするが、古字を見るかぎり「為」とは関係なく、獣皮を表す「革」字の半分を取り去ったものと手を表す「又」の組み合わた会意文字である。 偏旁の意符としては皮膚に関することを示す。また声符としてはヒやハといった音を表す。 皮部は上記のような意符を構成要素にもつ漢字を収録する。.
禾部
部(かぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では115番目に置かれる(5画の21番目、午集の21番目)。 180px 「禾」字はイネ科植物のアワを意味し、その穂が垂れる様子に象る。黄河文明の主食はアワであり、長江文明の主食であるイネは殷周時代を通じて華北では作られることはなかった。また現在の主食であるコムギも後に伝来した。このため「禾」は穀物の代表であり、穀物一般の総称としても用いられた。後代にはイネを意味するようになった。「米」が実だけを指すのに対し、「禾」は茎や穂を含めた全体を指している。 偏旁の意符としては穀物や農業に関することを示す。 禾部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収める。.
繞
繞(にょう)とは、漢字の構成要素のうち、左から下にかけて置かれるものの総称。筆順は先に書くものと後に書くものがある。.
瓦部
部(がぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では98番目に置かれる(5画の4番目、午集の4番目)。 汶口文化の土器 「瓦」字は素焼きの土器の総称であり、特に素焼きの紡錘を指した。また土器は屋根をふくにも使われ、これを「瓦当」というが、和訓のカワラはこれを指す。偏旁の意符としては陶磁器に関することを示す。主として脚あるいは旁の位置に置かれる。 近代になり西洋の自然科学用語が流入した際、日本では重さの単位であるグラムを「瓦」(瓦蘭姆の略)で表記し、「瓱」(ミリグラム)・「瓰」(デシグラム)・「甅」(センチグラム)・「瓧」(デカグラム)・「瓸」(ヘクトグラム)・「瓩」(キログラム)・「瓲」(トン)といった和製漢字も作られた。「瓦」が偏の位置に置かれるのが特徴である。中国ではワという発音であるので、「瓦特」で仕事率や電力の単位であるワットに当てており、「瓩」はキロワットとして使われている。 瓦部は上記のような意符を構成要素とする漢字を収める。.
瓜部
部(かぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では97番目に置かれる(5画の3番目、午集の3番目)。 冬瓜 瓜の字はウリすなわちウリ科の蔓性一年草あるいはその実を意味する。蔓に実がなった様子に象る。偏旁の意符としてはウリ科植物に関することを示す。また声符としては「クヮ (カ)」や「コ」といった音を表す。 「瓜:ウリ」部は植物のウリが縦に伸びるところから「厶:伸びる」部と組み合わせて構成されている。 瓜部は上記の意符を構成要素とする漢字を収める。.
隶部
隶部(たいぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では171番目に置かれる(8画の5番目、戌集の5番目)。 left 「隶」字は「逮」字の本字で、後ろから追いかけて捕まえることを意味する。『説文解字』によると、手を表す「又」(ここでは「ヨ」形に変形している)と「尾」の省略形から構成され、尻尾をつかむことを表している。 偏旁の意符としては追い及ぶことや付き従うことを示しているが、この偏旁をもつ字は多くない。なお「康」字は楷書において「隶」を含む形となっているが、本来、「庚」と「米」から構成される文字であるので、「隶」とは関係ない。 隶部は上記のような意符を構成要素にもつ漢字を収めている。 なお中国では「隶」字を「隸(隷)」字の簡体字として使っている。.
隹部
隹部(すいぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では172番目に置かれる(8画の6番目、戌集の6番目)。 雀 「隹」字は『説文解字』によると尾の短い鳥類の総称とされ、側面から見た鳥を象っている。 偏旁の意符としては鳥に関することを示す。また「推」や「誰」のように声符としても多く使われている。 隹部は上記のような意符を構成要素にもつ漢字を収めている。.
韋部
韋部(いぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では178番目に置かれる(9画の3番目、戌集の12番目)。 束帯縹袍を着用した衛門像「韋」字は「違」の本字であり、背きあうことを意味する。その字形は背いた足の象形である「舛」と囲いの象形である「囗」を組みあわせたものであり、守衛が城壁の周囲を巡回していることを表していると考えられる。また「韋」には「革」同様、毛を除いた皮革の意味があるが、「革」と対照する場合、「革」は生革、「韋」はなめし加工された熟革を指す。この意味は背くから反り返った皮革へと引伸されたて生じたとも「革」字と字形が似ることから混同されるようになって生じたものとも言われる。後代にはこのなめし革の意味が「韋」字の基本義となった。 偏旁の意符としては周囲を繞ることに関することを示すが、「圍(囲)」や「違」「衛」などのように声符兼意符となっているものが少なくない。また意符として革製品に関することを示す。 韋部は上記のような意符を構成要素にもつ漢字を収めている。 なお日本の新字体では下部の折れ部分を縦画と横画に分解してヰ形にしたので、これを10画として数える(ただし、「韋」字自体は常用漢字ではない)。.
聿部
聿部(いつぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では129番目に置かれる(6画の12番目、未集の12番目)。 120px 「聿」字は、筆を意味する。『説文解字』は「」と音を表す「一」の形声文字とするが、筆を手でもつ形そのままに象っていると考えられる。 後に意味を分かりやすく竹冠をつけたのが「筆」である。 偏旁の意符としては、筆や書くことに関することを示す。しかしこの意符をもつ字は聿部にはあまり収められておらず、「書」は曰部、「畫(画)」は田部というように他の部に収められている。 聿部が収めるのは「聿」の形やそれに似た「」や「肀」の形を筆画にもつ漢字を収める。雑多なものを含むが、共通点は手指に関するということで、「肀」という字形が手の指(「又」、ここでは「ヨ」)で何かを操る様子に象るためである。なお、これと共通する要素を持つ「隶」については別に隶部を立てている。.
頁部
頁部(けつぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では181番目に置かれる(9画の6番目、戌集の15番目)。 140px 「頁」字は人の頭を意味する。『説文解字』は「」(「面」や「首」との共通部)と「儿」を組みあわせた会意文字とする。古文字では突出した頭を持ち、跪いた人間を側面から見た形に象っている。また比較的新しい語義として漢籍を構成する紙を数える数量詞である「葉」(エフ、ye4)の俗字として用いられる。この場合は袋とじなので折りたたんだ字面の両面で1頁であるが、近代に洋装本が入ってくるとその片面だけを1頁とするようになった。日本語では外来語の訓として「ページ」という読みもある。 偏旁の意符としては頭や首、顔に関することを示す。必ず右側の旁の位置に置かれ、左右構造を作る。 頁部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収める。.
頭 (漢字)
頭(かしら)とは、漢字の上の部分を言う。例えば、「幺」(いとがしら)は漢字で書くと「糸頭」と書き、糸の上部であるが、糸は糸部に含まれる。.
見部
見部(けんぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では147番目に置かれる(7画の最初、酉集の最初)。 left 「見」字は視覚によって外界の情報を得ることを意味する。日本語の「みる」であるが、見ることを意味する字には他に「視」「看」「観」「望」などたくさんあり、「見」は見えているという見る行為の結果に着目している。ちなみに「視」は見るという動作自体を意味し、「観」は目的をもって見ること、「望」は遠くから見ること、「看」は注意深くじっと見ることを意味する。このうち「視」が一般的に見ることを意味する字であるが、魏晋以後になると、「看」にも一般的な意味が生じ、やがて「看」が「視」に取って代わって現代に至っている。その他「見」には名詞として見解・見識といった意味があり、また助動詞として動詞の前で使われ、受動の文法的意味を表す。また「現」に通じ、謁見する・拝見する(「会」の謙譲語)、現れるといった意味を表す。 古文字は跪いた人の上に一つの大きな目がある形であり、全体で人が目を開けてものを見ている状態を強調していると思われる。 偏旁の意符としては見ることに関することを示す。「見」は主に右側の旁や下側の脚の位置に置かれる。 見部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収める。また、簡体字では「见」の形が用いられる。.
貝部
貝部(ばいぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では154番目に置かれる(7画の8番目、酉集の8番目)。 left 「貝」字は貝殻を意味し、子安貝の貝殻の形に象る。古代においては貝殻が装飾品や貨幣(貝貨)として使われていたので、財物・貨幣の意味が生じた。 偏旁の意符としては財貨や交易に関することを示す。左側の偏の位置に置かれ、左右構造を作り、また下側の脚の位置に置かれて上下構造を作る。 貝部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収める。.
鳥部
鳥部(ちょうぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では196番目に置かれる(11画の2番目、亥集の10番目)。 left 「鳥」字は鳥類の総称として用いられる。『説文解字』によると、「隹」が尾が短い鳥であるのに対して、「鳥」は尾の長い鳥を意味するという。 その字形は鳥を側面から見た形に象っており、突き出した喙のある頭と翼と2本の脚がある胴体の形である。 偏旁の意符としては鳥類に関することを示す。その大部分は鳥の名称を表す字が多いが、中には鳥の動作・行為を表す字もある。 鳥部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収める。構成としては「鳩」「鶴」などの旁、あるいは「鶯」「鷹」などの脚が一般的だが、他に偏、冠など多様な形を取るのが特徴である。.
部首
部首(ぶしゅ、Radical)とは、漢字を分類する際に用いられる漢字の一部分である。また、それによる分類の、各グループである。部首による分類では、全ての漢字に一つの部首が割振られる。 字書などで漢字を分類する際、偏旁、すなわち偏(へん)や冠(かんむり)など、字の一部分を用いる方法がある。部首とは一つには、そのような分類での、一つ一つの項目である。部首による分類は、字書における漢字の分類・配列方法であるのみならず、字書を引く際の検索方法も与える。 ある漢字がどの部首に分類されるかは字書による。形声文字では、意味を表す部分が用いられることが多い。たとえば「鉄」の字は、左半分の金属を意味する「釒」(金偏、かねへん)を部首とすることが普通である。これは、字書では「金」の部に置かれる。 一方で、「心」部とされうる部分は、いくつかの変形がある。.
赤部
赤部(せきぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では155番目に置かれる(7画の9番目、酉集の9番目)。 left 「赤」字は赤色を意味する。「大」(人の象形)と「火」を組みあわせた会意文字であり、火の色と引伸して赤色を意味するようになった。また「赤」字には生まれたての嬰児の意味があり、「赤子」といった熟語を作る。また形容詞として何も無いという意味があり、引伸して動詞として殺しつくすこと、滅ぼすことを意味したり、曇りのない純粋な心や忠誠心、裸などむき出しのさまを意味した。その他、仮借義として「斥」に通じてスパイを、「尺」に通じて長さの単位を意味することがあった。 なお赤という色彩を表す字はいくつかあるが、それを深い色から浅い色の順に並べると、「絳」「朱」「赤」「丹」「紅」の順であった。しかし、「赤」と「紅」は中古には混同されるようになり、赤色はもっぱら「紅」字で表されるようになって現代に至っている。このため日本語に入ってきた赤色に関する熟語でも先秦・漢代文献に由来するものは「赤」字が使われるが、唐詩など中古文献に由来するものには「紅」字が使われていることが多い。ただし、日本では、これら熟語を別にして、「紅色」(べにいろ・くれないいろ)といった場合、上古の字義である薄い赤でも、中古の字義である赤でもなく、鮮紅色すなわち鮮やかな赤色を指すので注意が必要である。 偏旁の意符としては赤色に関することを示す。このとき左側の偏の位置に置かれ、左右構造を作る。.
邑部
邑部(ゆうぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では163番目に置かれる(7画の17番目、酉集の17番目)。 西安の明代城壁。古代中国では城壁で囲まれた空間が都市であった。 「邑」字は人々が集まって居住する場所を意味する。囲い(城壁や城柵)に象る「囗」とひざまずいた人に象る「卩」の会意文字。引伸して都市・みやこの意。 「邑」「都」「國(国)」はいずれも古代の都市国家を意味した。甲骨文の研究によると殷代に最も早く都市の意味を獲得したのは「邑」であり、例えば王城の商を商邑と呼んだ。周代においては諸侯の都城を「国」、諸侯の子弟や卿・大夫の封城を「邑」といい、常住して祖廟を設けた都城を「都」と呼んだ。戦国時代以降は国家の考え方が領域国家となり、郡県制に移行していったため、「國」は意味が広がって都市の意味を失い、「邑」は地方集落の意味で用いられるようになり、「都」が都市の総称となっていった。 偏旁の意符としては地名・都市名・国名を示すことが多く、またそこに居住した人の姓氏を表すようになったことから中国人の姓を示すものもある。さらには都市区画や行政区画に関することを示す。偏旁の「邑」は「」に変形して右側の旁に置かれ、左右構造を形成する。ちなみに「阜」の変形も「」であるが、こちらは左側に置かれ、占める位置が異なる。 邑部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収める。.
脚 (漢字)
脚(あし)とは、漢字の構成要素のうち下部に置かれるものの総称。.
至部
至部(しぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では133番目に置かれる(6画の16番目、未集の16番目)。 「至」字はある地点や時点、段階や地位などに到達することを意味する。現代中国語の口語ではもっぱら「到」のみが使われ、「至」は文章語で使われる。引伸して極点に到達すること、最高級であることなどを意味する。また名詞として夏至・冬至の二至を意味する。 『説文解字』では鳥が飛んで高いところから地上に至ることを意味し、大地を表す最下の「一」と、下を向いた鳥の会意文字とする。他の説(特に甲骨文からの解釈白川静など)では矢の先が下を向て地面に刺さった形を現しているとされる。 偏旁の意符としては到達することに関することを示す。また「室」(宀部)「屋」(尸部)「臺(台)」など人がいる場所に関するものもあり、到達してとどまることに由来するとされる。声符としてはシやチ、シツやチツといった音を表す。 至部は上記のような意符を構成要素とする漢字を収める。.
艮部
艮部(ごんぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では138番目に置かれる(6画の21番目、未集の21番目)。 「艮」字は『易』の八卦あるいは六十四卦の一つである艮を意味する。艮卦は止まることや山・手などの象徴である。方位は東北方を指し、十二支の丑と寅に相当する。このため日本語で「うしとら」と呼ばれる。「目」が「人」の反転字である「ヒ」(「比」などを参照)の上にある会意文字である。その解釈として『説文解字』は「很」(音はコン、もとるの意)であり、目で睨んで互いに譲らないとする。その他、「狠」(音はコン、凶悪の意)の本字で、振り返った人が目を怒らせて見る様子に象るとしたり、呪眼を象るとした説がある。 偏旁の意符としては眼に関することを示すと思われるが、意符でほとんど用いられることはなく、もっぱらコンといった音を表す声符として使われる。 そのため「艮」を構成要素とする漢字はほとんどが意符に従って他の部に収録されており、艮部が収めるのは他の部に分類できなかったもの、「良」のように楷書で「艮」の字形に似た筆画をもつものをわずかに収めるのみで、大漢和辞典での収録字数は全ての部首で最も少ない6字である。 艮部ははじめて214部首を立てた『字彙』で採用された。それまでは艮部に所属する字はそれぞれ別の部に属していた。たとえば『説文解字』や『玉篇』では「艮」は匕部に、「良」は畗(畐)部に、「艱」は堇部に置かれていた。.
而部
而部(じぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では126番目に置かれる(6画の9番目、未集の9番目)。 left 「而」字は頬髭を意味し、長く伸びた毛の形に象る。古代社会において髭や髪などの毛を剃ることは刑罰の一つであり、剃髪された人は罪人であることを意味した。また仮借して接続詞に用いられ、語や句、文同士をつないだり、副詞と被修飾語とを結んだりする。また二人称すなわち聞き手のことを指す代名詞としても用いられる。古漢語の接続詞である「然・爾・而・如・若」、二人称代名詞である「汝・爾・而・乃・若」はどれも日母(鼻音声母の一つ)であり、同源の語に由来すると思われる。それを音の類似した「而」を始めとするこれらの字を借りることによって文字表記したものである。 偏旁の意符としては頬髭に関することを示す。 而部はこのような意符を構成要素とする漢字を収める。また「而」の字形を筆画にもつ漢字を収める。.
構
構(かまえ)とは、漢字の少なくとも二辺にまたがる構成要素であり、上と左にまたがる垂および左と下にまたがる繞を除いたものである。漢字を外側から包むような形をしている。.
欠部
right 欠部(けんぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では76番目に置かれる(4画の16番目)。 欠の字はあくびを意味する。また後起義として不足するの意もある。『説文解字』では「气」が「人」の上から出る様子であるというが、甲骨文字では口を開けた人の形に象っている。偏旁の意符としては口を大きく開く動作に関することを示す。 欠部はこのような意符を構成要素とする漢字を収める(歌、欲など)。 なお日本の新字体において「欠」の字は「缺」(音はケツ、破損する・不足するの意)の代わりとして使われている。.
殳部
殳部(しゅぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では79番目に置かれる(4画の19番目)。 殳の字は刃のない棒状の戈(『詩経』毛伝の説)、あるいは棒をもって人を殴り殺すこと(『説文解字』の説)を意味する。「又」の字は右手の象形である。偏旁の意符としては、殴打、破壊、攻撃に関することを示す。 殳部は上記の偏旁を構成要素にもつ漢字を収める。.
漢字
漢字(かんじ)は、中国古代の黄河文明で発祥した表語文字。四大文明で使用された古代文字のうち、現用される唯一の文字体系である。また史上最も文字数が多い文字体系であり、その数は10万字を超え、他の文字体系を圧倒する。古代から周辺諸国家や地域に伝播して漢字文化圏を形成し、言語のみならず文化上の大きな影響を与えた。 現代では中国語、日本語、朝鮮語の記述に使われる。20世紀に入り、漢字文化圏内でも日本語と中国語以外は漢字表記をほとんど廃止したが、なお約15億人が使用し、約50億人が使うラテン文字についで、世界で2番目に使用者数が多い。.
木部
木部(もくぶ、xylem)とは、維管束の一部であり、いわゆる木材をなす部分である。.
月部
月部(げつぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では74番目に置かれる(4画の14番目)。 130px 月の字は月の形に象る。偏旁の意符としては月や時間に関することを示す。また月部は以上の偏旁を構成要素とする漢字だけでなく、「舟」の変形である「月」、いわゆる「ふなづき」を構成要素とする漢字も収めている。なお「肉」に由来する「月」(にくづき)は肉部に収録されている。 康熙字典体では「つき」の内部の2つの横棒は右の縦棒に付かず少し離れた字形であり、「ふなづき」は「舟」同様、内部の2つの筆画を横ではなく点で表している。日本の新字体、中国の新字形、台湾の国字標準字体ではこれらを右の縦棒と付いた「月」の形に統一している。.
戸部
戸部(こぶ,とべ).
戈部
戈部(かぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では62番目に置かれる(4画の2番目)。 left 戈の字は武器の一つである戈を表し、その形に象る。長い柄の矛先にかぎ状の両刃をつけた武器。 偏旁の意符としては武器や戦いに関することを示す。上から右にかけてか、右に置かれる。 戈部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収める。.
斤部
斤部(きんぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では69番目に置かれる(4画の9番目)。 斤の字は木を切る斧を意味し、その形に象る。偏旁の意符としては斧や切ることに関することを示す。.
斗部
斗部(とぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では68番目に置かれる(4画の8番目)。 斗の字は容量を量る道具(枡。漢代以前は柄がついた柄杓状が一般的であった)や柄のついた古酒器を指す。またその形をした星座の名(斗宿・北斗)。柄のついた容器の形に象る。偏旁の意符としては容器や容量に関することや柄杓や汲むことに関連したことを示す。.
无部
无部(むぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では71番目に置かれる(4画の11番目)。 无の字は「無」と同字で、存在しないことを意味する。 无部はもっぱら「无」の形やそれに近い「旡」の形を筆画にもつ漢字を収めている。.
攴部
攴部(ぼくぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では66番目に置かれる(4画の6番目)。 「攴」の字は、「撲」と同義同音で「打つこと」を意味しており、手(又)に棍棒を持つ様子に象る。偏旁の意符としては、攻撃、叩き、強制に関することを示す。大半の場合、省略形の「攵」に変形させて使われている。 攴部は以上のような意符を構成要素とする漢字および「攵」の形を筆画にもつ漢字を収める。 なお日本の新字体では「攵」を「力」や「又」に改めた字がある。.