ロゴ
ユニオンペディア
コミュニケーション
Google Play で手に入れよう
新しい! あなたのAndroid™デバイスでユニオンペディアをダウンロードしてください!
ダウンロード
ブラウザよりも高速アクセス!
 

大きさについての無矛盾性

索引 大きさについての無矛盾性

量子化学分野において、大きさについての無矛盾性(おおきさについてのむむじゅんせい、size consistency)および示量性(しりょうせい、size extensivity)は系の大きさが変化した場合の計算結果の振る舞いを表す概念である。大きさについての無矛盾性(あるいはstrict separabilityとも)は、距離が離れるなどして分子系における相互作用が無くなった場合、エネルギーの振る舞いが無矛盾であることを保証する。Bartlettにより導入された示量性は、電子数の増加に対して正確に(線形に)スケールするという形式的な数学的性質である。 例えばAとBを相互作用の2つの系としよう。ある理論がエネルギーについて大きさについて無矛盾であるとき、電子密度が共有されていないほど十分にAとBが離れたようなA+Bの系のエネルギーは、Aの系のエネルギーとBの系のエネルギーの和と一致する。 大きさについての無矛盾性は、解離曲線を正しく得る場合に特に重要となる。最近になってポテンシャルエネルギー曲面全体が明確に定義されている必要があると主張されている 。 文献によっては大きさについての無矛盾性と示量性を同じ意味で使用しているが、両者の間には極めて重要な違いがある 。 ハートリー=フォック法、クラスター展開法、(任意次数の)、full CI法は大きさについて無矛盾であるが必ずしも示量性ではない。 例えば制限ハートリー=フォック法は水素分子の解離曲線を正確に記述できず、したがって全てのポスト-ハートリー-フォック法はFull CI法を除き同様である。 形式的に大きさについて無矛盾な手法においても、数値誤差により大きさについて無矛盾ではない振る舞いをすることもある。 は別の関連した性質であり、その要請を励起状態の適切な取り扱いへと拡張している。.

4 関係: ハートリー=フォック方程式結合クラスター法量子化学配置間相互作用法

ハートリー=フォック方程式

ハートリー=フォック方程式(ハートリーフォックほうていしき、Hartree–Fock equation)は、多電子系を表すハミルトニアンの固有関数(波動関数)を一個のスレーター行列式で近似(ハートリー=フォック近似)した場合に、それが基底状態に対する最良の近似となるような(スピンを含む)1電子分子軌道の組を探し出すための方程式である。ウラジミール・フォックによって導かれた。分子軌道法の基本となる方程式である。 ハートリー=フォック方程式 は、\の近似的な解が与えられた場合、方程式中の\置換することで方程式 が誘導される。すなわちこの方程式の\hatには固有関数\psiは含まれず、普通の固有値方程式として解くことが出来る。 これにより得られた解を近似解として適用し再帰的に解く事で、多電子系のフェルミ粒子(この場合は電子)全体の作る平均場と、その中で一粒子運動をするフェルミ粒子の波動関数を自己無撞着に決定することができる(SCF法)。.

新しい!!: 大きさについての無矛盾性とハートリー=フォック方程式 · 続きを見る »

結合クラスター法

結合クラスター法(けつごうクラスターほう、クラスター展開法、CC法:Coupled Cluster)は多体系を記述するために使われる数値手法である。最もよく使われるのは、量子化学(計算化学)におけるポスト-ハートリー-フォック第一原理計算がある。CC法は、ハートリーフォック分子軌道法を基本にして、電子相関を考慮する指数関数クラスター演算子を使って多電子波動関数を構成する。CC法を用いて、小さい分子や中程度の大きさの分子について最も正確な計算を行うことができる。.

新しい!!: 大きさについての無矛盾性と結合クラスター法 · 続きを見る »

量子化学

量子化学(りょうしかがく、quantum chemistry)とは理論化学(物理化学)の一分野で、量子力学の諸原理を化学の諸問題に適用し、原子と電子の振る舞いから分子構造や物性あるいは反応性を理論的に説明づける学問分野である。.

新しい!!: 大きさについての無矛盾性と量子化学 · 続きを見る »

配置間相互作用法

配置間相互作用法(はいちかんそうごさようほう、configuration interaction method、略称: CI 法)は、量子化学において、多電子系におけるボルン-オッペンハイマー近似のもとで非相対論的シュレーディンガー方程式を解くために用いられる線形変分的なポスト-ハートリー-フォック法である。 数学的に「配置」とは、波動関数として用いられるスレイター行列式の線形結合で記述される。軌道の占有数(たとえば(1s)2(2s)2(2p)1...)の観点では、「相互作用」は異なる電子配置(状態)の混ざり合い(相互作用)を意味する。CI計算には必要なCPU時間や巨大なハードウェアが必要なため、CI法の使用は相対的に小さい系に限られる。 ハートリーフォック法では波動関数は1つのスレイター行列式で表す。 しかしCI法では電子相関を考慮しているため、CI法では、スピン軌道(上付きSOで記述される)で構成される配置状態関数(CSF)の線形結合を用いる。 ここで通常はΨは系の電子基底状態である。その後、変分法によって係数c_ \ とその時のエネルギー固有値を求める。 この展開が、適切な対称性の可能なすべての配置状態関数(CSF)を含んでいる場合、これは1粒子基底によって張られた空間で電子のシュレーディンガー方程式を正確に解くFull CI法である。上記の展開における1次項は普通はハートリー-フォック行列式である。他のSCFは、ハートリーフォック行列式から仮想軌道交換されたスピン軌道の数によって分けられる。1つのスピン軌道が異なっていたならば、これを1励起行列式で記述する。2つのスピン軌道が異なっていたならば、2励起行列式である。これはCI空間と呼ばれる展開での行列式の数を制限するのに使われる。 打ち切られた (truncated) CI空間は計算時間を省くのに重要である。たとえば、CID法では2励起だけに限られる。CISD法では1励起と2励起だけに限られる。これらのCID法、CISD法は多くの場合で用いられる。 デビッドソン補正は大きさについての無矛盾性を補正するために使われる。打ち切られたCI法の問題は、無限に離れた2粒子のエネルギーが1粒子のエネルギーの2倍ではないという大きさの矛盾性(size-inconsistency)である。 CI法は一般化行列固有値方程式へとつながる。 ここでcは係数ベクトル、eは固有値行列であり、ハミルトニアンの行列要素、重なり行列の行列要素はそれぞれ以下のようになる。 \boldsymbol_ &.

新しい!!: 大きさについての無矛盾性と配置間相互作用法 · 続きを見る »

出ていきます入ってきます
ヘイ!私たちは今、Facebook上です! »