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可逆反応

索引 可逆反応

可逆反応(かぎゃくはんのう 独: reversible Reaktion、英:reversible reaction)とは、化学反応のうち、始原系(原料)から生成系(生成物)への反応(正反応)と、反対に生成系から始原系に戻る反応(逆反応またはレトロ反応)がともに起こる反応のことである。ある系においてそれらの正、逆反応しか起こらなければ、その系は最終的に一定量の基質と生成物を含む平衡状態に落ち着く。その場合、正反応と逆反応の速度定数の比が平衡定数となる。 可逆反応とは反対に、正反応のみが起こり逆反応が起こらない反応を、不可逆反応と呼ぶ。 可逆反応は始原系と生成系のエネルギー差が小さく、活性化エネルギーが低い場合に起こる。可逆反応を化学反応式で表すときは、始原系と生成系の間に右向きの片矢印と左向きの片矢印を上下に重ねて書く。例として、アンモニアとアンモニウムイオンとの間の酸塩基反応を示す。 アンモニアの酸塩基反応: ある系が可逆反応により一定の平衡状態となってしまうと、基質がいつまでも残ってしまう状況に陥ることがある。それを解決して生成物を効率良く得るために、生成物を系外に除去する工夫をしたり、複数の基質のうちの一方を溶媒などとして大過剰量で用いたりすることで、平衡を生成物側に偏らせる手法がとられる。 ある反応で複数の生成物が得られる可能性があり、その生成比が、生成物、反応中間体、基質のいずれか、あるいはいくつかを含む可逆反応の平衡定数で決定される場合、そのような選択性を熱力学的支配による選択性、という。.

18 関係: 基質 (化学)反応中間体可逆不可逆反応平衡平衡定数化学反応化学反応式化学平衡フィッシャーエステル合成反応アンモニアアンモニウムアセタールカルボニル基酸と塩基速度定数活性化エネルギー溶媒

基質 (化学)

基質(英語:substrate)とは、化学反応において他の試薬と反応して生成物を作る化学種の1つである。合成化学や有機化学においては、基質の化合物にわずかに修正を加えて目的の物質へと変換する。 生化学においては酵素と結合して酵素が働く場所となる物質を基質と呼ぶ。ルシャトリエの原理より、基質は濃度が変化する物質である。「基質」という言葉が指すものは文脈によって大きく異なる。 自発的反応.

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反応中間体

反応中間体(はんのうちゅうかんたい)、略して中間体とは、化学反応の過程で、反応物(あるいは前段階の中間体)から反応によって生成し、またさらに反応して最終生成物を与える分子実体のことである。 ほとんどの化学反応は複数の素反応からなる多段階反応であり、(最終生成物が生成する最後の段階を除いた)それぞれの素反応の生成物が反応中間体である。 例えば、次のような架空の反応を考えてみる。 そして、この反応が次のような素反応からなっていたとする。 このとき、X*が反応中間体である。.

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可逆

ある系の状態が別の状態に変化したとき、外部と系との間でやり取りした熱と仕事を元に戻して、外部に何ら変化を残さずに系を元の状態に戻すことができることを可逆(reversible)と言い、このような変化(過程)を可逆過程(reversible process)と言う。系および外部が元の状態に戻りさえすれば、元に戻す変化の経路は問わない。 可逆過程であるためには、変化の途中において、系内および系と周囲との間で熱平衡、力学的平衡、化学的平衡が保たれていることが必要であり、このような理想化した状態変化を準静的過程と言う。可逆過程は常に準静的だが、準静的過程であっても可逆でないものは存在する.

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不可逆反応

不可逆反応(ふかぎゃくはんのう、irreversible reaction)とは、化学反応のうち、正反応のみが起こり逆反応が起こらない、または逆反応が無視し得る程度にしか起こらないために、一方向のみに進行する反応を指す。広くは、反応生成物がさらなる化学反応などで消費される、あるいは系外へ除去されるために逆反応が起こらない反応も「反応が不可逆的に進行する」などという。反対に、逆反応が起こる化学反応は可逆反応と呼ぶ。 例えば燃焼は不可逆反応である。燃えてしまったものは元には戻らない 反応の始原系に比べ、生成系の自由エネルギーがはっきりと安定である場合は、逆反応の活性化エネルギーが高くなるために反応は不可逆となる。 不可逆反応を化学反応式で表す場合は、始原系と生成系の間に一方向の矢印を書く。 ある条件では不可逆であるような反応も、反応温度を上げる、または適当な触媒を加えることで逆反応が無視できなくなり可逆反応となることがある。 ある始原系から生成系に至るまでに複数の不可逆反応による枝分かれがあり、それらの反応速度比により生成物に選択性があらわれた場合、それを速度論的支配による選択性、という。 Category:化学反応.

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平衡

平衡(へいこう、balance, equilibration, equilibrium)は、物が釣り合って安定していること、あるいはその釣り合い。平衡させることを英語で といい、そのときの状況が である。 および は「平衡」の他に「均衡」とも訳される。平衡と似た概念として詳細釣り合いがある。.

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平衡定数

平衡定数(へいこうていすう、)は、化学反応の平衡状態を、物質の存在比で表したもの。.

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化学反応

化学反応(かがくはんのう、chemical reaction)は、化学変化の事、もしくは化学変化が起こる過程の事をいう。化学変化とは1つ以上の化学物質を別の1つ以上の化学物質へと変化する事で、反応前化学物質を構成する原子同士が結合されたり、逆に結合が切断されたり、あるいは化学物質の分子から電子が放出されたり、逆に電子を取り込んだりする。広義には溶媒が溶質に溶ける変化や原子のある同位体が別の同位体に変わる変化、液体が固体に変わる変化MF2等も化学変化という。 化学変化の前後では、化学物質の分子を構成する原子の結合が変わって別の分子に変化する事はあるが、原子そのものが別の原子番号の原子に変わる事はない(ただし原子間の電子の授受や同位体の変化はある)。この点で原子そのものが別の原子に変化する原子核反応とは大きく異なる。 化学反応では反応前の化学物質を反応物(reactant)、反応後の化学物質を生成物(product)といい、その過程は化学反応式で表記される。例えば反応物である(塩酸)とNaOH(水酸化ナトリウム)が化学反応して生成物であるH2O(水分子)とNaCl(食塩)ができあがる状況を示した化学反応式は と表記される。.

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化学反応式

化学反応式(かがくはんのうしき、)とは、物質の化学変化、すなわち化学反応を表現する為の図表である。通常、化学反応式中で物質は化学式を用いて表され、物質の間での化学量論的な関係を表したり、反応機構や化学反応前後での物質の構造変化を表現したりする。.

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化学平衡

化学平衡(かがくへいこう、chemical equilibrium)とは可逆反応において、順方向の反応と逆方向との反応速度が釣り合って反応物と生成物の組成比が巨視的に変化しないことをいう。.

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フィッシャーエステル合成反応

フィッシャーエステル合成反応(フィッシャーエステルごうせいはんのう、Fischer esterification)あるいはフィシャー・スペイアエステル合成反応(Fischer–Speier esterification)とは有機化学における化学反応のひとつで、酸触媒を用いたカルボン酸エステルの合成法である。1895年にエミール・フィッシャーとアルトゥル・スペイアによって報告されたFischer (1895).

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アンモニア

アンモニア (ammonia) は分子式が NH_3 で表される無機化合物。常温常圧では無色の気体で、特有の強い刺激臭を持つ。 水に良く溶けるため、水溶液(アンモニア水)として使用されることも多く、化学工業では基礎的な窒素源として重要である。また生体において有毒であるため、重要視される物質である。塩基の程度は水酸化ナトリウムより弱い。 窒素原子上の孤立電子対のはたらきにより、金属錯体の配位子となり、その場合はアンミンと呼ばれる。 名称の由来は、古代エジプトのアモン神殿の近くからアンモニウム塩が産出した事による。ラテン語の sol ammoniacum(アモンの塩)を語源とする。「アモンの塩」が意味する化合物は食塩と尿から合成されていた塩化アンモニウムである。アンモニアを初めて合成したのはジョゼフ・プリーストリー(1774年)である。 共役酸 (NH4+) はアンモニウムイオン、共役塩基 (NH2-) はアミドイオンである。.

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アンモニウム

アンモニウム(ammonium)は、化学式NH4+の分子イオンである。 アンモニア(NH3)のプロトン化によって形成される。 アンモニウムは、NH4+の1つ以上の水素原子が有機基に置き換わってできる、陽電荷を持った、またはプロトン化置換基を持つアミンや、第四級アンモニウムカチオン(NR4+)に対する一般名でもある。.

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アセタール

アセタール (acetal) は有機化合物のうち、R3−C(OR1)(OR2)−R4 で表されるエーテルの呼称で、アルデヒドもしくはケトンに酸触媒下でアルコールを縮合させると得られる。 かつてはアルデヒドから得られるものをアセタール、ケトンから得られるものをケタールと呼んで区別していたが、現在はいずれもアセタールと呼ぶことが推奨されている。 アルデヒド、ケトンのアセタール化反応は二段階の可逆反応であり、反応中間体としてヘミアセタール (R1−C(OR')(OH)−R2) が生成する。これは通常は不安定なので直ちに別のアルコールと反応しアセタールとなるか、脱アルコールして元のアルデヒド、ケトンに戻る。しかし強い電子求引性基を持つアルデヒドやケトンをアルコール溶媒に溶解した場合には、ヘミアセタールが安定に生成することがある。 アセタールはアルデヒドやケトンのような求電子性をあまり示さず、またアルコールのような求核性も示さない。そして温和な酸性条件で元のアルデヒドやケトン、ジオールへと戻すことができる。そのため、アルデヒド、ケトン、1,2- または 1,3-ジオールの保護基としてしばしば使用される。特に、ジオールとアセトンが縮合してできる環状アセタールのことをアセトニド (acetonide) と呼ぶ。 「アセタール」はアセトアルデヒドジエチルアセタール ((CH3CH2O)2CHCH3) の慣用名でもある。 アセタール構造を持つ重合体として、ポリアセタール(アセタール樹脂)がある。.

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カルボニル基

ルボニル基(カルボニルき、carbonyl group)は有機化学における置換基のひとつで、−C(.

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酸と塩基

酸と塩基(さんとえんき)は化学反応における性質である。化学の初期には水溶液における化学反応を水素イオンと水酸化物イオンから説明するものとして酸と塩基を定義付けていたが(アレニウスの定義)、化学の発展とともにその定義は拡張され、今日では水溶液に限定しない一般の化学反応における電子対の授受により酸と塩基は定義付けられている(ルイスの定義)。.

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速度定数

速度定数(そくどていすう)は化学反応において生成物または反応物が増減する速さを表す量である。 反応速度に関する全般的な理論については反応速度論を、定式化の詳細は反応速度を参照のこと。.

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活性化エネルギー

活性化エネルギー(かっせいかエネルギー)とは、反応の出発物質の基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーである。アレニウスパラメータとも呼ばれる。活性化エネルギーが高いことを活性化障壁と表現することもある。 吸熱反応においては、反応物と生成物の内部エネルギー(またはエンタルピー)に差がある場合には、最低限その差に相当するエネルギーを外部から受け取らなければならない。しかし、実際の反応においてはそれだけでは十分でなく、その差以上のエネルギーを必要とする場合がほとんどである。大きなエネルギーを受け取ることで、出発物質は生成物のエネルギーよりも大きなエネルギーを持った遷移状態となり、遷移状態となった出発物質はエネルギーを放出しながら生成物へと変換する。これは発熱反応の場合にも当てはまり、たとえ出発物質よりも生成物のエネルギーの方が低いとしても、活性化エネルギーの壁を越えられなければ反応は進行しない。例えば炭素と酸素を常温・常圧で混ぜても反応しないが、熱などにより活性化エネルギー分を供給してやることによって燃焼反応が進行する。 触媒作用とは、遷移状態を安定化することにより反応に必要な活性化エネルギーを下げ、反応を進みやすくすることである。.

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溶媒

水は最も身近で代表的な溶媒である。 溶媒(ようばい、solvent)は、他の物質を溶かす物質の呼称。工業分野では溶剤(ようざい)と呼ばれることも多い。最も一般的に使用される水のほか、アルコールやアセトン、ヘキサンのような有機物も多く用いられ、これらは特に有機溶媒(有機溶剤)と呼ばれる。 溶媒に溶かされるものを溶質(solute)といい、溶媒と溶質を合わせて溶液(solution)という。溶媒としては、目的とする物質を良く溶かすこと(溶解度が高い)、化学的に安定で溶質と化学反応しないことが最も重要である。目的によっては沸点が低く除去しやすいことや、可燃性や毒性、環境への影響などを含めた安全性も重視される。水以外の多くの溶媒は、きわめて燃えやすく、毒性の強い蒸気を出す。また、化学反応では、溶媒の種類によって反応の進み方が著しく異なることが知られている(溶媒和効果)。 一般的に溶媒として扱われる物質は常温常圧では無色の液体であり、独特の臭気を持つものも多い。有機溶媒は一般用途としてドライクリーニング(テトラクロロエチレン)、シンナー(トルエン、テルピン油)、マニキュア除去液や接着剤(アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル)、染み抜き(ヘキサン、石油エーテル)、合成洗剤(オレンジオイル)、香水(エタノール)あるいは化学合成や樹脂製品の加工に使用される。また抽出に用いる。.

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