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共有結合

索引 共有結合

H2(右)を形成している共有結合。2つの水素原子が2つの電子を共有している。 共有結合(きょうゆうけつごう、covalent bond)は、原子間での電子対の共有をともなう化学結合である。結合は非常に強い。ほとんどの分子は共有結合によって形成される。また、共有結合によって形成される結晶が共有結合結晶である。配位結合も共有結合の一種である。 この結合は非金属元素間で生じる場合が多いが、金属錯体中の配位結合の場合など例外もある。 共有結合はσ結合性、π結合性、金属-金属結合性、アゴスティック相互作用、曲がった結合、三中心二電子結合を含む多くの種類の相互作用を含む。英語のcovalent bondという用語は1939年に遡る。接頭辞のco- は「共同」「共通」などを意味する。ゆえに、「co-valent bond」は本質的に、原子価結合法において議論されているような「原子価」(valence)を原子が共有していることを意味する。 分子中で、水素原子は共有結合を介して2つの電子を共有している。共有結合性は似た電気陰性度の原子間で最大となる。ゆえに、共有結合は必ずしも同種元素の原子の間だけに生じるわけではなく、電気陰性度が同程度であればよい。3つ以上の原子にわたる電子の共有を伴う共有結合は非局在化している、と言われる。.

91 関係: 原子原子価原子価結合法原子軌道単結合反応機構反結合性軌道塩化水素密度汎関数理論常磁性三中心二電子結合三中心四電子結合三重結合一酸化窒素二リチウム二重結合二酸化塩素二酸化硫黄二酸化炭素価電子価標化学結合ナイロンハートリー=フォック方程式ポリエチレンメタンヨウ素ライナス・ポーリングラジカル (化学)ルイス構造式ロバート・マリケンヴァルター・ハイトラーヒュッケル則デンプンフリードリッヒ・フントフリッツ・ロンドンダイヤモンドベンゼン分子分子対称性分子軌道分子軌道法アンゲヴァンテ・ケミーアーヴィング・ラングミュアイオン化エネルギーイオン結合エタノールオクテット則ギルバート・ルイスクラスター化合物...グラファイトコンピュータジョン・レナード=ジョーンズジボランジスルフィド結合タンパク質六フッ化硫黄共鳴理論共有結合半径共有結合結晶四中心二電子結合四フッ化キセノン石英硝酸立体配座米国化学会誌結合エネルギー結合解離エネルギー結合次数非局在化電子非結合性軌道非金属元素複素環式化合物高分子量子力学量子化学金属結合配位結合配置間相互作用法電子電子相関電子配置電気陰性度電気抵抗率LCAO法極性分子構造原理水素分子イオン混成軌道有機化学曲がった結合 インデックスを展開 (41 もっと) »

原子

原子(げんし、άτομο、atom)という言葉には以下の3つの異なった意味がある。.

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原子価

原子価(げんしか)とはある原子が何個の他の原子と結合するかを表す数である。学校教育では「手の数」や「腕の本数」と表現することがある。 元素によっては複数の原子価を持つものもあり、特に遷移金属は多くの原子価を取ることができるため、多様な酸化状態や反応性を示す。.

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原子価結合法

量子化学において原子価結合法(げんしかけつごうほう、valence bond theory、略称: VB法)とは、化学結合を各原子の原子価軌道に属する電子の相互作用によって説明する手法である。.

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原子軌道

原子軌道(げんしきどう、, AO)は、原子核のまわりに存在する1個の電子の状態を記述する波動関数のことである。電子軌道とも呼ばれる。 その絶対値の二乗は原子核のまわりの空間の各点における、電子の存在確率に比例する。 ここでいう軌道 (orbital) とは、古典力学における軌道 (orbit) とは意味の異なるものである。量子力学において、電子は原子核のまわりをまわっているのではなく、その位置は確率的にしか分らない。.

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単結合

共有結合における単結合は通常、σ結合(シグマ結合)と呼ばれる結合でできている。 詳しい議論には、量子化学の知識が必要である。.

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反応機構

化学において、反応機構(はんのうきこう、Reaction mechanism)は、全体の化学的変化を起こす段階を追った一続きのである。 反応機構は全体の化学反応の各段階で起こることを詳細に記述しようと試みる理論的な推論である。反応の詳細な段階はほとんどの場合において観測不可能である。推測反応機構はそれが熱力学的にもっともらしいという理由で選ばれ、単離した中間体または反応の定量的および定性的特徴から実験的に支持される。反応機構は個々の反応中間体、、遷移状態や、どの結合が(どの順番で)切れるか、どの結合が(どの順番で)形成されるか、も記述する。完全な機構はと触媒が使われた理由や、反応物および生成物で観察される立体化学、全ての生成物とそれぞれの量、についても説明しなければならない。 反応機構を図示するために描画法が頻繁に使われる。 反応機構は分子が反応する順番についても説明しなければならない。大抵、単段階変換に見える反応は実際には多段階反応である。.

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反結合性軌道

H2 1sσ* 反結合性分子軌道 化学結合理論において、反結合性軌道(はんけつごうせいきどう、antibonding orbital)は、電子によって占有された場合に2つの原子間の結合を弱め、分かれた原子の状態よりも分子のエネルギーを上昇させる分子軌道の一種である。このような軌道は核間の結合領域に1つ以上の節を持つ。この軌道における電子の密度は結合領域の外側に集中し、核を互いに遠ざけ、2つの原子間に相互反発を生じさせる。.

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塩化水素

塩化水素(えんかすいそ、英: hydrogen chloride)は塩素と水素から成るハロゲン化水素。化学式 HCl。常温常圧で無色透明、刺激臭のある気体。有毒。塩酸ガスとも呼ばれる。.

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密度汎関数理論

密度汎関数理論(みつどはんかんすうりろん、density functional theory、略称: DFT)は電子系のエネルギーなどの物性を電子密度から計算することが可能であるとする理論である。また密度汎関数法(みつどはんかんすうほう)は密度汎関数理論に基づく電子状態計算法である。 密度汎関数理論は物理や化学の分野で、原子、分子、凝集系などの多体電子系の電子状態を調べるために用いられる量子力学の手法である。この理論では多体系の全ての物理量は空間的に変化する電子密度の汎関数(すなわち関数の関数)として表され、密度汎関数理論という名前はそこから由来している。密度汎関数理論は凝集系物理学や計算物理、計算化学の分野で実際に用いられる手法の中で、もっとも使われていて汎用性の高い手法である。 1970年代には密度汎関数理論は固体物理でよく用いられるようになった。多くの固体で密度汎関数理論を用いた計算は実験結果との十分な一致を得ることができ、しかも計算コストもハートリー–フォック法やその派生といった多体の波動関数を用いる手法と比べて小さかった。密度汎関数理論を用いた方法は1990年代までは量子化学の計算には十分な精度がでないと考えられていたが、交換-相関相互作用に対する近似が改善されることによって今日では化学と固体物理学の両方の分野を牽引する手法の一つとなっている。 このような進歩にも関わらず、分子間相互作用(特にファンデルワールス力)や、電荷移動励起、ポテンシャルエネルギー面、強い相関を持った系を表現することや、半導体のバンドギャップを計算することは、未だに密度汎関数理論を用いた手法での扱いが難しい。(すくなくとも単独では)分散を表現するのに効果的な密度汎関数理論を用いた手法は今のところ存在せず、分散が支配する系(例えば、相互作用しあう希ガス原子)や分散が他の効果と競い合うような系(例えば生体分子)では適切な取り扱いを難しくしている。この問題を解決するために、汎関数を改善したり、他の項を取り入れたりする手法が現在の研究の話題となっている。.

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常磁性

常磁性(じょうじせい、英語:paramagnetism)とは、外部磁場が無いときには磁化を持たず、磁場を印加するとその方向に弱く磁化する磁性を指す。熱ゆらぎによるスピンの乱れが強く、自発的な配向が無い状態である。 常磁性の物質の磁化率(帯磁率)χは温度Tに反比例する。これをキュリーの法則と呼ぶ。 比例定数Cはキュリー定数と呼ばれる。.

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三中心二電子結合

三中心二電子結合(さんちゅうしんにでんしけつごう、three-center two-electron bond)とは、電子不足な化合物に現れる化学結合の様式のひとつで、3個の原子が2個の電子を共有しながら結びついている状態である。3c-2e と略記される。 三中心結合の考え方では、3個の原子がそれぞれ1個ずつ原子軌道を与え、3個の分子軌道、つまり結合性軌道と非結合性軌道と反結合性軌道を形成する。2個の電子がその結合性軌道へ入ると、3個の原子を結びつける結合力を生み出す。多くの場合、結合性軌道は3個の原子に均等に配置するのではなく、2個の原子の上に偏っている。また、3個の原子の並びはバナナのように曲がっており、バナナ型結合と称される。.

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三中心四電子結合

三中心四電子結合(さんちゅうしんよんでんしけつごう)とは三中心結合の一種で、超原子価化合物の結合を説明するために用いられる結合様式モデルである。1951年に (George C. Pimentel) が提唱した三中心四電子結合モデルは、以前に電子不足の化合物についてRobert E. Rundleが研究した三中心結合モデルを発展させたものであった。そこからPimentel-Rundle三中心モデルとも呼ばれる。3c-4eと略記される。 三中心四電子結合モデルは、同一直線状に並んだ3個の原子の間に考えられる。直線分子の二フッ化キセノン (XeF2) を例にすると、まずF-Xe-F構造の上に、それぞれの原子上のp軌道の線形結合によって作られる3個の分子軌道 (MO) があるとする。ふたつは3個の原子上に分布を持つ結合性軌道と反結合性軌道、もうひとつは2個のF上に分布を持つ非結合性軌道である。ここに4個の電子が入り、安定な2軌道、すなわち結合性軌道と非結合性軌道が電子2個ずつで満たされ、反結合性軌道は空のまま残る。結合性軌道に電子が入るのでF-Xe-F構造の間に結合力が生じる。ここでHOMOにあたる非結合性軌道は両端にある2個のF上に分布するため、電子の分布はF上に偏ることになる。一般に超原子価化合物において配位原子の電子密度が高いのはこのような理由によって説明される。 原子価結合理論では、XeF2の結合は下のような共鳴式で描かれる。 \rm \bigg この共鳴式も、Xe-Fの結合次数が 1/2 でありオクテット則が破られていないこと、 F上に負電荷が分布していることを表しており、上の分子軌道理論による説明と合う。 ただし、XeF2はその結合が(上記の共鳴から考えられるより)非常に安定であることから、実際の結合様式に関しては現在でも議論が続いている。2013年には、上記のF-Xe+F-という状態に加え、F-Xe2+F-という完全にイオン的な結合も同程度の寄与をしている、という計算結果が発表されている。 他の超原子価化合物、五フッ化リン (PF5) や四フッ化硫黄 (SF4) では3個のP-F結合または2個のS-F共有結合とともに1個の三中心四電子結合F-P-FまたはF-S-Fがあるとする。六フッ化硫黄 (SF6) やキセノンの他のフッ化物 (XeF4、XeF6) では全ての結合は三中心四電子結合で表される。 古いモデルではd軌道の寄与で超原子価化合物が説明されていた。しかし電子が満たされたp軌道と空のd軌道とのエネルギー差は大きく、量子化学計算の結果はd軌道の寄与はほぼ無視できると示している。三中心四電子結合モデルは、d軌道を考慮する必要がない利点により受け入れられている。.

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三重結合

化学における三重結合(さんじゅうけつごう、triple bond)は、通常の単結合での2つの電子の代わりに6つの結合電子が関与する、2元素間の化学結合である。最も一般的な三重結合は、炭素-炭素間の結合であり、アルキンで見ることができる。その他の三重結合を含む官能基は、シアニドやイソシアニドである。二窒素や一酸化炭素といったいくつかの二原子分子も三重結合を持つ。構造式では、三重結合は2つの結合原子間の3本の平行線として描かれる。 三重結合は、単結合や二重結合よりも強く、短い。結合次数は3である。.

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一酸化窒素

一酸化窒素(いっさんかちっそ、nitric oxide)は窒素と酸素からなる無機化合物で、化学式であらわすと NO。酸化窒素とも呼ばれる。 常温で無色・無臭の気体。水に溶けにくく、空気よりやや重い。有機物の燃焼過程で生成し、酸素に触れると直ちに酸化されて二酸化窒素 NO2 になる。硝酸の製造原料。光化学スモッグや酸性雨の成因に関連する。また体内でも生成し、血管拡張作用を有する。窒素の酸化数は+2。.

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二リチウム

二リチウム(にリチウム、dilithium、Li2)は、共有結合した2つのリチウム原子からなる強い求電子性二原子分子である。Li2は気相で知られている。結合次数は1、核間距離は267.3 pm、結合エネルギーは101 kJ mol−1。 Li2の電子配置はσ2と書くことができる。.

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二重結合

二重結合(にじゅうけつごう、double bond)は、通常2つの代わりに4つの結合電子が関与する、2元素間の化学結合である。最も一般的な二重結合は、2炭素原子間のものでアルケンで見られる。2つの異なる元素間の二重結合には多くの種類が存在する。例えばカルボニル基は炭素原子と酸素原子間の二重結合を含む。その他の一般的な二重結合は、アゾ化合物 (N.

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二酸化塩素

二酸化塩素(にさんかえんそ、chlorine dioxide)とは塩素の酸化物で、化学式 ClO2で表される無機化合物である。塩素の酸化数は+4。.

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二酸化硫黄

二酸化硫黄(にさんかいおう、Sulfur Dioxide)は、化学式SO2の無機化合物である。刺激臭を有する気体で、別名亜硫酸ガス。化石燃料の燃焼などで大量に排出される硫黄酸化物の一種であり、きちんとした処理を行わない排出ガスは大気汚染や環境問題の一因となる。 二酸化硫黄は火山活動や工業活動により産出される。石炭や石油は多量の硫黄化合物を含んでおり、この硫黄化合物が燃焼することで発生する。火山活動でも発生する。二酸化硫黄は二酸化窒素などの存在下で酸化され硫酸となり、酸性雨の原因となる。.

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二酸化炭素

二酸化炭素(にさんかたんそ、carbon dioxide)は、化学式が CO2 と表される無機化合物である。化学式から「シーオーツー」と呼ばれる事もある。 地球上で最も代表的な炭素の酸化物であり、炭素単体や有機化合物の燃焼によって容易に生じる。気体は炭酸ガス、固体はドライアイス、液体は液体二酸化炭素、水溶液は炭酸・炭酸水と呼ばれる。 多方面の産業で幅広く使われる(後述)。日本では高圧ガス保安法容器保安規則第十条により、二酸化炭素(液化炭酸ガス)の容器(ボンベ)の色は緑色と定められている。 温室効果ガスの排出量を示すための換算指標でもあり、メタンや亜酸化窒素、フロンガスなどが変換される。日本では2014年度で13.6億トンが総排出量として算出された。.

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価電子

価電子(かでんし、valence electron)とは、原子内の最外殻の電子殻をまわっている電子のことである。原子価電子(げんしかでんし)ともいう。ただし、最外殻電子がちょうどその電子殻の最大収容数の場合、または最外殻電子が8個の場合、価電子の数は0とする。 原子が化合物や結晶等を構成する際に、それらの化学結合や物性は、その原子内の核外電子が深く関わる。原子内の電子軌道を回る電子には、化学結合や物性に深く関わるものと、ほとんど関係しないものがある。化学結合や物性に関わる電子は、原子内の最外殻など外側を回っている。これらが価電子と言われる。逆に、原子核に近い軌道にある電子(内殻電子)は、通常の物性や化学結合に寄与することはほとんどない(が、例外も存在する)。 固体の絶縁体や半導体における価電子帯を占める電子を指すこともある。固体の金属においては、伝導電子(自由電子)に相当する。 典型元素の価電子は、その元素より原子番号の小さい最初の希ガス原子の核外電子の軌道より外側の軌道を回るものがなる。ただし、典型元素でも、ガリウムの3d軌道のように、比較的浅い内殻電子は、価電子的な振る舞いをし物性や化学結合に寄与する場合がある。例えば、窒化ガリウムでは、化合物の構成に関与している。また、遷移元素では、価電子は最外殻電子を意味していないため、特定の価電子を持っていないと言える。特にf電子をもつ元素では、価電子の定義は必ずしもこのようにはならない場合が少なくない。.

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価標

価標(かひょう、bond)とは、化合物の化学構造を示す際に、原子間の結合を示すために用いる表示のことである。 五酸化二リン(十酸化四リン)の構造式。この場合、酸素とリンの間をつなぐ線が価標である。.

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化学結合

化学結合(かがくけつごう)は化学物質を構成する複数の原子を結びつけている結合である。化学結合は分子内にある原子同士をつなぎ合わせる分子内結合と分子と別の分子とをつなぎ合わせる分子間結合とに大別でき、分子間結合を作る力を分子間力という。なお、金属結晶は通常の意味での「分子」とは言い難いが、金属結晶を構成する結合(金属結合)を説明するバンド理論では、分子内結合における原子の数を無限大に飛ばした極限を取ることで、金属結合の概念を定式化している。 分子内結合、分子間結合、金属結合のいずれにおいても、化学結合を作る力は原子の中で正の電荷を持つ原子核が、別の原子の中で負の電荷を持つ電子を電磁気力によって引きつける事によって実現されている。物理学では4種類の力が知られているが、電磁気力以外の3つの力は電磁気力よりも遥かに小さい為、化学結合を作る主要因にはなっていない。したがって化学結合の後述する細かな分類、例えば共有結合やイオン結合はどのような状態の原子にどのような形で電磁気力が働くかによる分類である。 化学結合の定式化には、複数の原子がある場合において電子の軌道を決定する必要があり、そのためには量子力学が必須となる。しかし多くの簡単な化合物や多くのイオンにおいて、化学結合に関する定性的な説明や簡単な定量的見積もりを行う分には、量子力学で得られた知見に価電子や酸化数といった分子の構造と構成を使って古典力学的考察を加える事でも可能である。 それに対し複雑な化合物、例えば金属複合体では価電子理論は破綻し、その振る舞いの多くは量子力学を基本とした理解が必要となる。これに関してはライナス・ポーリングの著書、The Nature of the Chemical Bondで詳しく述べられている。.

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ナイロン

ナイロン6とナイロン6,6の分子構造 ナイロン(nylon)は、ポリアミド合成樹脂の種類である。当初は主に繊維として使われた。世界初の合成繊維のナイロン6,6(6,6-ナイロンなどとも)が含まれる。 1935年、アメリカのデュポン社のウォーレス・カロザースが合成に成功した。ナイロンは本来、インビスタ社(旧デュポン・テキスタイル・アンド・インテリア社)の商品名だが、現在ではポリアミド系繊維(単量体がアミド結合(-CO-NH-)により次々に縮合した高分子)の総称として定着している。 ナイロン(nylon)の名称は、「伝線(run)しないパンティストッキング用の繊維」を意図した「norun」に由来する。 また、ナイロン登場前に絹の圧倒的シェアを誇っていた日本に対して「Now You Lousy Old Nipponese」(古い日本製品はもうダメだ)の頭文字をとったという説もある 種類としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6などがある。これらの数字は、合成原料の炭素原子の数に由来す 構造(右図)は、.

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ハートリー=フォック方程式

ハートリー=フォック方程式(ハートリーフォックほうていしき、Hartree–Fock equation)は、多電子系を表すハミルトニアンの固有関数(波動関数)を一個のスレーター行列式で近似(ハートリー=フォック近似)した場合に、それが基底状態に対する最良の近似となるような(スピンを含む)1電子分子軌道の組を探し出すための方程式である。ウラジミール・フォックによって導かれた。分子軌道法の基本となる方程式である。 ハートリー=フォック方程式 は、\の近似的な解が与えられた場合、方程式中の\置換することで方程式 が誘導される。すなわちこの方程式の\hatには固有関数\psiは含まれず、普通の固有値方程式として解くことが出来る。 これにより得られた解を近似解として適用し再帰的に解く事で、多電子系のフェルミ粒子(この場合は電子)全体の作る平均場と、その中で一粒子運動をするフェルミ粒子の波動関数を自己無撞着に決定することができる(SCF法)。.

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ポリエチレン

製造法によっては、ポリエチレンは分岐構造をもつ。 ポリエチレン(polyethylene、polyethene)、略称PEは、エチレンが重合した構造を持つ高分子である。最も単純な構造をもつ高分子であり、容器や包装用フィルムをはじめ、様々な用途に利用されている。 基本的にはメチレン(-CH2-)のくり返しのみで構成されているが、重合法によって平均分子量や分枝数、結晶性に違いが生じ、密度や熱特性、機械特性などもそれに応じて異なる。 一般に酸やアルカリに安定。低分子量のものは炭化水素系溶剤に膨潤するが、高分子量のものは耐薬性に非常に優れる。濡れ性は低い。絶縁性が高く、静電気を帯びやすい。.

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メタン

メタン(Methan (メターン)、methaneアメリカ英語発音: (メセイン)、イギリス英語発音: (ミーセイン)。)は最も単純な構造の炭化水素で、1個の炭素原子に4個の水素原子が結合した分子である。分子式は CH4。和名は沼気(しょうき)。CAS登録番号は 。カルバン (carbane) という組織名が提唱されたことがあるが、IUPAC命名法では非推奨である。.

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ヨウ素

ヨウ素(ヨウそ、沃素、iodine)は、原子番号 53、原子量 126.9 の元素である。元素記号は I。あるいは分子式が I2 と表される二原子分子であるヨウ素の単体の呼称。 ハロゲン元素の一つ。ヨード(沃度)ともいう。分子量は253.8。融点は113.6 ℃で、常温、常圧では固体であるが、昇華性がある。固体の結晶系は紫黒色の斜方晶系で、反応性は塩素、臭素より小さい。水にはあまり溶けないが、ヨウ化カリウム水溶液にはよく溶ける。これは下式のように、ヨウ化物イオンとの反応が起こることによる。 単体のヨウ素は、毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている。.

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ライナス・ポーリング

ライナス・カール・ポーリング(Linus Carl Pauling、1901年2月28日 - 1994年8月19日)は、アメリカ合衆国の量子化学者、生化学者。彼自身は結晶学者、分子生物学者、医療研究者とも自称していた。 ポーリングは20世紀における最も重要な化学者の一人として広く認められている。量子力学を化学に応用した先駆者であり、化学結合の本性を記述した業績により1954年にノーベル化学賞を受賞した。また、結晶構造決定やタンパク質構造決定に重要な業績を残し、分子生物学の草分けの一人とも考えられている。ワトソンとクリックが1953年にDNAの生体内構造である「二重らせん構造」を発表する前に、ポーリングはほぼそれに近い「三重らせん構造」を提唱していた。多方面に渡る研究者としても有名で、無機化学、有機化学、金属学、免疫学、麻酔学、心理学、弁論術、放射性崩壊、核戦争のもたらす影響などの分野でも多大な貢献があった。 1962年、地上核実験に対する反対運動の業績によりノーベル平和賞を受賞した。ポーリングは単独でノーベル賞を複数回受賞した数少ない人物の一人である。後年、大量のビタミンCや他の栄養素を摂取する健康法を提唱し、更にこの着想を一般化させて分子矯正医学を提唱、それを中心とした数冊の本を著してこれらの概念、分析、研究、及び洞察を一般社会に紹介した。.

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ラジカル (化学)

ラジカル (radical) は、不対電子をもつ原子や分子、あるいはイオンのことを指す。フリーラジカルまたは遊離基(ゆうりき)とも呼ばれる。 また最近の傾向としては、C2, C3, CH2 など、不対電子を持たないがいわゆるオクテット則を満たさず、活性で短寿命の中間化学種一般の総称として「ラジカル(フリーラジカル)」と使う場合もある。 通常、原子や分子の軌道電子は2つずつ対になって存在し、安定な物質やイオンを形成する。ここに熱や光などの形でエネルギーが加えられると、電子が励起されて移動したり、あるいは化学結合が二者に均一に解裂(ホモリティック解裂)することによって不対電子ができ、ラジカルが発生する。 ラジカルは通常、反応性が高いために、生成するとすぐに他の原子や分子との間で酸化還元反応を起こし安定な分子やイオンとなる。ただし、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル (DPPH) など、特殊な構造を持つ分子は安定なラジカルを形成することが知られている。 多くのラジカルは電子対を作らない電子を持つため、磁性など電子スピンに由来する特有の性質を示す。このため、ラジカルは電子スピン共鳴による分析が可能である。さらに、結晶制御により分子間でスピンをうまく整列させ、極低温であるが強磁性が報告されたラジカルも存在する。1991年、木下らにより報告されたp-Nitrophenyl nitronylnitroxide (NPNN)が、最初の有機強磁性体の例である (Tc.

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ルイス構造式

ルイス構造(ルイスこうぞう、Lewis structure)は、元素記号の周りに内殻電子を無視して価電子のみを点(・)で表した化学構造式の一種で、分子中に存在する原子間の結合と孤立電子対を示す図である。ルイス構造は、どの原子同士が互いに結合を形成しているか、どの原子が孤立電子対を持っているか、どの原子が形式電荷を持っているかが分かるため有用である。 ルイス構造では、単結合は一対の点(:)で表記し、二重結合、三重結合はそれぞれ電子対の数を増やして表記する。ルイス構造式は任意の共有結合分子や配位化合物を描くことができる。ルイス構造式の着想は1916年にアメリカの化学者ギルバート・N・ルイスがThe Atom and the Moleculeと題した論文で提唱した。その他にも電子式 (electronic formula)、点電子構造式、点電子表記法といった呼称がある。 File:Acqua Lewis.png|thumb|H-O-H(水)のルイス構造 File:Carbon-dioxide-octet-Lewis-2D.png|thumb|O.

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ロバート・マリケン

バート・サンダーソン・マリケン(Robert Sanderson Mulliken, 1896年6月7日- 1986年10月31日)はアメリカの化学者である。分子軌道法による化学結合および分子の電子構造に関する研究により、1966年ノーベル化学賞を受賞した。.

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ヴァルター・ハイトラー

ヴァルター・ハイトラー(Walter Heinrich Heitler, 1904年1月2日 - 1981年11月15日)はドイツの物理学者。ユダヤ系。 カールスルーエに生まれ、ベルリン大学およびミュンヘン大学で学び、アルノルト・ゾンマーフェルトの教えを受け、ミュンヘン、ベルリン、チューリッヒ、ゲッティンゲンで研究を行った。 1927年フリッツ・ロンドンと水素分子の結合力に関するハイトラー-ロンドンの方法(原子価構造理論)を発表した。この理論はその後ジョン・スレーターとライナス・ポーリングらによって原子価結合法(valence bond, VB 法)へと発展する。 1929年にゲッティンゲン大学講師となり、ナチス政権に反対して渡英し、1941年から1949年の間アイルランドのダブリンで研究し1949年チューリッヒ大学の教授となった。 ハンス・ベーテと輻射に関するベーテ=ハイトラーの公式など宇宙線の分野にも業績を残した。.

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ヒュッケル則

ヒュッケル則(ヒュッケルそく、Hückel's rule)は、平面環状分子についてその芳香族性を推定する規則で、π電子の数が 4n + 2 (n は0を含めた正の整数)であれば芳香族性を有するというものである。この4n+2をヒュッケル数と言う。1931年にドイツ人物理化学者のエーリヒ・ヒュッケルによって量子力学を基に考案された。簡潔に 4n + 2 ルールと表現したのはフォン・デーリング(1951)であるが、数名の著者が同時期にこの式を使用している。ヒュッケル則を明確に満たすのは n.

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デンプン

デンプン(澱粉、amylum、starch)とは、分子式(C6H10O5)n の炭水化物(多糖類)で、多数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子である。構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す。陸上植物におけるグルコース貯蔵の一形態であり、種子や球根などに多く含まれている。 高等植物の細胞において認められるデンプンの結晶(デンプン粒)やそれを取り出して集めたものも、一般にデンプンと呼ばれる。デンプン粒の形状や性質(特に糊化特性)は起源となった植物の種類によりかなり異なる。トウモロコシを原料として取り出したものを特にコーンスターチと呼ぶ。.

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フリードリッヒ・フント

フリードリッヒ・ヘルマン・フント(Friedrich Hermann Hund, 1896年2月4日 - 1997年3月31日)はドイツ・カールスルーエ出身の物理学者。原子・分子の研究者として知られる。 エルヴィン・シュレーディンガー、ポール・ディラック、ヴェルナー・ハイゼンベルク、マックス・ボルン、ヴァルター・ボーテといった一流の物理学者たちとともに研究を行った。フントはボルンの助手であり、二原子分子のバンドスペクトルの量子論的解釈に取り組んでいた。 マールブルク大学、ゲッティンゲン大学で数学、物理学、地理学を専攻したのち、1925年に私講師としてゲッティンゲン大学に赴任した。その後、ロストック大学教授(1927年、理論物理学)、ライプツィヒ大学教授(1929年、数理物理学)、イェーナ大学教授(1946年、理論物理学)、フランクフルト大学教授(1951年、理論物理学)、ゲッティンゲン大学教授(1957年、理論物理学)を歴任した。その間、1926年にニールス・ボーアとともにコペンハーゲンに研究滞在し、1929年にハーバード大学客員講師を務めた。250報以上の論文・報文を執筆した。量子論、特に原子・分子のスペクトル構造に関して大きな足跡を残した。特に、分子の角運動量カップリングにおける詳細な型分けを行ったフントの分類や、原子の電子配置を決定づける3つのフントの規則が、分光学や量子化学で重要な基本則として知られている。特に化学においてはフントの第1規則が重要であり、「フントの規則」と単に言った場合に第1則を表している場合も多い。他にもトンネル効果を最初に示唆し、量子化学の基礎となる分子軌道法に関するフント-マリケンの理論を確立するなどの貢献をした。 フントの100歳の誕生日には、それを祝して『Friedrich Hund: Geschichte der physikalischen Begriffe』(物理概念の歴史、ISBN 3-8274-0083-X)が刊行された。また、ヴェルナー・クッツェルニックによりレビューも書かれた。翌97年にカールスルーエで101歳の生涯を閉じた。 数多くの受賞があるほか、イェーナの名誉市民にもなり、同市の通りの一つにも名前を刻んでいる。そのほか、ゲッティンゲン大学の理論物理研究所にも "Friedrich-Hund-Platz 1" の住所が与えられている。 生前は、国際量子分子科学アカデミーの会員であった。.

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フリッツ・ロンドン

フリッツ・ロンドン フリッツ・ロンドン(Fritz Wolfgang London, 1900年3月7日 - 1954年5月30日)はドイツ生まれの物理学者である。後にアメリカ合衆国に帰化した。非分極分子間に働く分子間力、ロンドン力に名前を残している。弟に同じ物理学者のハインツ・ロンドンがいる。.

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ダイヤモンド

ダイヤモンド( )は、炭素 (C) の同素体の1つであり、実験で確かめられている中では天然で最も硬い物質である。日本語で金剛石(こんごうせき)ともいう。ダイヤとも略される。結晶構造は多くが8面体で、12面体や6面体もある。宝石や研磨材として利用されている。ダイヤモンドの結晶の原子に不対電子が存在しないため、電気を通さない。 地球内部の非常に高温高圧な環境で生成されるダイヤモンドは定まった形で産出されず、また、角ばっているわけではないが、そのカットされた宝飾品の形から、菱形、トランプの絵柄(スート)、野球の内野、記号(◇)を指してダイヤモンドとも言われている。 ダイヤモンドという名前は、ギリシア語の (adámas 征服し得ない、屈しない)に由来する。イタリア語・スペイン語・ポルトガル語では diamánte(ディアマンテ)、フランス語では (ディアマン)、ポーランド語では (ディヤメント)、漢語表現では金剛石という。ロシア語では (ヂヤマント)というよりは (アルマース)という方が普通であるが、これは特に磨かれていないダイヤモンド原石のことを指す場合がある。磨かれたものについては (ブリリヤント)で総称されるのが普通。4月の誕生石である。石言葉は「永遠の絆・純潔・不屈」など。.

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ベンゼン

ベンゼン (benzene) は分子式 C6H6、分子量 78.11 の最も単純な芳香族炭化水素である。原油に含まれており、石油化学における基礎的化合物の一つである。分野によっては慣用としてドイツ語 (Benzol:ベンツォール) 風にベンゾールと呼ぶことがある。ベンジン(benzine)とはまったく別の物質であるが、英語では同音異綴語である。.

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分子

分子(ぶんし)とは、2つ以上の原子から構成される電荷的に中性な物質を指すIUPAC.

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分子対称性

ホルムアルデヒドの対称要素。C2は2回回転軸である。σvおよびσv' は2つの等価でない鏡映面である。 化学における分子の対称性(ぶんしのたいしょうせい、molecular symmetry)は、分子に存在する対称性およびその対称性に応じた分子の分類を述べる。分子対称性は化学における基本概念であり、双極子モーメントや許容分光遷移(ラポルテの規則といった選択則に基づく)といった分子の化学的性質の多くを予測あるいは説明することができる。多くの大学レベルの物理化学や量子化学、無機化学の教科書は、対称性のために一章を割いている。 分子の対称性の研究には様々な枠組みが存在するが、群論が主要な枠組みである。この枠組みは、ヒュッケル法、配位子場理論、ウッドワード・ホフマン則といった応用に伴って分子軌道の対称性の研究にも有用である。大規模な系では、固体材料の結晶学的対称性を説明するために結晶系が枠組みとして使用されている。 分子対称性を実質的に評価するためには、X線結晶構造解析や様々な分光学的手法(例えば金属カルボニルの赤外分光法)など多くの技術が存在する。.

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分子軌道

アセチレン (H–C≡C–H) の完全な分子軌道群。左欄は基底状態で占有されているMOを示し、最上部が最もエネルギーの低い軌道である。1部のMOで見られる白色と灰色の線はアセチレン分子の球棒モデルによる表示である。オービタル波動関数は赤色の領域で正、青色の領域で負である。右欄は基底状態では空のMOを示しているが、励起状態ではこれらの軌道は占有され得る。 ベンゼンの最低空軌道 分子軌道(ぶんしきどう、molecular orbital、略称MO)は分子中の各電子の空間分布を記述する一電子波動関数のことである。分子軌道法において中心的な役割を果たし、電子に対するシュレーディンガー方程式を、一電子近似を用いて解くことによって得られる。 1個の電子の位置ベクトル \boldsymbol の関数であり、 \phi_i(\boldsymbol) と表される。一般に複素数である。原子に対する原子軌道に対応するものである。 この関数は、特定の領域に電子を見い出す確率といった化学的、物理学的性質を計算するために使うことができる。「オービタル」(orbital)という用語は、「one-electron orbital wave function: 1電子オービタル(軌道〔orbit〕のような)波動関数」の略称として1932年にロバート・マリケンによって導入された。初歩レベルでは、分子軌道は関数が顕著な振幅を持つ空間の「領域」を描写するために使われる。分子軌道は大抵、分子のそれぞれの原子の原子軌道あるいは混成軌道や原子群の分子軌道を結合させて構築される。分子軌道はハートリー-フォック法や自己無撞着場(SCF)法を用いて定量的に計算することができる。.

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分子軌道法

水素分子の分子軌道ダイアグラム。 量子化学において、分子軌道法(ぶんしきどうほう、Molecular Orbital method)、通称「MO法」とは、原子に対する原子軌道の考え方を、そのまま分子に対して適用したものである。 分子軌道法では、分子中の電子が原子間結合として存在しているのではなく、原子核や他の電子の影響を受けて分子全体を動きまわるとして、分子の構造を決定する。 分子軌道法では、分子は分子軌道を持ち、分子軌道波動関数 \psi_j^\mathrmは、既知のn個の原子軌道\chi_i^\mathrmの線形結合(重ね合わせ)で表せると仮定する。 ここで展開係数 c_について、基底状態については、時間依存しないシュレーディンガー方程式にこの式を代入し、変分原理を適用することで決定できる。この方法はLCAO近似と呼ばれる。もし\chi_i^\mathrmが完全系を成すならば、任意の分子軌道を\chi_i^\mathrmで表せる。 またユニタリ変換することで、量子化学計算における収束を速くすることができる。分子軌道法はしばしば原子価結合法と比較されることがある。.

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アンゲヴァンテ・ケミー

アンゲヴァンテ・ケミー (Angewandte Chemie / アンゲバンテ・ヘミーとも、、「応用化学」の意) は誌であり、現在Wiley-VCHより出版されている週刊の査読付き学術雑誌である。略記はAngew.

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アーヴィング・ラングミュア

アーヴィング・ラングミュア(Irving Langmuir, 1881年1月31日 - 1957年8月16日)は、アメリカ合衆国の化学者、物理学者である。1932年に表面科学の分野への貢献でノーベル化学賞を受賞した。 コロンビア大学を卒業後、ゲッティンゲン大学で、ヴァルター・ネルンストのもとで化学を学び、1909年からゼネラル・エレクトリックの研究所で研究を始め1950年まで在籍した。また、「事実でない事柄についての科学」を病的科学として定義したことでも知られている。.

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イオン化エネルギー

イオン化エネルギー(イオンかエネルギー、英語:ionization energy、電離エネルギー、イオン化ポテンシャルとも言う)とは、原子、イオンなどから電子を取り去ってイオン化するために要するエネルギー。ある原子がその電子をどれだけ強く結び付けているのかの目安である。 気体状態の単原子(または分子の基底状態)の中性原子から取り去る電子が1個目の場合を第1イオン化エネルギー(IE1)、2個目の電子を取り去る場合を第2イオン化エネルギー(IE2)、3個目の電子を取り去る場合を第3イオン化エネルギー(IE3)・・・(以下続く)と言うShriver & Atkins (2001), p.39。。単にイオン化エネルギーといった場合、第1イオン化エネルギーのことを指すことがある。 イオン化エネルギーの一般的な傾向は、s軌道とp軌道の相対的エネルギーとともに、電子の結合に対する有効核電荷核電荷の効果を考えることによって説明できる。 原子核の正電荷が増すにつれ、与えられた軌道にある負に荷電した電子はより強いクーロン引力を受け、より強く保持される。ヘリウムの1s電子を除去するには水素の1s電子を除去するよりも多くのエネルギーを必要とする。 周期表の同じ周期の中で最高のイオン化エネルギーは希ガスのものであり、希ガスは安定な閉殻電子配置をもつといわれる。 主量子数nの値が小さい内殻電子のイオン化エネルギーは価電子に比べ格段に大きいShriver & Atkins (2001), p.43。。たとえば電子3個のリチウムではIE1は5.32eV であるが、1sからのIE2は75.6eVである。2s軌道の電子は1s軌道の電子ほど強く保持されていない。 最低のイオン化エネルギーは周期表の左端にある第1族元素のものである。これらの原子のひとつから電子1個を除くと希ガス原子と同じ閉殻電子配置を持つイオンになる。 どの原子からも最も容易に失われる電子は最高エネルギー軌道にある電子からである。.

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イオン結合

イオン結合(イオンけつごう、英語:ionic bond)は正電荷を持つ陽イオン(カチオン)と負電荷を持つ陰イオン(アニオン)の間の静電引力(クーロン力)による化学結合である。この結合によってイオン結晶が形成される。共有結合と対比され、結合性軌道が電気陰性度の高い方の原子に局在化した極限であると解釈することもできる。 イオン結合は金属元素(主に陽イオン)と非金属元素(主に陰イオン)との間で形成されることが多いが、塩化アンモニウムなど、非金属の多原子イオン(ここではアンモニウムイオン)が陽イオンとなる場合もある。イオン結合によってできた物質は組成式で表される。.

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エタノール

タノール(ethanol)は、示性式 CHOH、又は、CHCHOH で表される、第一級アルコールに分類されるアルコール類の1種である。別名としてエチルアルコール(ethyl alcohol)やエチルハイドレート、また酒類の主成分であるため「酒精」とも呼ばれる。アルコール類の中で、最も身近に使われる物質の1つである。殺菌・消毒のほか、食品添加物、また揮発性が強く燃料としても用いられる。.

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オクテット則

テット則(-そく、Octet rule)は原子の最外殻電子の数が8個あると化合物やイオンが安定に存在するという経験則。オクテット説(-せつ)、八隅説(はちぐうせつ)ともいう。 第二周期の元素や第三周期のアルカリ金属、アルカリ土類金属までにしか適用できないが、多くの有機化合物に適用できる便利な規則である(→18電子則)。ただし、カルボカチオンや無機化合物を中心とする多くの例外も存在する。.

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ギルバート・ルイス

ルバート・ニュートン・ルイス(Gilbert Newton Lewis, 1875年10月23日 - 1946年3月24日)は、アメリカ合衆国の物理化学者。共有結合の発見(ルイスの電子式)、重水の単離、化学熱力学を数学的に厳密で普通の化学者にも馴染める形で再構築、酸と塩基の定義、光化学実験などで知られている。1926年、放射エネルギーの最小単位を "photon"(光子)と名付けた。化学の専門家のフラタニティ Alpha Chi Sigma のメンバーだった。長く教授を務めたが、中でもカリフォルニア大学バークレー校に最も長く在籍した。.

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クラスター化合物

ラスター化合物(cluster compound)とは、複数の原子または分子が様々な原因によって結合して形成された集合体(cluster)を分子内に内包する化合物の総称。クラスタ化合物とも。.

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グラファイト

ラファイト(graphite、石墨文部省『学術用語集 地学編』(日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2、)の表記は「(1) セキボク、石墨【鉱物】 (2) 黒鉛【鉱石】」。、黒鉛)は、炭素から成る元素鉱物。六方晶系(結晶対称性はP63/mmc)、六角板状結晶。構造は亀の甲状の層状物質、層毎の面内は強い共有結合(sp2的)で炭素間が繋がっているが、層と層の間(面間)は弱いファンデルワールス力で結合している。それゆえ、層状に剥離する(へき開完全)。電子状態は、半金属的である。 グラファイトが剥がれて厚さが原子1個分しかない単一層となったものはグラフェンと呼ばれ、金属と半導体の両方の性質を持つことから現在研究が進んでいる。採掘は、スリランカのサバラガムワ、メキシコのソノラ、カナダのオンタリオ州、北朝鮮、マダガスカル、アメリカのニューヨーク州などで商業的に行われている。日本でも、かつて富山県で千野谷黒鉛鉱山が稼働していた。.

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コンピュータ

ンピュータ(Computer)とは、自動計算機、とくに計算開始後は人手を介さずに計算終了まで動作する電子式汎用計算機。実際の対象は文字の置き換えなど数値計算に限らず、情報処理やコンピューティングと呼ばれる幅広い分野で応用される。現代ではプログラム内蔵方式のディジタルコンピュータを指す場合が多く、特にパーソナルコンピュータやメインフレーム、スーパーコンピュータなどを含めた汎用的なシステムを指すことが多いが、ディジタルコンピュータは特定の機能を実現するために機械や装置等に組み込まれる組み込みシステムとしても広く用いられる。電卓・機械式計算機・アナログ計算機については各項を参照。.

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ジョン・レナード=ジョーンズ

ー・ジョン・エドワード・レナード=ジョーンズ サー・ジョン・ エドワード・レナード=ジョーンズ KBE, FRS(John Edward Lennard-Jones、1894年10月27日 - 1954年11月1日)は、イギリスの数学者、理論化学者である。ブリストル大学の理論物理学の教授、後にケンブリッジ大学の理論科学の教授を務めた。現代計算化学の創始者と見なされている。 レナード=ジョーンズは、科学者の間において分子構造、原子価、分子間力に関する業績でよく知られている。これらのテーマに関する多くの研究は、レナード=ジョーンズが1929年に発表した論文から成長していった。液体および表面触媒に関する彼の理論もまた今でも影響力が大きい。レナード=ジョーンズが発表した論文は少ないが、それらの影響力は大きい。 レナード=ジョーンズの主な関心は、原子ならびに分子構造、特に原子粒子間に働く力や、化学結合の性質、なぜ水が凍る時に体積が増えるのかといった基本的な事柄であった。イギリスにおける理論化学のトップに就くと、量子力学や原子を構成する粒子の相互作用の新たな概念を物理学や有機化学の現象に適応する研究機関を設立した。この機関は、S・フランシス・ボーイズ、、、A.

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ジボラン

ボラン (diborane、B2H6) は、ホウ素の水素化物。狭義のボラン(モノボラン、BH3)の二量体として存在する。 単体は無色で、特徴的な甘い臭気を持つ気体。分子量は 27.67(空気を1とした場合の比重は 0.965)。融点は -164.9 ℃、沸点は -92.8 ℃。CAS登録番号は 19287-45-7。 ジボランは水素化ホウ素ナトリウム (NaBH4) を硫酸で加水分解するか、BF3 や BCl3 と処理すると得られる。.

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ジスルフィド結合

ルフィド結合(disulfide bond)は、2組のチオールのカップリングで得られる共有結合である。SS結合(SS-bond)またはジスルフィド架橋(disulfide bridge)とも呼ばれる。全体的な構造はR-S-S-R'となる。この用語は生化学、生物有機化学の分野で広く使われている。厳密にはこの結合は同種の化合物であるペルオキシド(R-O-O-R')に倣いペルスルフィド(persulfide)と呼ぶべきである。しかし、この名称はR-S-S-HまたはH-S-S-Hの化合物を参照する場合を除きほとんど使われない。 3つの硫黄原子による共有結合構造はしばしばトリスルフィドと呼ばれ、2つのジスルフィド結合がある。ジスルフィド結合はふつうチオールの酸化によって作られる。.

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タンパク質

ミオグロビンの3D構造。αヘリックスをカラー化している。このタンパク質はX線回折によって初めてその構造が解明された。 タンパク質(タンパクしつ、蛋白質、 、 )とは、20種類存在するL-アミノ酸が鎖状に多数連結(重合)してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分のひとつである生化学辞典第2版、p.810 【タンパク質】。 構成するアミノ酸の数や種類、また結合の順序によって種類が異なり、分子量約4000前後のものから、数千万から億単位になるウイルスタンパク質まで多種類が存在する。連結したアミノ酸の個数が少ない場合にはペプチドと言い、これが直線状に連なったものはポリペプチドと呼ばれる武村(2011)、p.24-33、第一章 たんぱく質の性質、第二節 肉を食べることの意味ことが多いが、名称の使い分けを決める明確なアミノ酸の個数が決まっているわけではないようである。 タンパク質は、炭水化物、脂質とともに三大栄養素と呼ばれ、英語の各々の頭文字を取って「PFC」とも呼ばれる。タンパク質は身体をつくる役割も果たしている『見てわかる!栄養の図解事典』。.

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六フッ化硫黄

六フッ化硫黄(ろくフッかいおう、sulfur hexafluoride)は、化学式 SF で表される硫黄の六フッ化物である。硫黄原子を中心にフッ素原子が正八面体構造をとっている。 常温常圧においては化学的に安定度の高い無毒、無臭、無色、不燃性の気体で、大気中での寿命は 3,200年である。1960年代から電気および電子機器の分野で絶縁材などとして広く使用されている化学物質で、人工的な温室効果ガスとされる。使用量はそれほど多くないが、近年新たな用途開発の進展に伴い需要量が増加している。100年間の地球温暖化係数は二酸化炭素の23,900倍と大きくかつ大気中の寿命が長いため、HFCs、PFCsと共に京都議定書で地球温暖化防止排出抑制対象ガスの1つに指定された。大気への放出はほぼ全て人為的なものと考えられている。 2007年に気象庁気象研究所が海水中の六フッ化硫黄濃度を高精度かつ低検出限界で測定できる手法を開発した。.

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共鳴理論

二酸化窒素の寄与構造の内の2種類 化学における共鳴理論(きょうめいりろん)とは、量子力学的共鳴の概念により、共有結合を説明しようとする理論である。.

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共有結合半径

共有結合半径(きょうゆうけつごうはんけい)とは、共有結合している原子間の電子雲または波動関数の重なりまでの距離。原子種、電気陰性度などによって変わる。 また、定義がはっきりしないため、解釈によっても変化しうるが、原子Aと原子Bの共有結合半径の和、R(AB).

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共有結合結晶

共有結合結晶(きょうゆうけつごうけっしょう、)は、共有結合によって形成される結晶。一つの結晶粒で一つの分子(巨大分子)を形成しているため、化学式で表す際は形成される元素とその比率により表される。慣用的に「共有結晶(きょうゆうけっしょう)」とも。 ダイヤモンドなどのように、共有結晶の中で各原子どうしは強い結合を形成する場合があり、その結果、融点が高かったり硬い性質を持つ場合がある。通常、電気伝導性はほとんどない。 その他、ケイ素(シリコン)、二酸化ケイ素、炭化ケイ素などが共有結晶を作る。.

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四中心二電子結合

四中心二電子結合(よんちゅうしんにでんしけつごう、four-center two-electron bond)は、2つの電子を4つの原子が共有している化学結合の一種である。この種の結合はまれである。普通の結合は、2つの原子が2つの電子を共有している(二中心二電子結合)。四中心二電子結合は、特定のにおいて存在が前提とされている。例えば、ボラン B6H7− アニオンは、三角形の面の一つにプロトンが付随したB6H62− 構造をとっている。その結果八面体は歪み、四中心二電子結合によって形成されるBBBH環を確認することができる。この結合は一般的に電子欠乏性偏菱形環と関連しており、既によく研究された三中心二電子結合や三中心四電子結合に加わる比較的新しい研究分野である。 四中心二電子結合を持つ純粋な有機化合物の例は、アダマンチルジカチオンである。.

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四フッ化キセノン

四フッ化キセノン(しフッかキセノン、Xenon tetrafluoride)は、分子式がXeF4と表されるキセノンのフッ化物である。二種類の元素からのみ成る希ガス化合物の中では最初に発見された化合物であり、1molのXeと2molのF2により生成する。この反応は251kJ/molの発熱反応である。 この物質の構造は、1963年に核磁気共鳴分光法とX線結晶構造解析により平面四角形であると報告されている。キセノンが2対の孤立電子対をもっているため、この構造はVSEPR理論により説明される。 四フッ化キセノンは、無色の結晶として発生する。115.7℃で昇華する。 キセノンのフッ化物は標準温度で全て熱力学的に安定であるが、空気中の水分とさえ反応するので、乾燥状態で保存しなければならない。 この物質とフッ化テトラメチルアンモニウムを反応させると、ペンタフルオロキセノン酸テトラメチルアンモニウムが得られる。.

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石英

水晶砂 石英(せきえい、、、クォーツ、クオーツ)は、二酸化ケイ素 (SiO₂) が結晶してできた鉱物。六角柱状のきれいな自形結晶をなすことが多い。中でも特に無色透明なものを水晶(すいしょう、、、ロッククリスタル)と呼び、古くは玻璃(はり)と呼ばれて珍重された。 石英を成分とする砂は珪砂(けいしゃ・けいさ、、)と呼ばれ、石英を主体とした珪化物からなる鉱石は珪石と呼ぶ。.

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硝酸

硝酸(しょうさん、nitric acid)は窒素のオキソ酸で、化学式 HNO3 で表される。代表的な強酸の1つで、様々な金属と反応して塩を形成する。有機化合物のニトロ化に用いられる。硝酸は消防法第2条第7項及び別表第一第6類3号により危険物第6類に指定され、硝酸を 10 % 以上含有する溶液は医薬用外劇物にも指定されている。 濃硝酸に二酸化窒素、四酸化二窒素を溶かしたものは発煙硝酸、赤煙硝酸と呼ばれ、さらに強力な酸化力を持つ。その強力な酸化力を利用してロケットの酸化剤や推進剤として用いられる。.

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立体配座

立体配座(りったいはいざ、Conformation)とは、単結合についての回転や孤立電子対を持つ原子についての立体反転によって相互に変換可能な空間的な原子の配置のことである。 二重結合についての回転や不斉炭素についての立体反転のように通常の条件では相互に変換不可能な空間的な原子の配置は立体配置という。.

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米国化学会誌

米国化学会誌 (べいこくかがくかいし、Journal of the American Chemical Society) はアメリカ化学会により発行されている学術雑誌である。略記はJ.

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結合エネルギー

結合エネルギー(けつごうエネルギー)とは、互いに引き合う複数の要素からなる系において、その系がひとところに寄り集まって存在する状態と、粒子がばらばらに存在する状態との間での、ポテンシャルエネルギーの差のこと。結合エネルギーが大きいほど、その結合は強固で安定であると言える。束縛エネルギーとも言う。 本来、保存力によって結合する系ならば、どのような系に対しても考えることが出来るが、この語が良く用いられるのは、化学分野における分子中の原子間結合の場合と、原子核の核子間相互作用の場合である。 英語表記は、bond energy や binding energy 等があるが、前者は主に化学分野において、後者は主に原子核物理学分野において用いられる。.

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結合解離エネルギー

結合解離エネルギー(けつごうかいり-)は化学結合における結合強度の目安の1つであり、D0 で表される。ある結合が 0 K (絶対零度)においてホモリシスによって開裂する場合の標準エンタルピー変化で定義される。例えば、エタン (C2H6) 中の1つの C−H 結合の結合解離エネルギーは以下の過程から求められる。 結合解離エンタルピーまたは結合エンタルピーと呼ばれることもあるが、これらの語は標準状態における反応エンタルピーを示すものであるから適切ではなく、D0 と 3 kcal/mol 以上異なる場合もある。 結合解離エネルギーは一般的に、ある分子中の全ての結合の解離エネルギーの合計から求められる結合エネルギーとは別なものである。例えば、水分子 (H2O) の1つ目の O−H 結合の結合解離エネルギーは 493.4 kJ/mol であるが、もう1つの O−H 結合を解裂させるのに必要なエネルギーは 424.4 kJ/mol である。すなわち、水分子中の O−H 結合の結合エネルギーはそれらの平均、458.9 kJ/mol となる。 ある結合が解裂した後に、より生成エンタルピーの低い新たな結合が生成した場合、全体としてエネルギーが失われるため反応は発熱的過程である。 ホモリシスではなくヘテロリシスで結合が切れる場合は異方性結合解離エネルギーが用いられる。.

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結合次数

結合次数(けつごうじすう、bond order、B.O.) 原子ペア間の結合の数である。例えば窒素分子 N:::N の結合次数は3、アセチレン H:C:::C:HのC-C間の結合次数は3でH-C間のそれは1である。結合次数からはその結合の安定性が分かる。 結合次数は整数である必要はない。そのいい例が非局在化された6個のπ電子を含むベンゼン分子で、C-C間のπ結合は本質的に0.5となる。これにσ結合を合わせると1.5となる。さらに錯体では結合次数が1.1になることがあり、これは結合次数が1のものに類似していることを意味している。 分子軌道理論(MO理論)では、結合性電子の数と反結合性電子の数を区別して下のような公式を定義している。 B.O.

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非局在化電子

化学において、非局在化電子(ひきょくざいかでんし、delocalized electron)は、単一の原子あるいは共有結合と結び付いていない分子、イオン、固体金属中の電子である。この用語は一般的に異なる分野では若干異なる意味を持つ。有機化学では、これは共役系および芳香族化合物における共鳴を意味する。固体物理学では、これは電気伝導を容易にする自由電子を意味する。量子化学では、これは複数の隣接する原子にわたって広がった分子軌道を意味する。.

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非結合性軌道

非結合性軌道(ひけつごうせいきどう、non-bonding orbital)は、電子による占有が、関与する原子間の結合次数を増加も減少もさせない分子軌道である。非結合性軌道は分子軌道ダイアグラムおよび電子遷移表記法においてしばしば文字nで表される。分子軌道法における非結合性軌道はルイス構造における孤立電子対に相当する。非結合性軌道のエネルギー準位は典型的には、より低いエネルギーの原子価殻結合性軌道とそれに対応するより高いエネルギーの反結合性軌道との間にある。そのため、電子によって占有された非結合性軌道は通常はHOMO(最高被占分子軌道)となる。 分子軌道法では、分子軌道は原子軌道の線形結合から形成される。フッ化水素(HF)といった単純な二原子分子において、ある原子はその他の原子よりもより多くの電子を持ちうる。HFではσ結合性軌道は同じ対称性を持つ水素の1s軌道とフッ素の2pz軌道の線型結合により作られる。残ったフッ素の2pxおよび2py軌道は変化していないが、分子軌道として見た時には非結合性軌道となる。これらの非結合性軌道のエネルギーは分子内のいかなる結合の長さにも依存しない。これらの軌道が電子によって占有されても分子の安定性を上昇も低下もさせない。 非結合性軌道は構成原子の原子軌道としばしば似ているが、それらが似ている必要はない。似ていない一例はアリルアニオンの非結合性軌道である。アリルアニオンのHOMOは両端の原子の2px軌道(分子平面に対して垂直)が逆の位相で合わさったものであるため(中央の原子は節でありこの分子軌道には関与しない)、両端の原子軌道はほぼ重なり合わず、そのエネルギーは個々の2px軌道のエネルギーと同じと見なせる。.

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非金属元素

非金属元素(ひきんぞくげんそ、nonmetal)とは、金属元素以外の元素のこと。 元素のうち特定の性質(単体が光沢、導電性、延性・展性に富む、いわゆる金属結晶をつくる)を持つものを「金属(元素)」と呼んでおり、非金属元素とはそれ以外の元素である。 金属以外という定義上、非金属そのものを特徴づける性質は一概には言えないが、非金属元素は金属元素に比べて電子親和力が高い。このため、自由電子を放出して金属結晶を形作ることができない。.

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複素環式化合物

複素環式化合物(ふくそかんしきかごうぶつ)又はヘテロ環式化合物(heterocyclic compound)とは、2種類以上の元素により構成される環式化合物のことである。一方、単一の元素によって構成される環式化合物は単素環式化合物(homocyclic compound)と呼ぶ。 複素環式化合物は通常、三員環から十員環までの複素環式化合物のことを指す名称であって、環状ペプチドやマクロライドなどは、定義上は複素環式化合物であっても複素環式化合物とは呼ばれない。 複素環式化合物は、Hantzsch-Widman命名法によって体系的に命名される。.

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高分子

分子(こうぶんし)または高分子化合物(こうぶんしかごうぶつ)(macromolecule、giant molecule)とは、分子量が大きい分子である。国際純正・応用化学連合(IUPAC)の高分子命名法委員会では高分子macromoleculeを「分子量が大きい分子で、分子量が小さい分子から実質的または概念的に得られる単位の多数回の繰り返しで構成した構造」と定義し、ポリマー分子(polymer molecule)と同義であるとしている。また、「高分子から成る物質」としてポリマー(重合体、多量体、polymer)を定義している。すなわち、高分子は分子であり、ポリマーとは高分子の集合体としての物質を指す。日本の高分子学会もこの定義に従う。.

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量子力学

量子力学(りょうしりきがく、quantum mechanics)は、一般相対性理論と同じく現代物理学の根幹を成す理論として知られ、主として分子や原子、あるいはそれを構成する電子など、微視的な物理現象を記述する力学である。 量子力学自身は前述のミクロな系における力学を記述する理論だが、取り扱う系をそうしたミクロな系の集まりとして解析することによって、ニュートン力学に代表される古典論では説明が困難であった巨視的な現象についても記述することができる。たとえば量子統計力学はそのような応用例の一つである。従って、生物や宇宙のようなあらゆる自然現象もその記述の対象となり得る。 代表的な量子力学の理論として、エルヴィン・シュレーディンガーによって創始された、シュレーディンガー方程式を基礎に置く波動力学と、ヴェルナー・ハイゼンベルク、マックス・ボルン、パスクアル・ヨルダンらによって構成された、ハイゼンベルクの運動方程式を基礎に置く行列力学がある。ただしこの二つは数学的に等価である。 基礎科学として重要で、現代の様々な科学や技術に必須な分野である。 たとえば科学分野について、太陽表面の黒点が磁石になっている現象は、量子力学によって初めて解明された。 技術分野について、半導体を利用する電子機器の設計など、微細な領域に関するテクノロジーのほとんどは量子力学を基礎として成り立っている。そのため量子力学の適用範囲の広さと現代生活への影響の大きさは非常に大きなものとなっている。一例として、パソコンや携帯電話、レーザーの発振器などは量子力学の応用で開発されている。工学において、電子工学や超伝導は量子力学を基礎として展開している。.

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量子化学

量子化学(りょうしかがく、quantum chemistry)とは理論化学(物理化学)の一分野で、量子力学の諸原理を化学の諸問題に適用し、原子と電子の振る舞いから分子構造や物性あるいは反応性を理論的に説明づける学問分野である。.

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金属結合

金属結合(きんぞくけつごう、metallic bond)とは、金属で見られる化学結合である。金属原子はいくつかの電子を出して陽イオン(金属結晶の格子点に存在する正電荷を持つ金属の原子核)と、自由電子(結晶全体に広がる負電荷をもったもの)となる。規則正しく配列した陽イオンの間を自由電子が自由に動き回り、これらの間に働くクーロン力(静電気力、静電引力)で結び付けられている。一部では共有結合の一種とみなす主張があるが、原子集団である結晶場で結合電子を共有していて、典型的な共有結合は2原子間でしか共有されていないので、計算手法等が著しく異なり混乱を招くので主流ではない。π結合は分子、あるいはグラフェン内の多くの原子で結合軌道が形成されるので一種の金属結合的性質を持ち、それがグラファイト系物質の導電性の源泉となっている。 金属の場合、最外殻電子など電子の一部は特定の原子核の近傍に留まらず結晶全体に非局在化しており、この様な状態の電子を擬似的な自由電子と呼ぶ。金属の電気伝導性や熱伝導度が高いことは自由電子の存在に起因していると考えられ、それゆえ、自由電子は伝導電子とも呼ばれる。自由電子の分子軌道はほぼ同一のエネルギー準位のエネルギーバンドを形成し、電子ガスとも呼ばれるような自由電子の状態を形成する。電子は光子と相互作用するので、金属の持つ特性である反射率、金属光沢は自由電子のエネルギーバンドの状況を反映していると考えられている。 自由電子の量子力学的説明は自由電子やバンド理論を参照されたい。 一方、金属の原子核は周囲に一様に広がる自由電子ガスと相互作用しているため、原子位置のずれに対するエネルギー障壁は低く、それゆえ、金属は展性や延性が高いと考えられている。それは、電子軌道として局在性(結合異方性)の高いp、d電子ではなくs電子主体の結合だからともいえ、それが等極結合的でありながら最密充填性の高い結晶構造(面心立方、六方最密)を得る源泉ともなっている。 金属結合における結合エネルギーは核外電子に参加する自由電子の範囲で異なり、数十~数百kJ/molの値をとる。例えばアルカリ金属の場合、閉殻電子は自由電子に関与せず、もっぱら価電子(最外殻電子)が金属結合に関与している。そのため結合エネルギーも弱く、80~160 kJ/mol程度である。一方、タングステンなどは結合エネルギーは850 kJ/molにも達するが、これは内殻電子も結合に関与するためであると考えられている。 2種類以上の金属を融解させ混合し、冷却すれば合金ができる。.

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配位結合

配位結合(はいいけつごう、Coordinate bond)とは、結合を形成する二つの原子の一方からのみ結合電子が分子軌道に提供される化学結合である。 見方を変えると、電子対供与体となる原子から電子対受容体となる原子へと、電子対が供給されてできる化学結合であるから、ルイス酸とルイス塩基との結合でもある。したがって、プロトン化で生成するオキソニウムイオン(より正確にはオニウムイオン)は配位結合により形成される。 またオクテット則を満たさない第13族元素の共有結合化合物は、強いルイス酸であり配位結合により錯体を形成する。 あるいは遷移金属元素の多くは共有結合に利用される価電子の他に空のd軌道などを持つ為、多くの種類の金属錯体が配位結合により形成される。.

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配置間相互作用法

配置間相互作用法(はいちかんそうごさようほう、configuration interaction method、略称: CI 法)は、量子化学において、多電子系におけるボルン-オッペンハイマー近似のもとで非相対論的シュレーディンガー方程式を解くために用いられる線形変分的なポスト-ハートリー-フォック法である。 数学的に「配置」とは、波動関数として用いられるスレイター行列式の線形結合で記述される。軌道の占有数(たとえば(1s)2(2s)2(2p)1...)の観点では、「相互作用」は異なる電子配置(状態)の混ざり合い(相互作用)を意味する。CI計算には必要なCPU時間や巨大なハードウェアが必要なため、CI法の使用は相対的に小さい系に限られる。 ハートリーフォック法では波動関数は1つのスレイター行列式で表す。 しかしCI法では電子相関を考慮しているため、CI法では、スピン軌道(上付きSOで記述される)で構成される配置状態関数(CSF)の線形結合を用いる。 ここで通常はΨは系の電子基底状態である。その後、変分法によって係数c_ \ とその時のエネルギー固有値を求める。 この展開が、適切な対称性の可能なすべての配置状態関数(CSF)を含んでいる場合、これは1粒子基底によって張られた空間で電子のシュレーディンガー方程式を正確に解くFull CI法である。上記の展開における1次項は普通はハートリー-フォック行列式である。他のSCFは、ハートリーフォック行列式から仮想軌道交換されたスピン軌道の数によって分けられる。1つのスピン軌道が異なっていたならば、これを1励起行列式で記述する。2つのスピン軌道が異なっていたならば、2励起行列式である。これはCI空間と呼ばれる展開での行列式の数を制限するのに使われる。 打ち切られた (truncated) CI空間は計算時間を省くのに重要である。たとえば、CID法では2励起だけに限られる。CISD法では1励起と2励起だけに限られる。これらのCID法、CISD法は多くの場合で用いられる。 デビッドソン補正は大きさについての無矛盾性を補正するために使われる。打ち切られたCI法の問題は、無限に離れた2粒子のエネルギーが1粒子のエネルギーの2倍ではないという大きさの矛盾性(size-inconsistency)である。 CI法は一般化行列固有値方程式へとつながる。 ここでcは係数ベクトル、eは固有値行列であり、ハミルトニアンの行列要素、重なり行列の行列要素はそれぞれ以下のようになる。 \boldsymbol_ &.

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電子

電子(でんし、)とは、宇宙を構成するレプトンに分類される素粒子である。素粒子標準模型では、第一世代の荷電レプトンに位置付けられる。電子は電荷−1、スピンのフェルミ粒子である。記号は e で表される。また、ワインバーグ=サラム理論において弱アイソスピンは−、弱超電荷は−である。.

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電子相関

電子相関(でんしそうかん、electron correlation)とは、多電子系における電子間の位置の相関のこと。また電子相関エネルギーEcorr とは、多電子系における正確なエネルギーEexact とハートリー‐フォック近似によって計算したエネルギーEHF との差として定義される。 つまり多電子系における電子間の相互作用をハートリー-フォック法で扱った場合、電子相関の一部しか取り込めていない。.

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電子配置

電子配置(でんしはいち、)とは、多電子系である原子や分子の電子状態が「一体近似で得られる原子軌道あるいは分子軌道に複数の電子が詰まった状態」として近似的に表すことができると考えた場合に、電子がどのような軌道に配置しているのか示したもので、これによって各元素固有の性質が決定される。.

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電気陰性度

電気陰性度(でんきいんせいど、electronegativity)は、分子内の原子が電子を引き寄せる強さの相対的な尺度であり、ギリシャ文字のχで表されるShriver & Atkins (2001), p.45。。 異種の原子同士が化学結合しているとする。このとき、各原子における電子の電荷分布は、当該原子が孤立していた場合と異なる分布をとる。これは結合の相手の原子からの影響によるものであり、原子の種類により電子を引きつける強さに違いが存在するためである。 この電子を引きつける強さは、原子の種類ごとの相対的なものとして、その尺度を決めることができる。この尺度のことを電気陰性度と言う。一般に周期表の左下に位置する元素ほど小さく、右上ほど大きくなる。.

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電気抵抗率

電気抵抗率(でんきていこうりつ、英語:electrical resistivity)は、どんな材料が電気を通しにくいかを比較するために、用いられる物性値である。単に、抵抗率(resistivity)、比抵抗(specific electrical resistance)とも呼ばれる。単位は、オームメートル(Ω・m)である。慣例的に Ω・cm もよく使われる。 電気抵抗 R の値は、電気抵抗率を \rho(ロー)、導体の長さを l 、導体の断面積を A とすると次の式で示される。 すなわち、電気抵抗率 \rho の値は、次の式で表される。 電気抵抗率 \rho の逆数 \frac を電気伝導率(導電率)と呼ぶ。.

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LCAO法

LCAO法(LCAOほう、Linear combination of atomic orbitals method)あるいは原子軌道による線形結合法とは、原子軌道の線形結合(量子力学的重ね合わせ)によって電子の波動関数を記述し、その電子状態(分子軌道)を求める計算手法のことである。 この場合、原子軌道が基底関数となっている。原子軌道はその原子に強く束縛された局在された軌道であり、隣合う軌道間の重なりは通常小さい。この意味で、LCAO法はタイトバインディング法とほぼ等価として扱われることがある。比較的扱い易い計算手法であるが、原子軌道同士の重なりの部分(重なり積分)の扱いが計算の負担となることがある。 LCAO法は、ジョン・レナード=ジョーンズによって周期表の第2周期の2原子分子における結合の描写と共に1929年に導入されたが、それより前にライナス・ポーリングによってH2+に対して用いられていた。 数学的記述は以下の通りである。 最初の仮定は、分子軌道の数は線形展開に含まれる原子軌道の数に等しい、というものである。つまり、n個の原子軌道が組み合わさり、n個の分子軌道(i.

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極性分子

極性分子(きょくせいぶんし、Polar molecule、有極分子、有極性分子とも):分子において、分子内の正電荷(原子核が担う)と負電荷(電子が担う)の重心が一致しない場合、これを極性分子と言う。この正負電荷の各重心が一致しないことにより、当該分子には自発的かつ永久的に電気双極子が存在することとなる。 極性分子の代表的なものとして、水(H2O)、塩化水素(HCl)、アンモニア(NH3)などがある。分子が極性を持つ原因の一つに、分子を構成する種類の異なる原子同士の電気陰性度の差がある。 一般に、極性分子は極性の無い(無極性な)溶媒(例:ベンゼンなど)には溶け難く、極性を持つ溶媒(例:水、エタノールなど)には可溶(場合により易溶)である。 分子内での全双極性モーメント(分子内での双極子モーメントの総和)はゼロでも、局所的にモーメントが強くなっているような分子は極性分子に含める事がある。.

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構造原理

構造原理(こうぞうげんり、構成原理、組み立て原理、増成原理とも、Aufbau principle、)は、原子において、電子はエネルギー準位の低い電子軌道から先に占有するとする原理をいう。なお、Aufbauは「築きあげること」という意味である。 「組み立て」の流れの詳細は原子オービタル関数によって数学的に記述される。電子の振る舞いは、フントの規則やパウリの排他原理といったその他の原子物理学の原理によって作り上げられる。フントの規則は、たとえ同じエネルギーの複数のオービタルが利用できるとしても、その他の電子によって占有されたオービタルを再利用する前に、占有されていない軌道をまず埋める、と断言する。しかし、パウリの排他原理によれば、2つの電子が同じオービタルを占有するためには、それら電子は異なるスピン(−1/2および1/2)を持っていなければならない。 殻模型として知られる構造原理の原子核版は、原子核中の陽子と中性子の配置を予測するために使われる。.

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水素分子イオン

水素分子イオン(すいそぶんしイオン、Hydrogen molecular ion)は、H2+で表される最も単純な分子イオンである。正電荷を持つ2つの陽子と負電荷を持つ1つの電子から構成され、中性水素分子のイオン化によって形成される。1つの電子しか持たないことから電子相関がなく、シュレディンガー方程式が比較的直接的に解けるため、理論的に興味を持たれてきた。エネルギー固有値の解析解は、ランベルトのW関数の一般化である。そのため、固定核の場合は、数式処理システムを用いた実験数学手法で完全に解析することができる。そのため、多くの量子化学の教科書に例として掲載されている。 H2+の最初の量子力学的取扱は、デンマークの物理学者Øyvind Burrauによって、エルヴィン・シュレーディンガーが波動方程式を発表した翌年の1927年に発表された。前期量子論を用いた初期の研究は、1922年にカレル・ニーセンとヴォルフガング・パウリ、1925年にハロルド・ユーリーによって発表された。1928年にはライナス・ポーリングがBurrauの研究とヴァルター・ハイトラー、フリッツ・ロンドンによる水素分子の研究をまとめた総説を発表した。 H2+の結合は、結合次数が1.5の一電子共有結合として記述される。 このイオンは、分子雲の中でも見られ、星間物質の化学においても重要である。.

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混成軌道

4つの ''sp''3混成軌道 3つの ''sp''2混成軌道 化学において、混成軌道(こんせいきどう、Hybrid orbital)は、原子価結合法において化学結合を形成する電子対を作るのに適した軌道関数(オービタル)である(これを原子価状態と呼ぶ)。混成(hybridization)は一つの原子上の原子軌道を混合する(線型結合をとる)概念であり、作られた新たな混成軌道は構成要素の原子軌道とは異なるエネルギーや形状等を持つ。混成軌道の概念は、第2周期以降の原子を含む分子の幾何構造と原子の結合の性質の説明に非常に有用である。 原子価殻電子対反発則(VSEPR則)と共に教えられることがあるものの、原子価結合および混成はVSEPRモデルとは実際に関係がない。 分子の構造は各原子と化学結合から成り立っているので、化学結合の構造が原子核と電子との量子力学でどのように解釈されるかは分子の挙動を理論的に解明していく上で基盤となる。化学結合を量子力学で扱う方法には主に、分子軌道法と原子価結合法とがある。前者は分子の原子核と電子との全体を一括して取り扱う方法であるのに対して、原子価軌道法では分子を、まず化学結合のところで切り分けた原子価状態と呼ばれる個々の原子と価電子の状態を想定する。次の段階として、分子の全体像を原子価状態を組み立てることで明らかにしてゆく。具体的には個々の原子の軌道や混成軌道をσ結合やπ結合の概念を使って組み上げることで、共有結合で構成された分子像を説明していくことになる。それゆえに、原子軌道から原子価状態を説明付ける際に利用する混成軌道の概念は原子価軌道法の根本に位置すると考えられる。 原子価結合法と分子構造.

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有機化学

有機化学(ゆうきかがく、英語:organic chemistry)は、有機化合物の製法、構造、用途、性質についての研究をする化学の部門である。 構造有機化学、反応有機化学(有機反応論)、合成有機化学、生物有機化学などの分野がある。 炭素化合物の多くは有機化合物である。また、生体を構成するタンパク質や核酸、糖、脂質といった化合物はすべて炭素化合物である。ケイ素はいくぶん似た性質を持つが、炭素に比べると Si−Si 結合やSi.

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曲がった結合

曲がった結合(まがったけつごう、bent bond)またはバナナ結合とは有機化学に現れる用語で、いくぶんバナナを連想させる形をした共有結合のことである。この言葉はシクロプロパン C3H6のような「曲がった」構造を持つ分子の電子密度や立体配座の説明をするとき、またはσ結合とπ結合を考えずに二重結合や三重結合を説明するときに使われる。.

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共有結合性等極結合

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