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余剰次元

索引 余剰次元

余剰次元(よじょうじげん、extra dimensions)とは、4次元よりも高次(5次元以上)の時空を表す理論物理学の概念である。 物理学では、3次元の空間的な次元と 1次元の時間的な次元が、許容されている次元であるが、さらに次元を導入することで、4つの基本的な力を統一しようという理論がある。最も有名な理論として弦理論は、10次元の時空の次元を要求し、さらに基本的な 11-次元の理論は、それ以前の 5つの超弦理論をその中に含むM-理論と呼ばれる理論に基づいている。現在、これらの余剰次元の存在を検証するにたる実験結果や観測結果は得られていない。余剰次元の存在を仮定すると、何らかの物理的メカニズムにより背後に隠れている必要がある。良く研究されている可能性として、余剰次元は現在の実験では見ることのできないくらい小さなスケールに「巻き上げ」られているかも知れないというものである。サイズに関する極限や余剰次元のほかの性質は、Large Hadron Colliderのような素粒子実験により決められる。CMS Collaoration, "Search for Microscopic Black Hole Signatures at the Large Hadron Collider," http://arxiv.org/abs/1012.3375 場の量子論のレベルで、カルツァ=クライン理論は、小さなコンパクトな余剰次元を伝播する重力は、大きな距離ではゲージ相互作用と等価であることが実現されるということを基礎として、ゲージ作用と重力を統一する。特に、余剰次元の幾何学が自明なとき、電磁気学を再現する。しかし、充分に高いエネルギーで短い距離では、この設定は量子重力を記述しようとすることの直接的な障害となっていることと同じ障害で完成していない。従って、これらのモデルは、いまだに弦理論の提供しようとしていることのひとつである(UV completion)を求められている。このように、カルツァ・クライン理論はそれ自体が不完全な理論であるか、もしくは構築中の弦理論のモデルのある一部であるかのどちらかではないかと考えられている。 小さな、巻き上げられた余剰次元に加えて、現実の宇宙に存在する物質は (3 + 1)-次元の部分空間上へ局所化されているので、代わって現れない余剰次元が存在するかもしれない。このように、余剰次元は小さくコンパクトである必要はなく、(large extra dimensions)であるかも知れない。D-ブレーンは、この役割を果たす弦理論により予言される様々な次元を持つ拡張された力学的対象である。D-ブレーンは、終点がブレーンに固定されたゲージ相互作用に付帯した開弦の励起と、一方、重力相互作用を媒介する閉弦は全時空(バルク)上を自由に伝播するという弦の性質を持つ。このことは、何故、重力が他のりからよりも指数的に弱いかの理由に関係しているかも知れない。高次元の体積の中へ伝播するほど、自分自身を充分に希釈することになる。 ブレーン物理学のいくつかの側面は、(brane cosmology)へ応用されている。たとえば、ブレーンガス宇宙論 は、トポロジー的で熱力学的な思考により、何故、空間次元は 3次元であるのかを説明しようとしている。このアイデアに従うと、弦が一般的に交差しうる空間的次元の最大数が 3 であるからである。もし、最初に大きなコンパクト次元の回りの弦の巻きつき数が大きいとすると、空間はマクロスコピックなサイズへ膨張するだけであり、反対に、これらの巻き数がなくなると仮定することは、弦は互いに相手を見つけて打ち消しあう。しかし、3次元では、弦はあいてを見つけ打ち消しあうに充分な率ではないので、空間の次元が 3であることが、宇宙の初期構成の一部により与えられた大きさとして許容されることとなる。 いくつかの理論物理学の理論では、空間の余剰次元を何らかの理由で導入している。.

20 関係: 基本相互作用場の量子論弦理論ブレーンワールドカラビ・ヤウ多様体カルツァ=クライン理論ゲージ理論理論理論物理学空間階層性問題超弦理論重力量子重力理論電磁相互作用電磁気学M理論時空4次元5次元

基本相互作用

基本相互作用(きほんそうごさよう、Fundamental interaction)は、物理学で素粒子の間に相互にはたらく基本的な相互作用。 素粒子の相互作用、自然界の四つの力、相互作用とも。.

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場の量子論

場の量子論(ばのりょうしろん、英:Quantum Field Theory)は、量子化された場(素粒子物理ではこれが素粒子そのものに対応する)の性質を扱う理論である。.

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弦理論

弦理論(げんりろん、string theory)は、粒子を0次元の点ではなく1次元の弦として扱う理論、仮説のこと。ひも理論、ストリング理論とも呼ばれる。.

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ブレーンワールド

ブレーンワールド(膜宇宙、braneworld)またはブレーン宇宙論(brane cosmology)とは、『我々の認識している4次元時空(3次元空間+時間)の宇宙は、さらに高次元の時空(バルク(bulk))に埋め込まれた膜(ブレーン(brane))のような時空なのではないか』と考える宇宙モデルである。低エネルギーでは(我々自身を含む)標準模型の素粒子の相互作用が4次元世界面(ブレーン)上に閉じ込められ、重力だけが余剰次元(5次元目以降の次元)方向に伝播できる、とする。.

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カラビ・ヤウ多様体

ラビ・ヤウ多様体は、代数幾何などの数学の諸分野や数理物理で注目を浴びている特別なタイプの多様体。特に超弦理論では、時空の余剰次元が6次元(実次元)のカラビ・ヤウ多様体の形をしていると予想されている。この余剰次元の考え方が、ミラー対称性の考えを導くことになった。 カラビ・ヤウ多様体は、1次元の楕円曲線や2次元のK3曲面の高次元版の複素多様体であり、コンパクトケーラー多様体で標準バンドルが自明なものとして定義されることが多い。ただし、他にも類似の(しかし互いに同値ではない)いくつかの定義がある。では、"カラビ・ヤウ空間"と呼ばれた。最初は微分幾何学の立場から、エウゲニオ・カラビで研究され、シン=トゥン・ヤウが、これらがリッチ平坦な計量を持つであろうというカラビ予想を証明したことから、カラビ・ヤウ多様体と命名された。.

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カルツァ=クライン理論

ルツァ=クライン理論(カルツァ=クラインりろん、Kaluza-Klein theory、KK理論)は、重力と電磁気力を統一するために五次元以上の時空を仮定する理論である。理論物理学者のテオドール・カルツァが1921年に提唱し、1926年にオスカル・クラインが修正した。.

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ゲージ理論

ージ理論(ゲージりろん、gauge theory)とは、連続的な局所変換の下でラグランジアンが不変となるような系を扱う場の理論である。.

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理論

論(りろん、theory, théorie, Theorie)とは対象となる事象の原因と結果の関係を説明する一般的な論述である。自然科学、人文科学、社会科学などの科学または学問において用いられている。.

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理論物理学

論物理学(りろんぶつりがく、)は、物理学において、理論的な模型や理論的仮定(主に数学的な仮定)を基に理論を構築し、既知の実験事実(観測や観察の結果)や、自然現象などを説明し、かつ未知の現象に対しても予想する物理理論を扱う分野のこと。実験物理学と対比して使われる言葉。 手段として、伝統的な紙と鉛筆によるもの以外に、現在ではコンピュータによる数値的なシミュレーション、数値解析、物理シミュレーションなどにおいて使用される計算機も重要なものの一つとなっている。このシミュレーションなどによる計算物理学分野も、通常は理論物理学に含める。ただ計算物理学を、理論、実験以外の第三の分野と捉える考え方もある。 物理学が理論物理学と実験物理学に分化したのは、19世紀後半から20世紀初頭にかけての物理学の急速な発展に原因がある。それまでの物理学の知識の集積は、一人の物理学者が実験と理論の両方を十分カバーできる程度のものであった。しかし急速な発展の結果、物理学の領域はあまりにも巨大化・複雑化しすぎて、全体を把握することが困難となった。理論的な考察を行なうために習得しなければならない数学的手法や既存の物理理論も膨大な量になって、習得に何年もかかるようになった。このため、それぞれ担当分野に分かれて研究を進める他なくなったのである。ロシア(旧ソ連)のレフ・ダヴィドヴィッチ・ランダウが自国の物理学者志望の学生に課した「理論ミニマム」教程(最低限の知識)にもそれが現れている。.

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空間

間(くうかん)とは、.

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階層性問題

階層性問題(Hierarchy problem)は物理学、特に素粒子物理学や高エネルギー物理学の分野が抱える未解決問題の一つである。この問題は、場の量子論および繰り込みという手法の適用によって生じる。 理論の定数として導入される元のパラメータ(結合定数や質量)は、繰り込みの手法によって実験で得られるパラメータと結びつけられる。通常は繰り込み後のパラメータは元のパラメータと強く関係しているが、ある場合には、元のパラメータとそれに対する量子補正が巧妙に打ち消しあってしまったかのような状況が起こる。逆に言えば、最初に物理定数を決定する際に、十桁以上に及ぶ量子補正を考慮した値を恣意的に選ぶ()事を行わなければならないのである。これはの観点とも関係し、問題とみなされている。 階層性問題に現れる繰り込みを、直接扱うのは困難である。なぜならそのような量子補正に現れる二次発散は、繰り込みにおいてミクロスケールの物理が寄与するからである。現在考案されている最もミクロな物理である量子重力理論について、現実の問題を扱えるほど具体的な部分はほとんど究明されていない。従って現在は、ファインチューニング無しで階層性問題を解決するような何らかの物理現象を、仮定として導入するアプローチが主流である。.

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超弦理論

ラビ-ヤウ空間 超弦理論(ちょうげんりろん、)は、物理学の理論、仮説の1つ。物質の基本的単位を、大きさが無限に小さな0次元の点粒子ではなく、1次元の拡がりをもつ弦であると考える弦理論に、超対称性という考えを加え、拡張したもの。超ひも理論、スーパーストリング理論とも呼ばれる。 宇宙の姿やその誕生のメカニズムを解き明かし、同時に原子、素粒子、クォークといった微小な物のさらにその先の世界を説明する理論の候補として、世界の先端物理学で活発に研究されている理論である。この理論は現在、理論的な矛盾を除去することには成功しているが、なお不完全な点を指摘する専門家もおり、また実験により検証することが困難であろうとみなされているため、物理学の定説となるまでには至っていない。.

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重力

重力(じゅうりょく)とは、.

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量子重力理論

量子重力理論(りょうしじゅうりょくりろん、)は、重力相互作用(重力)を量子化した理論である。単に量子重力(りょうしじゅうりょく:Quantum Gravity(QG), Quantum Gravitation)または重力の量子論(Quantum Theory of Gravity)などとも呼ばれる。 ユダヤ系ロシア人のマトベイ・ブロンスタインがパイオニアとされる。一般相対性理論と量子力学の双方を統一する理論と期待されている。物理学の基礎概念である時間、空間、物質、力を統一的に理解するための鍵であり、物理学における最重要課題の一つと言われている。 量子重力理論は現時点ではまったく未完成の未知の理論である。量子重力を考える上で最大の問題点はその指針とすべき基本的な原理がよく分かっていないということである。そもそも重力は自然界に存在する四つの力(基本相互作用)の中で最も弱い。従って、量子化された重力が関係していると考えられる現象が現在到達できる技術レベルでは観測できないためである。.

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電磁相互作用

電磁相互作用(でんじそうごさよう)は、電場あるいは磁場から電荷が力を受ける相互作用のことをいい、基本相互作用の一つである。電磁気学によって記述される。場の理論においてラグランジアンに対してU(1)ゲージ対称性を付与することで現れるU(1)ゲージ場の成分が電磁気学におけるいわゆるスカラーポテンシャル及びベクトルポテンシャルと対応し、また自身についても対応する自由ラグランジアンを持っている。ラグランジュ形式で議論することで、物質に対応する変数でオイラーラグランジュ方程式を解くことで電磁場から物質に対しての影響を、逆に電磁場に対応する変数でオイラーラグランジュ方程式を解くことで物質側から電磁場に与える影響を導き出すことができ、それぞれ、通常の力学でのローレンツ力とマクスウェル方程式のうちのガウスの法則とアンペールマクスウェル方程式を導出することになる。.

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電磁気学

電磁気学(でんじきがく、)は、物理学の分野の1つであり、電気と磁気に関する現象を扱う学問である。工学分野では、電気磁気学と呼ばれることもある。.

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M理論

M理論(Mりろん)とは、現在知られている5つの超弦理論を統合するとされる、11次元(空間次元が10個、時間次元が1個)の仮説理論である。尚、この理論には弦は存在せず、2次元の膜(メンブレーン)や5次元の膜が構成要素であると考えられている。.

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時空

時空(じくう、spacetime)は、時間と空間を合わせて表現する物理学の用語、または、時間と空間を同時に、場合によっては相互に関連したものとして扱う概念である。時空間()とも。.

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4次元

4次元(よじげん、四次元)は、次元が4であること。次元が4である空間を4次元空間と呼ぶ。 なおここでいう空間とは、物理空間に限らない。数学においてはユークリッド空間をはじめとしてベクトル空間や多様体など次元を考え得る空間や対象は様々ある(詳細は「次元」および「次元 (数学)」を参照)。.

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5次元

5次元(ごじげん、五次元)は、空間の次元が5であること。次元が5である空間を5次元空間と呼ぶ。.

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