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パラレル・ヴィジョン

索引 パラレル・ヴィジョン

パラレル・ヴィジョン―20世紀美術のアウトサイダー・アート」(Parallel vision: Modern Artists and Outsider Art)とは、ロサンゼルス・カウンティ美術館にて開催され、1992年から翌年にかけて4か国を巡回したアウトサイダー・アートに焦点を当てた展覧会であり、また展覧会に関して出版された書籍名でもある。 以前に、ロサンゼルス・カウンティ美術館における歴史的な1986年の展覧会「芸術における霊的なもの―抽象絵画1890-1985」が開催されており、神秘的かつ超自然的な領域へと芸術家が深く関与し、この領域へ熱中したという証拠が豊富な文献を通じて裏付けられ、霊性や霊的な哲学との結びつきが明らかとなった。画家の内面から湧き出る霊的なヴィジョンからの観点を見直す試みであり、「パラレル・ヴィジョン」展はこの延長にある。こうした企画を行ったは、他にも「アート・アンド・テクノロジー」展など美術史を再解釈する企画で名が知られており、次はアウトサイダー・アートが美術史にとって重要になることを意味していた。 そうして構想されたのが、この「パラレル・ヴィジョン」展であり、アウトサイダーや強迫的幻視者に焦点を当てたが、以前の展覧会と比較して資料は乏しく美術的な関心が払われてこなかったことが判明した。当初、部族のシャーマン的美術やアボリジニの樹皮絵画、アクリル絵画、もちろん精神病院に隔離され完全に阻害された人々の美術を含めようとしていたが、収集がつかなくなたのか、強迫的幻視者と精神病者の造形に縮小された。そしてその焦点は特に「強迫的幻視者」に当たり、コンパルシヴ(強迫観念にとらわれた)、アントート(教育によらない)、ヴィジョナリー(幻視的)といった特徴のある作家が集められ、ジャン・デュビュッフェがアール・ブリュットと定義した概念と似ていた。アウトサイダー・アートの最も強力な作品は、精神障害を診断された者の作品だという傾向があり、それは一部では知覚体験の変容に基づいており一般に統合失調症との関連で考えられる。この「パラレル・ヴィジョン」展ではマッジ・ギルのような心霊術者の作品も集められた。開催され評判を呼び、ロサンゼルスでは翌1993年から「アウトサイダー・アート・フェア」が開催されるようになり2016年でも続いている。 「パラレル・ヴィジョン」展は、日本においてアウトサイダー・アートが大規模に展示された最初の展示会であり、このアートのムーブメントに火をつけた。精神科医の斎藤環は、同展でヘンリー・ダーガーが『非現実の王国で』の挿絵としての描いた絵画に、戦う少女による萌えの元祖として出会い一冊の本を書くことになったという。 1993年9月30日より、世田谷美術館は「日本のアウトサイダー・アート」展を開催し、日本における障害者や幻視者の作品が紹介され、小笹逸男、草間彌生(くさまやよい)、古賀春江、坂上チユキ、福村惣太夫、山下清、吉川敏明、渡辺金蔵の作品が展示された。日本へのアウトサイダー・アートの紹介はスポンサーとなった資生堂の支援が大きい。また1993年は(デュビュッフェの)アール・ブリュット・コレクションのジュヌヴィエーヴ・ルーランの協力を得て、アロイーズ展を開催した年でもあり、日本のアウトサイダー・アート元年と言える。世田谷美術館は、1986年の会館当初の「芸術と素朴」展より、今日アウトサイダー・アートと呼ばれる芸術を収集し展示してきたという特徴があった。.

14 関係: 古賀春江山下清世田谷美術館二笑亭マッジ・ギルヘンリー・ダーガーアロイーズ・コルバスアウトサイダー・アートジャン・デュビュッフェ統合失調症草間彌生非現実の王国で資生堂斎藤環

古賀春江

古賀 春江(こが はるえ、1895年6月18日 - 1933年9月10日)は大正から昭和初期に活躍した日本の男性洋画家である。日本の初期のシュルレアリスムの代表的な画家として知られる。本名は亀雄(よしお)。後に僧籍に入り「古賀良昌(りょうしょう)」と改名した。「春江」はあくまでも通称である。.

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山下清

山下 清(やました きよし、1922年(大正11年)3月10日 - 1971年(昭和46年)7月12日)は、日本の画家。.

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世田谷美術館

世田谷美術館(せたがやびじゅつかん)は東京都世田谷区の砧公園のなかにある美術館である。1986年に開館し、当初から素朴芸術と呼ばれる正規の美術教育を受けていない非専門家による作品を収集しており。それは世田谷という暮らしと密接した地域だからこその、身近に親しまれる芸術を志向したことによる。開館当初に「芸術と素朴」展を開催した(素朴派)。そうした芸術は今日アウトサイダー・アートとして知られる。.

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二笑亭

二笑亭(にしょうてい)は、東京深川の地主渡辺金蔵(1877年?~1942年6月20日)が自ら設計し大工を指揮して建築させた個人住宅(渡辺邸)である。現在の門前仲町二丁目にあった。.

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マッジ・ギル

マッジ・ギル(Madge Gill、1882年-1961年)は、イギリスのアウトサイダー・アーティスト。.

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ヘンリー・ダーガー

ヘンリー・ジョセフ・ダーガー・ジュニア(Henry Joseph Darger, Jr.

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アロイーズ・コルバス

アロイーズ・コルバス(Aloïse Corbaz, 1886年6月28日 - 1964年4月6日)は、40年以上スイスの精神病院に入院をしながら、独自の絵画を描き続けてきたアウトサイダー・アーティスト。.

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アウトサイダー・アート

Adolf Wölfli、''Irren-Anstalt Band-Hain''、1910年。 アウトサイダー・アート(outsider art)とは、西洋の芸術の伝統的な訓練を受けていない人が制作した作品であるが、アートとして扱われているものを指す。 フランスのジャン・デュビュッフェが1945年にアール・ブリュット(生の芸術)と呼んだ、強迫的幻視者や精神障害者の作品は、1967年ににて初めて展示され公的に認知された。1972年にイギリスのがアウトサイダー・アートとして、社会の外側に取り残された者の作品で、美術教育を受けていない独学自習であるとして、概念を広げ精神障害以外に主流の外側で制作する人々を含めた。プリミティブ・アートや、民族芸術、心霊術者の作品も含まれるようになった。 1990年にはオーストリアの精神病院内にあるグギング芸術家の家の芸術家が国家芸術賞を受賞したし、が企画し1992年よりアメリカ、日本など4か国を巡回した「パラレル・ヴィジョン」展を通じて、アウトサイダー・アートの認識は広まってきた。2010年代には、日本のアウトサイダー・アートとして障害者の芸術が海外で展示され好評を得て、日本でもその認識は高まっている。.

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ジャン・デュビュッフェ

ャン.

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統合失調症

統合失調症(とうごうしっちょうしょう)またはスキゾフレニア(Schizophrenie、Schizophrénie、Schizophrenia、SZ)とは、思考、知覚、感情、言語、自己の感覚、および行動における他者との歪みによって特徴付けられる症状を持つ精神障害の一つ。一般的には幻聴、幻覚、異常行動などを伴うが、罹患者によって症状のスペクトラムも多様である。エミール・クレペリン、オイゲン・ブロイラー、クルト・シュナイダーが共通して挙げている当該疾患の特徴的で頻発の症状は「思考途絶(連合障害)」と「思考化声(自生思考)」である。日本では2002年(平成14年)まで、精神分裂病(せいしんぶんれつびょう)と呼ばれていた。 統合失調症は、精神病理学あるいは臨床単位上の精神障害の診断・統計カテゴリーの一つである。この疾患群は、自閉症状と連合障害(認知障害)を基礎疾患とする複数の脳代謝疾患群と考えられている。各症状が同根の神経生物学的基礎を有するか否かは、現在のところ全く不明である。発症のメカニズムや根本的な原因は解明されておらず、また、単一の疾患ではない可能性が指摘されており、症候群である可能性がある。様々な仮説が提唱されているものの、未だに決定的な定説の確立を見ない。 有病者数は世界で2,100万人(男性1,200万人、女性900万人)ほどで、患者は一般人口より死亡率が2.0 - 2.5倍ほど高い。成人の年間有病率は0.1 - 7.5%、生涯有病率は0.1 - 1.8%と世界保健機関は報告している。世界の障害調整生命年()のうち約1%を占める。日本では71万3千人の患者がいると推計されている。 精神疾患としては深刻なもの(Severe mental disorder)に位置づけられるが、治療可能な病気でありながら、患者の大部分(2人に1人)は受診につながっていない。この疾患の担当診療科は精神科であり、精神科医が診療に当たる。世界保健機関は、低中所得国を対象とした改善計画 を開始し、クリニカルパスおよび診療ガイドラインを作成し公開している。.

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草間彌生

草間 彌生(くさま やよい、1929年(昭和4年)3月22日 - )は、日本の芸術家。長野県松本市生まれ。 幼い頃から悩まされていた幻覚や幻聴から逃れるために、それらの幻覚・幻聴を絵にし始めた。1957年(昭和32年)に渡米すると絵画や立体作品の制作だけではなくハプニングと称される過激なパフォーマンスを実行し、1960年代には「前衛の女王」の異名をとった。 草間彌生のいくつかの作品は、水玉模様などの同一のモチーフの反復によって絵画の画面や彫刻の表面を覆うことが特徴の一つである。合わせ鏡を用いて光やオブジェを無限に広がるように見せるインスタレーションや、男根状のオブジェを日用品などに張り付ける立体作品も制作している。カボチャをモチーフにした作品もしばしば見られる。 また、ファッションデザインや小説執筆などの活動も行う。.

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非現実の王国で

『非現実の王国で』(ひげんじつのおうこくで、In The Realms of the Unreal)、正式には『非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語』(ひげんじつのおうこくとしてしられるちにおける ヴィヴィアン・ガールズのものがたり こどもどれいのはんらんにきいんするグランデコ・アンジェリニアンせんそうのあらしのものがたり、The Story of the Vivian Girls, in What is Known as the Realms of the Unreal, of the Glandeco-Angelinnian War Storm, Caused by the Child Slave Rebellion)は、ヘンリー・ダーガーによる物語である。アウトサイダー・アートの代表例とされる作品で、「世界一長い長編小説」とされることもある。.

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資生堂

株式会社資生堂(しせいどう、英語:Shiseido Company, Limited)は、化粧品の製造・販売を主な事業とする日本の企業である。化粧品の国内シェア第1位であり、世界シェアでは第5位となっている。 世界の約120カ国・地域で事業展開しており、海外売上比率は5割を超える。2018年秋からは本社の公用語を英語化する予定である。.

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斎藤環

斎藤 環(さいとう たまき、1961年9月24日 - )は、精神科医、批評家、漫画評論家。精神科医としての専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学。筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。「ひきこもり」診療の世界的な第一人者。 公益社団法人青少年健康センター参与、筑波大学医学博士、精神保健指定医。日本病跡学会賞、角川財団学芸賞受賞。 オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。.

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