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バナッハ空間

索引 バナッハ空間

数学におけるバナッハ空間(バナッハくうかん、Banach space; バナハ空間)は、完備なノルム空間、即ちノルム付けられた線型空間であって、そのノルムが定める距離構造が完備であるものを言う。 解析学に現れる多くの無限次元函数空間、例えば連続函数の空間(コンパクトハウスドルフ空間上の連続写像の空間)、 ''L''''p''-空間と呼ばれるルベーグ可積分函数の空間、ハーディ空間と呼ばれる正則函数の空間などはバナッハ空間を成す。これらはもっとも広く用いられる位相線型空間であり、これらの位相はノルムから規定されるものになっている。 バナッハ空間の名称は、この概念をハーンとヘリーらと共に1920-1922年に導入したポーランドの数学者ステファン・バナフに因む。.

55 関係: 加群の直和基底 (線型代数学)ほとんど (数学)単射双対ベクトル空間完備距離空間中線定理一様空間弱位相作用素作用素ノルムノルムノルム線型空間ハンス・ハーンハーン–バナッハの定理ハーディ空間バナッハ空間の一覧バナッハ環ユークリッド空間ヒルベルト空間フレシェ微分フレシェ空間ベールの範疇定理ベクトル空間エードゥアルト・ヘリーガトー微分コンパクト空間コーシー列シュワルツ超函数ステファン・バナフ内積写像の合成商線型空間全射回帰的空間等長写像線型位相空間線型部分空間絶対値非可算集合順序集合関数空間連続 (数学)連続写像連続的双対空間LF空間Lp空間正則関数測度論有界...有界作用素有界函数数え上げ測度数学数学的帰納法 インデックスを展開 (5 もっと) »

加群の直和

抽象代数学における直和(ちょくわ、direct sum)は、いくつかの加群を一つにまとめて新しい大きな加群にする構成である。加群の直和は、与えられた加群を「不必要な」制約なしに部分加群として含む最小の加群であり、余積の例である。双対概念であると対照をなす。 この構成の最もよく知られた例はベクトル空間(体上の加群)やアーベル群(整数環 Z 上の加群)を考えるときに起こる。構成はバナッハ空間やヒルベルト空間をカバーするように拡張することもできる。.

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基底 (線型代数学)

線型代数学における基底(きてい、basis)は、線型独立なベクトルから成る集合で、そのベクトルの(有限個の)線型結合として、与えられたベクトル空間の全てのベクトルを表すことができるものを言う。もう少し緩やかな言い方をすれば、基底は(基底ベクトルに決まった順番が与えられたものとして)「座標系」を定めるようなベクトルの集合である。硬い表現で言うならば、基底とは線型独立な生成系のことである。 ベクトル空間に基底が与えられれば、その空間の元は必ず基底ベクトルの線型結合としてただ一通りに表すことができる。全てのベクトル空間は必ず基底を持つ(ただし、無限次元ベクトル空間に対しては、一般には選択公理が必要である)。また、一つのベクトル空間が有するどの基底も、必ず同じ決まった個数(濃度)のベクトルからなる。この決まった数を、そのベクトル空間の次元と呼ぶ。.

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ほとんど (数学)

数学において、ほとんど (almost) という語は、ある厳密な意味で用いられる専門用語のひとつである。主に「測度 0 の集合を除いて」という意味であるが、それ単体で用いることはあまりなく、「ほとんど至るところで(almost everywhere)」「ほとんど全ての(almost all)」などの決まり文句でひとつの意味を形成する。.

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単射

数学において、単射あるいは単写(たんしゃ、injective function, injection)とは、その値域に属する元はすべてその定義域の元の像として唯一通りに表されるような写像のことをいう。一対一(いったいいち、)の写像ともいう。似ているが一対一対応は全単射の意味で使われるので注意が必要である。.

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双対ベクトル空間

数学におけるベクトル空間の双対ベクトル空間(そうついベクトルくうかん、dual vector space)あるいは単に双対空間(そうついくうかん、dual space)は、そのベクトル空間上の線型汎函数(一次形式)全体の成す空間として定義される。有限次元ベクトル空間の双対空間はテンソルの研究に利用することができる。函数の成す(典型的には無限次元の)ベクトル空間に対する双対空間は、測度や超函数、あるいはヒルベルト空間のような概念の定義や研究に用いられ、結果として双対空間は函数解析学の研究における重要な観念となっている。 一般に双対空間には、代数的双対と連続的双対の二種類が用いられており、代数的双対は任意のベクトル空間に対して定義することができるが、位相線型空間を扱うときは代数的双対よりもその部分線型空間として、連続線型汎函数全体の成す連続的双対空間を考えるのが自然である。.

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完備距離空間

位相空間論あるいは解析学において、距離空間 M が完備(かんび、complete)またはコーシー空間(コーシーくうかん、Cauchy space)であるとは、M 内の任意のコーシー点列が M に属する極限を持つ(任意のコーシー点列が収束する)ことを言う。 直観的に言えば、空間が完備であるというのは(その内側や境界において)点を追いかけると「空間からはみ出してしまう」ということが起きないということである。例えば、有理数全体の成す集合 Q は完備でないが、これは例えば 2 の正の平方根は、それに収束する有理コーシー数列が構成できるにも拘らず、有理数ではないので Q からははみ出してしまう(後述)。「こういった抜けを全て埋めてしまう」という考えは後述するように、空間の完備化 (completion) として常に可能である。.

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中線定理

中線定理(ちゅうせんていり、parallelogram law)とは、幾何学において、三角形の中線の長さと辺の長さの関係を表す定理である。パップスの定理と知られているが、実はアポロニウスが発見した定理である。.

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一様空間

一様空間(いちようくうかん、uniform space)は数学の一分野である位相空間論の概念で、一様連続性、一様収束性、完備性、一様被覆といった性質の定式化が可能になる条件を抽象する事で得られたものである。 一様空間は距離空間と位相空間の中間の強さを持つ概念であり、距離空間は自然に一様空間とみなせ、一様空間は自然に位相空間とみなせる。また擬距離空間や位相群なども一様空間とみなせる。 一様空間は距離空間と位相群を一般化する概念であるので、解析学における議論の多くの基盤を与えるものとなっている。 一様構造と位相構造の概念的な違いは、一様空間においては点の近さや相対的な近さといったようなある種の概念が定式化できるというようなことにある。つまり、「点 x の点 a への近さは、点 y の点 bへの近さよりも近い」といったような考察は一様空間において意味を成すのである。対する一般の位相空間では、部分集合 A, B が与えられれば、「点 x が集合 A にどれほどでも近い(x が A の閉包に属する)」とか「集合 A は集合 B よりも小さい近傍である」といったようなことは言える。しかし点の近さの概念や相対的な近さといったようなものは、位相構造のみでは記述することができない。.

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弱位相

数学における弱位相(じゃくいそう、)は、の代わりとなる語である。この語は、連続双対に関する(ノルム線型空間のような)線型位相空間の始位相を表すために最もよく用いられる。この記事ではこの場合を扱う。これは函数解析学の概念の一つである。 線型位相空間の部分集合が弱閉(あるいは弱コンパクト)であるとは、それらが弱位相に関して閉(あるいはコンパクト)であることをいう。同様に、函数が弱位相に関して連続(あるいは微分可能、解析的など)の場合、しばしば弱連続(あるいは弱微分可能、弱解析的など)と呼ばれる。.

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作用素

数学における作用素(さようそ、operator)は、しばしば写像、函数、変換などの同義語として用いられる。函数解析学においては主にヒルベルト空間やバナッハ空間上の(必ずしも写像でない部分写像の意味での)線型変換を単に作用素と呼ぶ。そのような空間として特に函数空間と呼ばれる函数の成す無限次元線型空間は典型的であり(同じものを物理学の分野、特に量子力学などでは演算子(えんざんし)と呼ぶ)、このとき、作用素を関数を別の関数にうつす写像として理解することができる。数(定数関数)の集合に値をとる作用素は汎函数(はんかんすう、functional)と呼ばれる。 また、群や環が空間に作用しているとき、群や環の各元が定める空間上の変換、あるいはその変換が引き起こす関数空間上の変換のことを作用素ということがある。.

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作用素ノルム

数学の分野における作用素ノルム(さようそノルム、Operator norm)とは、線形作用素の大きさを測る際に用いられるある種の指標のことを言う。より正式には、与えられた二つのノルム線形空間の間の有界線形作用素からなる空間上に定義されるノルムのことを言う。.

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ノルム

解析学において、ノルム (norm, Norm) は、平面あるいは空間における幾何学的ベクトルの "長さ" の概念の一般化であり、ベクトル空間に対して「距離」を与えるための数学の道具である。ノルムの定義されたベクトル空間を線型ノルム空間または単にノルム空間という。.

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ノルム線型空間

数学におけるノルム線型空間(ノルムせんけいくうかん、normed vector space; ノルム付きベクトル空間、ノルム付き線型空間)または短くノルム空間は、ノルムの定義されたベクトル空間を言う。 各成分が実数の、二次元あるいは三次元のベクトルからなる空間では、直観的にベクトルの「大きさ」(長さ)の概念が定義できる。この直観的アイデアを任意有限次元の実数ベクトル空間 に拡張するのは容易い。ベクトル空間におけるそのようなベクトルの大きさは以下のような性質を持つ.

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ハンス・ハーン

ハンス・ハーン(Hans Hahn, 1879年9月27日 - 1934年7月24日)はオーストリアの数学者。関数解析学、位相幾何学、集合論、変分法、実解析、秩序理論などに多くの貢献を果たした。 ウィーン生まれ。ウィーン工科大学で学ぶ。また、ストラスブール大学、ミュンヘン大学、ゲッティンゲン大学でも学んでいる。1905年、ウィーン大学の教員に任命される。その後、チェルニウツィー大学、ボン大学の助教授、教授を経て、1921年にウィーン大学で数学教授に就任した。 哲学にも大いに関心を抱き、論理実証主義の立場にたつ科学者が哲学者たちが定期的にウィーンで開いていた会合であるウィーン学団にも参加している。 数学的貢献としてはハーン-バナッハの定理や一様有界性原理 (uniform boundedness principle) がある。いずれもステファン・バナフやフーゴ・シュタインハウス (Hugo Steinhaus) とは独立に定式化したもの。他には以下の定理にも貢献している。.

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ハーン–バナッハの定理

数学におけるハーン–バナッハの定理(ハーン–バナッハのていり、)は、関数解析学の分野における中心的な道具で、ベクトル空間の部分空間上で定義される有界線形汎関数が全空間への拡張できることについて述べたものである。これにより、どのようなノルム線形空間においても、その上で定義される連続線形汎関数が、双対空間の研究を「面白い」ものにするに「十分」なほどたくさんあることがわかる。ハーン-バナッハの定理の別形態のものとして、ハーン–バナッハの分離定理あるいは分離超平面定理と呼ばれるものがあり、の分野で多く用いられている。 定理の名前の由来は、1920年代後半にそれぞれ独立にこの定理を証明したハンス・ハーンとステファン・バナッハである。定理の特別な場合については、より早い段階(1912年)でエードゥアルト・ヘリーによって証明されており、またこの定理が導出されるようなある一般の拡張定理が、1923年にマルツェル・リースによって証明されていた。.

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ハーディ空間

数学の複素解析の分野におけるハーディ空間(ハーディくうかん、)あるいはハーディ級(Hardy class)Hp とは、単位円板あるいは上半平面上のある種の正則函数の空間のことを言う。リース・フリジェシュ によって導入され、その名は論文 の著者であるゴッドフレイ・ハロルド・ハーディにちなむ。実解析におけるハーディ空間は、(超函数の意味で)複素ハーディ空間の正則函数の境界値であるような、実数直線上のある超函数からなる空間で、函数解析学におけるLp空間と関係する。1 ≤ p ≤ ∞ に対し、それら実ハーディ空間 Hp は Lp の部分集合であるが、p p はいくつか望ましくない性質を持つ一方、ハーディ空間はより良い振る舞いをする。 複素数の場合の上の正則函数や、実数の場合の Rn 上の超函数の空間など、高次元の一般化がいくつか存在する。 ハーディ空間には解析学それ自身において多くの応用が存在すると共に、制御理論(H∞制御理論など)や散乱理論においても多くの応用が存在する。.

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バナッハ空間の一覧

数学の函数解析学の分野において、バナッハ空間(バナッハくうかん、)は最も重要な研究対象の一つである。その他の解析学の分野においても、実際に現れる空間の多くはバナッハ空間である。.

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バナッハ環

数学の、特に関数解析学の分野におけるバナッハ環(バナッハかん、; バナッハ代数、バナッハ多元環、バナッハ線型環)は、完備ノルム体(ふつうは実数体 または 複素数体 )上の結合多元環 であって、バナッハ空間(ノルムが存在し、に関して完備)ともなる。バナッハ代数におけるノルムは乗法に関して を満たすことが要求され、それにより乗法の連続性は保証される。名称はステファン・バナッハに由来する。 上述の定義において、バナッハ空間をノルム空間に緩める(つまり完備性を要請しない)場合、同様の構造はノルム環(ノルム線型環)と呼ばれる。 バナッハ環は、乗法単位元を持つとき、単位的(unital)であると言う。また乗法が可換であるとき、可換と言う。単位元を持つ持たないにかかわらず、任意のバナッハ環 は適当な単位的バナッハ環(つまり の「単位化」) にこの閉イデアルとなるように等長的に埋め込める。しばしば、扱っている環は単位的であるということがアプリオリに仮定される。すなわち、 を考えることで多くの理論を展開でき、その結果を元の環に応用するという方法が取られることがある。しかしこの方法は常に有効という訳ではない。例えば、単位元を持たないバナッハ環においては、すべての三角関数を定義することが出来ない。 実バナッハ環の理論は、複素バナッハ環の理論とは非常に異なるものである。例えば、非自明な複素バナッハ環の元のスペクトルは決して空とはならないが、実バナッハ環においてはいくつかの元のスペクトルは空となり得る。 p-進数体 上のバナッハ代数(-進バナッハ代数)は、p-進解析の一部として研究される。.

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ユークリッド空間

数学におけるユークリッド空間(ユークリッドくうかん、Euclidean space)は、エウクレイデス(ユークリッド)が研究したような幾何学(ユークリッド幾何学)の場となる平面や空間、およびその高次元への一般化である。エウクレイデスが研究した平面や空間はそれぞれ、2次元ユークリッド空間、3次元ユークリッド空間に当たり、これらは通常、ユークリッド平面、ユークリッド空間などとも呼ばれる。「ユークリッド的」という修飾辞は、これらの空間が非ユークリッド幾何やアインシュタインの相対性理論に出てくるような曲がった空間ではないことを示唆している。 古典的なギリシャ数学では、ユークリッド平面や(三次元)ユークリッド空間は所定の公準によって定義され、そこからほかの性質が定理として演繹されるものであった。現代数学では、デカルト座標と解析幾何学の考え方にしたがってユークリッド空間を定義するほうが普通である。そうすれば、幾何学の問題に代数学や解析学の道具を持ち込んで調べることができるようになるし、三次元以上のユークリッド空間への一般化も容易になるといった利点が生まれる。 現代的な観点では、ユークリッド空間は各次元に本質的に一つだけ存在すると考えられる。たとえば一次元なら実数直線、二次元ならデカルト平面、より高次の場合は実数の組を座標にもつ実座標空間である。つまり、ユークリッド空間の「点」は実数からなる組であり、二点間の距離は二点間の距離の公式に従うものとして定まる。n-次元ユークリッド空間は、(標準的なモデルを与えるものという意味で)しばしば とかかれるが、(余分な構造を想起させない)ユークリッド空間固有の性質を備えたものということを強調する意味で と書かれることもある。ふつう、ユークリッド空間といえば有限次元であるものをいう。.

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ヒルベルト空間

数学におけるヒルベルト空間(ヒルベルトくうかん、Hilbert space)は、ダフィット・ヒルベルトにその名を因む、ユークリッド空間の概念を一般化したものである。これにより、二次元のユークリッド平面や三次元のユークリッド空間における線型代数学や微分積分学の方法論を、任意の有限または無限次元の空間へ拡張して持ち込むことができる。ヒルベルト空間は、内積の構造を備えた抽象ベクトル空間(内積空間)になっており、そこでは角度や長さを測るということが可能である。ヒルベルト空間は、さらに完備距離空間の構造を備えている(極限が十分に存在することが保証されている)ので、その中で微分積分学がきちんと展開できる。 ヒルベルト空間は、典型的には無限次元の関数空間として、数学、物理学、工学などの各所に自然に現れる。そういった意味でのヒルベルト空間の研究は、20世紀冒頭10年の間にヒルベルト、シュミット、リースらによって始められた。ヒルベルト空間の概念は、偏微分方程式論、量子力学、フーリエ解析(信号処理や熱伝導などへの応用も含む)、熱力学の研究の数学的基礎を成すエルゴード理論などの理論において欠くべからざる道具になっている。これら種々の応用の多くの根底にある抽象概念を「ヒルベルト空間」と名付けたのは、フォン・ノイマンである。ヒルベルト空間を用いる方法の成功は、関数解析学の実りある時代のさきがけとなった。古典的なユークリッド空間はさておき、ヒルベルト空間の例としては、自乗可積分関数の空間 、自乗総和可能数列の空間 、超関数からなるソボレフ空間 、正則関数の成すハーディ空間 などが挙げられる。 ヒルベルト空間論の多くの場面で、幾何学的直観は重要である。例えば、三平方の定理や中線定理(の厳密な類似対応物)は、ヒルベルト空間においても成り立つ。より深いところでは、部分空間への直交射影(例えば、三角形に対してその「高さを潰す」操作の類似対応物)は、ヒルベルト空間論における最適化問題やその周辺で重要である。ヒルベルト空間の各元は、平面上の点がそのデカルト座標(直交座標)によって特定できるのと同様に、座標軸の集合(正規直交基底)に関する座標によって一意的に特定することができる。このことは、座標軸の集合が可算無限であるときには、ヒルベルト空間を自乗総和可能な無限列の集合と看做すことも有用であることを意味する。ヒルベルト空間上の線型作用素は、ほぼ具体的な対象として扱うことができる。条件がよければ、空間を互いに直交するいくつかの異なる要素に分解してやると、線型作用素はそれぞれの要素の上では単に拡大縮小するだけの変換になる(これはまさに線型作用素のスペクトルを調べるということである)。.

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フレシェ微分

数学におけるフレシェ微分(フレシェびぶん、Fréchet derivative)は、モーリス・ルネ・フレシェの名にちなむ、バナッハ空間上で定義される微分法の一種である。フレシェ微分は、実一変数の実数値函数の導函数を、実多変数のベクトル値函数の場合へ一般化するのに広く用いられ、また変分法で広範に用いられる汎函数微分を定義するのにもつかわれる。 一般に、これは実一変数実数値函数の微分の概念をバナッハ空間上の写像へ拡張するものであり、より一般のガトー微分(古典的な方向微分の一般化)とは対比されるべきものである。 フレシェ微分は解析学や物理科学の至る所(特に、変分法、非線型解析学の多く、および非線型函数解析)で非線型問題に応用を持つ。.

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フレシェ空間

数学の関数解析学周辺分野におけるフレシェ空間(フレシェくうかん、Fréchet spaces)は、モーリス・フレシェに名を因む、位相空間の一種である。フレシェ空間は(ノルムの導く距離に関して完備なノルム付き線型空間である)バナッハ空間を一般化するもので、平行移動不変距離関数に関して完備な局所凸空間を言う。バナッハ空間との違いは、その距離がノルムから生じるものでなくともよいことである。 フレシェ空間の位相構造は、バナッハ空間のと比べてノルムがない分だけより複雑なものではあるけれども、ハーン・バナッハの定理や開写像定理、バナッハ・シュタインハウスの定理などの関数解析学における重要な結果の多くが、フレシェ空間においてもやはり成り立つ。 無限回微分可能関数の成す空間などは、フレシェ空間の典型例である。.

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ベールの範疇定理

数学におけるベールの範疇定理(ベールのはんちゅうていり、Baire category theorem)、あるいはベールのカテゴリー定理は、位相空間論および関数解析学で重要な道具で、ルネ=ルイ・ベールが1899年の博士学位論文において証明した。この定理には二つの形があり、何れも位相空間がベール空間であるための十分条件を与えるものになっている。.

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ベクトル空間

数学、特に線型代数学におけるベクトル空間(ベクトルくうかん、vector space)、または、線型空間(せんけいくうかん、linear space)は、ベクトルと呼ばれる元からなる集まりの成す数学的構造である。ベクトルには和が定義され、またスカラーと呼ばれる数による積(「スケール変換」)を行える。スカラーは実数とすることも多いが、複素数や有理数あるいは一般の体の元によるスカラー乗法を持つベクトル空間もある。ベクトルの和とスカラー倍の演算は、「ベクトル空間の公理」と呼ばれる特定の条件(後述)を満足するものでなければならない。ベクトル空間の一つの例は、力のような物理量を表現するのに用いられる幾何ベクトルの全体である(同じ種類の任意の二つの力は、加え合わせて力の合成と呼ばれる第三の力のベクトルを与える。また、力のベクトルを実数倍したものはまた別の力のベクトルを表す)。同じ調子で、ただしより幾何学的な意味において、平面や空間での変位を表すベクトルの全体もやはりベクトル空間を成す。 ベクトル空間は線型代数学における主題であり、ベクトル空間はその次元(大雑把にいえばその空間の独立な方向の数を決めるもの)によって特徴づけられるから、その観点からはよく知られている。ベクトル空間は、さらにノルムや内積などの追加の構造を持つこともあり、そのようなベクトル空間は解析学において主に函数をベクトルとする無限次元の函数空間の形で自然に生じてくる。解析学的な問題では、ベクトルの列が与えられたベクトルに収束するか否かを決定することもできなければならないが、これはベクトル空間に追加の構造を考えることで実現される。そのような空間のほとんどは適当な位相を備えており、それによって近さや連続性といったことを考えることができる。こういた位相線型空間、特にバナッハ空間やヒルベルト空間については、豊かな理論が存在する。 歴史的な視点では、ベクトル空間の概念の萌芽は17世紀の解析幾何学、行列論、連立一次方程式の理論、幾何ベクトルの概念などにまで遡れる。現代的な、より抽象的な取扱いが初めて定式化されるのは、19世紀後半、ペアノによるもので、それはユークリッド空間よりも一般の対象が範疇に含まれるものであったが、理論の大半は(直線や平面あるいはそれらの高次元での対応物といったような)古典的な幾何学的概念を拡張することに割かれていた。 今日では、ベクトル空間は数学のみならず科学や工学においても広く応用される。ベクトル空間は線型方程式系を扱うための適当な線型代数学的概念であり、例えば画像圧縮ルーチンで使われるフーリエ展開のための枠組みを提示したり、あるいは偏微分方程式の解法に用いることのできる環境を提供する。さらには、テンソルのような幾何学的および物理学的な対象を、抽象的に座標に依らない で扱う方法を与えてくれるので、そこからさらに線型化の手法を用いて、多様体の局所的性質を説明することもできるようになる。 ベクトル空間の概念は様々な方法で一般化され、幾何学や抽象代数学のより進んだ概念が導かれる。.

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エードゥアルト・ヘリー

ードゥアルト・ヘリー(Eduard Helly、1884年7月1日 - 1943年11月21日)はオーストリアの数学者。ヘリーの定理、、ヘリーの選択定理、、等に名を残している。1912年にはハーン=バナッハの定理の証明を発表しており、これはハーンとバナハが定理をそれぞれ独立に発見する15年も前のことだが、ヘリーが示したのはハーン・バナッハの定理のうち、区間 上の連続函数に対する特別の場合のみである。連続函数の空間 は無限次元であり、無限次元の場合のハーンバナッハの定理を一般に証明するには、選択公理あるいはそれと同等の仮定を必要とするが、1912年の時点では公理の存在はまだ認識されていないので、ヘリーがどのように証明を行い、それは本当に正しい証明なのかという疑念が持たれるところであるが、実はヘリーは という特定の具体例にあって、選択公理抜きで特別の拡張を構成しているのである。ただ、ハーン・バナッハの定理の真価はその一般性にこそあるのであって、そのために選択公理が必要とされるのである。 シベリアのウスリースクにある捕虜収容所で、ヘリーは関数解析における重要な原稿を書いた。.

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ガトー微分

数学におけるガトー微分(ガトーびぶん、Gâteaux differential, Gâteaux derivative)は、第一次世界大戦において夭折したフランス人数学者に名を因む、微分学における方向微分の概念の一般化で、バナハ空間などの局所凸位相線型空間の間の函数に対して定義される。バナハ空間上のフレシェ微分同様に、ガトー微分は変分法や物理学で広く用いられる汎函数微分の定式化にしばしば用いられる。 他の微分法と異なり、ガトー微分は必ずしも線型でないが、ガトー微分の定義にそれが連続線型変換となることも仮定することがよくある。文献によっては、例えば は(非線型かもしれない)ガトー微分係数 と(必ず線型である)ガトー導函数 をはっきりと区別する。応用に際して、連続線型性がそれぞれの状況において自然に課されるもっと原始的な条件、例えばにおける複素可微分性や非線型解析学における連続的可微分性など、から従うということも多い。.

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コンパクト空間

数学において、コンパクト(compact)は位相空間の性質である。詳細は後述するがコンパクト性の定義それ自身は直観性に乏しいものであり、証明を容易にする為のいわば操作的なものである。しかし距離空間であればより直観的な言葉でいいかえる事ができ、特に有限次元のユークリッド空間においては有界閉集合であることとコンパクト集合であることとは同値になる。したがってコンパクトの概念はユークリッド空間における有界閉集合の概念を一般の位相空間に拡張したものとしてとらえる事ができる。 なお無限次元では有界閉集合はコンパクトとは限らず、例えばヒルベルト空間内の(縁を含んだ)単位球体は有界かつ閉集合であるがコンパクトではない(距離位相を入れた場合)。 ブルバキでは、ここでいう定義を満たす位相空間を準コンパクト(quasi-compact)と呼び、さらにハウスドルフの分離公理を満たすものをコンパクトであると呼んでいる。距離空間など多くの空間ではハウスドルフの分離公理が満たされるので両者の概念は一致するが、一般には注意が必要である。.

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コーシー列

解析学におけるコーシー列(コーシーれつ、Cauchy sequence)は、数列などの列で、十分先のほうで殆ど値が変化しなくなるものをいう。基本列(きほんれつ、fundamental sequence)、正則列(せいそくれつ、regular sequence)、自己漸近列(じこぜんきんれつ)などとも呼ばれる。実数論において最も基本となる重要な概念の一つである。 各 ''n'' に対して順番に縦軸上にプロットしたコーシー列の例。 ''x''''n''.

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シュワルツ超函数

解析学におけるシュワルツ超函数(シュワルツちょうかんすう、distribution; 分布)あるいは超函数(generalized function; 広義の函数)は、函数の一般化となる数学的対象である。シュワルツ超函数の概念は、古典的な意味での導函数を持たない函数に対しても微分を可能とする。特に、任意の局所可積分函数は超函数の意味で微分可能である。シュワルツ超函数は偏微分方程式の弱解(広義の解)の定式化に広く用いられる。古典的な意味での解(真の解)が存在しないか構成が非常に困難であるような場合でも、その微分方程式の超函数解はしばしばより容易に求まる。シュワルツ超函数の概念は、多くの問題が自然に解や初期条件がディラック・デルタのような超函数となるような偏微分方程式として定式化される物理学や工学においても重要である。 広義の函数としての超函数 (generalized function) は1935年セルゲイ・ソボレフによって導入されたが、その後1940年代になって一貫した超函数論を展開するローラン・シュヴァルツによって再導入される。 超函数(distribution)の拡張の一つとして、佐藤超函数があるとみなすことができる。.

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ステファン・バナフ

テファン・バナフ(Stefan Banach, 1892年3月30日 - 1945年8月31日)はポーランドの数学者。バナッハ空間論、実解析論、数学基礎論などで多大な業績をのこした。ワルシャワ学派、クラクフ学派、ルヴフ学派の3派で構成されるポーランド学派のうち、ルヴフ学派のオリジナルメンバーの一人。.

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内積

線型代数学における内積(ないせき、inner product)は、(実または複素)ベクトル空間上で定義される非退化かつ正定値のエルミート半双線型形式(実係数の場合には対称双線型形式)のことである。二つのベクトルに対してある数(スカラー)を定める演算であるためスカラー積(スカラーせき、scalar product)ともいう。内積を備えるベクトル空間は内積空間と呼ばれ、内積の定める計量を持つ幾何学的な空間と見做される。エルミート半双線型形式の意味での内積はしばしば、エルミート内積またはユニタリ内積と呼ばれる。.

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写像の合成

数学において写像あるいは函数の合成(ごうせい、composition)とは、ある写像を施した結果に再び別の写像を施すことである。 たとえば、時刻 t における飛行機の高度を h(t) とし、高度 x における酸素濃度を c(x) で表せば、この二つの函数の合成函数 (c ∘ h)(t).

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商線型空間

線型代数学において商線型空間(しょうせんけいくうかん、quotient vector space)あるいは単に商空間 (quotient space) とは、ベクトル空間 V とその部分線型空間 N に対して、N に属する全てのベクトルを 0 に「潰して」得られるベクトル空間である。これを部分空間 N による V の商空間あるいは N を法とする V の商空間といい、V/N で表す。.

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全射

数学において、写像が全射的(ぜんしゃてき、surjective, onto)であるとは、その終域となる集合の元は何れもその写像の像として得られることを言う。即ち、集合 から集合 への写像 について、 の各元 に対し となるような の元 が(一般には複数あってもよいが)対応させられるとき、写像 は全射 (surjection, onto mapping/function) であるという。全写(あるいは全写像)とも書く。 全射(および単射、双射)の語は20世紀フランスの数学結社ブルバキ(1935年以降『数学原論』シリーズを刊行している)により導入されたものである。接頭辞 sur- はフランス語で「上の」を意味し、写像の始域が終域全体をすっぽり覆い尽くすように写し込まれるイメージを反映したものになっている。sur, in, bi, jection いずれもラテン語源である。.

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回帰的空間

数学の関数解析学における回帰的空間(かいきてきくうかん、)とは、その双対空間の双対が元の空間と一致するようなバナッハ空間(より一般的には、局所凸位相ベクトル空間)のことである。回帰的なバナッハ空間はしばしばそれらの幾何学的な性質によって特徴付けられる。.

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等長写像

数学、とくに幾何学において等長写像(とうちょうしゃぞう)または等距離写像(とうきょりしゃぞう)とは、"長さ" を変えない(距離を保つ、distance preserving)写像のことである。全単射であるものに限って等長写像 (isometry) という場合もある。.

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線型位相空間

数学における線型位相空間(せんけいいそうくうかん、)とは、ベクトル空間の構造(線型演算)とその構造に両立する位相構造を持ったもののことである。係数体は実数体 R や複素数体 C などの位相体であり、ベクトルの加法やスカラー倍などの演算が連続写像になっていることが要請される。線型位相空間においては、通常のベクトル空間におけるような代数的な操作に加えて、興味のあるベクトルを他のベクトルで近似することが可能になり、関数解析学における基本的な枠組みが与えられる。 ベクトル空間の代数的な構造はその次元のみによって完全に分類されるが、特に無限次元のベクトル空間に対してその上に考えられる位相には様々なものがある。有限次元の実・複素ベクトル空間上の、意義のある位相はそれぞれの空間に対して一意的に決まってしまうことから、この多様性は無限次元に特徴的なものといえる。.

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線型部分空間

数学、とくに線型代数学において、線型部分空間(せんけいぶぶんくうかん、linear subspace)または部分ベクトル空間(ぶぶんベクトルくうかん、vector subspace)とは、ベクトル空間の部分集合で、それ自身が元の空間の演算により線型空間になっているもののことである。 ベクトル空間のある部分集合が、それ自身ある演算に関してベクトル空間の構造を持っていたとしても、その演算がもとの空間の演算でないならば部分線型空間とは呼ばない、ということに注意されたい。また、文脈により紛れの恐れのない場合には、線型部分空間のことを単に部分空間と呼ぶことがある。.

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絶対値

数の絶対値は零からの距離と考えられる 数学における実数 の絶対値(ぜったいち、absolute value)または母数(ぼすう、modulus) は、その符号を無視して得られる非負の値を言う。つまり正数 に対して および負数 に対して (このとき は正)であり、また である。例えば の絶対値は であり の絶対値も である。数の絶対値はその数の零からの距離と見なすことができる。 実数の絶対値を一般化する概念は、数学において広範で多様な設定のもとで生じてくる。例えば、絶対値は複素数、四元数、順序環、体などに対しても定義することができる。様々な数学的あるいは物理学的な文脈における (magnitude) や距離およびノルムなどの概念は、絶対値と緊密な関係にある.

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非可算集合

数学において、非可算集合(ひかさんしゅうごう)、あるいは非可算無限集合とは可算集合でない無限集合のことである。集合の非可算性は基数、濃度という概念と密接に関係している。集合は、その濃度が自然数全体の集合の濃度より大きいときに、非可算である。.

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順序集合

数学において順序集合(じゅんじょしゅうごう、ordered set)とは「順序」の概念が定義された集合の事で、「順序」とは大小、高低、長短等の序列に関わる概念を抽象化したものである。ただし、順序集合内の2つの元, に順序関係が定まっている(「比較可能」である)必要はなく、両者が「比較不能」であってもよい。 比較不能のケースを許容していることを強調して順序集合の事を半順序集合(はんじゅんじょしゅうごう、partially ordered set, poset)ともいう。一方、半順序集合の中で比較不能のケースがないものを特に全順序集合 という。(「半順序」という言葉が「全順序」の対義語ではない事に注意。全順序集合も半順序集合の一種である。) 全順序集合の簡単な例は整数の集合や実数の集合で、通常の大小比較を順序とみなしたものがある。 一方、全順序ではない半順序集合の例としては、正の整数全体の集合に整除関係で順序を入れたものや、(2つ以上元を含む)集合の冪集合において、包含関係を順序とみなしたものがある。例えば2元集合 において と はいずれも他方を包含していないので S の冪集合は全順序ではない。 実生活に近い例では、「AさんはBさんの子孫である」という事を「A<B」という大小関係とみなす事で人間全体の集合を半順序集合とみなせる。AさんとBさんはどちらも他方の子孫でない事もありうる(兄弟同士、叔父と甥、赤の他人等)ので、この順序集合は全順序ではない。.

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関数空間

関数空間(かんすうくうかん、、函数空間)とは、特定の空間上で、ある性質を持つ関数の全体を幾何学的な考察の対象として捉えたものである。.

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連続 (数学)

数学において、連続(れんぞく、continuous)および連続性(れんぞくせい、continuity)とは、いくら拡大しても近くにあって差が無いことを示す極限概念である。位相空間のあいだの写像について、開集合や極限といった位相的な概念を一定の方法でたもつという条件によって連続性の概念が定められる。これは異なる位相空間のあいだの関係を表す最も基本的な枠組みである。日常語としては「連続」が「切れずに繋がっている」という意味で使われることがあるが、位相空間の性質として「切れずに繋がっている」ということを表す概念は「連結性」である。事実として「連結領域の連続像は必ず連結」であり、従って連結な定義域を持つ連続函数のグラフは文字通り「切れずに繋がっている」ことになるが、それは連続性の本質ではない。.

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連続写像

位相空間論において函数や写像が連続(れんぞく、continuous)であるというのは、ある特定の意味で位相空間の間の位相的構造を保つある種の準同型となっていることを意味し、それ自体が位相空間論における興味の対象ともなる。数学の他の領域における各種の連続性の定義も、位相空間論における連続性の定義から導出することができる。連続性は、空間の位相が同相(位相同型)であることの基礎となる概念であり、特に全単射な連続写像が同相写像であるための必要十分条件は、その逆写像もまた連続となることである。 連続でない写像あるいは函数は、不連続であると言う。 連続性と近しい関係にある概念として、一様連続性、同程度連続性、作用素の有界性などがある。 位相空間の間の写像の連続性の概念は、それが距離空間の間の連続函数の場合のような明確な「距離」の概念を一般には持たない分、より抽象的である。位相空間というのは、集合 とその上の位相(あるいは開集合系)と呼ばれる の部分集合族で(距離空間における開球体全体の成す族の持つ性質を一般化するように)合併と交叉に関する特定の条件を満足するものを組にしたもので、位相空間においても与えられた点の近傍について考えることができる。位相に属する各集合は の(その位相に関する)開部分集合と呼ばれる。.

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連続的双対空間

関数解析学における位相線型空間の連続的双対空間(れんぞくてきそうついくうかん、continuous dual space)、位相的双対空間(いそうてきそうついくうかん、topological dual space)あるいは単に双対空間(そうついくうかん、dual space)は、位相線型空間を扱う際に典型的に注目される連続な線型汎関数全体の成す空間として生じる。これは位相線型空間 V の代数的双対空間 V∗ の線型部分空間で V′ で表される。 ユークリッド空間のような任意の「有限次元」ノルム空間もしくは位相線型空間に対しては、連続的双対は代数的双対に一致する。しかし任意の無限次元ノルム空間において不連続線型汎関数の例に見るように両者は一致しない。にも拘らず、位相線型空間論において不連続写像を考える必要はそれほどないので、わざわざ「連続的双対」や「位相的双対」とは言わずに単に「双対空間」と呼ぶことが多い。.

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LF空間

数学における LF-空間(エルエフくうかん、LF-space)は、ベクトル空間の一類で、一口に言えばシュヴァルツ超函数の構成法を抽象化するものである。LF-空間の名は、それがフレシェ空間の増大列の合併(正確には、狭義の可算帰納極限と呼ばれるもの)になっていることに由来する (inductive Limit of F-space)。.

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Lp空間

数学の分野における Lp 空間(エルピーくうかん、Lp space)とは、有限次元ベクトル空間に対する p-ノルムの自然な一般化を用いることで定義される関数空間である。アンリ・ルベーグの名にちなんでルベーグ空間としばしば呼ばれる が、 によると初めて導入されたのは とされている。Lp 空間は関数解析学におけるバナッハ空間や、線型位相空間の重要なクラスを形成する。物理学や統計学、金融、工学など様々な分野で応用されている。.

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正則関数

複素解析において、正則関数(せいそくかんすう、regular analytic function)あるいは整型函数(せいけいかんすう、holomorphic function)とは、ガウス平面あるいはリーマン面上のある領域の全ての点で微分可能であるような複素変数のことである。.

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測度論

測度論(そくどろん、measure theory )は、数学の実解析における一分野で、測度とそれに関連する概念(完全加法族、可測関数、積分等)を研究する。 ここで測度(そくど、measure )とは面積、体積、個数といった「大きさ」に関する概念を精緻化・一般化したものである。 よく知られているように積分は面積と関係があるので、積分(厳密にはルベーグ積分)も測度論を基盤にして定式化・研究できる。 また、測度の概念は確率を数学的に定式化する際にも用いられるため(コルモゴロフの公理)、 確率論や統計学においても測度論は重要である。 たとえば「サイコロの目が偶数になる確率 」は目が 1,..., 6 になるという 6 つの事象の集合の中で、2, 4, 6 という 3 つ分の「大きさ」を持っている為、 測度の概念で記述できる。.

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有界

上が有界集合、下が非有界集合を模式的に表したもの。ただし、下のほうは枠を超えて右方へ延々と続くものとする。 数学において集合が有界(ゆうかい、bounded)である、または有界集合(ゆうかいしゅうごう、bounded set)であるとは、ある種の「差渡しの大きさ」に関する有限性をそれが持つときにいう。有界でない集合は非有界(ひゆうかい、unbounded)であるという。 単純閉曲線はそれを境界として平面 '''R'''2 を有界(内側)および非有界(外側)な二つの領域に分ける。.

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有界作用素

数学(関数解析学)において、有界(線形)作用素(ゆうかいさようそ、)とは、二つのノルム空間 X および Y の間の線形変換 L であって、X に含まれるゼロでないすべてのベクトル v に対して L(v) のノルムと v のノルムの比が、v に依存しない一つの数によって上から評価されるようなもののことを言う。言い換えると、次を満たす線形変換 L のことを、有界作用素と言う: ここで \|\cdot\|_X は X が備えるノルムである( \|\cdot\|_Y も同様).上記の正定数 M のうち最小のもの(下限)は L の作用素ノルムと呼ばれ、\|L\|_ \, と記述される。 X から Y への有界作用素全体の集合を \mathcal(X,Y) として,L \in \mathcal(X,Y) に対して \|L\|_ によって作用素ノルムを表すこともある. 一般的に、有界作用素は有界関数ではない。後者は、すべての v に対し L(v) のノルムが上から評価されている必要があるが、これは Y がゼロベクトル空間でないと起こり得ない。有界作用素はである。 線形作用素が有界であることと、連続であることは必要十分である。.

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有界函数

数学の分野において、ある集合 X 上で定義される実数あるいは複素数値の函数 f が有界函数(ゆうかいかんすう、)であるとは、その値からなる集合が有界集合であることを言う。言い換えると、X 内のすべての x に対して が成り立つような、x に依らない実数 M が存在することを言う。 しばしば、X 内のすべての x に対して f(x)\le A が成立するとき、その函数は上界 A によって上から抑えられる()と言い、そのような A が存在するときその函数は上に有界であるという。それと対照的に、X 内のすべての x に対して f(x)\ge B が成立するとき、その函数は下界 B によって下から抑えられる()と言い、そのような B が存在するときその函数は下に有界であるという。 (しばしば、函数・写像・作用素などが同意語として扱われることもあるけれども)この概念は、有界作用素のそれと混同しないように注意するべきである。 有界函数の概念の重要で特別な場合として、X を自然数全体の集合 N と取って有界数列()が考えられる。すなわち、ある数列 (a0, a1, a2,...) が有界であるとは、ある実数 M が存在して、すべての自然数 n に対して が成立することを言う。有界数列すべてからなる集合(にベクトル空間の構造を入れたもの)は数列空間を成す。 この定義は、距離空間 Y に値を取る函数へと拡張することが出来る。ある集合 X 上で定義される函数 f が有界であるとは、Y 内のある a に対して適当な実数 M を取れば、距離函数 d で測った a と f(x) との距離が M 以下にできること、すなわち が X 内のすべての x に対して成立することを言う。この場合、a を他の任意の点に取り換えても、三角不等式により、同様な性質を持つ M を取ることができる。.

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数え上げ測度

数学、とくに解析学において、数え上げ測度(かぞえあげそくど、counting measure; 計数測度)とは、集合の元の個数を数えるという方法でその "大きさ"(あるいは "容積")を測る、ルベーグ積分における測度の一種である。.

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数学

数学(すうがく、μαθηματικά, mathematica, math)は、量(数)、構造、空間、変化について研究する学問である。数学の範囲と定義については、数学者や哲学者の間で様々な見解がある。.

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数学的帰納法

数学的帰納法(すうがくてききのうほう、mathematical induction)は自然数に関する命題 が全ての自然数 に対して成り立っている事を証明するための、次のような証明手法である自然数の定義は を含む流儀とそうでない流儀があるが、ここでは後者を採用した。。.

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