10 関係: 不純物、中性子線、交換相互作用、伝導電子、クロム、スピン密度波、スピントロニクス、スピン角運動量、金属、RKKY相互作用。
不純物
不純物(ふじゅんぶつ)とは、ある物質に、それ以外の物質が僅かに含まれている場合、その本来の物質以外の別の物質のことを指す。不純物は欠陥の一種である。一般には、不純物の存在は、本来の物質の性質を損なうことになる場合が多く、通常は不純物をいかに取り除くかに多くの努力が費やされる。ただ、一方では逆に不純物を利用して、本来その物質が持っていなかった新しい性質を引き出し、産業上有用な物質となる場合もある。.
中性子線
原子核物理学における中性子線(ちゅうせいしせん、neutron beam)とは中性子の粒子線を言う。.
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交換相互作用
物理学において、交換相互作用(こうかんそうごさよう、exchange interaction、交換エネルギーとも)は、同種粒子間でのみ起こる量子力学的効果である。 この効果は区別ができない粒子の波動関数が交換対称性〔2つの粒子を交換した時に符号が変化しない(対称)または変化する(反対称)〕の対象となるためである。ボース粒子およびフェルミ粒子のどちらも交換相互作用を経験しうる。フェルミ粒子では、これはパウリ反発と呼ばれることもあり、パウリの排他原理と関係している。ボース粒子では、交換相互作用は、ボース=アインシュタイン凝縮において見られるように、同種粒子がすぐ近くに見出される原因となる引きつける性質の形を取る。 交換相互作用は、2つ以上の同種粒子の波動関数が重なり合う時の距離のを変化させる。同種粒子間の距離の期待値は(区別ができる粒子の場合と比較して)、フェルミ粒子では増大し、ボース粒子では減少する。その他の帰結として、交換相互作用は強磁性や物質の体積に関与している。古典力学による交換相互作用の説明はできず、典型的な量子力学の効果のひとつである。 交換相互作用効果は、1926年に物理学者のヴェルナー・ハイゼンベルクとポール・ディラックによって独立に発見された。1928年、ハイゼンベルクがハイトラー-ロンドンの方法を使って交換相互作用(この場合特に直接交換相互作用とも言う)から強磁性の発現について議論した。ただし、この場合の交換相互作用による強磁性の実際の例は非常に少ないと思われている。 状態 i, j に対するスピンに関する演算子をそれぞれ、、とすると、 の形で表される相互作用が交換相互作用である。Jは交換積分と言い、後で詳述する。.
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伝導電子
伝導電子(でんどうでんし、conduction electron)とは、物質(主に金属)において、電気伝導を担う電子のこと。 半導体において、伝導帯にある電子のことも伝導電子と呼ぶ(半導体において単に「電子」と言う場合、多くは伝導電子の意味になる)。価電子帯に存在する電子が、ある温度においては、絶対温度とボルツマン定数の積に値するエネルギーを受ける。このエネルギーがバンドギャップより大きい場合、価電子帯上端付近の電子が伝導帯へと励起され、この電子が伝導電子として振舞うことになる。金属においては、フェルミ準位が伝導帯内に存在するため、この熱的励起のエネルギーが非常に小さくともフェルミ準位以上のエネルギー帯域に電子が存在することになる。強く束縛を受けない伝導電子を自由電子と呼ぶ。 固体中の伝導電子は原子のポテンシャルによってある程度の束縛を受ける。真空中における自由電子は任意のエネルギーを持てるのに対し、結晶中の電子では、その結晶周期性に起因して、運動量(波数)に制限が生じるため、ブリュアンゾーンが生じ、またバンド構造を取る。 しかし電子に部分的に占有されているエネルギーバンドにある電子は自由電子的に振る舞い、格子振動(フォノン)との相互作用などを示すほか、エネルギー準位の占有確率はフェルミ統計に従う。半導体の場合、伝導帯の底付近の電子は、本来の電子の質量とは異なる有効質量を持つ自由電子のように振る舞う。.
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クロム
ム(chromium 、Chrom 、chromium、鉻)は原子番号24の元素。元素記号は Cr。クロム族元素の1つ。.
スピン密度波
ピン密度波(-みつどは、SDW)と電荷密度波(でんかみつどは、CDW)は、固体におけるエネルギーの低い2つの似通った秩序状態を指す。2つの状態とも、異方的な低次元物質もしくはフェルミエネルギーN(E_F)に高い状態密度を持つ金属において低温でおきる。このような物質でおきる他の低温での基底状態は、超伝導、強磁性、反強磁性である。秩序状態への転移は、凝縮エネルギーによって引き起こされ、その大きさはおよそN(E_F)\Deltaである。\Deltaは転移によって開くエネルギーギャップの大きさである。SDWはスピン波とは異なることに注意しなければならない。スピン波は強磁性、反強磁性の励起である。 基本的にSDWとCDWは、周期的な変調をそれぞれ電子のスピンの密度と電荷の密度に生じ、それらは特徴的な空間周波数qを持ち、qはイオンの位置を表す対称群においては変化しない。CDWによる新たな周期性は、走査型トンネル顕微鏡や電子線回折によって簡単に見ることが出来る。これに比べSDWは見にくく、一般的に中性子回折法や磁化率測定によって見ることができる。もし新たな周期性が格子定数の整数分の1か整数倍の時は、波はコメンシュレートであると言い、そうでない時は、インコメンシュレートであると言う。 Crのバンド構造によって、\Gamma点を中心とした電子ポケット(緑)とH点を中心としたホールポケット(青)が生じている。囲んでいる黒い四角は第一ブリュアンゾーンを示す。 なぜ、高いN(E_F)を持つ固体は低温で密度波を形成し、他の物質は超伝導や磁気的な基底状態をとるのか。その答えは物質のフェルミ面に存在するネスティングベクトルと関係している。ネスティングベクトルの概念を図に示す。これはよく知られたCrの場合である。Crはネール温度311Kで常磁性からSDW状態に転移する。Crは体心立方格子であり、フェルミ面の特徴として、\Gamma点とH点を中心とする電子ポケットの間に、フェルミ面が多くの平行な境界を持っている。これらの大きい平行な領域は、図の赤で示されたネスティングベクトルqによって結ばれている。スピン密度波によって出来た実空間での周期は2\pi/qで与えられる。この空間周波数のSDWができることによって、エネルギーギャップが開き、系のエネルギーが下がる。CrにおけるSDWの存在を始めて仮定したのはパデュー大学のAlbert Overhauserである。MITのクリフォード・シャルは、CrにおけるSDWを実験で観測したことで、1994年にノーベル物理学賞を受賞した。CDWの理論を初めて提案したのは、超伝導を説明しようとしていたオックスフォード大学のルドルフ・パイエルスである。 低次元の固体の多くはフェルミ面が異方的であり、顕著なネスティングベクトルを持っている。有名なものに、層状物質のNbSe3、TaSe3、K0.03MoO3(Chevrel相)や擬一次元有機導体のTMTSFやTTF-TCNQがある。CDWは固体の表面でも良く見られ、表面再構成や二量化などと呼ばれる。表面は二次元フェルミ面で描かれ、層状物質のようになっているので、CDWにとってしばしば都合が良い。 密度波の最も魅力的な性質は、そのダイナミクスである。適切な電場や磁場のもとでは、場の向いている方向に密度波が"スライド"する。電場や磁場の力によるものである。大抵は密度波のスライディングは直ちに起こらず、しきい電場を越えるまでは"ピン止め"されている。しきい値電場で、欠陥が作るポテンシャルから抜け出すことが出来る。したがって、密度波のヒステリシスのある動きは転位や磁区のものとは異なる。電荷密度波固体の電流電圧曲線は、ピン止め電圧までは非常に高い抵抗を示し、それより上ではオームの法則的な振る舞いを示す。ピン止め電圧は物質の純度に依存するが、この電圧以下では結晶は絶縁体である。.
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スピントロニクス
ピントロニクス(spintronics)とは、固体中の電子が持つ電荷とスピンの両方を工学的に利用、応用する分野のこと。 スピンとエレクトロニクス(電子工学)から生まれた造語である。マグネットエレクトロニクス(magnetoelectronics)とも呼ばれるが、スピントロニクスの呼称の方が一般的である。 これまでのエレクトロニクスではほとんどの場合電荷の自由度のみが利用されてきたが、この分野においてはそれだけでなくスピンの自由度も利用しこれまでのエレクトロニクスでは実現できなかった機能や性能を持つデバイスが実現されている。この分野における代表的な例としては1988年に発見された巨大磁気抵抗効果があり、現在ハードディスクドライブのヘッドに使われている。.
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スピン角運動量
ピン角運動量(スピンかくうんどうりょう、spin angular momentum)は、量子力学上の概念で、粒子が持つ固有の角運動量である。単にスピンとも呼ばれる。粒子の角運動量には、スピン以外にも粒子の回転運動に由来する角運動量である軌道角運動量が存在し、スピンと軌道角運動量の和を全角運動量と呼ぶ。ここでいう「粒子」は電子やクォークなどの素粒子であっても、ハドロンや原子核や原子など複数の素粒子から構成される複合粒子であってもよい。 「スピン」という名称はこの概念が粒子の「自転」のようなものだと捉えられたという歴史的理由によるものであるが、現在ではこのような解釈は正しいとは考えられていない。なぜなら、スピンは古典極限 において消滅する為、スピンの概念に対し、「自転」をはじめとした古典的な解釈を付け加えるのは全くの無意味だからであるランダウ=リフシッツ小教程。 量子力学の他の物理量と同様、スピン角運動量は演算子を用いて定義される。この演算子(スピン角運動量演算子)は、スピンの回転軸の方向に対応して定義され、 軸、 軸、 軸方向のスピン演算子をそれぞれ\hat_x,\hat_y,\hat_z と書き表す。これらの演算子の固有値(=これら演算子に対応するオブザーバブルを観測したときに得られる値)は整数もしくは半整数である値 を用いて、 と書き表せる。値 は、粒子のみに依存して決まり、スピン演算子の軸の方向には依存せずに決まる事が知られている。この を粒子のスピン量子数という。 スピン量子数が半整数 になる粒子をフェルミオン、整数 になる粒子をボゾンといい、両者の物理的性質は大きく異る(詳細はそれぞれの項目を参照)。2016年現在知られている範囲において、.
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金属
リウム の結晶。 リチウム。原子番号が一番小さな金属 金属(きんぞく、metal)とは、展性、塑性(延性)に富み機械工作が可能な、電気および熱の良導体であり、金属光沢という特有の光沢を持つ物質の総称である。水銀を例外として常温・常圧状態では透明ではない固体となり、液化状態でも良導体性と光沢性は維持される。 単体で金属の性質を持つ元素を「金属元素」と呼び、金属内部の原子同士は金属結合という陽イオンが自由電子を媒介とする金属結晶状態にある。周期表において、ホウ素、ケイ素、ヒ素、テルル、アスタチン(これらは半金属と呼ばれる)を結ぶ斜めの線より左に位置する元素が金属元素に当たる。異なる金属同士の混合物である合金、ある種の非金属を含む相でも金属様性質を示すものは金属に含まれる。.
RKKY相互作用
RKKY相互作用(RKKYそうごさよう)とは、金属中の伝導電子のスピンを介して行われる局在スピン同士の相互作用である。この相互作用を導出した4人の物理学者(M.A. Ruderman、C. Kittel、T. Kasuya、K. Yoshida)の頭文字から、RKKY相互作用と命名された。.
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