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アセタール

索引 アセタール

アセタール (acetal) は有機化合物のうち、R3−C(OR1)(OR2)−R4 で表されるエーテルの呼称で、アルデヒドもしくはケトンに酸触媒下でアルコールを縮合させると得られる。 かつてはアルデヒドから得られるものをアセタール、ケトンから得られるものをケタールと呼んで区別していたが、現在はいずれもアセタールと呼ぶことが推奨されている。 アルデヒド、ケトンのアセタール化反応は二段階の可逆反応であり、反応中間体としてヘミアセタール (R1−C(OR')(OH)−R2) が生成する。これは通常は不安定なので直ちに別のアルコールと反応しアセタールとなるか、脱アルコールして元のアルデヒド、ケトンに戻る。しかし強い電子求引性基を持つアルデヒドやケトンをアルコール溶媒に溶解した場合には、ヘミアセタールが安定に生成することがある。 アセタールはアルデヒドやケトンのような求電子性をあまり示さず、またアルコールのような求核性も示さない。そして温和な酸性条件で元のアルデヒドやケトン、ジオールへと戻すことができる。そのため、アルデヒド、ケトン、1,2- または 1,3-ジオールの保護基としてしばしば使用される。特に、ジオールとアセトンが縮合してできる環状アセタールのことをアセトニド (acetonide) と呼ぶ。 「アセタール」はアセトアルデヒドジエチルアセタール ((CH3CH2O)2CHCH3) の慣用名でもある。 アセタール構造を持つ重合体として、ポリアセタール(アセタール樹脂)がある。.

13 関係: 反応中間体保護基ポリアセタールヘミアセタールアルデヒドアルコールアセトンアセトニドエーテル (化学)ケトン重合体有機化合物有機電子論

反応中間体

反応中間体(はんのうちゅうかんたい)、略して中間体とは、化学反応の過程で、反応物(あるいは前段階の中間体)から反応によって生成し、またさらに反応して最終生成物を与える分子実体のことである。 ほとんどの化学反応は複数の素反応からなる多段階反応であり、(最終生成物が生成する最後の段階を除いた)それぞれの素反応の生成物が反応中間体である。 例えば、次のような架空の反応を考えてみる。 そして、この反応が次のような素反応からなっていたとする。 このとき、X*が反応中間体である。.

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保護基

有機合成において、反応性の高い官能基をその後の反応に於いて不活性な官能基に変換しておくことを「保護」といい、その官能基を保護基(ほごき)と言う。また、保護した官能基は必要な反応が終了した後、適当な反応を行うことで保護をはずす。このことを脱保護という。様々な条件で外れる保護基が開発されており、複雑な化合物の合成では保護基の選択や脱保護の順序などの戦略が成否を分けることも多い。また、保護を施すことで分子全体の反応性が変わることもある。 例えば、アルデヒドは求核付加反応に対して活性であるが、アルデヒドをアセタールにすることで保護し求核付加反応に対して不活性とすることができる。また、アセタールは酸性条件下で水との反応により脱保護され、元のアルデヒドへと戻すことができる。.

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ポリアセタール

ポリアセタール(polyacetal)またはポリオキシメチレン(polyoxymethylene)とは、オキシメチレン(oxymethylene、−CH2O−)構造を単位構造にもつポリマーであり、略号はPOMである。ホルムアルデヒドのみが重合したホモポリマー(パラホルムアルデヒド、n、均質重合体)と、約2モル% のオキシエチレン単位 (oxyethylene, −CH2CH2O&minus) を含むコポリマー(nm、共重合体)の双方の製品があり、両者ともポリアセタール、またはアセタール樹脂、あるいはポリアセタール樹脂と呼ばれる。 ホモポリマーは精製されたホルムアルデヒドより触媒存在下、アニオン重合により合成する。一方、コポリマーは1,3,5-トリオキサンとエチレンオキシドあるいは1,3-ジオキソランの混合物に、三フッ化ホウ素などのカチオン重合開始剤を添加した開環重合により合成する。 モノマーであるホルムアルデヒド、あるいは1,3,5-トリオキサンに水などの不純物(連鎖移動剤)が含まれていると、連鎖移動反応によりポリマー末端はオキシメタノール構造(−OCH2OH)となる。オキシメタノール構造は、融点以上になると末端からホルムアルデヒドが順次外れるアンジッピング反応(解重合)を引き起こしてしまう。ホモポリマーの場合は無水酢酸を用いたアセチル化などのエンドキャップ処理を施すことで、熱安定性が改善されている。また、コポリマーの場合は、融点以上で末端の不安定部 (nH) を解重合させて、安定な末端(−CH2CH2OH)で終わらせる処理が行われる。 近年では、モノマーであるホルムアルデヒド、あるいは1,3,5-トリオキサンから水などの不純物を取り除く、高度な精製技術が開発されている。ホモポリマーの場合には無水酢酸を連鎖移動剤としてホルムアルデヒドの重合を行うと、連鎖移動反応によりポリマー末端がアセチル基(−COCH3)でエンドキャップされた安定な重合体が得られる。また、コポリマーの場合はメチラール(CH3OCH2CH3)を連鎖移動剤として1,3,5-トリオキサンとコモノマーとの共重合を行うと、連鎖移動反応によりポリマー末端がメトキシ基(−OCH3)でエンドキャップされた安定な共重合体が得られる。 なお、オキシメチレン構造(−CH2O−)を繰り返し単位とする環状化合物には、3量体である1,3,5-トリオキサン、4量体である1,3,5,7-テトラオキサン、5量体である1,3,5,7,9-ペンタオキサンなどがある。また、ホルムアルデヒドの水溶液であるホルマリンを加熱し水を蒸発させた高濃度ホルマリンを固化させると、直鎖状の構造を持ったパラホルムアルデヒド(重合度8-100)が得られる。なお、一般にプラスチックとして使用されているポリアセタール樹脂(アセタール樹脂)の重合度は700-3,000程度である。 ポリアセタールは非晶部分と結晶部分が混在するために、強度、弾性率、耐衝撃性に優れたエンジニアリングプラスチックとして用いられる。また摺動特性に優れている為、軸受け部品としても利用されている。分子構造に酸素原子が多く含まれているため酸素指数は15であり、最も燃えやすいポリマーのひとつである。 市販されているポリアセタールの例として、セラニーズ社のCelcon® と Hostaform®、デュポン社のデルリン(ホモポリマー)と社のDURACON(ジュラコン、コポリマー)、旭化成のテナック(ホモポリマー、コポリマーおよびブロックコポリマー)、三菱ガス化学のユピタール(コポリマー)などが挙げられる。 ホモポリマーであるデルリンを成形機で扱う場合には特に注意が必要である。故障等によって機械が停止し、融点以上の温度に長時間さらされると、アンジッピング反応(解重合)が引き起こされる場合がある。 ポリアセタールは一般に乳白色であるが、カーボンブラック、各種顔料等を配合することで着色が行われる。また、これら着色剤を高濃度で配合したマスターバッチも入手可能であり、成形時に配合して使用される。 成形の前に、80-90 ℃で3-4時間の乾燥(脱水)が推奨されている。.

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ヘミアセタール

ヘミアセタールの一般構造 ヘミアセタール(Hemiacetal)は、一般式がR1R'1C(OH)OR2(R2≠H)で表される化合物である。アルデヒドとアルコールから形成するのがヘミアセタール、ケトンとアルコールから形成するのがヘミケタール(hemiketal)である。つまりR1またはR'1のどちらかが水素基のときはヘミアセタール、どちらも水素基でないときはヘミケタールと言われるが、近年ではヘミケタールの語の使用を避ける傾向にあり、両者をヘミアセタールと呼ぶことが推奨されている。 300px 300px.

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アルデヒド

最も単純なアルデヒド:ホルムアルデヒド アルデヒド (aldehyde) とは、分子内に、カルボニル炭素に水素原子が一つ置換した構造を有する有機化合物の総称である。カルボニル基とその炭素原子に結合した水素原子および任意の基(-R)から構成されるため、一般式は R-CHO で表される。任意の基(-R)を取り除いた部分をホルミル基(formyl group)、またはアルデヒド基という。アルデヒドとケトンとでは、前者は炭素骨格の終端となるが、ケトンは炭素骨格の中間点となる点で異なる。多くのアルデヒドは特有の臭気を持つ。.

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アルコール

アルコールの構造。炭素原子は他の炭素原子、または水素原子に結合する。 化学においてのアルコール(alcohol)とは、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基 (-OH) で置き換えた物質の総称である。芳香環の水素原子を置換したものはフェノール類と呼ばれ、アルコールと区別される。 最初に「アルコール」として認識された物質はエタノール(酒精)である。この歴史的経緯により、一般的には単に「アルコール」と言えば、エタノールを指す。.

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アセトン

142px アセトン (acetone) は有機溶媒として広く用いられる有機化合物で、もっとも単純な構造のケトンである。分子式 C3H6O、示性式 CH3COCH3、または、(CH3)2CO、IUPAC命名法では プロパン-2-オン (propan-2-one) と表される。両親媒性の無色の液体で、水、アルコール類、クロロホルム、エーテル類、ほとんどの油脂をよく溶かす。蒸気圧が20 ℃において24.7 kPaと高いことから、常温で高い揮発性を有し、強い引火性がある。ジメチルケトンとも表記される。.

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アセトニド

有機化学において、アセトニド(acetonide)は、ジオールにアセトンを縮合させ環状アセタールとした保護基である。この構造の系統名は、イソプロピリデンケタールである。1,2-および1,3-ジオールの一般的な保護基である。この保護基は希酸水溶液で容易に外すことができる。 副腎皮質ホルモンのアセトニドは親油性が高くなり皮膚へ良く浸透することから、薬学、皮膚科学において利用される。.

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エーテル (化学)

ーテルの一般構造式 エーテル(ether)は有機化合物の分類のひとつで、構造式を R−O−R'(R, R' はアルキル基、アリール基などの有機基、O は酸素原子)の形で表される化合物を指す。また、エーテルに含まれる −O− の部分をエーテル結合という。また、溶媒としてのジエチルエーテルを単にエーテルということも多い。ジエチルエーテルが発見された際に、その高い揮発性を「地上にあるべきではない物質が天に帰ろうとしている」と解釈されたことから、古来天界の物質として考えられていたエーテルの名を援用して名付けられた。 なお、高揮発性の低沸点石油留分が名称の由来と同一発想で「石油エーテル」と命名され、実務分野ではそのまま定着しているが、石油エーテルは炭化水素のみで構成され化学種のエーテルを含んでいない。.

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ケトン

アセトン ケトン (ketone) は R−C(.

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重合体

重合体(じゅうごうたい)またはポリマー(polymer)とは、複数のモノマー(単量体)が重合する(結合して鎖状や網状になる)ことによってできた化合物のこと。このため、一般的には高分子の有機化合物である。現在では、高分子と同義で用いられることが多くなっている。ポリマー(polymer)の poly- は接頭語で「たくさん」を意味する。 2種類以上の単量体からなる重合体のことを特に共重合体と言う。 身近なものとしては、繊維に用いられるナイロン、ポリ袋のポリエチレンなどの合成樹脂がある。また、生体内のタンパク質は、アミノ酸の重合体である。.

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有機化合物

有機化合物(ゆうきかごうぶつ、organic compound)は、炭素を含む化合物の大部分をさす『岩波 理化学辞典』岩波書店。炭素原子が共有結合で結びついた骨格を持ち、分子間力によって集まることで液体や固体となっているため、沸点・融点が低いものが多い。 下記の歴史的背景から、炭素を含む化合物であっても、一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸塩、青酸、シアン酸塩、チオシアン酸塩等の単純なものは例外的に無機化合物と分類し、有機化合物には含めない。例外は慣習的に決められたものであり『デジタル大辞泉』には、「炭素を含む化合物の総称。ただし、二酸化炭素・炭酸塩などの簡単な炭素化合物は習慣で無機化合物として扱うため含めない。」と書かれている。、現代では単なる「便宜上の区分」である。有機物質(ゆうきぶっしつ、organic substance『新英和大辞典』研究社)あるいは有機物(ゆうきぶつ、organic matter『新英和大辞典』研究社)とも呼ばれるあくまで別の単語であり、同一の概念ではない。。.

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有機電子論

有機電子論(ゆうきでんしろん、electronic theory of organic chemistry)とは化学結合の性質および反応機構を、電荷の静電相互作用と原子を構成する価電子とにより説明する理論である。有機化学の領域では単に電子論と呼ばれる。.

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