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ニューモシスチス・イロベチイ

索引 ニューモシスチス・イロベチイ

ニューモシスチス・イロベチイ (Pneumocystis jirovecii) はニューモシスチス属(プネウモキスチス属)に属する子嚢菌の一種である。ヒトにおけるニューモシスチス肺炎の起因菌であり、後天性免疫不全症候群 (HIV/AIDS) など免疫不全状態における日和見感染で広く知られるようになった。この菌の名前は、1952年にヒトでのニューモシスチス肺炎流行を報告したチェコの寄生虫学者、 (Otto Jírovec) に因むものである。イロベチイはその他の真菌症と異なり、一般的な抗真菌薬の多くが無効で、原虫症の治療に用いられるST合剤やアトバコン、ペンタミジンに感受性を持つ。 学名には P. jiroveci と P. jirovecii の2者が混在しているが、これはかつて原虫の一種と考えられており、国際動物命名規約が採用されていたためである。1909年にシャーガス病へ名を残すブラジルの微生物学者が発見した後、新種の原虫として同定され、1912年にイタリアの微生物学者の名前を取って「ニューモシスチス・カリニ」(Pneumocystis carinii) と命名された。その後、18S rRNAの解析などにより真菌であることが判明したほか、旧来「ニューモシスチス・カリニ」として知られてきた菌はラットを宿主とする別菌種だと分かり、現在の「ニューモシスチス・イロベチイ」へと改名された。現在の学名は、真菌であることから国際藻類・菌類・植物命名規約を採用した P. jirovecii とすることが一般的である。 学名の発音について、2002年には “yee row vet zee”(イロヴェツィ)、2017年にはとの論文が出されている。その日本語転記については多くが入り混じっているが、この記事では日本医真菌学会の表記に従い、「ニューモシスチス・イロベチイ」と表記する。.

6 関係: 原虫プネウモキスチスニューモシスチス肺炎タフリナ菌亜門ST合剤日和見感染

原虫

原虫(げんちゅう)とは、真核単細胞の微生物であって動物的なものを指す語。もともと原生動物と同義であったが、現在では寄生性で特に病原性のあるものについて言うことが多い。これは寄生虫学において単細胞の寄生虫を原虫として区分していることによる。また病理学方向からは、病原体の大部分は細菌類なので、そうでないものをこう呼ぶ。 すなわち、ある病気があって、その病原体を探したときに、発見された生物が単細胞生物的で、真核細胞であり、すなわち細菌類ではなく、菌糸のような構造を持たず、つまり菌類とは思われない場合に、これにこの名を付ける。基本的に運動性があればこの名を与える。 先進諸国では衛生状態が良いため、原虫による病気は過去のものとされているが、近年、日本国内においても水道水中からクリプトスポリジウムが発見されるなど、目に見えていないだけで汚染は深刻であるという意見もある。.

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プネウモキスチス

プネウモキスチス(ニューモシスティスとも) Pneumocystis はほ乳類の肺に寄生する生物。この属に分類されるイロベチイ (P. jirovecii) はニューモシスチス肺炎(旧・カリニ肺炎)の病原虫として知られる。かつては原虫と考えられていたが、近年になって極めて特異な子嚢菌類の一員であることが判明した。 この生物はほ乳類の細胞外寄生者である。不定形の小型アメーバ様の栄養体を持つ。世界的に広く分布し、宿主はヒトを始め、ネズミ(ラットとハツカネズミ(マウス))、フェレット、ウマ、ブタ、ウサギ、サルなどが含まれる。特にHIV感染者に見られる劇症性の肺炎の原因として有名である。この記事は、この生物の生物学的な面について記すため、この病気に関することはニューモシスチス肺炎を参照されたい。 なお、この病気をカリニ肺炎と呼ぶのはその病原虫を P. carinii としていたためである。ただしこれはラットのものであり、ヒトに寄生するものは現在では別種のニューモシスチス・イロベチイ P. jirovecii とされている。当初はこの属は単型とされたが、現在では宿主によって種が異なると見られている。ただし詳細は未解明である。.

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ニューモシスチス肺炎

ニューモシスチス肺炎(ニューモシスチスはいえん、Pneumocystis pneumonia、PCP)は、酵母様真菌であるニューモシスチス・イロベチイ (Pneumocystis jirovecii) によって引き起こされる肺炎である。正常な免疫能力を持つ場合発症することは希であり、化学療法やステロイド剤長期内服、後天性免疫不全症候群(AIDS)などによる免疫低下時に発症する、日和見感染症の一つである。以前はプネウモキスチス・カリニ(ニューモシスチス・カリニ Pneumocystis carinii)による肺炎とされ、「カリニ肺炎」と呼ばれた。しかし、ラットから見つかったニューモシスチス・カリニ(「カリニ」は病原体発見に貢献したにちなむ)と、ヒトで肺炎をおこすニューモシスチスは異なる種類であることが判明し、ヒトに病原性をもつニューモシスチスは、1952年にニューモシスチスが肺炎を起こすことを報告したチェコの寄生虫学者への献名である Pneumocystis jirovecii に命名し直され、これによる肺炎はニューモシスチス肺炎に名称変更された。なお略号はニューモシスチス・カリニ肺炎の時の略号のまま、PCPを用いる(Pneumocystis cariniii pneumoniaの略からPneumocystis pneumoniaの略となった)。 またニューモシスチス・イロベチイは以前原虫に分類されていたが、遺伝子解析の結果、真菌の一種(子嚢菌門タフリナ菌亜門)であると判明した。なお、現在でもニューモシスチスの体外での人為的増殖は実現しておらず、研究においてはラットに感染させることが必要である。治療をしないと致死的な疾患である。.

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タフリナ菌亜門

タフリナ菌亜門()は子嚢菌門に属する3亜門のうちの一つで、旧分類法でいう古生子嚢菌類()と事実上同義である。最近の分子系統学的研究ではこのグループは単系統で子嚢菌門の残りの基底に位置することが示唆されている。 形態的にはひどく多様で、共通する特徴は多くない。子嚢に造嚢糸が生じることはない。.

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ST合剤

ST合剤(STごうざい)とはサルファ剤であるサルファメソキサゾール(SMX or SMZ)とトリメトプリム(TMP)という抗菌薬を5対1の比率で配合した合剤である。作用機序としては葉酸の合成を阻害することであり、2種類の葉酸合成拮抗薬を用いることで相乗効果を得ている。腸内細菌の葉酸合成も阻害するので副作用に葉酸欠乏がある。.

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日和見感染

日和見感染(ひよりみかんせん、opportunistic infection)は、健康な動物では感染症を起こさないような病原体(弱毒微生物・非病原微生物・平素無害菌などと呼ばれる)が原因で発症する感染症である。.

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