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リネゾリド

索引 リネゾリド

リネゾリド (linezolid) は抗生物質の一種で、バンコマイシンに対する薬剤耐性を獲得したバンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin-resistant Enterococci, VRE)および黄色ブドウ球菌 (Vancomycin-resistant Staphylococcus aureus, VRSA) に有効な新薬として登場した。オキサゾリジノン系合成抗菌剤という新系統の抗生物質であり、約20年ぶり(欧米では35年ぶり)に開発された新しい系統の抗菌薬である。.

27 関係: バンコマイシンバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌バンコマイシン耐性腸球菌メチシリン耐性黄色ブドウ球菌ランダム化比較試験リボソームアメリカ合衆国アウトブレイクイギリスクリンダマイシンスペイン副作用疫学点滴静脈注射白血球菌血症血小板髄膜炎貧血黄色ブドウ球菌薬剤耐性肺炎腸球菌抗生物質根拠に基づく医療感染性心内膜炎2008年

バンコマイシン

バンコマイシン (Vancomycin、VCM) は、グリコペプチド系抗生物質のひとつ。 真正細菌の細胞壁合成酵素の基質であるD-アラニル-D-アラニンに結合して細胞壁合成酵素を阻害し、菌の増殖を阻止する働きがある。大部分のグラム陽性菌に殺菌作用をもち、腸球菌に対しては静菌作用がある。 ペニシリン等のβ-ラクタム系抗生物質とは作用機序が異なるため、ほとんどの抗生物質が効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) を殺菌できる。このため、過去には最強の抗生物質といわれたこともあった。塩酸バンコマイシンは内服してもほとんど吸収されることがないため、腸などの消化管内の静菌・殺菌に有効である。内服または点滴静注で使用される。点滴静注による急速投与が原因となり、Red neck (Red man) syndromeと呼ばれる皮膚合併症や血圧低下などを来たす場合がある。 腎毒性があるため、投与中は血中濃度を測定し、治療域に維持する投与量にすることが推奨される。腎機能の低下した患者に対する投与は注意が必要であり、薬物動態理論を用いた投与設計を行う。しかし、薬物動態理論を用いた投与設計を日常診療として行うには、感染制御専門薬剤師による助言が必要なことが多く、実際に投与開始時から行っている施設は少ない。一般の病院では、同系統で腎機能障害が軽いとされているテイコプラニン (TEIC) か別の系統であるリネゾリドを用いることになる。この場合には、バンコマイシン耐性の腸球菌に対しても有効なリネゾリドの使用頻度が高くなり、リネゾリド耐性菌が増加する可能性が懸念される。 1956年にイーライリリー・アンド・カンパニーが開発し、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の治療に用いられてきたが、1986年、イギリスとフランスでバンコマイシンに耐性のある腸球菌 (VRE) の存在が報告され、さらに病原性の高いバンコマイシン低度耐性黄色ブドウ球菌 (VISA) (1996年)とバンコマイシン耐性ブドウ球菌 (VRSA)(2002年)の存在が報告された。.

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バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(バンコマイシンたいせいおうしょくブドウきゅうきん、vancomycin-resistant Staphylococcus aureus, VRSA)とは、抗生物質バンコマイシンに対する薬剤耐性を獲得した黄色ブドウ球菌の意味であるが、実際に分離された株は全てメチシリンなど他の抗生物質に対する耐性も持つMRSAである。 によるVRSAの定義は、バンコマイシンに対するMIC値が16µg/mL以上であり、4と8µg/mLの株はVISA(バンコマイシン低度耐性黄色ブドウ球菌)である。この定義は2006年に改変されたものであり、2005年まではバンコマイシンのMIC値が32µg/mL以上をVRSA、16と8µg/mLをVISA(バンコマイシン低度耐性黄色ブドウ球菌)としていた。改変のポイントは、バンコマイシンのMIC値が4µg/mLの株を感受性菌として取り扱っていたことであり、臨床上は効かない株を感性菌として認識していた点である。日本におけるバンコマイシンのMIC値が4µg/mLのMRSA(バンコマイシン低度耐性黄色ブドウ球菌)は少なからず存在しており、これらに感染した患者にバンコマイシンが投与されていたことになる。 MRSAまたは通常の黄色ブドウ球菌が、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)からバンコマイシン耐性遺伝子を接触伝達で取り込んだ結果、バンコマイシンに耐性化した。2002年にアメリカのペンシルベニアとミシガンで各1株、2004年にニューヨークで1株、2005年にミシガンで2株の合計5株が確認されている。どの例も、アメリカのみからの検出であり、MRSAとVREが蔓延しており、両者の接触が可能な場所で発生したと考えられる。 VRSAもMRSAと同じく、通常の抵抗力を持つ健康な人には重篤な症状を起こすことは少ないが、抵抗力の低下した状態では重篤な感染を引き起こし、日和見感染や院内感染の原因菌となる。VRSAには、MRSAの治療に使われるバンコマイシンが効果をもたないため、出現以前から大きな脅威とされていた(ただし、最初に分離されたVRSAは、リネゾリド、ミノサイクリン、リファンピンなどの抗菌剤が有効とされている)。.

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バンコマイシン耐性腸球菌

バンコマイシン耐性腸球菌(バンコマイシンたいせいちょうきゅうきん、vancomycin-resistant Enterococcus、VRE)は、バンコマイシンに対する薬剤耐性を獲得した腸球菌(Enterococcus)のことである。人間に病原性を持つ腸球菌にはエンテロコッカス・フェカリス Enterococcus faecalisとエンテロコッカス・フェシウム Enterococcus faeciumがあり、フェシウムはもともとほとんどの抗生剤に耐性の菌種であるが、いずれもVREとして出現している。 そもそも、腸球菌とは人間や動物の腸内に存在する常在菌の一種であって、通常の健康体ではこの腸球菌が感染症を引き起こす原因となることはないが、何らかの病気にかかって免疫力が低下している状態では、心内膜炎や敗血症、尿路感染症などを引き起こす可能性がある。こうした場合の治療には、感染に対して有効な抗生物質が投与される。腸球菌はもともと多くの抗生剤に耐性があり、そのうえ免疫力の弱った患者にしか発症しないことから、VREではない腸球菌による感染であっても敗血症などを発症した場合の死亡率は17-51%に上る。 しかしながら、バンコマイシン耐性腸球菌は、バンコマイシンに対して既に耐性を獲得した腸球菌のことであるから、バンコマイシンの投与は無効であるか、もしくはその効果を期待することが困難である。バンコマイシン耐性腸球菌感染症はさらに重症な疾患と化している。.

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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(メチシリンたいせいおうしょくブドウきゅうきん、Methicillin-resistant 、MRSA)とは、抗生物質メチシリンに対する薬剤耐性を獲得した黄色ブドウ球菌の意味であるが、実際は多くの抗生物質に耐性を示す多剤耐性菌である。 なお、生物種としてはあくまで黄色ブドウ球菌であるので、生物学的な詳細は同記事を参照のこと。.

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ランダム化比較試験

ランダム化比較試験(ランダムかひかくしけん、RCT:Randomized Controlled Trial)とは、評価のバイアス(偏り)を避け、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法である。従って根拠に基づく医療において、このランダム化比較試験を複数集め解析したメタアナリシスに次ぐ、根拠の質の高い研究手法である。主に医療分野で用いられる。略称はRCTである。 改善度に関する主観的評価を避けるための尺度であるエンドポイント、効果の差を計測するための治療していない偽薬などを施した群、二重盲検法によって研究者がどちらが治療群かわからないようにし、治療群と対象群をランダムに割り当てるといった手法をとる。 初のランダム化比較試験は、1948年にイギリスにて実施された。アメリカでは1962年に、医薬品の承認において、適切で十分に制御された2回の試験にて有効性を示すことが必要となった。しかし、こうして行われたRCTでは、不十分な条件で試験されている場合もある。また承認までに行われたその2回以外の試験を結合すると、否定的な結果が示されることがある。.

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リボソーム

典型的な動物細胞の模式図: (1) 核小体(仁)、(2) 細胞核、(3) '''リボソーム'''、(4) 小胞、(5) 粗面小胞体、(6) ゴルジ体、(7) 微小管、(8) 滑面小胞体、(9) ミトコンドリア、(10) 液胞、(11) 細胞質基質、(12) リソソーム、(13) 中心体 リボソームまたはリボゾーム(; ライボソーム)は、あらゆる生物の細胞内に存在する構造であり、粗面小胞体 (rER) に付着している膜結合リボソームと細胞質中に存在する遊離リボソームがある。mRNAの遺伝情報を読み取ってタンパク質へと変換する機構である翻訳が行われる場である。大小2つのサブユニットから成り、これらはタンパク質(リボソームタンパク、ribosomal protein)とRNA(リボソームRNA、rRNA; ribosomal RNA)の複合体である。細胞小器官に分類される場合もある。2000年、X線構造解析により立体構造が決定された。.

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アメリカ合衆国

アメリカ合衆国(アメリカがっしゅうこく、)、通称アメリカ、米国(べいこく)は、50の州および連邦区から成る連邦共和国である。アメリカ本土の48州およびワシントンD.C.は、カナダとメキシコの間の北アメリカ中央に位置する。アラスカ州は北アメリカ北西部の角に位置し、東ではカナダと、西ではベーリング海峡をはさんでロシアと国境を接している。ハワイ州は中部太平洋における島嶼群である。同国は、太平洋およびカリブに5つの有人の海外領土および9つの無人の海外領土を有する。985万平方キロメートル (km2) の総面積は世界第3位または第4位、3億1千7百万人の人口は世界第3位である。同国は世界で最も民族的に多様かつ多文化な国の1つであり、これは多くの国からの大規模な移住の産物とされているAdams, J.Q.;Strother-Adams, Pearlie (2001).

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アウトブレイク

疫学(えきがく)において、アウトブレイク(outbreak)は、ある限定された領域の中で感染症にかかった人間、またはその他の生物の小集団を指す分類語である。そのような集団は村などの区域内に隔離されることが多い。また、アウトブレイクは、国家もしくはいくつかの国家を含んだ地域内で流行している伝染病、あるいは世界的な病気の流行を示すパンデミックのことも指す。.

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イギリス

レートブリテン及び北アイルランド連合王国(グレートブリテンおよびきたアイルランドれんごうおうこく、United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)、通称の一例としてイギリス、あるいは英国(えいこく)は、ヨーロッパ大陸の北西岸に位置するグレートブリテン島・アイルランド島北東部・その他多くの島々から成る同君連合型の主権国家である。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で構成されている。 また、イギリスの擬人化にジョン・ブル、ブリタニアがある。.

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クリンダマイシン

リンダマイシンは、リンコマイシン系の抗生物質。 商品名としては先発品にダラシン、ダラシン、ダラシンTゲル、ミドシンなどがある。.

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スペイン

ペイン王国(スペインおうこく、Reino de España)、通称スペインは、南ヨーロッパのイベリア半島に位置し、同半島の大部分を占める立憲君主制国家。西にポルトガル、南にイギリス領ジブラルタル、北東にフランス、アンドラと国境を接し、飛地のセウタ、メリリャではモロッコと陸上国境を接する。本土以外に、西地中海のバレアレス諸島や、大西洋のカナリア諸島、北アフリカのセウタとメリリャ、アルボラン海のアルボラン島を領有している。首都はマドリード。.

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副作用

副作用 (ふくさよう、side effect) とは、医薬品の使用に伴って生じた治療目的に沿わない作用全般を指す。狭義には、医薬品の使用に伴って発現した好ましくないできごとのうち当該医薬品との因果関係が否定できないものを指す。この好ましくない作用を厳密に指す場合には、薬物有害反応(adverse drug reaction、ADR)の用語が用いられる。一般に副作用といった場合には、両者が混合して用いられている。その他の定義については、定義節にて触れる。 特に副作用が強く、安全な使用に注意が必要とされる医薬品はハイリスク薬と呼ばれる。副作用の発生率は、実際の臨床では、服用量や併用薬や既往歴、また期間といった条件によって異なってくる。医薬品の添付文書における副作用の発生率の記載は、治験の条件においてのことであり、実際の利用のされ方によっては、それよりも高まる。.

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疫学

date.

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点滴静脈注射

点滴静脈注射(てんてきじょうみゃくちゅうしゃ、intravenous drip, DIV, IVD)とは、ボトルやバッグに入れて吊した薬剤を、静脈内に留置した注射針から少量ずつ(一滴ずつ)投与する方法で、経静脈投与(静脈注射、静注と略すことがある)の一種である。単に点滴とも称される。また、そのための医療機器である点滴装置も「点滴」と呼ばれることがある。輸液も参照のこと。.

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白血球

走査型電子顕微鏡写真。左から赤血球、血小板、白血球(リンパ球)色は画像処理でつけたもので、実際の色ではない 白血球(はっけっきゅう、あるいは)は、広義には生体防御に関わる免疫担当細胞を指す。しかしながら、血液に含まれる細胞成分や、骨髄系前駆細胞から分化する免疫担当細胞(好中球をはじめとした顆粒球、単球、樹状細胞などを含み、リンパ球を含まない)、さらには狭義には好中球を単独で表すこともある例えば白血球増加症は実質的には好中球増加症である。ため、文脈により何を指すか全く異なる場合があることに留意する必要がある。一般にはリンパ球、顆粒球、単球の総称とされるため、本項は主に血液に含まれ、一般的な検査で検出される細胞成分の一つという定義に基づいている。この細胞成分は外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などを役割とする造血幹細胞由来の細胞である。 血液検査などではWBCと表されることが多い。 大きさは6から30µm(マクロファージはそれ以上)。数は、男女差はなく、正常血液1 µLあたり、3500から9500個程度である。.

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菌血症

感染症と全身性炎症反応症候群(SIRS)と敗血症の関係 菌血症(きんけつしょう、英: bacteremiaあるいはbacteraemia)とは、本来無菌であるはずの血液中に細菌が認められる状態を指し、通常血液培養によって証明される。敗血症と混同されることが多いが、敗血症は「感染を原因として全身性に炎症が起きている状態」と定義される。一方菌血症は「細菌が血液中に存在すること」を指し、両者はオーバーラップする概念だが別概念である。.

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血小板

500倍の顕微鏡画像。血小板は赤血球の間に見える小さい青い粒。 左から赤血球、血小板、白血球 血小板(けっしょうばん、platelet または thrombocyte)は、血液に含まれる細胞成分の一種である。血栓の形成に中心的な役割を果たし、血管壁が損傷した時に集合してその傷口をふさぎ(血小板凝集)浅野茂隆・池田康夫・内山卓ほか監修『三輪血液病学 第3版』文光堂、2006年、383頁、止血する作用を持つ。.

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髄膜炎

膜炎(ずいまくえん)とは、髄膜(脳および脊髄を覆う保護膜)に炎症が生じた状態である。脳膜炎、脳脊髄膜炎ともいう。炎症はウイルスや細菌をはじめとする微生物感染に起因し、薬品が原因となることもある。髄膜炎は炎症部位と脳や脊髄との近接度合いによっては生命の危険があるため、救急疾患に分類される。.

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貧血

貧血(ひんけつ)とは血液が薄くなった状態である。医学的には、血液(末梢血)中のヘモグロビン(Hb)濃度、赤血球数、赤血球容積率(Ht)が減少し基準値未満になった状態として定義されるが浅野『三輪血液病学』p952、一般にはヘモグロビン濃度が基準値を下回った場合に貧血とされる小川『内科学書』 p64。 医療業界では、アネミー、アネミ、アニーミア(Anemia)ということもある。.

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黄色ブドウ球菌

色ブドウ球菌(グラム染色) 黄色ブドウ球菌(おうしょくブドウきゅうきん、Staphylococcus aureus)とは、ヒトや動物の皮膚、消化管(腸)常在菌(腸内細菌)であるブドウ球菌の一つ。 ヒトの膿瘍等の様々な表皮感染症や食中毒、また肺炎、髄膜炎、敗血症等致死的となるような感染症の起因菌でもある。学名はStaphylococcus aureus (スタフィロコッカス・アウレウス)。属名Staphylococcus のStaphylo-は「ブドウの房状の」、coccus は「球菌」の意であり、種小名aureus は「黄金色の」を意味する(金の元素記号や、オーロラなどと同じ語源)。.

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薬剤耐性

薬剤耐性(やくざいたいせい、drug resistance)、あるいは単に耐性とは、生物が自分に対して何らかの作用を持った薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かない、あるいは効きにくくなる現象のこと。薬剤抵抗性、薬物耐性とも呼ばれる。 医学、薬理学、微生物学の分野では、特に細菌やウイルスなどの病原性微生物やがん細胞などが、それらの病原体による疾患を治療する抗生物質や抗癌剤など(化学療法剤)の薬剤に対して抵抗力を持ち、これらの薬剤が効かない、あるいは効きにくくなることを指し、この場合「薬剤耐性」という語が用いられることがもっとも多い。 農学の分野では、殺虫剤に対する病害虫の耐性や、除草剤に対する植物の耐性が扱われることが多く、「薬剤抵抗性」「薬剤耐性」の用語が用いられる。この内容については、薬剤抵抗性を参照のこと。微生物や昆虫の薬剤耐性獲得は変異と選択による進化の最も身近な例の1つである。 医学、薬理学の分野で扱われる、他の疾患に対する治療薬や麻薬などの向精神薬を反復投与することで、ヒトや動物に対する効力が低下していく現象を指す「耐性」(drug tolerance)については、耐性 (薬理学)を参照のこと。 なお、特定の薬剤を与えることによりのみ生物の増殖を認めるものを「薬剤依存性」(薬剤要求性)と呼ぶ。.

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肺炎

肺炎(はいえん、Pneumonia)とは、肺の炎症性疾患の総称である。 ある種の肺炎はワクチンによって予防可能である。他の方法には、手洗い、禁煙などがある。治療法はその原因によって異なり、細菌性のものであれば抗生物質が用いられる。重症の場合は一般的に入院となる。酸素レベルが低い場合は酸素吸入を行う。 肺炎は世界で年間4.5億人(人口の7%)が発症しており、うち400万人が死亡している。肺炎は19世紀にはウイリアム・オスラーに「男性死因の代表格」として描かれていたが、20世紀には抗生物質とワクチンの普及により生存率は改善された。しかしながら途上国では、現在も主要な死因の一つとされ、高齢者と若年者において代表的な慢性疾患である。しばしば肺炎は、死に近づいている者の象徴として描かれており「老人の友」と呼ばれている。.

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腸球菌

腸球菌(ちょうきゅうきん)とは、主にヒトを含む哺乳類の腸管内に存在する常在菌のうち、球菌の形態をとるものを指す。 外界で増殖しにくく、人畜の糞尿で汚染されていない限り、環境中の水や土壌にはほとんど分布していない。また、大腸菌よりも加熱や冷凍に対する耐性が強く、大腸菌群同様に汚染指標として、食品衛生法の清涼飲料水(ミネラルウォーター)基準などに用いられている。.

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抗生物質

抗生物質(こうせいぶっしつ、antibiotics)とは「微生物が産生し、ほかの微生物の発育を阻害する物質」と定義される。広義には、「微生物が産生」したものを化学修飾したり人工的に合成された抗菌剤、腫瘍細胞のような「ほかの微生物」以外の細胞の増殖や機能を阻害する物質を含めることもある生化学辞典第2版、p.471【抗生物質】。通俗的に抗ウイルス薬と混同されることもあるが誤りである。 アレクサンダー・フレミングが1928年にアオカビから見付けたペニシリンが世界初の抗生物質である。ペニシリンの発見から実用化までの間には10年もの歳月を要したものの、いったん実用化されたのちはストレプトマイシンなどの抗生物質を用いた抗菌薬が次々と開発され、人類の医療に革命をもたらした。ペニシリンの開発は20世紀でもっとも偉大な発見のひとつで「奇跡の薬」と呼ばれることがあるのも、このことによる。 1990年頃には、天然由来の抗生物質は5,000〜6,000種類があると言われ、約70種類(微量成分を含めると約100種類)が実用に使われている。この他にも半合成抗生物質も80種が利用されている。 しかし乱用が指摘されており、抗生物質処方の50%以上は不適切であるとOECDは報告している。WHOやCDCはガイドラインを作成し、適切な利用を呼び掛けている。厚生労働省も2017年ガイドライン第1版を公開した。薬剤耐性菌を生む問題があり、感染症でもないのに使用することは戒められる。.

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根拠に基づく医療

根拠に基づく医療(こんきょにもとづくいりょう、evidence-based medicine, EBM)とは、「良心的に、明確に、分別を持って、最新最良の医学知見を用いる」("conscientious, explicit, and judicious use of current best evidence") 医療のあり方をさす 。エビデンスに基づく医療とも呼ぶ。 治療効果・副作用・予後の臨床結果に基づき医療を行うというもので、専門誌や学会で公表された過去の臨床結果や論文などを広く検索し、時には新たに臨床研究を行うことにより、なるべく客観的な疫学的観察や統計学による治療結果の比較に根拠を求めながら、患者とも共に方針を決めることを心がける。.

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感染性心内膜炎

感染性心内膜炎(Infective endocarditis)は、心臓の内側に細菌が感染し、これによる心臓弁の穿孔等の炎症性破壊と菌血症を起こす疾患。「亜急性細菌性心内膜炎:Subacute Bacterial Endocarditis:SBE」などとも呼ばれていたが、細菌以外(真菌などの微生物)も原因となるので、この名となった。.

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2008年

この項目では、国際的な視点に基づいた2008年について記載する。.

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